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賢者の数字

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私、いわゆるセイバー厨ってやつでして。

…っていうと訳わかんないし、
なんなら(Fateシリーズの)“セイバーが好きな人”と
ともすると取られかねませんが…

私は、“セイバーメトリクス”というものが好きです。

セイバーメトリクスを端的に申し上げると、
“野球統計”ないし、その統計で得られた数字を実際の戦術に活かすことだったり。

一番代表的なものは、その打者の打力を端的に示す
OPS(出塁率[On Base %]+長打率[Slugge %])という指標でしょうか。
最近ではWARやらなんやら、とにかく、
“その選手がどれだけ勝ちに貢献したか”を、
野球というゲームの上で、精緻に数値化した形で示せるようになっていたりして、
ことMLBにおいては特に、野球と数字はもはや
切っては切れない競技となりつつあります。

そうした“数値化”はもはや野球に限らず到るスポーツで行われており、
アメリカンフットボールやサッカー、バスケットボールなどでも、
数字を見ながら中継が行われるのは、概ね当たり前の光景となっているように思います。

また、格闘技、特にUFCなんかでもその傾向は顕著で、
打撃の“有効打数”や“タックル成功率”や“ディフェンス成功率”が
試合中、試合後に示され、最終的な判定に対する参考となったり、
ときに物議を醸し出す材料として使われたりしています。

数字は“知恵”であり“根拠”であり“力”。

…で、あってほしい、というのが、
“セイバー厨”を名乗る、データ好き、数字好きのイチ野球ファンであり、
スポーツファンであり…
色々と見方の偏ったイチ変態の意見です。



さて。



私がここで文章にするとなると、話題にするのはプロレスになります。

こと、プロレスにおいて“数字”って、
実は結構馴染みのないもののような気がしてなりません。

プロレスの試合を他人と語るときに、
“あの選手の技成功率は…”とか、
“あの技フォール奪取率が…”とか、
あまり(TAKAみちのくのヘビーキラーぐらいでしか)話題に出ている気がしなくて、
試合時間や勝点など…なんていうか…
“説得の根拠になりにくい数値”ぐらいでしか、
数字の話題をすることはない気がします。


そんなプロレス界にあって、割とシビアにそうした“数字”の話を
してくれる選手に、最近思い当たります。

ということで、藤田ミノル選手について。



フリーの選手として現在活躍の場を多岐に広げている“場末のミスタープロレス”藤田ミノル選手。

そんな藤田選手と“数字”がどのように繋がるかとお思いになるかも知れません。

ただ、ココ最近見ていたプロレスの中で、
明確に“数字”を意識して興行、試合に臨んでいた…
と感じることがいくつかありましたので、
そのあたりの話を書き留めておきたいなと思い、
この稿を立ち上げてみました。



発端としては、やはり、昨年12月。
満を持して行われたガンバレ☆プロレス後楽園大会。

本来ならば“外敵”であり、この興行を後押しする立場にない藤田ミノル選手ですが、
あるカードを指して、このようなタグをつけてツイートしていたことを
記憶しています。

“自分で切符売れ”
“なんだこのザマは”

大家健と今成夢人が引退をかけた
二年前の後楽園大会では満員となった動員は、
かなりの苦戦を強いられた売れ行きの末、
“このザマ”を晒してもなお、700名超という“数字”に留まることになりました。

この時のマイクは、未だにその声色も頭に染み付いてる。

「ガンバレ☆プロレス、大家健、そして俺の2年間が、この程度だったってことだ。」

試合に勝利したのは藤田ミノル。

であるにも関わらず、マイクの中で、
自分を最も“下げる”形で言葉を紡ぎ、

前回の後楽園ホール大会より観客が減っていることをストレートに指摘しつつ、
この光景を「頑張りきれなかったから」と表現したのは、
おそらく誰よりも目の前の“結果”を重視していたからなのでは…
と、個人的には今ならそのように解釈するところです。

後に、この後楽園ホールで「人生を投影する試合」をしようと思い、
「できなかった」と語るのを聞いた、今なら。



4月24日。

ゴールデンウィークを間近に控えた水道橋チャンピオンにて、
藤田ミノル選手による“決起集会”が行われました。

「チャンピオン」そして「決起集会」ともなれば、
ガンバレ☆プロレスを見てきたところからすれば
センサーに引っかかるところで、
普段水道橋に勤務していて何故かその日休みをとっていた、
にも関わらず、喜び勇んでチャンピオンに直行し、
決起を起こす本人よりも早く会場に着くという事態を引き起こしたりして、
妙に逸る気持ちでこの会に臨みました。

参加者は7名。

平日に唐突に決まり“ノープラン”で行われたこの会の参加者数を、
どう考えるかは客観的立場の方にお任せいたします。
ただ、この少人数の、一見すれば怪しい集まりにも関わらず、
橋本宗洋記者が取材にいらしていたことについては
記しておきたいと思います。


後輩であり、“デスマッチのカリスマ”である葛西純との一騎打ちに臨むに当たり、
集まった参加者に5年前の一騎打ちを放映した上で、
試合への意気込みを語り、また、橋本記者の取材に応じる中で、
「FREEDOMS、もっといけるんじゃないかと思うことがあって」
というような話をされていました。

その部分が気になった私は、ちょうど話題が途切れたところで
僭越ながら「具体的にどのような面で“いける”と思ったのか」を
お伺いいたしました。

てっきり、選手の魅力などの“内容”についての話が出ると思って聞いた質問の、
回答は実にシンプルで、現実的で…
考えようによっては、残酷でした。

「具体的には、先月の後楽園の客入りとか。」



5.2後楽園大会。



後楽園の西側に“ブクロ”の集団を形成した藤田ミノルは、
激闘、死闘…形容も難しい、人生を賭するような戦いの末、
王者・葛西純に敗れました。


主催者発表で985人。

前回後楽園の客入りを上回ったものの、会場後方の空席を指差した藤田ミノルは、

「今日来てくれたお客さん、ありがとう。
でもな…俺の求めるものは、こんなもんじゃねえんだよっ!!」

頑張って働きかけて、後楽園の席の多くを埋めた事実より、
埋めきれなかったことを悔いた藤田ミノルは、この事実を指して、自身を
「何者でもない」と断定し、
慟哭のように叫びを残しました。

「Thank you so much,
aaaand, F※ck you !」





試合後のコメントで、この日の後楽園よりも
集客に優った団体を“お嬢ちゃんのプロレス団体”と揶揄しながら、
その動員を上回れなかったことを「心底悔しい」と語った藤田ミノル。

さて。

この時の心情について須山浩継記者が記事にされた際、
どうしても読みたかったのです。
“お嬢ちゃんのプロレス団体”も同じくプロレスとしてたのしんでいる身として、
どのような語り口だったのかについては、
やはり確かめておきたいところでした。
が。
週プロモバイルはキャリア決済対応で、
我がハーウェイスマホでは読むことができず…

苦悶しているところ、なんと心苦しくもフォロワーさんが
読ませてくれたのでした。
※補填になるかわからないけどその後週プロを買ったので許してほしい。

なので、このブログは実はその時期に書き始めてます。
公開は今になりましたけども。

記事の内容をみて、あまり前のことですが、
揶揄した団体を否定するものではなかったことに安堵しました。
と、ともに。
そこに見つけた、というか、
見つけたかった言葉が、二つ。

「動員で負けたらプロとして負け」
「現実と向かい合って行かなきゃいけない」



数字とは「根拠」であり「力」だと申し上げました。
そしてその大小は、力の差を示す現実でもあります。

藤田ミノル選手にとって、その動員という現実こそが、プロレスラーとしての、指標。
リングでSNSで怪しく立ち回りながら、
それでも目指すところは(まず)「たくさんのお客さんを入れること」。

決して、藤田ミノル選手が「数字にうるさい」という話ではありません。
現に、モー闘の収支は赤字っぽいし、グッズが売れに売れても、
サービスが良すぎてどうにも収益が上がるようには見えないし。

ただ、たくさんの観客にプロレスを届ける、ということについては、
終始こだわりのようなものを感じていて、
例えば、BASARAで行われた宴闘2019でも
「たくさんのお客さんに来ていただいてありがとうございます」
と挨拶していたり、
一方で2AWの初代王者決定トーナメントでは、
興行の集客について唯一言及し、またその責任すらも引き受けるような
態度を示していたり。

フリーという立場でありながら、
いや、であるからこそ、
かもしれませんが、自身が参戦する興行の、団体の集客を、
誰よりも気にしている。

誰よりも「現実」を見据えてる。
そして、誰よりも「現実」と戦っているプロレスラー。

それが、藤田ミノルという選手の、一つの側面なんだと勝手ながら思ってます。



さて。



この話を綴り始めたのがゴールデンウイークくらいだったので、
今このタイミングでまとめることに些かの無理があります。

ただそれでもこのタイミングで無理矢理まとめようと思ったのは、
藤田ミノルvs勝村周一朗という、
ガンバレ☆プロレスの…ある意味では裏で…生まれた、
一つの物語を、皆さんにお伝えしたいから。



それならそっちの話でまとめろという
ご意見がもしあるとするならば、
ごもっともです。

ただ、正直その話を僕がどうにかこうにか綴るよりも、
勝村周一朗選手のツイッターを見ていただいたほうが、
あまりにも雄弁です。

なので、その物語の担い手の一人である、藤田ミノル選手の“側面”を
思ったままに綴ったことで、
少しでも。

二人の物語が多くの人の目に触れ、
より豊かな現実に繋がりますように。

みんな

きてね

言葉の射程(お誕生日ポエム)

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どうもカレーです。

33歳になりましたので、
総務省統計等の政府見解による“若者”の区分として
残すところあと2年となりました。

そんなことは一切関係なく、例年通りお誕生日ポエムです。



基本的にここ二、三年は、何かを嗤ったり、下げたり、
蔑んだり、貶めたりしない…ようになってるといいな…と思いながら、
できる限り自分の心情に沿ってツイートもブログも打っていて、
たまに積もり積もった恨み辛みは別として、
もし、どうしても反論したかったりそれは違うんじゃないかと思ったり、
なんとなく心が弱って器から感情が溢れそうなときは一言“ポイズン”、
と呟くようにしてます。

そういった負の感情だけではないにしろ、
やっぱり自分の中の器…感情の器…的なものから
何かが溢れかえりそうなとき、
その受け皿として、長ったらしい文章を綴り、
自分の心情を落ち着けるとともに、
その心情はどこまで届くのか試したい…
知らせたい、届けたい、あるいは、焚き付けたい、
等と思うときに、内容を晒したりします。

お誕生日ポエムについては、そうした出来事由来ではなく、
なんとなく普段から抱えている心情を自分語りという迷惑なかたちで文章にしたりするのですが、
上の方に書いたなんとなくのルールは、心情としてはできる限り守りたい。
できてなかったら、ごめんなさい。



少し上に記したような、
“言葉をどこまで届けることができるか”ということについては、
まああまり自分の言葉に遡及力があるとは思わないので置いとくとして。

言葉の指し示す範囲の話です。
というか、実に端的に。
できるだけ使わないようにしている言葉が二つあります。

1つは、“推し”。

もう1つは、“エモい”。



…先に断っておけば、この2つの言葉が嫌いとか、
使ってはいけないとか、そういう話をしたい訳ではなくて。

果たして、自分にその言葉が当てはまるのかどうか、
かねてから違和感があって、使えていない、というお話。



やたらめったらプロレスを観に行っている私ですが…
あえてそのまま使うなら、私は“何推し”に見えるでしょうか?

そも“推し”という概念そのものは、
おそらくはアイドル文化から始まり、
誰かを強く応援することと、その後に“選挙”文化が結びつき…
誰かを、あるいは何かを熱烈に応援することについて、
“推し”概念が定着したものと(雑に)推察します。

“推し”概念には(あくまで個人的な解釈ですが)、
相互性も含まれているように思います。
“推される”人はただただひたすらに“尊く”自らのパフォーマンスを披露し、磨き、提供する一方で、
“推す”側は(選挙文化との結びつきもあるとは思いますが)、
その“尊さ”を受け取りつつ、対価として、その活動をサポートする。
言い換えれば、“互助”なのかもしれません。



…めんどくさい話が過ぎました。
話をちょっと戻します。

果たして私は“誰推し”に見えるでしょうか。



過剰に好きな選手は、います。
しかも、たくさんいます。

でも多分目に見えてわかりやすいのは、
・中島翔子
・里歩
・藤田ミノル
・真琴
(敬称略)
……辺りなのかとは個人的には思います。

でもあくまで、多分第三者から見た場合にそう見えるような気がする、
というだけで、
“推し”と自称できるほどではおそらくないような気もします。
ともすれば、ちゃんと“推し”てる人に対して、
おこがましい感じもしないでもない。

なんで“推し”概念が個人的にフィットしないのだろう、と、
考えたことがあったりなかったりですが、
まず一つには、前述の“相互性”が…なんだろう…
強いて言うならば、得意ではない。
口下手というかコミュがアレというか、
選手は“あちら側”の人なので、ド緊張するので…
みたいな話は前したことがありますね。
まあ、それ。

あともう一つ個人的にフィットしないと思っているのは、
“推し”という概念が含んでいる、個別性。

必ずしもそうではないとは思いますし、
概念は使う人によってもちろん示す範囲は変わるとは思いますが、
にしてもなんとなく、一人あたり、“推し”は一人だったり、
“2推し”という概念があったりして、
少なくとも言葉として指し示す範囲は、
“個”であるように思います。

…まためんどくさい話になりましたね。

“個”として、選手は、プロレスラーは素晴らしい。
でも多分、ボクが一番みたいのは、その素晴らしいプロレスラーたちが、
“誰か”に向ける感情。
そして、その感情が紡いでいく、物語。
誰かと誰か、二人(以上)の関係性があって成り立つ、物語。

例えば先に挙げた選手で言えば、
中島翔子とは坂崎ユカの、
里歩とは真琴との、
藤田ミノルは大家健との、
それぞれの物語が、生き様が、リングに示される感情があったから、
目が離せないでいる。

そしてそれぞれの選手たちが、また別の選手と向かい合うとき、
一体どんな感情で向き合い、どんな物語を紡いでくれるのだろう…
ということを見届けたいがために、
観戦数が増え、見たい選手が増え、見届けたい物語が、増えていく。

そしてまた、許されるならば、全部見たい。

…が、ために、“推し”概念がなんとなく、
自分で使うことに抵抗感とか躊躇いがある、という話でした。

うん。

ただ、強欲なだけですね。



“エモい”がなんとなく使いにくい理由は、
ボクの興味の中心が(今のところ)感情にあるから。
それが、何による、どのような感情なのか、その意味を、
(本人の確認や同意なく)推察したい、読みたい、見たい、見届けたい。

様々な背景があって、様々な感情が生まれるその状況を、
一言で片付けてしまうことが…
まあ、単純に、“もったいない”と思ってしまうという、
趣味嗜好、性格、性癖、性質故です。

で、自分の中の“エモい”が溢れ出た瞬間、
その“もったいない”を閉じ込めるために、
こうして自身の“エモい”感情が何故なのかを、
まとめたり、まとめなかったり。
自分から溢れ出た“エモい”の受け皿として、
このブログがあったりもします。



…最近正直、あまりこのブログを更新しない(ですむ)方が、
安寧に過ごせる人生であるようにも思います。

何故ならば、溢れ出た感情から綴られた文章は、
多くの場合、別れを示す内容のものだったり、
目にした“物語”に対して消化しきれない感情故だったりするため。

書きたくない、は嘘になります。

ただ、書く機会が多くない方が…平和にプロレスが見れる状況にはある。
でも、そんな状況が果たしてプロレスラーにとって幸せなのか…
ということも考えたりし始めると、考えは止むことはありません。

とにかく今ボクがやりたいことは、
あいも変わらず、こんな感じです。

あとはもうなんか文章をちゃんと結論づけて
ひとまとめにするのがめんどくさくなってきたので、
上に名前を挙げてない“過剰に応援しているプロレスラー”の写真を
勝手に貼りまくって華やかに自分の誕生日を飾ろうと思います。




























…ああ、もっと挙げたい。
片っ端から挙げたい。
もう無数のプロレスラーが、自身の望むところに辿り着いて欲しい報われてほしい。


みんなみんな

幸せになりやがれ

観戦メモ2019:8月

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8月終了。
26興行。
バカ。 

そして8月の末日にプロレス見るために深夜バス乗っていて、
見終わったら深夜バスで帰って、仕事してまたプロレスみるという。

是非もないよね。





《ベストバウト候補》
1.2 我闘雲舞 市ヶ谷 “黒天使”沼澤邪鬼vsアントーニオ本多vs帯広さやか
1.3 DDT 後楽園 島谷常寛vsエル・リンダマン
1.4 東京女子 後楽園 坂崎ユカ&瑞希vs里歩&中島翔子
1.5 東京女子 北沢 坂崎ユカ&瑞希vsミリー・マッケンジー&渡辺未詩
1.6 ガンプロ 北沢 石井慧介vs勝村周一朗
1.22 我闘雲舞 新木場 笹村あやめvs駿河メイ
1.22 我闘雲舞 新木場 高梨将弘vsGENTARO
1.22 我闘雲舞 新木場 里歩vsコマンド・ボリショイ
2.6 DDT 新木場 HARASHIMA&坂口征夫vs大石真翔&梅田公太
2.16 マッスル 両国 ペドロ高石vs青木真也
2.16 マッスル 両国 アントーニオ本多vsDJニラ
2.21 ガンプロ 新木場 石井慧介vs藤田ミノル
2.28 大日本 後楽園 竹田誠志vs佐久田俊行
3.15 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs駿河メイ
3.22 我闘雲舞 新木場 世志琥vs駿河メイ
3.26 YMZ 新木場 朱崇花vs阿部史典
3.30 東京女子 新木場 中島翔子vsぴぴぴぴぴなの
3.31 東京女子 スターレーン 山下実優vs坂崎ユカ
3.31 DDT スターレーン 勝俣瞬馬vs朱崇花
3.31 DDT スターレーン 佐々木大輔&遠藤哲哉vs大石真翔&旭志織
3.31 DDT スターレーン 竹下幸之介vs黒潮イケメン二郎
4.14 ガンプロ 王子 石井慧介vs今成夢人
4.14 ぽちゃじょ 王子 今成夢人vsまなせゆうな
4.14 石井慧介プロデュース 王子 石井慧介&岩崎孝樹vs勝村周一朗&藤田ミノル
4.15 color's 新木場 山下りなvs茉莉
4.16 センダイガールズ 後楽園 里村明衣子vs sareee
4.16 センダイガールズ 後楽園 橋本千紘vsジョーディン・グレース
4.17 酒呑童子 新宿 HARASHIMA&KUDOvsMIKAMI&タノムサク鳥羽
4.17 酒呑童子 新宿 高梨将弘vs坂口征夫
4.27 我闘雲舞 板橋 水森由菜vs瑞希
4.27 我闘雲舞 板橋 里歩vs高梨将弘
4.29 くいしんぼう仮面興行 新宿 ビリーケン・キッド&ツバサvsSUGI&政宗vsアルティメットスパイダーJr&タコヤキーダー
4.29 くいしんぼう仮面興行 新宿 くいしんぼう仮面の魂&スペル・デルフィン&ペロvs丸山敦&菅沼修&ミラクルマン
5.2 FREEDOMS 後楽園 新井健一郎vs“brother”YASSHI
5.2 FREEDOMS 後楽園 GENTAROvs竹田誠志
5.2 FREEDOMS 後楽園 葛西純vs藤田ミノル
5.6 ガンプロ 板橋 田中将斗vs今成夢人
5.6 我闘雲舞 市ヶ谷 さくらえみvs駿河メイ
5.12 OZアカデミー 新宿 アジャ・コング&AKINOvsLeon&倉垣翼
5.19 DDT 後楽園 高木三四郎vsMAOvs吉村直巳vs上野勇希
5.19 DDT 後楽園 竹下幸之介vs高尾蒼馬
5.29 BASARA 新木場 藤田ミノルvs阿部史典
5.30 我闘雲舞 市ヶ谷 里歩&さくらえみvsアントーニオ本多&駿河メイ
6.2 ガンプロ 新木場BumB 石井慧介&岩崎孝樹vs入江茂弘&渡瀬瑞基
6.4 我闘雲舞 新木場 SAKI&水森由菜vs紺乃美鶴&サワディー仮面
6.4 我闘雲舞 新木場 里歩vs駿河メイ
6.8 ハードヒット 新木場 松本崇寿vs岡田剛史
6.16 WAVE 25Dスタジオ 水波綾vs優宇
6.17 チェリー15周年 新木場 チェリーvs高梨マサ子
6.20 リアルジャパン 後楽園 関本大介vsタカ・クノウ
6.21 ロリマンプロレス 藤田ミノルvs影山道雄
6.22 東京女子 新木場 中島翔子vs瑞希
6.23 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs紺乃美鶴
6.28 WWE 両国 セス・ロリンズvs中邑真輔
6.29 WWE 両国 リコシェvsセザーロ
7.2 我闘雲舞 新宿 駿河メイvs梅咲遥
7.2 我闘雲舞 新宿 紺乃美鶴vs志田光
7.2 我闘雲舞 新宿 里歩vsさくらえみ
7.3 FREEDOMS 後楽園 葛西純vs杉浦透
7.4 YMZ 西新井 佐藤光留vs山下りな
7.7 BASARA 両国KFC 風戸大智vsベストストレッチマンV3(パーフェクト)
7.7 BASARA 両国KFC 木高イサミvs藤田ミノル
7.12 Ωナイト 新宿 KAZMA SAKAMOTOvs梶トマト
7.14 我闘雲舞 市ヶ谷 高梨将弘vsバリヤンアッキ
7.15 DDT 大田区 彰人vs朱崇花
7.15 DDT 大田区 クリス・ブルックス&高梨将弘vsMAO&マイク・ベイリー
7.15 DDT 大田区 遠藤哲哉vs竹下幸之介
7.17 ガンプロ 新木場 勝村周一朗vs大和ヒロシ
7.29 DDT ビアガーデン 彰人vs翔太
8.4 東京女子 鶴見 坂崎ユカ&瑞希vs天満のどか&白川未奈
8.10 ガンプロ 板橋 勝村周一朗vs藤田ミノル
8.11 ガンプロ 板橋 勝村周一朗vs岡田剛
8.20 ぽっちゃり女子プロレス 新木場 マナ・コナーvsポチャミネーターP-800
8.20 ぽっちゃり女子プロレス 新木場 竹下幸之介vs今成夢人
8.22 GCW ジョーイ・ジャネラ&インビジブルマンvs菊タロー&インビジブルスタン
8.23 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs紺乃美鶴
8.25 東京女子 後楽園 坂崎ユカvsシュー・ヤン
8.25 DDT 後楽園 青木真也vs大石真翔
8.25 DDT 後楽園 竹下幸之介&坂口征夫&高木三四郎&アントーニオ本多vs男色ディーノ&スーパー・ササダンゴ・マシン&MAO&サンティーノ・マレラ
8.30 DDT 新木場 サンティーノ・マレラvsアントーニオ本多



季節柄もあってか、お祭りテイストな試合がたくさんありましたが、
一方で季節も何も関係なく、面白いものは面白いということも
同時に味わう夏的なサマー。

というわけで、早速そのお祭りですが、
マジラビは、特に、坂崎ユカは、クレイジーである。















いやー、こんな無法がよく認められたな…
と感心するばかりのハチャメチャな試合展開。
炸裂音を鳴らしまくるねずみ花火をホイホイリングに放り込み続ける
坂崎ユカの笑顔の恐怖が刻みつけられた夏。



ガンプロで行われたのは、一つの物語の結実と、
大きな大きな、“卒業”。















2017年11月の新木場。
その日の出来事をキッカケにして、ひっそりと袂を分かった、
藤田ミノルとガンバレ☆プロレス、そして、
ガンプロに残った勝村周一朗。

その出来事の顛末について考え始めるととめどないので
ここで切り上げると致しまして、
巡り巡って二人がこうして、“心残り”を清算する、“ケジメ”の試合。

今のガンバレ☆プロレスは面白いです。
殆どの試合を誰にも臆面なく勧めることができます。
でも、誤解を恐れずに言えば、今のガンバレ☆プロレスは限りなく“普通”。

それは今成夢人の“僕たち強くなってもいいですか!?”の宣言が
一つのキッカケかもしれないし、そうでないかもしないし。

ここも語り始めると長くなるので割愛します。

ただ、ガンバレ☆プロレスの流れの中で生まれた
一つの…ある意味では、とても大きな…物語の終わり。
一つの、転換点。

…ああ!

この試合語り始めると終わらないポイントが多すぎる!

えーとえーと

楽しかったです。
UNIVERSEでみれます。
みてね



そんな大一番を乗り越えた勝村周一朗が、
翌日のタイトルマッチで見せた試合がこれまた凄かった。





前日に“俺はガンバレ☆プロレスの勝村周一朗だ”と、
一つの踏ん切りを見せた勝村周一朗、その挑戦者は、
“戦慄のアームロッカー”岡田剛史。

もちろん二人の試合はハードヒットスタイルというか総合的というか、
二人の呼吸によるプロレスとなったわけですが、
岡田剛史が鮮やかにアームロックを決めた、と思った瞬間、
上になり、技をかけていたはずの岡田剛史が、まさかのタップアウトで、
勝村周一朗が防衛を果たしました。

「凄かったでしょ?…何が起きたかわからなかったでしょ?」

決まり手はのちに“クロサワスペシャル”と明かされました。
呆気にとられた観客、いや、会場にいた全員を手玉に取った、
勝村周一朗の、凄み。

…そしてその数日後に岡田剛史はZSTの試合で、
喰らったクロサワスペシャルを早速習得して一本勝ち。

何このレスラーたち。カッコ良すぎるんだけれども。



衝撃的な第2回大会となったぽっちゃり女子プロレス、
“エース”まなせゆうながマナ・コナーとして臨んだ試合は、
新木場という環境もあって、映像…
いや、ナノマシンによる通信も混じえた、大変トリッキー、
かつ、ドラマチック、かつ、ダイナミックな熱い試合。











ぽちゃじょ旗揚げ戦であれだけ人間をさらけ出すメインイベントを務めた
まなせゆうなが、何故第2試合で、何故マナ・コナーなのか…
という疑問が、試合を通じて全て解けて、納得し、
かつ、心揺さぶられる試合。

マナ・コナーも素晴らしければ、
決して手緩くないマナ・コナー…まなせゆうなの攻撃を、
顔色をかえることもなく“サイボーグ”として受けきった、
ポチャミネーターP-800も素晴らしかった。
続編、期待大。







ぽっちゃり女子プロレスとは何なのか。
2回目となる今回興行で、言葉で明示はできないけれど、
もしかしたら、今成夢人の戦いを通じて、
なんとなく理解できたような気がしています。

















対戦相手に向き合うと同時に、
己の人生と向き合い、試合を通じて共通のテーマを紐解き…
紡いでいく、戦うドキュメンタリー。

今成夢人にしか作れない…いや、
今成夢人だからこそ、作れる世界。
今成夢人だからこそできる、プロレス。



GCWは仕事の都合がついた初日だけ観戦しました。
怪しさと妖しさと狂しさと、それでいて、
なんか心底日本のプロレスへの敬意も感じる大会。

そんな中、やっぱり強烈だったのは、ジョーイ・ジャネラとInvisible Man。















“見えないものを撮る”という、実に禅問答のような行為を
ひたすら続けた自分を褒めてあげたい。

そして、“CRAZY”には、本当に色々なカタチがあるな、
ということを思い知らされました。



翌日も、GCWの裏でデスマッチでした。
私が大好きな、アントーニオ本多vs紺乃美鶴による、
“お絵描きデスマッチ” in 市ヶ谷。









これまでは2カウントフォールを奪った選手が絵を描き、
用意された回答者(ないしレフェリー)に答えさせ、
正解に導いたポイントを競うルールでしたが、
第3回となる今回は、レフェリーが描いた絵を答える、
という、挑戦的なルール変更がありました。

これが功を奏してか、これまで2度、苦杯を喫していたアントーニオ本多が、
ポイント1-4で大勝。

予想外の絵の応酬、今後の展開も大いに楽しみです。








《最優秀興行》
1.7 Fight Club Pro 後楽園
1.20 AWGカラーズ 新木場
1.22 我闘雲舞 新木場
2.6 DDT 新木場
2.16 マッスル 両国
3.9 モーニング闘争2019 スポルティーバ
3.19 琉球ドラゴン 新木場
3.26 YMZ 新木場
3.31 DDT 博多スターレーン
4.14 ぽちゃじょ 王子
4.16 センダイガールズ 後楽園
4.17 酒呑童子 新宿
4.27 我闘雲舞 板橋
4.29 くいしんぼう仮面興行 新宿
(5.25 AEW Double or Nothing)
6.8 ハードヒット 新木場
6.17 チェリー15周年興行 新木場
7.2 我闘雲舞 新宿
7.24 BASARA 宴闘2019 新木場
8.20 ぽちゃじょ 新木場



もうこの部門、おいそれとは名前を挙げられないほどに
ハードルが上がりに上がってます。
にも関わらず、
ぽっちゃり女子プロレスはあの想定外の感動を呼んだ旗揚げ戦から、
さらにその、上をいってきた。超えてきた。











もはやなんと表現していいかわからない、
プロレスという形で示される、ドキュメンタリー。
そこに、職業人・今成夢人の武器である“映像”が加わったことで、
この空間はより劇的にそれぞれの生が際立つものとなりました。

…今現在、7興行が同率1位くらいの感覚。
ここに9月は、玄武會、高梨将弘自主興行という超強力な候補がいるわけで。

どうなってしまうのか。



《新人賞》
猫はるな
水森由菜
愛野ユキ
白川未奈
梅咲遥
舞海魅星 new
鷲田周平 new

“また女子か”と思われるかもしれませんが、
また女子です。

佐山聡の秘蔵っ子という恐るべき背景を引っさげてデビューした、
“東北ストロング魂”舞海魅星選手。



練習生期間が短く、しかも後楽園デビューという破格の待遇で、
まさかの東女のリングに佐山タイガー登場という中々の衝撃をもたらした
魅星選手ですが、デビュー戦のインパクトもかなりのもの。

憧れの選手にオカダ・カズチカを挙げていて、
デビュー戦から憧れの選手と同じフォームでドロップキックを放つ様に
とても好感を持ちました。



選手のタイプとしては対戦した大怪獣いわく“優宇さんっぽい”。
当たりが強く、パワーがあって、攻撃にメリハリがあります。

この間の後楽園でも見せたレフトハンドのラリアットは、
とてもインパクトのある一撃でした。



ということでデビューから3か月で、
ここに名前を挙げるに至りました。



もう一人名前を挙げたいのが、
“ガンプロ生え抜き新人2号”鷲田周平。



昨年、星野真央元選手に続くガンプロ生え抜き第2号、
男子では初の生え抜き選手としてデビューを果たしましたが、
その後半年ほど腰の負傷で欠場し、12月の後楽園大会で復帰となったので、
デビューから1年半ほど経ちますが、実働はまだ1年弱ぐらい。

デビュー当時から長身から放たれるミドルキックに威力がありましたが、
組まれると脆さも見られていました。
しかし、なんか石井慧介と岩崎孝樹がガンプロ所属となって、
なんとなく二人の影響をモロに受けたように、
試合ぶりがみるみる荒々しく、かつ、時に歯止めが効かないほどの
気合を全面に出すようになっていきました。

ガンプロ、ベストボディジャパン、ヒートアップなど、
まだ活動範囲はそれほど広くはないですが、
あからさまにグングン強くなってる。

8.11ガンプロ板橋大会では見事に初勝利を挙げており、
もうなんか、期待しかない。






《ベストタッグ》
坂崎ユカ&瑞希
里歩&中島翔子
SAKI&水森由菜
りんごとハチミツ
ドロップアウトローズ
チーム200kg



どう見ても、強い。





《最優秀団体》
1位は、決めました。

ぽっちゃり女子プロレス

ガンプロ
我闘雲舞
BASARA
AEW

とかに投票したい。



《プロレスを伝えたでしょう》
舞台「Fate/ Grand Order」(赤井沙希出演)
レスラーズグラフィカ3



《ベストモーメント》
7.17 ガンプロ 新木場 秘密
7.24 BASARA 新木場 “X”アントーニオ本多
8.10 ガンプロ 板橋 この支配からの卒業
8.25 DDT コブラvsごんぎつね

私へのサプライズは概ね藤田ミノルとアントーニオ本多で構成されてます




《MVP》
里歩
藤田ミノル
佐久田俊行
石井慧介
アントーニオ本多 new!



例年、アントーニオ本多の名前を何かしらの形で挙げてる気がしますが、
今年はいくらなんでも話題に富みすぎてる。



私の中ではこの5人で凄まじい接戦です。
次に明確な何かを手にした誰かが、MVP。




※独断と偏見による月間MVP
1月 里歩
2月 大石真翔
3月 藤田ミノル
4月 石井慧介
5月 駿河メイ
6月 瑞希
7月 彰人
8月 坂崎ユカ、勝村周一朗



8月戦った試合が概ねイカれていた
坂崎ユカが個人的な月間MVP。











8.4鶴見青果市場というDDTグループにおけるシオンの丘とか漢中とかに
類するような、
いわば“聖地”でトチ狂った試合を展開して
会場に火薬臭を充満させたり、
8.12ファンクラブ興行ではセミ(蝉)を片手に暴れまわり、
8.25後楽園では、シュー・ヤン相手にほぼほぼリングで受身をとらない
恐ろしい試合を戦い抜きました。

東京女子というか、女子プロレス界にあって、
坂崎ユカと辰巳リカの狂気はかなり抜きん出てるので、
アントーニオ本多とのタッグも超楽しかったです。



勝村さんについては言わずもがな、
ガンプロ2連戦の2試合が最高だった。



個人的には藤田ミノルの“卒業”を見届けた翌日の、
誰もを置き去りにしたクロサワスペシャルがやっぱり圧巻。

あれだけ目の肥えた(ともすれば、ちょっとスレた)観客の誰もが、
結末に理解の追いつかないという…
そんな“勝村周一朗にしかできないプロレス”を、
ケジメをつけた翌日にスッと引き出しを開ける様に、
もう、ただただ脱帽です。
カッコよかった。








観戦メモ2019:9月

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9月終了。
きっと18興行。

週末東京にいたのが14〜16だけという
謎のスケジュールの中で
月の前半に11興行固め観戦、
出張先でもプロレスを見るという徹底ぶり。
最優先で見たいものは見れなかったりもしましたが、
それはそれで発見のある月でした。

ちなみにこの日程感は、まだまだ続く。




《ベストバウト候補》
1.2 我闘雲舞 市ヶ谷 “黒天使”沼澤邪鬼vsアントーニオ本多vs帯広さやか
1.3 DDT 後楽園 島谷常寛vsエル・リンダマン
1.4 東京女子 後楽園 坂崎ユカ&瑞希vs里歩&中島翔子
1.5 東京女子 北沢 坂崎ユカ&瑞希vsミリー・マッケンジー&渡辺未詩
1.6 ガンプロ 北沢 石井慧介vs勝村周一朗
1.22 我闘雲舞 新木場 笹村あやめvs駿河メイ
1.22 我闘雲舞 新木場 高梨将弘vsGENTARO
1.22 我闘雲舞 新木場 里歩vsコマンド・ボリショイ
2.6 DDT 新木場 HARASHIMA&坂口征夫vs大石真翔&梅田公太
2.16 マッスル 両国 ペドロ高石vs青木真也
2.16 マッスル 両国 アントーニオ本多vsDJニラ
2.21 ガンプロ 新木場 石井慧介vs藤田ミノル
2.28 大日本 後楽園 竹田誠志vs佐久田俊行
3.15 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs駿河メイ
3.22 我闘雲舞 新木場 世志琥vs駿河メイ
3.26 YMZ 新木場 朱崇花vs阿部史典
3.30 東京女子 新木場 中島翔子vsぴぴぴぴぴなの
3.31 東京女子 スターレーン 山下実優vs坂崎ユカ
3.31 DDT スターレーン 勝俣瞬馬vs朱崇花
3.31 DDT スターレーン 佐々木大輔&遠藤哲哉vs大石真翔&旭志織
3.31 DDT スターレーン 竹下幸之介vs黒潮イケメン二郎
4.14 ガンプロ 王子 石井慧介vs今成夢人
4.14 ぽちゃじょ 王子 今成夢人vsまなせゆうな
4.14 石井慧介プロデュース 王子 石井慧介&岩崎孝樹vs勝村周一朗&藤田ミノル
4.15 color's 新木場 山下りなvs茉莉
4.16 センダイガールズ 後楽園 里村明衣子vs sareee
4.16 センダイガールズ 後楽園 橋本千紘vsジョーディン・グレース
4.17 酒呑童子 新宿 HARASHIMA&KUDOvsMIKAMI&タノムサク鳥羽
4.17 酒呑童子 新宿 高梨将弘vs坂口征夫
4.27 我闘雲舞 板橋 水森由菜vs瑞希
4.27 我闘雲舞 板橋 里歩vs高梨将弘
4.29 くいしんぼう仮面興行 新宿 ビリーケン・キッド&ツバサvsSUGI&政宗vsアルティメットスパイダーJr&タコヤキーダー
4.29 くいしんぼう仮面興行 新宿 くいしんぼう仮面の魂&スペル・デルフィン&ペロvs丸山敦&菅沼修&ミラクルマン
5.2 FREEDOMS 後楽園 新井健一郎vs“brother”YASSHI
5.2 FREEDOMS 後楽園 GENTAROvs竹田誠志
5.2 FREEDOMS 後楽園 葛西純vs藤田ミノル
5.6 ガンプロ 板橋 田中将斗vs今成夢人
5.6 我闘雲舞 市ヶ谷 さくらえみvs駿河メイ
5.12 OZアカデミー 新宿 アジャ・コング&AKINOvsLeon&倉垣翼
5.19 DDT 後楽園 高木三四郎vsMAOvs吉村直巳vs上野勇希
5.19 DDT 後楽園 竹下幸之介vs高尾蒼馬
5.29 BASARA 新木場 藤田ミノルvs阿部史典
5.30 我闘雲舞 市ヶ谷 里歩&さくらえみvsアントーニオ本多&駿河メイ
6.2 ガンプロ 新木場BumB 石井慧介&岩崎孝樹vs入江茂弘&渡瀬瑞基
6.4 我闘雲舞 新木場 SAKI&水森由菜vs紺乃美鶴&サワディー仮面
6.4 我闘雲舞 新木場 里歩vs駿河メイ
6.8 ハードヒット 新木場 松本崇寿vs岡田剛史
6.16 WAVE 25Dスタジオ 水波綾vs優宇
6.17 チェリー15周年 新木場 チェリーvs高梨マサ子
6.20 リアルジャパン 後楽園 関本大介vsタカ・クノウ
6.21 ロリマンプロレス 藤田ミノルvs影山道雄
6.22 東京女子 新木場 中島翔子vs瑞希
6.23 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs紺乃美鶴
6.28 WWE 両国 セス・ロリンズvs中邑真輔
6.29 WWE 両国 リコシェvsセザーロ
7.2 我闘雲舞 新宿 駿河メイvs梅咲遥
7.2 我闘雲舞 新宿 紺乃美鶴vs志田光
7.2 我闘雲舞 新宿 里歩vsさくらえみ
7.3 FREEDOMS 後楽園 葛西純vs杉浦透
7.4 YMZ 西新井 佐藤光留vs山下りな
7.7 BASARA 両国KFC 風戸大智vsベストストレッチマンV3(パーフェクト)
7.7 BASARA 両国KFC 木高イサミvs藤田ミノル
7.12 Ωナイト 新宿 KAZMA SAKAMOTOvs梶トマト
7.14 我闘雲舞 市ヶ谷 高梨将弘vsバリヤンアッキ
7.15 DDT 大田区 彰人vs朱崇花
7.15 DDT 大田区 クリス・ブルックス&高梨将弘vsMAO&マイク・ベイリー
7.15 DDT 大田区 遠藤哲哉vs竹下幸之介
7.17 ガンプロ 新木場 勝村周一朗vs大和ヒロシ
7.29 DDT ビアガーデン 彰人vs翔太
8.4 東京女子 鶴見 坂崎ユカ&瑞希vs天満のどか&白川未奈
8.10 ガンプロ 板橋 勝村周一朗vs藤田ミノル
8.11 ガンプロ 板橋 勝村周一朗vs岡田剛史
8.20 ぽっちゃり女子プロレス 新木場 マナ・コナーvsポチャミネーターP-800
8.20 ぽっちゃり女子プロレス 新木場 竹下幸之介vs今成夢人
8.22 GCW ジョーイ・ジャネラ&インビジブルマンvs菊タロー&インビジブルスタン
8.23 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs紺乃美鶴
8.25 東京女子 後楽園 坂崎ユカvsシュー・ヤン
8.25 DDT 後楽園 青木真也vs大石真翔
8.25 DDT 後楽園 竹下幸之介&坂口征夫&高木三四郎&アントーニオ本多vs男色ディーノ&スーパー・ササダンゴ・マシン&MAO&サンティーノ・マレラ
8.30 DDT 新木場 サンティーノ・マレラvsアントーニオ本多
9.1 東京女子 大阪 中島翔子vs瑞希
9.10 我闘雲舞 新木場 翔太vs山田太郎
9.10 我闘雲舞 新木場 さくらえみvs志田光
9.10 我闘雲舞 新木場 SAKI&水森由菜vs米山香織&駿河メイ
9.12 OWE 新宿 ワンジン&T-Cool&スコーピオ2Xvs吉岡世起&コクマ・ブル&チーターチェン
9.15 高梨将弘主催興行 両国KFC 両国式タッグガントレットマッチ
9.15 東京女子 両国KFC 山下実優vs舞海魅星
9.25 東京愚連隊 新宿 AKIRAvs藤田ミノル
9.29 大日本 名古屋 岡林裕二&入江茂弘vs橋本大地&神谷英慶



色んな団体に行けば行くほど、
面白いと思うことは増えていく。

9月はまず、東京女子プロレス夏の大一番から。













プリンセスオブプリンセス王者・中島翔子と、
東京プリンセスカップ覇者・瑞希。
今夏ともに勢いのあった両者だけに、勝敗が読めない大変心臓の痛い試合。

瑞希がぶっこ抜きキューティースペシャルや前方回転バッククラッカーで
凄みを見せれば、
中島翔子も余りにも徹底した首攻めを展開し、
フィニッシュまで目の離せない試合。

“好きなスタイルがたぶん似てる”という、
戦うたびにさらに面白くなる二人の攻防は、何度でもみたい。



大体いつも面白い我闘雲舞のリングの大会で、
見ようによっては大変地味に思われるカードがまず、お見事でした。







翔太vs山田太郎という良く言えばユーティリティ、大変器用でありながら、
一方では“器用貧乏”とも言われてしまったりもするところもありますが、
試合もまあ、なんといいますか、びっくりするほどクラシカルで。

会場に野次を言いたがる人がいてなんか野次を飛ばしてましたが、
それを完全無視してのじっくりとしたレスリング。

大きな受け身をとったのも、バックボディドロップ、モンキーフリップ、
デッドリードライブ、またはブレーンバスター。
もう、見事なまでの徹底ぶりに感服。



「3年に1回くらいしか本気出さないじゃないですか!?」

という志田光の言葉がとても象徴的だった、
渡米前最後の師弟による一騎討ち。











この試合で思い知ったのは、さくらえみという選手は、
コンディションはどうあれ、いざというときはいざというときなりに、
“3年に1度”かはさておいて、いつでも“本気”を出せるだけ、
懐が、深い。
あまりにも。



メインのタッグマッチは、
“駿河米”米山香織&駿河メイの持ち前のスピードも去ることながら、
王者組“トロピカワイルド”SAKI&水森由菜のコンビネーションと
勝負どころでの畳み掛けが素晴らしかった。















最後のダイヤル固め&スーパーガールのアイデアは
もう、ひたすらに脱帽。
フィニッシュの瞬間思わず驚きの声を上げました。



あと水森由菜選手、これまでスーパーガールを仕損じたことが一度もないのが凄い。



9.12はかねてより見てみたかったOWE。
セミ、メインともに素晴らしかったのですが、
とりわけ、見たこともないようなものを見せられた印象のあった、
セミの試合をここに上げてみました。

ちなみにカードは当日の入場で発表だったので、
吉岡世起以外の選手の名前があっているかどうかは
ちょっと自信ない。


[スコーピオ2X。サソリのポーズ。ちょっとFUMAっぽい。]


[ワンジン]


[(たぶん)コクマ・ブル。ジェフ・コブっぽい技を使ってて驚いた。]






[ワンジン&T-Coolがタッグを組んでるようで、抜群のインパクト]

もちろんキャリアは浅いので手前の方のカードでは
まだぎこちない面が見えることもありますが、
このセミはむしろ、新しいもの、新しいプロレスのスタイルを
見せられたくらいの感覚になりました。
また是非みたい。
あと、ちゃんと名前覚えたい。



高梨将弘興行は、スタートから終了までもう、抜群の満足感。
そして試合としては、実質的に8試合分の組み合わせがあった、
両国式ガントレットタッグマッチが、もう、最高。





[私は一体この囚われの里歩さんの写真を何(百)枚撮ったんだろう]



















どこを切り取っても“好き”だらけで、
どこを切り取っても面白かった。



東京女子の9.15両国KFC大会は、
シングルマッチが5試合という物凄く攻めたカード構成でしたが、
どのシングルマッチもとても見応えがありました。

とりわけ“凄い”と思わされたのは、
舞海魅星の、グラップリング。





デビュー戦からかなりやれる選手であることを示している、
“虎の子”は、この日山下実優を相手にグラウンドで対等にやり合い…
というか、ともするとポジションをとっていた時間としては
上回っている部分もあり、見事なたたかいぶりを披露。







左のラリアットを叩き込むなど奮戦した末、
最後はラリアットを蹴り落とした山下実優の回し蹴りで壮絶に散った舞海魅星。
しかし、試合を終えた山下実優からは拍手を贈られ、
見てる側の印象にもバキッと刻み込まれました。

いや、素晴らしかった。


9.25は物凄く迷ったのですが、最終的に東京愚連隊興行に足を運びました。いやー、行ってよかった。




















ここまで藤田ミノル選手が自身の“憧れ”みたいなものを顕にして試合に臨むのを初めて見た気がします。




本当に、とてもいいものをみた。




《最優秀興行》
1.7 Fight Club Pro 後楽園
1.20 AWGカラーズ 新木場
1.22 我闘雲舞 新木場
2.6 DDT 新木場
2.16 マッスル 両国
3.9 モーニング闘争2019 スポルティーバ
3.19 琉球ドラゴン 新木場
3.26 YMZ 新木場
3.31 DDT 博多スターレーン
4.14 ぽちゃじょ 王子
4.16 センダイガールズ 後楽園
4.17 酒呑童子 新宿
4.27 我闘雲舞 板橋
4.29 くいしんぼう仮面興行 新宿
(5.25 AEW Double or Nothing)
6.8 ハードヒット 新木場
6.17 チェリー15周年興行 新木場
7.2 我闘雲舞 新宿
7.24 BASARA 宴闘2019 新木場
8.20 ぽちゃじょ 新木場
9.8 九州プロレス 玄武會主催興行 西鉄ホール
9.15 高梨将弘主催興行 両国KFC








《新人賞》
猫はるな
水森由菜
愛野ユキ
白川未奈
梅咲遥
舞海魅星
鷲田周平
兵頭彰 new!



もはや新人という括りで見るのは失礼なのかもしれませんが、
とにかく厚みがあり、熱があり、勢いのあるヤングBJWの中で、
とりわけ意外性に富んでいるのが、兵頭彰。





あたりの強さは加藤拓歩が一歩上回り、
デスマッチ戦線には石川祐希が参戦したりとありますが、
兵頭彰は…なんだろうな…
なんというか試合を通じて耐えず驚きを提供してくれると言いますか。
とにかく“おおっ!?”とさせられる機会の多い選手。

最侠タッグリーグでも白星には恵まれませんが、
日本の団体で最もタッグが充実している(と個人的に思う)
大日本プロレスにあって、加藤拓歩とのタッグで、
まるで名前負けしない堂々たる戦いぶりを披露。
今後がますます持って楽しみな一人。







《ベストタッグ》
坂崎ユカ&瑞希
里歩&中島翔子
SAKI&水森由菜
りんごとハチミツ
ドロップアウトローズ
チーム200kg
混ぜるな危険



危険にも程がありますわ。






《最優秀団体》
1位は、決めました。

ぽっちゃり女子プロレス

ガンプロ
我闘雲舞
BASARA
AEW

とかに投票したい。

あと、OWEは完全に候補に加わりました。

そして団体ではないけれど、

藤田プロレススクール

という選択肢が現れ始めた恐怖。





《プロレスを伝えたでしょう》
舞台「Fate/ Grand Order」(赤井沙希出演)
レスラーズグラフィカ3
新根室プロレス



《ベストモーメント》
7.17 ガンプロ 新木場 秘密
7.24 BASARA 新木場 “X”アントーニオ本多
8.10 ガンプロ 板橋 この支配からの卒業
8.25 DDT コブラvsごんぎつね
9.16 東京女子 両国KFC まなせゆうなと万喜なつみ



この一戦に懸ける両者の想いがこれだけ伝わる試合にあって、
こんなにも…二人の思い通りにいかないことが起こってしまった。
決して幸運な出来事なんかではないし、
喜ばしい出来事ではない。
それでも目の前にある紛れもない現実に、
心震わされた。

この場面が切り取られることは、
両選手にとって喜ばしいことではないかもしれないし、
思い出したくないことなのかもしれない。

それでも、あまりにも“劇的”で。
そしてそれは、“悲劇”であり、現実で。
だからこそ見届けたい、この先の未来もあって。

これを“ベスト”という言葉で並べるのは、適切ではないとは思います。
一方で、色んな感情と、罪悪感とを同時に抱いた、
忘れがたい場面であったことは揺るぎなく。
プロレスを見るということについて
たくさんのことを考えさせられた瞬間でした。




《MVP》
里歩
藤田ミノル
佐久田俊行
石井慧介
アントーニオ本多








※独断と偏見による月間MVP
1月 里歩
2月 大石真翔
3月 藤田ミノル
4月 石井慧介
5月 駿河メイ
6月 瑞希
7月 彰人
8月 坂崎ユカ、勝村周一朗
9月 まなせゆうな



今年…というか昨年下半期あたりからの活躍ぶりが
実に顕著なまなせゆうな。

個人的にはぽちゃじょの興行としてのインパクトがあまりにも強い訳ですが、
その勢いもあってかどうかはさておいて、
試合の充実ぶりはさらに増していて。

9.16に迎えたタイトルマッチについては、
様々に捉えようのあるところがあるでしょうが、
結果から言って初めてのベルトを手にできたのは、
紛れもなくプロレスが充実していたからだと思います。

一つのこの結果を手に、どんな王者像をこれから築き上げていくのか。
そして、どう挑戦者と向き合っていくのか。



ぽちゃじょ第三回興行含め、まなせゆうな選手のプロレスが楽しみ。

観戦メモ2019:10月

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10月終了。
おそらく16興行。

あいも変わらず何故か週末東京にいる機会が少なくて、月の前半に5興行くらいの私としては少なめの観戦機会となりそこそこにストレスを抱えていましたが、月の後半の興行群が爆発的に面白かったので、むしろ仕事の記憶がない。



《ベストバウト候補》
1.2 我闘雲舞 市ヶ谷 “黒天使”沼澤邪鬼vsアントーニオ本多vs帯広さやか
1.3 DDT 後楽園 島谷常寛vsエル・リンダマン
1.4 東京女子 後楽園 坂崎ユカ&瑞希vs里歩&中島翔子
1.5 東京女子 北沢 坂崎ユカ&瑞希vsミリー・マッケンジー&渡辺未詩
1.6 ガンプロ 北沢 石井慧介vs勝村周一朗
1.22 我闘雲舞 新木場 笹村あやめvs駿河メイ
1.22 我闘雲舞 新木場 高梨将弘vsGENTARO
1.22 我闘雲舞 新木場 里歩vsコマンド・ボリショイ
2.6 DDT 新木場 HARASHIMA&坂口征夫vs大石真翔&梅田公太
2.16 マッスル 両国 ペドロ高石vs青木真也
2.16 マッスル 両国 アントーニオ本多vsDJニラ
2.21 ガンプロ 新木場 石井慧介vs藤田ミノル
2.28 大日本 後楽園 竹田誠志vs佐久田俊行
3.15 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs駿河メイ
3.22 我闘雲舞 新木場 世志琥vs駿河メイ
3.26 YMZ 新木場 朱崇花vs阿部史典
3.30 東京女子 新木場 中島翔子vsぴぴぴぴぴなの
3.31 東京女子 スターレーン 山下実優vs坂崎ユカ
3.31 DDT スターレーン 勝俣瞬馬vs朱崇花
3.31 DDT スターレーン 佐々木大輔&遠藤哲哉vs大石真翔&旭志織
3.31 DDT スターレーン 竹下幸之介vs黒潮イケメン二郎
4.14 ガンプロ 王子 石井慧介vs今成夢人
4.14 ぽちゃじょ 王子 今成夢人vsまなせゆうな
4.14 石井慧介プロデュース 王子 石井慧介&岩崎孝樹vs勝村周一朗&藤田ミノル
4.15 color's 新木場 山下りなvs茉莉
4.16 センダイガールズ 後楽園 里村明衣子vs sareee
4.16 センダイガールズ 後楽園 橋本千紘vsジョーディン・グレース
4.17 酒呑童子 新宿 HARASHIMA&KUDOvsMIKAMI&タノムサク鳥羽
4.17 酒呑童子 新宿 高梨将弘vs坂口征夫
4.27 我闘雲舞 板橋 水森由菜vs瑞希
4.27 我闘雲舞 板橋 里歩vs高梨将弘
4.29 くいしんぼう仮面興行 新宿 ビリーケン・キッド&ツバサvsSUGI&政宗vsアルティメットスパイダーJr&タコヤキーダー
4.29 くいしんぼう仮面興行 新宿 くいしんぼう仮面の魂&スペル・デルフィン&ペロvs丸山敦&菅沼修&ミラクルマン
5.2 FREEDOMS 後楽園 新井健一郎vs“brother”YASSHI
5.2 FREEDOMS 後楽園 GENTAROvs竹田誠志
5.2 FREEDOMS 後楽園 葛西純vs藤田ミノル
5.6 ガンプロ 板橋 田中将斗vs今成夢人
5.6 我闘雲舞 市ヶ谷 さくらえみvs駿河メイ
5.12 OZアカデミー 新宿 アジャ・コング&AKINOvsLeon&倉垣翼
5.19 DDT 後楽園 高木三四郎vsMAOvs吉村直巳vs上野勇希
5.19 DDT 後楽園 竹下幸之介vs高尾蒼馬
5.29 BASARA 新木場 藤田ミノルvs阿部史典
5.30 我闘雲舞 市ヶ谷 里歩&さくらえみvsアントーニオ本多&駿河メイ
6.2 ガンプロ 新木場BumB 石井慧介&岩崎孝樹vs入江茂弘&渡瀬瑞基
6.4 我闘雲舞 新木場 SAKI&水森由菜vs紺乃美鶴&サワディー仮面
6.4 我闘雲舞 新木場 里歩vs駿河メイ
6.8 ハードヒット 新木場 松本崇寿vs岡田剛史
6.16 WAVE 25Dスタジオ 水波綾vs優宇
6.17 チェリー15周年 新木場 チェリーvs高梨マサ子
6.20 リアルジャパン 後楽園 関本大介vsタカ・クノウ
6.21 ロリマンプロレス 藤田ミノルvs影山道雄
6.22 東京女子 新木場 中島翔子vs瑞希
6.23 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs紺乃美鶴
6.28 WWE 両国 セス・ロリンズvs中邑真輔
6.29 WWE 両国 リコシェvsセザーロ
7.2 我闘雲舞 新宿 駿河メイvs梅咲遥
7.2 我闘雲舞 新宿 紺乃美鶴vs志田光
7.2 我闘雲舞 新宿 里歩vsさくらえみ
7.3 FREEDOMS 後楽園 葛西純vs杉浦透
7.4 YMZ 西新井 佐藤光留vs山下りな
7.7 BASARA 両国KFC 風戸大智vsベストストレッチマンV3(パーフェクト)
7.7 BASARA 両国KFC 木高イサミvs藤田ミノル
7.12 Ωナイト 新宿 KAZMA SAKAMOTOvs梶トマト
7.14 我闘雲舞 市ヶ谷 高梨将弘vsバリヤンアッキ
7.15 DDT 大田区 彰人vs朱崇花
7.15 DDT 大田区 クリス・ブルックス&高梨将弘vsMAO&マイク・ベイリー
7.15 DDT 大田区 遠藤哲哉vs竹下幸之介
7.17 ガンプロ 新木場 勝村周一朗vs大和ヒロシ
7.29 DDT ビアガーデン 彰人vs翔太
8.4 東京女子 鶴見 坂崎ユカ&瑞希vs天満のどか&白川未奈
8.10 ガンプロ 板橋 勝村周一朗vs藤田ミノル
8.11 ガンプロ 板橋 勝村周一朗vs岡田剛史
8.20 ぽっちゃり女子プロレス 新木場 マナ・コナーvsポチャミネーターP-800
8.20 ぽっちゃり女子プロレス 新木場 竹下幸之介vs今成夢人
8.22 GCW ジョーイ・ジャネラ&インビジブルマンvs菊タロー&インビジブルスタン
8.23 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs紺乃美鶴
8.25 東京女子 後楽園 坂崎ユカvsシュー・ヤン
8.25 DDT 後楽園 青木真也vs大石真翔
8.25 DDT 後楽園 竹下幸之介&坂口征夫&高木三四郎&アントーニオ本多vs男色ディーノ&スーパー・ササダンゴ・マシン&MAO&サンティーノ・マレラ
8.30 DDT 新木場 サンティーノ・マレラvsアントーニオ本多
9.1 東京女子 大阪 中島翔子vs瑞希
9.10 我闘雲舞 新木場 翔太vs山田太郎
9.10 我闘雲舞 新木場 さくらえみvs志田光
9.10 我闘雲舞 新木場 SAKI&水森由菜vs米山香織&駿河メイ
9.12 OWE 新宿 ワンジン&T-Cool&スコーピオ2Xvs吉岡世起&コクマ・ブル&チーターチェン
9.15 高梨将弘主催興行 両国KFC 両国式タッグガントレットマッチ
9.15 東京女子 両国KFC 山下実優vs舞海魅星
9.25 東京愚連隊 新宿 AKIRAvs藤田ミノル
9.29 大日本 名古屋 岡林裕二&入江茂弘vs橋本大地&神谷英慶
10.26 ガンプロ 板橋 新井健一郎&マスクドミステリー&翔太vs今成夢人&大谷譲二&鈴木心10.26 ガンプロ 板橋 木高イサミ&大家健vs石井慧介&勝村周一朗10.27 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vsルル ペンシル10.31 我闘雲舞 新木場 さくらえみvs駿河メイ


年の瀬が迫るにつれて、なんとなくここに名前を連ねるボーダーは上がっていくような感じになっていきますので、その他の月よりも挙げた試合数は少なめ。ただボーダーそのものが上がっただけで、いい試合をたくさん見せていただきました。


その中で、ガンプロが実に素晴らしかったということをまずは訴えたい。
冨永真一郎のインフルエンザ発症により、急遽鈴木心ガンプロカムバックとなった、GWC6人タッグ王座戦が、6人それぞれに実に味わい深い戦いでした。














王者組は言わずもがなの見事なコンビネーションなのですが、徹底的に今成夢人と接触しようとしない新井健一郎、実質的に試合を支配し、ありとあらゆるかたちで3カウントを狙う翔太、潤滑油的に立ち回りながら、要所要所でキレのある技を披露するマスクドミステリー、と、三者三様に趣深い。
鈴木心は板橋で磨いたその動きはかつてとは比べ物にならないくらい洗練され、いまやインディー有数の売れっ子・大谷譲二は、何故声がかかるのかの理由のよくわかる躍動ぶりを披露し。そして比較的年若いガクセイプロレスラー二人を、謎の奇妙なテンションで引っ張る今成夢人が、実に奇妙で、最高でした。
今成夢人と新井健一郎のやりとりはとにかく必見。そしてその面倒くさいやり取りを織り交ぜながら、試合がちゃんと面白い。


その日のメインは、インディーJr王者の揃い踏み。


















時間切れ10秒前に、この日2試合目だった大家健がニンジャチョークについに力尽きたこの試合、でも、木高イサミと大家健の“ユニオン”タッグの掛け合いや、呼び方が“大家”から、かつての先輩後輩としての“健さん”呼びに移り変わる様、イサミvs勝村周一朗、石井慧介の異様なスタミナ、などなど、試合としても物語としても、面白い要素が詰まりに詰まっていました。
私、やっぱりユニオンが好きで。この試合と、この試合の後のやりとりが、なんだか懐かしくてうれしくて堪らなかった。


ルル ペンシルという、プロレス界に生まれた新たな…新たな…新たな……なんだろう?…強いて言うなら…リトマス試験紙(酸性)…?…について、触れるときがついにきたようです。

ルルペンシルは、8月に一斉デビューした、我闘雲舞のプロレスラー。
体力的、強さ的には限りなく一般女性…の中でもかなり、強靭ではない部類…であり、デビュー前のエキシビションでは水森由菜相手に3分間で7本取られるという、驚異的な試合ぶりを見せて衝撃を与えました(私に)。
…ああ、ここでは試合に触れないと!
ハロウィンの市ヶ谷で行われたアントーニオ本多との試合は、(何故か観戦に来ていた)クリス・ブルックスをして“MOTY(マッチ・オブ・ザ・イヤー)”と呟かせるような衝撃的な内容で、アントーニオ本多を試合時間残り数秒まで追い込み(?)ました。
そう。
たとえ試合の6割以上、遊んでいたとしても。


最後に我闘雲舞からもう一試合、私の中ではかなり有力な、“MOTY”候補。














試合を見てて思ったのは、“騙し絵”のような試合という印象。まるで上手い形容だとは思いませんが、ただ、いやもう本当に、何を見ているのか、見せられているのか、観念そのものが迷子になるような試合でした。
お互いがお互いの“お約束”破りを重ねていった試合、駿河メイが途中でさくらさんのQUEEN(フレディ)パフォーマンスをパクったのも驚かされたし、そのタイミングでさくらさんがギックリ腰を発症していたのにも、結局決着するまで気付きませんでした。
何が本当で何が嘘なのかわからない、そもそも騙す意図があるのかどうかもわからない試合。
見て、感じて、考えることが多分たくさんあると思うので、You Tubeで公開されてる試合を是非オススメしたい。期待に沿えなかったらごめんなさい。価値観の齟齬です。


《最優秀興行》 1.7 Fight Club Pro 後楽園 1.20 AWGカラーズ 新木場 1.22 我闘雲舞 新木場 2.6 DDT 新木場 2.16 マッスル 両国 3.9 モーニング闘争2019 スポルティーバ 3.19 琉球ドラゴン 新木場 3.26 YMZ 新木場 3.31 DDT 博多スターレーン 4.14 ぽちゃじょ 王子 4.16 センダイガールズ 後楽園 4.17 酒呑童子 新宿 4.27 我闘雲舞 板橋 4.29 くいしんぼう仮面興行 新宿 (5.25 AEW Double or Nothing) 6.8 ハードヒット 新木場 6.17 チェリー15周年興行 新木場 7.2 我闘雲舞 新宿 7.24 BASARA 宴闘2019 新木場 8.20 ぽちゃじょ 新木場 9.8 九州プロレス 玄武會主催興行 西鉄ホール 9.15 高梨将弘主催興行 両国KFC 10.13 新根室 新木場10.26 ガンプロ 板橋10.29 YMZ 後楽園
もう、おいそれとは名前を挙げられないこの部門に、三興行も食い込ませてしまった。
台風の最中に行われた新根室プロレス待望の…そして、解散前最後の、東京・新木場大会は、非常にエモーショナルな興行でした。







“エモーショナル”の中身は大変複雑で、楽しく、寂しく、切なく、それでも希望に溢れていて。
今ある意味旬となってしまった、MCマーシーが冒頭、「難しい技とかできません。これまでお金をとって興行したこともありません。アマチュアです。」と断りを入れていましたが、それでも、新木場で展開されたのはやっぱり、プロレス。
アンドレザのリベンジマッチがメインになるかとも思いましたが、実際に行われたのは前半戦の中であって、後半“第二部”として展開されたのは、代表・サムソン宮本の、人生を賭した、プロレス。















アマチュア。なれどプロレスを楽しもう、プロレスで楽しませようとするその情熱に、今思い出しても目頭が熱くなる。


個人的に、板橋で行われるガンバレ☆プロレスって、何故だかわからないのですが、神懸かり的に面白いことが多々あって。今成革命の発信地も板橋であり、藤田ミノルの“卒業”も板橋でした。何より個人的に心に響いたのは、ドリフの、学プロの、ユニオンの、リユニオン。





試合が素晴らしかった。そして試合後の光景が、素晴らしかった。だから私は、幸せでした。


個人的にこの最優秀興行って、今の所“八つ巴”くらいの例年にも増した大激戦となってます。しかし、YMZ後楽園大会は、そこにズバッと食い込んできた。

様々な団体からの出場選手、ハードヒットあり、ダンスあり、占いあり、コスプレあり。全試合終わったのに“これじゃ終われないよ”からの三本勝負も、いつもどおりのYMZ。後楽園ホールで椅子取りゲームを、だるまさんが転んだをやるなんて、さすがYMZ。でも、西新井と変わらない、YMZ。




《新人賞》猫はるな 水森由菜 愛野ユキ 白川未奈 梅咲遥 舞海魅星 鷲田周平 兵頭彰進垣リナルル ペンシル new!

さあ!ついにこの部門に名前を挙げなければならない、“フリーライター”ルル ペンシル。


まずもって改めて申し上げておきましょう。体力の有無、強弱、巧拙の次元で申し上げるならば、…おそらくは歴代でも…圧倒的に、“弱い”プロレスラーです。
プロレスラーであるための“必要条件”として、“強い”ことを挙げる方は多いでしょうし、どちらかと言えば、私もその部類であろうことは相違ないのです。
しかしながら、ルルペンシルのプロレスは全くもって目が離せず、興味を引きつけてやまず、言葉にせずには、いられない。


[10.31:ルル ペンシル が あらわれた ! ]
先ほどエキシビションで水森由菜相手に3分間で7本取られたことを話題に出しました。その約ひと月後に、さくらさん曰く“既成事実”として実際にリングでデビュー戦を戦ったわけで、例え3分で7本取られる強さであろうとも、紛うことなく“プロレスラー”となりました。
さて、ルルペンシルのそのデビュー戦なのですが、相変わらず、オブラートに包まず言って、弱い。激弱です。しかし事実、3分間で7本取られた水森由菜相手に10分近く戦ったわけです。その間に一本も取られなかったわけですから、単純計算(が成立する訳はないのですが)で約23.3倍強くなっていた……と言えなくもない。
いや、本当に実際に強くなっていて、腕のネジレを解くための前転もエキシビションから比べて8倍(当社比)くらい速くなってましたし、使える技も(気持ち)増えていて、何より、みんなの視線を引きつけて止まない。
帯広さやか選手や、力選手を初めて見たときのような、プロレスに関する固定観念の破壊(ロープワークは真っ直ぐ戻ってこなければいけない、技はきれいに決めなければいけない、など)を、ルルペンシル選手を通じて見ることになるのかもしれないなと感じ始めているところです。
もちろん、“プロレスラーとして認めない”という声も挙がる可能性もないわけでもないと思います。しかし認める認めないも何も、すでにプロレスラーとしてデビューしてしまったわけですから、あとはそれを受け容れるかどうか。ルルペンシル選手のカラーであるライトピンクを思い浮かべたとき、まるでその存在は“リトマス試験紙”のようだなと思い、先程はそのように形容していました(青からピンクに変わるのは酸性なので、酸性)。
ただ今のところ、どういう結論を得ればいいのか、非常に困惑しているところでもあります。困惑した先には、おそらく、またプロレスの概念の地平が異様に広がっていることでしょう。
…何の話なんだこれは。


《ベストタッグ》 坂崎ユカ&瑞希 里歩&中島翔子 SAKI&水森由菜 りんごとハチミツ ドロップアウトローズ チーム200kg 混ぜるな危険

《最優秀団体》 1位 ぽっちゃり女子プロレス
以下、
ガンプロ 我闘雲舞 BASARA AEW
とかに投票したい。
あとはOWE
団体ではなくて“集団”ですがYMZ


《プロレスを伝えたでしょう》 舞台「Fate/ Grand Order」(赤井沙希出演) レスラーズグラフィカ3 新根室プロレス 旗揚げ!けものみち

《ベストモーメント》 2.16 マッスル 両国 ニラちゃん、リングに上がってくれますか?7.17 ガンプロ 新木場 秘密 7.24 BASARA 新木場 “X”アントーニオ本多 8.10 ガンプロ 板橋 この支配からの卒業 8.25 DDT コブラvsごんぎつね 9.16 東京女子 両国KFC まなせゆうなと万喜なつみ 10.26 ユニオン、リユニオン10.29 だるまさんが転んだ
YMZすげえ


《MVP》 里歩 藤田ミノル 佐久田俊行 石井慧介 アントーニオ本多 さくらえみ new
※独断と偏見による月間MVP 1月 里歩 2月 大石真翔 3月 藤田ミノル 4月 石井慧介 5月 駿河メイ 6月 瑞希 7月 彰人 8月 坂崎ユカ、勝村周一朗 9月 まなせゆうな
10月 里歩、さくらえみ






“AEW初代女子王者”。
もう、その偉業のみで十分説明がつく気がします。
あと年間でベストバウトにさくらさんの名前をたくさん挙げており、その名前も同時に挙げさせていただきました。
ここに名前を挙げているそれぞれな選手が、それぞれに何か、特別なことをしているわけではないように感じていて。もちろん様々なアクションを起こしてはいるけれど、例えどこのステージであろうと、あるがままの姿、自身のプロレスのスタイルで、魅了することができる…とでもいいましょうか。

50人の前でも、5万人の前でも変わらず、観客を驚かせることができるプロレスラーたちに、心より敬意を。

1986年の世代感

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どうもカレーです。
1986年、みなさんは、何をされていたでしょうか。私は、よく覚えていません。というのも、この年に生まれたものですので。
2019年に33歳を迎えるこの世代、最大の有名人はダルビッシュ有と、木村沙織でしょうか。両名とも長身で、私個人としては誕生日も近くてですね。
コンプレックスを煽るどころかそもそも比べ物にならない傑出したアスリートは、しかし“世代感”という意味ではあまり共感の対象では…少なくとも個人的には…なくてですね。
個人的に〇〇世代、と自称するときには…特に、プロレスファン相手に自称するときには、“帯広さやか”世代という言い回しをしていることが多いです。


プロレスは“象徴”の空間なので、選手の象徴性に(応援というかたちで)同調し、ときに熱狂し、一時的に自己の存在から解き放たれ…象徴性を通じて、自己の存在を再構成する、的な。学術的には確かそんな話…だった気がする(集合的沸騰。間違ってたらごめんなさい)。
同世代だから好き…という単純な話ではないですけれど、でも、同い年のプロレスラー、プロレスラーに限らずアスリート、有名人って、なんとはなしに意識してしまうことがありまして。たぶん、“同い年”とか“近い世代”っていう記号が、自分にとっては象徴性が強いものなんだろうなと思います。
同世代のプロレスラーは結構いらっしゃいまして、個人的にパッと思いつくあたりで言いますと、DDTの彰人選手、BASARAのFUMA選手、久保佑允選手、リアルジャパンの間下隼人選手、女子選手でいえば、(早生まれですが)DDTの赤井沙希選手、アイスリボンの宮城もち選手…などなど。
その中で何故個人的に、世代の代表性を帯広さやかに求めてしまうのか。


同じ世代を生きていた人たちは、見ていたのものが同じだったりするので、例えば“僕らのスポーツヒーローは清原和博だった”という、それだけでも応援する理由には充分だったりします。
あと、帯広さやか選手が我闘雲舞の中で持ち歌にしているソロ楽曲に「♪再就職のうた」というものがあります。この歌は、元々仕事に就いていた帯広さやか選手が、プロレスラーに“再就職”する以前、働いていた当時の心情を哀愁漂うリズムに乗せてお届けする、最終の仕事をほっぽり出して辞めた身としては、中々に心に刺さる曲となっており、そんなところも勝手に重ねてみてしまうところです。
同じ世代を生きて、同じ好きなものがあって、仮に似たような職歴があったとしても、当たり前ですが、それぞれの人間はまるで違う。
私は自分の世代の人間で、あそこまで全力な人間を、他に知らない。
そして同い年のレスラーが、デビューしていきなり団体の代表となったときの衝撃も、忘れない。
そしてそのレスラーのプロレスが、あんまりにも型破りだったときの衝撃も、忘れてない。
私は私の世代の人間の中で、一番…なんだろう?一番…エネルギーというか…むしろ、“破壊力”のある人間である帯広さやかにこそ、なんというか、代表性を覚えるところです。


しかしその破壊的なエネルギーを維持するのは、大変な苦労の上にある、ということも、なんとなく理解したところであります。
11月24日、帯広さやか選手が“冬眠”を発表しました。
“生きていることが奇跡”とまでさくらさんに形容される帯広さやか選手、とにかく全力であるが故か、身体へのダメージも大きく、何もない市ヶ谷のマットの上で、“エネルギー切れ”を起こして倒れそうになる場面も、ここ数年で何度も見ました。
膝の手術、指の手術、再手術と欠場期間を重ねてますが、それでも復帰のたびに、“全力”を見せてくれるのが、帯広さやか選手。
今回の欠場は“レスラーとしての身体作り”の面もあると語られましたが、同じ33歳が、それでも前を向いて、続けるための決断をしてくれたことを、本当に嬉しく思います。


さて、脈絡ない文章が続いていますが、もう一人、1986年生まれの話を。
この文字を打っている本日11月27日、 新宿FACEで“ハヤトエール”が開催されました。
癌と闘病中のフジタ“Jr”ハヤト選手を支援するための開催となった今大会、個人的に、今日の今日まで行くかどうかを迷っていました。
それは、真裏にもう一つ魅力的なプロレス興行があったこと、もう一つ魅力的なプロレスイベントがあったことによる部分が大変大きいのですが、それ以外にもう一つ。
過酷な病との戦いを続けている、1986年生まれのフジタ“Jr”ハヤト選手を、直視するのが怖かったから。
ハヤト選手は、好きです。好きですが、ただ、自分と同い年の選手が背負った病が、あまりにも重く、あまりにも過酷なことは、病名だけでイヤというほどに理解ができます。なので、今日リングの上でどんなことが語られるんだろう、語られてしまうのだろう…という不安と、それを直視する勇気があるかどうか…というところで、足を向けることに、躊躇がありました。
結果、完全なる杞憂でした。
冒頭、いきなりリングに現れたフジタ“Jr”ハヤト選手は、脊髄周りの腫瘍の除去手術を経ても、まだ腫瘍の肥大が生じていることを明らかにしました。
病状としてはあまり前向きではないものでしたが、それにもハヤト選手は、“絶対ここに帰ってくる”こと、そして、集まった選手、観客への感謝を言葉にし続け、なんといいますか、その眼差しの強さを、ただただ信じたくなりました。




これだけ強く、戦い続ける同世代を目にしながら、自分にできることはせいぜい祈ること、願うこと。ただ、明らかに自分より頑張っている人間に願えることが、“頑張れ”しかないことに少し辟易とするところもあります。
だから私からは、エールではなく、ただ感謝を。
帯広さやか選手、フジタ“Jr”ハヤト選手に限らず、同世代の選手たち、あるいは“若手通信世代”など同じくらいの年回りの選手たち。
それぞれがそれぞれにプロレスラーとして活躍してくれること、プロレスラーでい続けてくれること、プロレスラーとしてあり続けようとしてくれること。
それだけで私は、前を向いて歩いていけます。ありがとうございます。
願わくば全てのレスラーたちが、自らの望む場所にたどり着かんことを、心より。

観戦メモ2019:11月

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11月終了。
おそらく18興行。早くも昨年を超えてしまった。

大阪(毒人)、札幌(仕事)、名古屋(東女、ガンプロ)、千葉(FPS)、札幌(仕事)…
やっぱりあいも変わらず何故か週末東京にいる機会が少なくて、
個人的な定番=ガトム市ヶ谷、DDT後楽園、東京女子(板橋)、ガンプロ(板橋) etcに行く機会がなかったor少なかった一方で、イレギュラー的なものもたくさんありました。
逆に12月〜1月にかけて、今のところそういうイレギュラーが組めていないので、なんとなく物足りなくなっているあたり、もう何かが人間としてズレてる。



《ベストバウト候補》
1.2 我闘雲舞 市ヶ谷 “黒天使”沼澤邪鬼vsアントーニオ本多vs帯広さやか
1.3 DDT 後楽園 島谷常寛vsエル・リンダマン
1.4 東京女子 後楽園 坂崎ユカ&瑞希vs里歩&中島翔子
1.5 東京女子 北沢 坂崎ユカ&瑞希vsミリー・マッケンジー&渡辺未詩
1.6 ガンプロ 北沢 石井慧介vs勝村周一朗
1.22 我闘雲舞 新木場 笹村あやめvs駿河メイ
1.22 我闘雲舞 新木場 高梨将弘vsGENTARO
1.22 我闘雲舞 新木場 里歩vsコマンド・ボリショイ
2.6 DDT 新木場 HARASHIMA&坂口征夫vs大石真翔&梅田公太
2.16 マッスル 両国 ペドロ高石vs青木真也
2.16 マッスル 両国 アントーニオ本多vsDJニラ
2.21 ガンプロ 新木場 石井慧介vs藤田ミノル
2.28 大日本 後楽園 竹田誠志vs佐久田俊行
3.15 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs駿河メイ
3.22 我闘雲舞 新木場 世志琥vs駿河メイ
3.26 YMZ 新木場 朱崇花vs阿部史典
3.30 東京女子 新木場 中島翔子vsぴぴぴぴぴなの
3.31 東京女子 スターレーン 山下実優vs坂崎ユカ
3.31 DDT スターレーン 勝俣瞬馬vs朱崇花
3.31 DDT スターレーン 佐々木大輔&遠藤哲哉vs大石真翔&旭志織
3.31 DDT スターレーン 竹下幸之介vs黒潮イケメン二郎
4.14 ガンプロ 王子 石井慧介vs今成夢人
4.14 ぽちゃじょ 王子 今成夢人vsまなせゆうな
4.14 石井慧介プロデュース 王子 石井慧介&岩崎孝樹vs勝村周一朗&藤田ミノル
4.15 color's 新木場 山下りなvs茉莉
4.16 センダイガールズ 後楽園 里村明衣子vs sareee
4.16 センダイガールズ 後楽園 橋本千紘vsジョーディン・グレース
4.17 酒呑童子 新宿 HARASHIMA&KUDOvsMIKAMI&タノムサク鳥羽
4.17 酒呑童子 新宿 高梨将弘vs坂口征夫
4.27 我闘雲舞 板橋 水森由菜vs瑞希
4.27 我闘雲舞 板橋 里歩vs高梨将弘
4.29 くいしんぼう仮面興行 新宿 ビリーケン・キッド&ツバサvsSUGI&政宗vsアルティメットスパイダーJr&タコヤキーダー
4.29 くいしんぼう仮面興行 新宿 くいしんぼう仮面の魂&スペル・デルフィン&ペロvs丸山敦&菅沼修&ミラクルマン
5.2 FREEDOMS 後楽園 新井健一郎vs“brother”YASSHI
5.2 FREEDOMS 後楽園 GENTAROvs竹田誠志
5.2 FREEDOMS 後楽園 葛西純vs藤田ミノル
5.6 ガンプロ 板橋 田中将斗vs今成夢人
5.6 我闘雲舞 市ヶ谷 さくらえみvs駿河メイ
5.12 OZアカデミー 新宿 アジャ・コング&AKINOvsLeon&倉垣翼
5.19 DDT 後楽園 高木三四郎vsMAOvs吉村直巳vs上野勇希
5.19 DDT 後楽園 竹下幸之介vs高尾蒼馬
5.29 BASARA 新木場 藤田ミノルvs阿部史典
5.30 我闘雲舞 市ヶ谷 里歩&さくらえみvsアントーニオ本多&駿河メイ
6.2 ガンプロ 新木場BumB 石井慧介&岩崎孝樹vs入江茂弘&渡瀬瑞基
6.4 我闘雲舞 新木場 SAKI&水森由菜vs紺乃美鶴&サワディー仮面
6.4 我闘雲舞 新木場 里歩vs駿河メイ
6.8 ハードヒット 新木場 松本崇寿vs岡田剛史
6.16 WAVE 25Dスタジオ 水波綾vs優宇
6.17 チェリー15周年 新木場 チェリーvs高梨マサ子
6.20 リアルジャパン 後楽園 関本大介vsタカ・クノウ
6.21 ロリマンプロレス 藤田ミノルvs影山道雄
6.22 東京女子 新木場 中島翔子vs瑞希
6.23 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs紺乃美鶴
6.28 WWE 両国 セス・ロリンズvs中邑真輔
6.29 WWE 両国 リコシェvsセザーロ
7.2 我闘雲舞 新宿 駿河メイvs梅咲遥
7.2 我闘雲舞 新宿 紺乃美鶴vs志田光
7.2 我闘雲舞 新宿 里歩vsさくらえみ
7.3 FREEDOMS 後楽園 葛西純vs杉浦透
7.4 YMZ 西新井 佐藤光留vs山下りな
7.7 BASARA 両国KFC 風戸大智vsベストストレッチマンV3(パーフェクト)
7.7 BASARA 両国KFC 木高イサミvs藤田ミノル
7.12 Ωナイト 新宿 KAZMA SAKAMOTOvs梶トマト
7.14 我闘雲舞 市ヶ谷 高梨将弘vsバリヤンアッキ
7.15 DDT 大田区 彰人vs朱崇花
7.15 DDT 大田区 クリス・ブルックス&高梨将弘vsMAO&マイク・ベイリー
7.15 DDT 大田区 遠藤哲哉vs竹下幸之介
7.17 ガンプロ 新木場 勝村周一朗vs大和ヒロシ
7.29 DDT ビアガーデン 彰人vs翔太
8.4 東京女子 鶴見 坂崎ユカ&瑞希vs天満のどか&白川未奈
8.10 ガンプロ 板橋 勝村周一朗vs藤田ミノル
8.11 ガンプロ 板橋 勝村周一朗vs岡田剛史
8.20 ぽっちゃり女子プロレス 新木場 マナ・コナーvsポチャミネーターP-800
8.20 ぽっちゃり女子プロレス 新木場 竹下幸之介vs今成夢人
8.22 GCW ジョーイ・ジャネラ&インビジブルマンvs菊タロー&インビジブルスタン
8.23 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs紺乃美鶴
8.25 東京女子 後楽園 坂崎ユカvsシュー・ヤン
8.25 DDT 後楽園 青木真也vs大石真翔
8.25 DDT 後楽園 竹下幸之介&坂口征夫&高木三四郎&アントーニオ本多vs男色ディーノ&スーパー・ササダンゴ・マシン&MAO&サンティーノ・マレラ
8.30 DDT 新木場 サンティーノ・マレラvsアントーニオ本多
9.1 東京女子 大阪 中島翔子vs瑞希
9.10 我闘雲舞 新木場 翔太vs山田太郎
9.10 我闘雲舞 新木場 さくらえみvs志田光
9.10 我闘雲舞 新木場 SAKI&水森由菜vs米山香織&駿河メイ
9.12 OWE 新宿 ワンジン&T-Cool&スコーピオ2Xvs吉岡世起&コクマ・ブル&チーターチェン
9.15 高梨将弘主催興行 両国KFC 両国式タッグガントレットマッチ
9.15 東京女子 両国KFC 山下実優vs舞海魅星
9.25 東京愚連隊 新宿 AKIRAvs藤田ミノル
9.29 大日本 名古屋 岡林裕二&入江茂弘vs橋本大地&神谷英慶
10.26 ガンプロ 板橋 新井健一郎&マスクドミステリー&翔太vs今成夢人&大谷譲二&鈴木心
10.26 ガンプロ 板橋 木高イサミ&大家健vs石井慧介&勝村周一朗
10.27 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vsルル ペンシル
10.31 我闘雲舞 新木場 さくらえみvs駿河メイ11.2 毒人 阿倍野 GAINAvs谷口弘晃11.2 毒人 阿倍野 HUBvsディック東郷11.3 DDT 両国 男色ディーノ&トランザム☆ヒロシ&飯野雄貴&朱崇花&瑞希vsスーパー・ササダンゴ・マシン&黒潮イケメン二郎&大和ヒロシ&大石真翔&まなせゆうな11.3 DDT 両国 中島翔子vs坂崎ユカ11.3 DDT 両国 ケニー・オメガ&里歩vsアントーニオ本多&山下実優11.4 大日本 両国 関本大介&ウォルターvs岡林裕二&火野裕士11.6 アクトレスガールズ 高瀬みゆきvs有田ひめか11.17 我闘雲舞 市ヶ谷 ヤス・ウラノvsルル ペンシル11.17 爆破甲子園 鶴見青果 大仁田厚&新井健一郎&朱崇花&今成夢人vs高木三四郎&青木真也&FUMA&納谷幸男11.19 藤田プロレススクール 2AWスクエア 最上九&ヤス・ウラノ&翔太vs吉田綾斗&タンク永井&花見達也11.28 OWE 新宿 入江茂弘&T-Hawk&エル・リンダマンvsダーベン&ツィンジェ&Mr.T-Cool


振り返ってみると色んな形式の試合が刺さった様子の11月。


シングル7連戦毒人は、どの試合も面白かった。










面白かったけれど、全てを挙げるわけにはいかない…と考え、断腸の思いでピックアップしたのはセミとメインになりました。
セミはバキバキの肉弾戦。谷口弘晃の試合は谷口弘晃名義では初めて見ましたが、蛇ニグチを見た印象と違わぬ、素晴らしい選手。












そして相対したGAINAは、何故この試合ができて引退を匂わせたのか…というほどに素晴らしかった。


HUBvsディック東郷、通算4回目、毒人としては3回目のシングルマッチで、ついにHUBがディック東郷から一本奪取。






















“ディック東郷がギブアップした”という衝撃。20分経過があまりにもあっという間に感じるほどに、両者の攻防が実に濃密でした。


いつもは…というか過去2回しか行われていない、KO-D10人タッグ選手権試合は、賑やかしのような試合でいて、個人的にはこの日の両国前半戦ベストバウト(異論は認める)。












中島翔子vs坂崎ユカは、実現を待ち望んだシングルマッチ。この対戦が両国で実現したことの感慨が深すぎて、あまり正確に判断はできない。




















ただ、まだまだ見たいしもっと見たい。今回はお祭りの1ページ。今度は、メインイベントで。


Ultimate PartyをUltimate Partyと呼ぶにふさわしい試合にしたのがセミファイナル。






















ケニー・オメガのDDT帰還に焦点が当たりがちでしたが、蓋を開けてみれば、というか、やはり、というか、アントーニオ本多が、里歩が、山下実優が、それぞれにインパクトを発揮した素晴らしい試合に。60人の前であろうと、1万人の前であろうと変わらないあり方に、好きなものを好きでいて良かった的な、感慨深い試合でした。


翌日の両国も物凄かった訳ですが、一番大騒ぎしたのは、ストロングBJのタッグマッチ。とにかくまずウォルター凄い、そして岡林凄い&火野裕士凄いからの、その二人と同じレベルで戦えてしまうウォルター凄い、からの、関本大介やっぱり凄い…という、ドンドン語彙を消失する試合でした。












アクトレスガールズ3回目の後楽園大会、2017年デビューの2選手による王座決定戦は、ガッツンガッツンぶつかり合う大迫力の肉弾戦。




















有田ひめかの強さがとにかく衝撃的。昨年の後楽園でもその恐ろしさに唸らされましたが、今回はその衝撃という期待値を更に上回ってきた。そしてそのあまりに強い有田ひめか相手に、体格的には劣る高瀬みゆきが勝ちきってみせたのもまた凄い。


“Rising Star”ルル ペンシルの市ヶ谷での試合が恐ろしいほど神がかっていたため、2ヶ月続けて言及する必要が出てきました。この日の市ヶ谷は第1試合終了直後に電源トラブルで会場の明かりが不調となり、また、音響が使えないトラブルに見舞われました。
第1試合をフォーリンサンダー(Y字ギロチン)=“落雷”で停電の原因を作った(?)紺乃美鶴が急遽闇討ち日光撮影会を開催する中、なんとか蛍光灯が復旧。しかし、入場曲が使えない中現れたルル ペンシルは…「燃え上が〜れ 燃え上が〜れ 燃え上が〜れ ガンダム〜♪」と口遊みながら入場。
恐ろしい子…!!?






そしてなんというか“世代感”的に皆歌えてしまうため、市ヶ谷チョコレート広場に轟く、「♪翔べ、ガンダム」の大合唱。
なんこれ。
…ということで試合もさることながら試合以外の部分の詳細を述べたくなるあたり、やっぱりルル ペンシルは只者ではない。
試合後の座談会では、藤田プロレス(クソリプ)スクール講師・ヤス・ウラノに対して「プロレスの厳しさ、奥深さを教わりました」とコメントすると、ヤス「こっちがだよ…」と返していたのがとても印象的でした。


そんな市ヶ谷から移動しての電流爆破初体験は、とっても衝撃的であまりに新鮮でした。


[11.17 鶴見青果市場:大社長、ピューリッツァー賞ありがとうございます]









スクール講師陣が(ある意味)大活躍の藤田プロレススクール興行は、今年ありとあらゆる仕掛けで話題を振りまく藤田ミノル“教頭”の丁寧な指導のもと、大変盛り上がる大会となりました。
とりわけ凄かったのが、ヤス・ウラノ&翔太に、“学級委員長”最上九を加えた講師陣。






















講師陣はどの選手も反則行為を活用した試合があまりにもスムーズなのですが、とりわけメインに登場した講師陣は実に秀逸。ほぼ、タッグワークのみで試合を展開し、それを決め手に試合を決めるさまが実に見事。恐るべき講師陣。


さて、最後が一番直近のOWEですが、兎にも角にも、連日で大日本、そしてW-1という2団体でタッグリーグを制することとなった、入江茂弘の充実ぶりが凄い。






















その下地には、T-Hawkとエル・リンダマンの流れるようなタッグワーク。そして、必死に食い下がったOWE戦士…特に、軽量級のMr.T-Coolの奮闘ぶりがとりわけ光る一戦となりました。
突然の体制変更となって大変なこともたくさんある気がしますが、なんとか踏ん張って、後楽園大会を成功させ、このある意味新しさを覚えるプロレスの地平を開拓していってほしい。






《最優秀興行》
1.7 Fight Club Pro 後楽園
1.20 AWGカラーズ 新木場
1.22 我闘雲舞 新木場
2.6 DDT 新木場
2.16 マッスル 両国
3.9 モーニング闘争2019 スポルティーバ
3.19 琉球ドラゴン 新木場
3.26 YMZ 新木場
3.31 DDT 博多スターレーン
4.14 ぽちゃじょ 王子
4.16 センダイガールズ 後楽園
4.17 酒呑童子 新宿
4.27 我闘雲舞 板橋
4.29 くいしんぼう仮面興行 新宿
(5.25 AEW Double or Nothing)
6.8 ハードヒット 新木場
6.17 チェリー15周年興行 新木場
7.2 我闘雲舞 新宿
7.24 BASARA 宴闘2019 新木場
8.20 ぽちゃじょ 新木場
9.8 九州プロレス 玄武會主催興行 西鉄ホール
9.15 高梨将弘主催興行 両国KFC
10.13 新根室 新木場
10.26 ガンプロ 板橋
10.29 YMZ 後楽園11.2 毒人10 阿倍野11.19 藤田プロレススクール 2AWスクエア

加えて言えることがあまりない。もう、本当に、今年どう投票しよう…




《新人賞》
猫はるな
水森由菜
愛野ユキ
白川未奈
梅咲遥
舞海魅星
鷲田周平
兵頭彰
進垣リナ
ルル ペンシル花見達也 new


藤田クソリプスクール最大の被害者。
健気な彼の奮闘ぶりに好感度がバク上がりしましたが、試合はしかし、見た目から想像する突貫ぶりもさることながら、実は臨機応変にリングの状況に対応することができる、“千葉らしさ”もしっかり兼ね備えていることを、授業を通じて改めて認識することができました。



《ベストタッグ》
坂崎ユカ&瑞希
里歩&中島翔子
SAKI&水森由菜
りんごとハチミツ
ドロップアウトローズ
チーム200kg
混ぜるな危険



《最優秀団体》
ぽっちゃり女子プロレス

以下、

ガンプロ
我闘雲舞
BASARA
AEW
OWE
YMZ



《プロレスを伝えたでしょう》
舞台「Fate/ Grand Order」(赤井沙希出演)
レスラーズグラフィカ3
新根室プロレス
旗揚げ!けものみち


《ベストモーメント》
2.16 マッスル 両国 ニラちゃん、リングに上がってくれますか?
7.17 ガンプロ 新木場 秘密
7.24 BASARA 新木場 “X”アントーニオ本多
8.10 ガンプロ 板橋 この支配からの卒業
8.25 DDT コブラvsごんぎつね
9.16 東京女子 両国KFC まなせゆうなと万喜なつみ
10.26 ユニオン、リユニオン
10.29 だるまさんが転んだ11.17 翔べ!ガンダム&ガンダム、大地に立つ




何この奇跡。



《MVP》
里歩
藤田ミノル
佐久田俊行
石井慧介
アントーニオ本多
さくらえみ入江茂弘 new
※独断と偏見による月間MVP
1月 里歩
2月 大石真翔
3月 藤田ミノル
4月 石井慧介
5月 駿河メイ
6月 瑞希
7月 彰人
8月 坂崎ユカ、勝村周一朗
9月 まなせゆうな
10月 里歩、さくらえみ11月 ヤス・ウラノ、入江茂弘


“バトルソクラテス”の恐ろしさを、なんというか、あまりにも予期しなかったかたちでまざまざと見せつけられた11月。





試合を見る機会も多かったですし、素晴らしい試合もあったのですが、最大のインパクトは“藤田クソリプスクール”。
シンプルに、あれだけの“クソリプ”を再現性高く生産し続ける、あの講師っぷりはただただ恐怖。


そしてあとは2日連続で2団体のタッグリーグを制覇するという偉業を成し遂げた、入江茂弘の充実っぷりが凄い。




その前のOWE福岡大会ではツィンジェからOWE無差別級王座も獲得。“この世の全てを獲りにいく”という、その心意気をまさに実践していて、試合が楽しみで仕方ない。

観戦メモ2019:12月

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12月終了。
25興行。
どこかで数え間違ってなければ、通年241興行になります。月平均20。
よい子も悪い子も真似しないほうがいいですが、言い訳をするのであれば、別に“行きたいから行ってる”し、大食ではあるけれど、悪食ではない事だけは主張しておきたい。
2020年は今よりさらに土日の仕事が増えそうなので、思うように行かないこともあるとは思いますが、思うように行かない反動でもっと観に行く可能性は、ある。




《ベストバウト候補》
1.2 我闘雲舞 市ヶ谷 “黒天使”沼澤邪鬼vsアントーニオ本多vs帯広さやか
1.3 DDT 後楽園 島谷常寛vsエル・リンダマン
1.4 東京女子 後楽園 坂崎ユカ&瑞希vs里歩&中島翔子
1.5 東京女子 北沢 坂崎ユカ&瑞希vsミリー・マッケンジー&渡辺未詩
1.6 ガンプロ 北沢 石井慧介vs勝村周一朗
1.22 我闘雲舞 新木場 笹村あやめvs駿河メイ
1.22 我闘雲舞 新木場 高梨将弘vsGENTARO
1.22 我闘雲舞 新木場 里歩vsコマンド・ボリショイ
2.6 DDT 新木場 HARASHIMA&坂口征夫vs大石真翔&梅田公太
2.16 マッスル 両国 ペドロ高石vs青木真也
2.16 マッスル 両国 アントーニオ本多vsDJニラ
2.21 ガンプロ 新木場 石井慧介vs藤田ミノル
2.28 大日本 後楽園 竹田誠志vs佐久田俊行
3.15 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs駿河メイ
3.22 我闘雲舞 新木場 世志琥vs駿河メイ
3.26 YMZ 新木場 朱崇花vs阿部史典
3.30 東京女子 新木場 中島翔子vsぴぴぴぴぴなの
3.31 東京女子 スターレーン 山下実優vs坂崎ユカ
3.31 DDT スターレーン 勝俣瞬馬vs朱崇花
3.31 DDT スターレーン 佐々木大輔&遠藤哲哉vs大石真翔&旭志織
3.31 DDT スターレーン 竹下幸之介vs黒潮イケメン二郎
4.14 ガンプロ 王子 石井慧介vs今成夢人
4.14 ぽちゃじょ 王子 今成夢人vsまなせゆうな
4.14 石井慧介プロデュース 王子 石井慧介&岩崎孝樹vs勝村周一朗&藤田ミノル
4.15 color's 新木場 山下りなvs茉莉
4.16 センダイガールズ 後楽園 里村明衣子vs sareee
4.16 センダイガールズ 後楽園 橋本千紘vsジョーディン・グレース
4.17 酒呑童子 新宿 HARASHIMA&KUDOvsMIKAMI&タノムサク鳥羽
4.17 酒呑童子 新宿 高梨将弘vs坂口征夫
4.27 我闘雲舞 板橋 水森由菜vs瑞希
4.27 我闘雲舞 板橋 里歩vs高梨将弘
4.29 くいしんぼう仮面興行 新宿 ビリーケン・キッド&ツバサvsSUGI&政宗vsアルティメットスパイダーJr&タコヤキーダー
4.29 くいしんぼう仮面興行 新宿 くいしんぼう仮面の魂&スペル・デルフィン&ペロvs丸山敦&菅沼修&ミラクルマン
5.2 FREEDOMS 後楽園 新井健一郎vs“brother”YASSHI
5.2 FREEDOMS 後楽園 GENTAROvs竹田誠志
5.2 FREEDOMS 後楽園 葛西純vs藤田ミノル
5.6 ガンプロ 板橋 田中将斗vs今成夢人
5.6 我闘雲舞 市ヶ谷 さくらえみvs駿河メイ
5.12 OZアカデミー 新宿 アジャ・コング&AKINOvsLeon&倉垣翼
5.19 DDT 後楽園 高木三四郎vsMAOvs吉村直巳vs上野勇希
5.19 DDT 後楽園 竹下幸之介vs高尾蒼馬
5.29 BASARA 新木場 藤田ミノルvs阿部史典
5.30 我闘雲舞 市ヶ谷 里歩&さくらえみvsアントーニオ本多&駿河メイ
6.2 ガンプロ 新木場BumB 石井慧介&岩崎孝樹vs入江茂弘&渡瀬瑞基
6.4 我闘雲舞 新木場 SAKI&水森由菜vs紺乃美鶴&サワディー仮面
6.4 我闘雲舞 新木場 里歩vs駿河メイ
6.8 ハードヒット 新木場 松本崇寿vs岡田剛史
6.16 WAVE 25Dスタジオ 水波綾vs優宇
6.17 チェリー15周年 新木場 チェリーvs高梨マサ子
6.20 リアルジャパン 後楽園 関本大介vsタカ・クノウ
6.21 ロリマンプロレス 藤田ミノルvs影山道雄
6.22 東京女子 新木場 中島翔子vs瑞希
6.23 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs紺乃美鶴
6.28 WWE 両国 セス・ロリンズvs中邑真輔
6.29 WWE 両国 リコシェvsセザーロ
7.2 我闘雲舞 新宿 駿河メイvs梅咲遥
7.2 我闘雲舞 新宿 紺乃美鶴vs志田光
7.2 我闘雲舞 新宿 里歩vsさくらえみ
7.3 FREEDOMS 後楽園 葛西純vs杉浦透
7.4 YMZ 西新井 佐藤光留vs山下りな
7.7 BASARA 両国KFC 風戸大智vsベストストレッチマンV3(パーフェクト)
7.7 BASARA 両国KFC 木高イサミvs藤田ミノル
7.12 Ωナイト 新宿 KAZMA SAKAMOTOvs梶トマト
7.14 我闘雲舞 市ヶ谷 高梨将弘vsバリヤンアッキ
7.15 DDT 大田区 彰人vs朱崇花
7.15 DDT 大田区 クリス・ブルックス&高梨将弘vsMAO&マイク・ベイリー
7.15 DDT 大田区 遠藤哲哉vs竹下幸之介
7.17 ガンプロ 新木場 勝村周一朗vs大和ヒロシ
7.29 DDT ビアガーデン 彰人vs翔太
8.4 東京女子 鶴見 坂崎ユカ&瑞希vs天満のどか&白川未奈
8.10 ガンプロ 板橋 勝村周一朗vs藤田ミノル
8.11 ガンプロ 板橋 勝村周一朗vs岡田剛史
8.20 ぽっちゃり女子プロレス 新木場 マナ・コナーvsポチャミネーターP-800
8.20 ぽっちゃり女子プロレス 新木場 竹下幸之介vs今成夢人
8.22 GCW ジョーイ・ジャネラ&インビジブルマンvs菊タロー&インビジブルスタン
8.23 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs紺乃美鶴
8.25 東京女子 後楽園 坂崎ユカvsシュー・ヤン
8.25 DDT 後楽園 青木真也vs大石真翔
8.25 DDT 後楽園 竹下幸之介&坂口征夫&高木三四郎&アントーニオ本多vs男色ディーノ&スーパー・ササダンゴ・マシン&MAO&サンティーノ・マレラ
8.30 DDT 新木場 サンティーノ・マレラvsアントーニオ本多
9.1 東京女子 大阪 中島翔子vs瑞希
9.10 我闘雲舞 新木場 翔太vs山田太郎
9.10 我闘雲舞 新木場 さくらえみvs志田光
9.10 我闘雲舞 新木場 SAKI&水森由菜vs米山香織&駿河メイ
9.12 OWE 新宿 ワンジン&T-Cool&スコーピオ2Xvs吉岡世起&コクマ・ブル&チーターチェン
9.15 高梨将弘主催興行 両国KFC 両国式タッグガントレットマッチ
9.15 東京女子 両国KFC 山下実優vs舞海魅星
9.25 東京愚連隊 新宿 AKIRAvs藤田ミノル
9.29 大日本 名古屋 岡林裕二&入江茂弘vs橋本大地&神谷英慶
10.26 ガンプロ 板橋 新井健一郎&マスクドミステリー&翔太vs今成夢人&大谷譲二&鈴木心
10.26 ガンプロ 板橋 木高イサミ&大家健vs石井慧介&勝村周一朗
10.27 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vsルル ペンシル
10.31 我闘雲舞 新木場 さくらえみvs駿河メイ
11.2 毒人 阿倍野 GAINAvs谷口弘晃
11.2 毒人 阿倍野 HUBvsディック東郷
11.3 DDT 両国 男色ディーノ&トランザム☆ヒロシ&飯野雄貴&朱崇花&瑞希vsスーパー・ササダンゴ・マシン&黒潮イケメン二郎&大和ヒロシ&大石真翔&まなせゆうな
11.3 DDT 両国 中島翔子vs坂崎ユカ
11.3 DDT 両国 ケニー・オメガ&里歩vsアントーニオ本多&山下実優
11.4 大日本 両国 関本大介&ウォルターvs岡林裕二&火野裕士
11.6 アクトレスガールズ 高瀬みゆきvs有田ひめか
11.17 我闘雲舞 市ヶ谷 ヤス・ウラノvsルル ペンシル
11.17 爆破甲子園 鶴見青果 大仁田厚&新井健一郎&朱崇花&今成夢人vs高木三四郎&青木真也&FUMA&納谷幸男
11.19 藤田プロレススクール 2AWスクエア 最上九&ヤス・ウラノ&翔太vs吉田綾斗&タンク永井&花見達也
11.28 OWE 新宿 入江茂弘&T-Hawk&エル・リンダマンvsダーベン&ツィンジェ&Mr.T-Cool12.7 YMZ 西新井 木高イサミvsチェリー12.11 2AW 新木場 さとうゆうきvs梶トマト12.13 みちのく 後楽園 拳剛vsフジタ“Jr”ハヤト12.18 HEAT-UP 新百合 兼平大介vs井土徹也12.20 仙女 宮城野 駿河メイvs旧姓・広田さくら12.22 ガンプロ 北千住 石井慧介vs平田一喜12.25 FREEDOMS 後楽園 竹田誠志&吹本賢児vsグンソ&山下りな12.28 BASARA 後楽園 西村修vsトランザム★ヒロシvsバラモンケイ12.28 BASARA 後楽園 高梨将弘vs木高イサミ12.28 DDT 後楽園 竹下幸之介vsHARASHIMAvs佐々木大輔vsクリス・ブルックス12.28 DDT 後楽園 田中将斗vs遠藤哲哉12.30 OWE 後楽園 竹下幸之介vsT-Hawk12.30 我闘雲舞 市ヶ谷 紺乃美鶴vsクリス・ブルックス







《最優秀興行》
1.7 Fight Club Pro 後楽園
1.20 AWGカラーズ 新木場
1.22 我闘雲舞 新木場
2.6 DDT 新木場
2.16 マッスル 両国
3.9 モーニング闘争2019 スポルティーバ
3.19 琉球ドラゴン 新木場
3.26 YMZ 新木場
3.31 DDT 博多スターレーン
4.14 ぽちゃじょ 王子
4.16 センダイガールズ 後楽園
4.17 酒呑童子 新宿
4.27 我闘雲舞 板橋
4.29 くいしんぼう仮面興行 新宿
(5.25 AEW Double or Nothing)
6.8 ハードヒット 新木場
6.17 チェリー15周年興行 新木場
7.2 我闘雲舞 新宿
7.24 BASARA 宴闘2019 新木場
8.20 ぽちゃじょ 新木場
9.8 九州プロレス 玄武會主催興行 西鉄ホール
9.15 高梨将弘主催興行 両国KFC
10.13 新根室 新木場
10.26 ガンプロ 板橋
10.29 YMZ 後楽園
11.2 毒人10 阿倍野
11.19 藤田プロレススクール 2AWスクエア12.28 BASARA 後楽園

「あのベルト…ユニオンMAXは、DDTがお金を出して、作ったベルト。だからあれは、DDTにお返ししようと思います。…んなわけあるか!お前ら!!今すぐ取り返しいくぞ!!あッ!?全員だ、全員!!」








最高のエンディング。プロレスリングBASARAの戦いは、これからだ。




《新人賞》
猫はるな
水森由菜
愛野ユキ
白川未奈
梅咲遥
舞海魅星
鷲田周平
兵頭彰
進垣リナ
ルル ペンシル
花見達也
中村圭吾 new!





強い。何が強いって、レスリングが強い。
坂口征夫と相対して上回り、彰人と相対して上回り、大石真翔と相対して上回り。
そのレスリングの実力も、さることながら、運動神経よく跳躍力もあり、さらに蹴りまで持っている。
とても意外性のある、才能豊かな新人。






《ベストタッグ》
坂崎ユカ&瑞希
里歩&中島翔子
SAKI&水森由菜
りんごとハチミツ
ドロップアウトローズ
チーム200kg
混ぜるな危険藤田プロレス☆スクールCDK



《最優秀団体》
ぽっちゃり女子プロレス

以下、

ガンプロ
我闘雲舞
BASARA
AEW
OWE
YMZ

から選びます。


《プロレスを伝えたでしょう》
舞台「Fate/ Grand Order」(赤井沙希出演)
レスラーズグラフィカ3
新根室プロレス
旗揚げ!けものみち東郷見聞録


《ベストモーメント》
2.16 マッスル 両国 ニラちゃん、リングに上がってくれますか?4.14 ぽちゃじょ 王子 ありのままで
7.17 ガンプロ 新木場 秘密
7.24 BASARA 新木場 “X”アントーニオ本多
8.10 ガンプロ 板橋 この支配からの卒業8.20 ぽちゃじょ新木場 竹ちゃん、俺ともうちょっとだけ、プロレスして欲しい。
8.25 DDT コブラvsごんぎつね
9.16 東京女子 両国KFC まなせゆうなと万喜なつみ
10.26 ユニオン、リユニオン
10.29 だるまさんが転んだ
11.17 翔べ!ガンダム&ガンダム、大地に立つ12.28 ありがとうございました!







《MVP》
里歩
藤田ミノル
佐久田俊行
石井慧介
アントーニオ本多
さくらえみ
入江茂弘高梨将弘 new!

※独断と偏見による月間MVP
1月 里歩
2月 大石真翔
3月 藤田ミノル
4月 石井慧介
5月 駿河メイ
6月 瑞希
7月 彰人
8月 坂崎ユカ、勝村周一朗
9月 まなせゆうな
10月 里歩、さくらえみ
11月 ヤス・ウラノ、入江茂弘12月 高梨将弘




木高イサミに勝った。もう、それだけで、ここに挙げる理由には、充分。


I.D

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#いいねの数だけが自分が好きなプロレスラーを言う
というTwitterのタグがありまして。少し出遅れながら名乗りを挙げてみたら、40くらいいいねを貰って、これ幸いと“自分の好きなレスラー”をブレーンストーミング的に書き出していったら、200をゆうに超えましてですね。さらに比較的真面目に好きなレスラーをTwitterに書き出してみたら、思いの外リアクションがありましてですね。
私は思いました。
“嗚呼、これはもう絶対にポール・バーチルやケビン・ソーンの話に枠は割けない…!”
と。
ポール・バーチルは2005年くらいから2007年くらいまでWWEで活…在籍したレスラーで、地味な見た目から謎の技巧の数々を披露し、C4(=フラックスキャパシター=テツヤ・イン・ザ・スカイ)を世に広め、カーフストンプ(日本では大畠美咲、山田太郎が主な使い手)をフィニッシャーとして定着させたようなそうでもないようなレスラー。地味な見た目を払拭すべく、海賊ギミックで一瞬活躍しましたが、“ビンス(・マクマホン)がパイレーツ・オブ・カリビアンを知らない”という悲しい理由でプッシュが終わったりしました。

[ポール・バーチル。好きだったんだけども。]


ちなみにWWE-ECWで兄妹ギミックとして活躍したケイティ・リー・バーチルは、チカラプロの主催したキングオブトリオス2018にエントリーしていたところで久しぶりに名前を見たりしました。ポール・バーチルの行方はもうわからない。
ケビン・ソーンは有名ですね。
知らないという方も、もしかしたら“モルデカイ”という名前でなら聞き覚えがあるかもしれません。ない場合はごめんなさい。もしかしたら学プロ出身のマラデカイのほうがもう日本では有名かもしれない。
スッキリした顔立ちと恵まれた体格で将来を嘱望され、WWEでは2005年に“白いアンダーテイカー”とも称された、モルデカイとして華々しくデビューを飾りました。

[モルデカイ。好きだったんだけども。]


荘厳な出で立ち、圧倒的な力を示したモルデカイはしかし、観客の支持をまるで得ることなく、いつの間にかフェイドアウト。
“どこにいったんだろう?”としばらくしてみたら、WWEの中でもギミックの再生工場と化していたWWE-ECWで吸血鬼ギミックのケビン・ソーンとして再デビュー。New Bloodの一員としてそこそこに活躍しましたが、相変わらず観客の支持をまるで得ることがなく、日本公演にエッジとともに来日した際には、あまりに人気がなくて拗ねてしまったことが一部WWEファンの間で話題となったり、ならなかったり。たぶん今も米のインディーで試合をしてる可能性もあります。


…という(大分端折った)込み入った説明をTwitterの140字でできるわけもなく、そもそもこの文面で“好き”を伝えることができるわけもない(好きです)。
なので、まあ、代わりにここに書き殴ってみました。ええ。


…で、話を戻しますと、このタグを見つけたのが11月末。いまや年を越して1月初旬ですが、まだ書き終わりません。あと3人くらいを誰にしようか決めあぐねてる。っていうか本当はタッグを書きたかった。エッジ&クリスチャンとか、破壊兄弟とか、ハーディー・ボーイズとか、ダッドリー・ボーイズとか、SAKI&瑞希とか。







[途中からしか観てない私でも特別だと思うのだから、デビューから観てる人にしたらどれだけ特別だろう]
でも枠を絞りに絞ったためそこまでは語りきれず、さあそうするとどうしようか、と頭を悩ます訳です。
しかしまあここでそんなことを話題にしているのは、別に絞れないこととか語りきれないこととかが問題なのではなくて、単純に、好きなことで悩むのは、楽しいということです。
好きなものを好きだっていうことを、決められたルールの中で語っていいという、このタグはなんて幸せなタグなんだろう!
…そう思って2ヶ月くらいかけながら、楽しくペソペソ文字を打ってます。


好きなものを好きだと示すこと、好きなものを好きだと語ること、そのチャンスはあと6時間くらい残ってる。
そう、ネットプロレス大賞2019の投票は、(締切延長があったため)本日までです。
毎年毎年プロレスについて自分の“好き”をアウトプットする時間として、ネットプロレス大賞はとっても有意義なものだと思ってます。
何を楽しみ、何が好きで、どう感じたか。別にそこまで考えず、ただ“好き”だけでいいという寛容。
“好きなものを好きだと言える”ツールを、皆さんも是非。
ネットプロレス大賞2019詳細ページ

…あ、冒頭のタグは、ちゃんと完走します。ええ。

ネット・プロレス大賞2019①[最優秀新人]

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例年、プロレスブログの大家である「ブラックアイ3」様主催で行われる
ネット・プロレス大賞。

かつてマッスルハウス10の感想文をこのブログに掲載した際、
たまたま拾っていただいたことをきっかけに投票を始め、はや…今年何年になるんだろう?
もはや毎年、この投票をゴールにしながら、「今年は××に投票しよう!」「いやー、ベスト興行は熾烈だな!」とか、「MVPは○○と△△…それに▲▲と□□も…」とか日々考えながらプロレスを見ている。
というわけで、投票内容と思考過程を晒していこう!のコーナーです。
今年はちゃんと全部書こう(努力目標)。



《ネット・プロレス大賞2019〜新人賞〜》


例年頭を悩ませる部門である新人賞。
ネット・プロレス大賞のレギュレーションとしては、
・デビュー3年(目)以内
・過去に大賞(1位)を獲得した選手は除外
がおおよそのルールだったかと思います。
そこに私個人の自分ルールとして、
・できる限り実際に試合を見た選手から選ぶ
・できる限り前年の後半以降デビューした選手を優先(したい)
・前年までに投票した選手には投票しない
が加わるという感じ。
ですので、例えば全体ルールでは駿河メイにまだ投票可能ですが、昨年1位で投票しちゃったので、自分ルール適用で投票しない。
あとは昨年すでに上位に食い込んだ選手なんかも、中々投票しづらいところ。昨年全体2位の笹村あやめ選手とか今年見る機会たくさんありましたが、なんかもう、この枠に投票するのは違う気がしてしまう。
まあ、要するに、主観です。

えーと、あと、「力」「技」「魔法」の概念については…昨年説明したので割愛します。どうせ後で出てきます。
この概念の大本はナイトガンダム物語なんですが、今年はその概念を解するレスラーに投票することになりました。
言霊。


1位 水森由菜(我闘雲舞)2位 ルル ペンシル(我闘雲舞)3位 舞海魅星(東京女子プロレス)


今年も女子ばっかりだよ!


1位に推挙するのは、プロレスリング我闘雲舞所属の水森由菜。




元々熊本出身の“自虐系アイドル”として活動されていた中、2017年にアイドルライブで共演した、アーサ米夏&アサッテ海苔香の二人組“おにぎりプロレス”との遭遇が何故か何かのトリガーを引いたようで、我闘雲舞の門を叩くことに。


[2017.4:うっかり観に行っていたという]


2017年9月の新宿FACE大会でデビューを予定していましたが、大会直前に腕の骨を折る怪我を追い、デビューは延期に。しかし、諦めることなく治療を続けながらデビューを目指し、2018年2月、1年弱の練習生期間を経てついにプロレスデビュー。
デビュー戦に感銘を受けるレスラーってそんなに多くないのですが、前年の笹村あやめ、ガンプロ初代生え抜きレスラー・星野真央、同年5月の駿河メイと並んで、個人的にはデビュー戦史上ベストのうちの一つ。
ただし、昨年水森さんの名前を候補に挙げましたが、票を投じることはしませんでした。それは、同年デビューした駿河メイのインパクトもあり、同じ団体から二人並ぶのを避けた、というのが1つの理由。
しかし結果的に、1年遅らせて良かった気がします。
デビュー初年度から十二分のインパクトと完成度でしたが、2年目の今年は、成長が輪を掛けて著しい。
初年度からアジアドリームタッグに輝く活躍を見せましたが、年末にベルトを落とすことになるなど、年の後半は中々に伸び悩み…というには時期が早すぎるかもしれませんが、最初のインパクトに比して、期待値が上がり過ぎている面もあったように思います。
しかし、デビュー1周年の日に高橋奈七永の持つSEAdLINNNGシングル王座への挑戦が決まったあたりから、再びその成長が加速。
その場飛びのドロップキックのインパクトは絶大で、女子も男子も変わらず吹っ飛ばす説得力を持ち合わせていて、また、アジアドリームタッグ王座戦で再三決まり手となっているスーパー・ガール(コルト・カバナのスーパー・マンと同型)は、一発逆転の技であり、奥の手であり、試合で出している回数は少ない、にも関わらず、失敗したことはなく、返されたこともなく、説得力抜群。




3月にアジアドリームタッグの奪還を果たした際には、後に初代AEW女子王者となる里歩からピンフォール。
この2年くらいで里歩選手から他にフォールをとった選手は、さくらえみ、高梨将弘、中島翔子、大畠美咲…くらい。大変貴重な、殊勲賞とでも言える白星を飾っています。
リング上での実力、実績も推挙の理由ですが、もう一つの理由は、水森由菜という人物の……なんだろう。言葉を選ばず表現するならば、“得体の知れなさ”というところについても、強い理由の一つです。
“アイドル”兼“プロレスラー”という枠組だけでは収まらず、上野音楽堂でアイドルフェスの主催をしたかと思えば、自身の生誕(生豚)祭には有名スタイリストや有名人を招聘し、カラオケには自身の楽曲が(10曲くらい)登録されていて、TOKYO MXテレビでは半年に1回(事務所で枠を買い取ったと思しき)オリジナルドラマで女優として振る舞い、時に主演し、放送のCMで自身の楽曲を流し、定期的に地元熊本や九州域内でライブ活動を行い、ラジオ出演やテレビでの食レポをこなし、かと思えばプロレスラーとして他団体に参戦したり、自団体選手のセコンドについたり、セコンドのためだけに来場したり…
………………そう。
本当に、活躍の範囲が広い。広すぎる。
水森由菜とは、何者なのか。
レスラーとしてキャリアを深めればふかめるほど、その活躍の幅が、謎。背景が、謎。
謎が謎を呼ぶその怪しさはしかし、プロレスラーにとっては大変、必要な要素であると思ってます。
リングで重ねる研鑽と実力、そしてこれまで築き上げてきたものとその背景の底知れなさ。それは同時に、プロレスラーとしての底知れない可能性。
そうした要素を顧みたとき、喩え、前年上半期デビューであろうとも、この人材の名を挙げずに置くことは、私にはできませんでした。
2019年の新人1位に、水森由菜を推挙します。




2位も同じく我闘雲舞から。ここはもう、忖度しないことにしました。
プロレス界に現れた、新たなインベーダー。“フリーライター”ルル ペンシルの名前を、挙げることになってしまいました。




「力」「技」「魔法」の概念に立ち返ったときに、ルル ペンシルは、完全に魔法使い。
「技」…私が無理矢理当てはめた概念としてここにはいわゆる“強さ”が当てはまることと存じますが、その点に関して言うならば、限りなくゼロに近い。
そこが“なってしまいました”と申し上げるに到った点。
7月に我闘雲舞から里歩が退団、と同時に発表となった、5人の練習生のうちの一人がルル ペンシル。7月段階で度々練習生のエキシビションが行われましたが、練習生ルルのエキシビションは、ちょっとどころではなく衝撃的。
その内容はなんと、3分間のエキシビションで、なんと(繰り返し)7回、水森由菜に敗れるという…
最初のこのエキシビションではリストロックにタップし、ヘッドロックでタップし、押さえ込まれて返せず。
この段階ではまだ、“まだ練習始めたばかりだから仕方ない”という見方もまだ残っていたような気がするんですが、2回目の同じ練習生・桐原季子とのエキシビションで(3回獲られたのをみて)、ようやく、何かを理解しました。
ルル ペンシルのレスリングの動きは、確実に(前回の3倍くらい。常人の1/4くらい)速くなってる。
短期間で練習を積み、着実に成長している。
ただし。
強さの“絶対値”は、もしやこれ以上伸びることはないのではないか…?
そう予感させる内容でした。
8.25新木場大会で我闘雲舞は6人の新人をデビューさせるという、恐るべき、言ってしまえば狂気の興行を開催し、そこでルル ペンシルもデビューを飾ることになったわけですが、その試合の衝撃は凄まじいものでした。
最初にエキシビションを戦った水森由菜とのデビュー戦は、リングはおろか、会場をところ狭しと逃げ回り、エキシビションではあえなく敗れた技の数々を耐えしのぎ、ともすればフルタイムドローまであと一歩まで漕ぎ着けるような内容。
試合時間だいたい9分くらいで、ピンフォールを獲られたのが一回ですから、(強さの量り方がこれでいいのかどうかはさておいて)3分で7回敗れた7月のエキシビションから比べると、単純計算で約20倍くらい、強くなっている…と言えないこともないような…ないような…
ルル ペンシルが逃げ惑ったこの9分間の内容はあまりにもトリッキーで目が離せない内容で、もはや語彙が死にますが、実に衝撃的。
その衝撃はうっかり世界に届いてしまうことになり、遠くアメリカで開催されたAEWにおける里歩vsさくらえみという一戦で、うっかり(繰り返し・強調)、解説のエクスカリバーが“ライジングスター”としてその名前を挙げ(てしまい)、さらに11月に開催された英国はプロレスリングEVEのSHE-1への駿河メイの遠征に同行した際には、やっぱりうっかり試合をすることになり、プロレスラーとして海外デビュー。“ルル ペンシルは実在した!”という衝撃を世界にもたらしてしまうことになりました。




さて。
これまでもプロレスラーの中には、“弱さ”をウリにしたレスラーは何人も現れているような気がします。
ただ、ルル ペンシルがその枠に当てはまるのかどうか、その疑問…“ルル ペンシルの新しさをどう理解すればいいのか”という命題については、2019年下半期に頭を悩ます課題の一つでした。実は。
で、この年末年始シーズンにこのネットプロレス大賞どうしようか話をご飯食べながらしていたときに、ルル ペンシルのプロレスは「割り算のプロレス」なのではないか、というヒントを貰い、私の理解は促されることとなりました。
このあたりは言葉のイメージの問題なので、足し算、引き算、掛け算がそれぞれどのようなプロレスなのか、は、ここでは割愛しましょう。なんとなく足し算は四天王、引き算はリック・フレアーのイメージです。
肝心なのは、ルル ペンシルのどのあたりが“割り算”なのか。
例えば先の7回敗れたエキシビション、序盤の攻防の定番であるリストロックに、ルル ペンシルは敢えなく、ギブアップの意思を示しました。
例えば新納刃とのシングルマッチ。男子の、それも経験豊かな手練との対戦でルル ペンシルは新納刃の“蹴り”に着目し、ラーニングしました。
ルル ペンシルのリング(マット)での立ち回りは、その“強くなさ”が故に、当たり前に見てきたプロレスの要素を、ある意味では現実の側に引き寄せてくれます。
手首を捻られて相手より力がなく、返す術がなければ、ギブアップするのは道理です。人間の脚は、単純に腕の2倍の力を伝えることができると言われています。
プロレスラーはこうした攻防を当たり前に展開しますが、ひとたびルル ペンシルを介すれば、プロレスの当たり前は、当たり前ではなくなる。当たり前と思われた一つ一つの要素は、彼女のプロレスの前に、次々解体されていく。
それはまるで、素因数分解。
ありとあらゆる要素、因数の積み上げで展開されるはずの試合が、結果的に一つ一つの因数に焦点が当たっていく、そんな「割り算のプロレス」。

[たまに理解不能な変数も放り込む]


ともすればこれはとても恐ろしいことで、当たり前に展開されてきたプロレス的な動き、その意味を一つ一つ問われていく作業でもあります。
不問に伏されてきたものを、改めて問うという侵略。
プロレスリングの新たな見方を提示する可能性のある、侵略者・ルル ペンシルのこれからに目が離せません。


「力」「技」「魔法」という、私がナイトガンダム物語を引き合いに出して無理矢理当てはめた評価の概念で言えば、個人的な好みが「力」(≒精神力)と「魔法」(≒創造力、想像力)に偏りがちになるのですが、3位には「技」…つまるところ“強さ”とか“完成度”の観点から。
東京女子プロレスの“東北ストロング魂”舞海魅星選手の名前を挙げました。


デビュー直前に“タイガーマスクの秘蔵っ子”というとんでもないバックボーンが明らかになった、東北出身の柔道経験者。
元々プロレスファンで度々“密航”していたようで、デビュー前の練習生自己紹介では憧れの選手にオカダ・カズチカの名前を挙げていたりした舞海魅星選手、放つドロップキックのフォームがどことなく似ている。意識していないらしいけども。そういう“好き”をかたちにするあたりも、ここで名前を挙げたい理由の一つです。

鈴芽、汐凛セナという同期3人の中でいち早くデビューを果たすと、デビューからあたりの強さをみせ、左腕から繰り出すラリアットやバックドロップなどパワーのあるところを示してましたが、個人的に一番驚かされたのは、レスリングというか、グラップリングでのとんでもない強さ。
9.15両国KFC大会での山下実優選手との初のシングルマッチでは、なんと序盤の攻防で圧倒。最後にはバックスピンキックで一蹴されましたが、この一戦で団体のエースから一目置かれたようで、以降の対戦では山下実優選手の蹴りが舞海魅星選手に対してだけ一際鋭くなる様子が見て取れたりします。
デビュー何戦目かでシングルマッチを戦った大怪獣に感想を伺ったときには、開口一番「優宇さんみたい」。
なるほど、そいつは逸材だ。
あと個人的には、大漁旗を翻す彼女の入場が大変カッコいいと思ってます。


ということで大変まとまりのない文となってしまいましたが、大変将来に期待を持たせる選手として、ここに名前を挙げることとなりました。



その他に候補に考えたのは、東京女子プロレス(参戦選手)から猫はるな選手、
愛野ユキ選手、
白川未奈選手。
2018年11月にデビューした猫はるな選手は、個人的にはリングの使い方が上手い選手という印象で、技のチョイス(特にHHH式フェイスバスター)も大変好ましい。


腰の怪我で欠場期間を挟むことにはなりましたが、無事に復帰されたので、これからの活躍が楽しみ。
愛野ユキ選手に関しては…なんだろう。リングアナウンサーとしての期間もあるためなのかなんなのか、“新人”感を覚えることがほとんどない。




そもそもデビュー1年半で3度もタッグタイトルに挑戦しているので、そのあたりの落ち着きがそうした印象を与えるのかもしれません。
実際、後楽園大会のセミファイナルでみても、なんら違和感がないという。
サムライTVなんかでプロレス好きのグラビアアイドルとして出演することの多かった白川未奈選手は、デビュー戦からもう、“プロレス好き”であることが大変伝わる試合ぶりでした。



空中胴締め落としやロメロスペシャルなど、獣神サンダー・ライガー選手へのリスペクトに溢れている一方で、あまりにも強烈なキャラクターもまた鮮烈でした。


その他名前を挙げた選手は、
梅咲遥
鷲田周平
兵頭彰
進垣リナ
花見達也
中村圭吾

あたり。
今年上半期あたりは新人選手を目にする機会少ないかなと思っていました。しかしまあ、2016年みたいに大量にデビューしたりはしていませんが、着々と新しい力は育っているように感じます。
ちなみに名前を挙げませんでしたが、センダイガールズプロレスリングで2019年にデビューした岡優里花選手を12月に初めて見まして、その強い気性とスタミナがかなり印象に残りました。




仙女のコーチをディック東郷選手が務めていることを考えると…2020年に名前を挙げることになりそうな気がしています。






ネットプロレス大賞2019②[プロレスを伝えたで賞]

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《ネット・プロレス大賞2019 〜プロレスを伝えたで賞〜》

この部門は、プロレスを伝えたコンテンツを評価する賞。
個人的には最近、プロレス会場に行き過ぎて、
何かしらのコンテンツを通じてプロレスに触れるのが
中々どうして難しい(億劫)ため、
あまりちゃんと評価できていない気がします。

この部門も評価の軸がいくつかあるように思っていて、
“プロレスの魅力をプロレス社会の中に(量的に)広めた”
“プロレスの魅力をプロレス社会の中に(質的に)伝えた”
“プロレスの魅力を世間に(量的に)広めた”
“プロレスの魅力を世間に(質的に)伝えた”
という
[プロレス界/世間 × 量/質]のマトリックスで考えます。
…と、いうのをあとづけで思いつきました。

たぶんもっとたくさん軸の種類はあるのだけど、
現状の私だとせいぜいこれくらいでしか区分ができる気がしない。
というわけで、投票内容は下記になります。


1位 新根室プロレス2位 東郷見聞録3位 Fate/Grand Order THE STAGE 絶対魔獣戦線バビロニア(赤井沙希出演)


1位には、13年に及ぶ活動に幕を閉じることとなった新根室プロレス。
一昨年にアンドレザ・ジャイアントパンダという衝撃的なレスラーを生み出した根室発祥の社会人プロレス団体は、代表であるサムソン宮本選手が大病を患っており、闘病生活に入ることに伴い、その活動に一度、幕を閉じることとなりました。
2019年10月に新木場1stリングで開催した新根室プロレス初の有料大会には超満員の観客が集まり、また、その内容も素晴らしかった。





その13年に渡る足跡については、テレビや新聞等の各メディアにも取り上げられ、もしかしたら、2019年一番多くの人に“プロレス”という単語を届けた団体になるのではないか…とも想像します。






[別の団体で再デビューを目指されるという。]
新木場大会の冒頭、MCマーシーは“凄い技はできません”と言葉にしていました。
でも、凄い技とか、迫力のぶつかり合いではないところ、“プロレスが好き”という気持ちで空間を満たし、世間に届けることができた偉業については、どうしたって讃えずにはいられない。
団体部門、興行部門にもおそらくノミネートすることになるでしょうが、私個人としては、その伝えた力を以てして、この部門の一位として、名前を挙げたいと思いました。




2位に挙げたのは、ディック東郷選手が国内引退〜ボリビアでの引退試合までの海外でのプロレス生活の模様を綴った書籍・東郷見聞録。
これはもう、ごめんなさい。私の趣味だ。
今年数多く出版されたプロレス関連書籍、私あんまり購入していないのでちゃんと評価できるわけもないので、手にとった中で面白かった、ということでこちらを推挙しました。


2019年、数多く出版されたプロレス関連書籍の中で、何故「東郷見聞録」なのかと問われれば、トークショーでゲストとして来場していた、藤田ミノル選手の言葉が何よりの答えになる気がしています。
「カバンひとつ、(レスリング)タイツ一つで、世界中を回ってプロレスをする。プロレスラーは誰しも一度は夢見ると思うんです。…無理ですから!」
自身も世界各地でプロレスをし、国内フリーの超売れ(売り)っ子である藤田ミノルをして、こう言わしめるレスリングマスターの足跡。その貴重な体験を、皆様も是非お手元に。


3位は昨年初旬に話題となりました、舞台Fate/ Grand Order。何故これが“プロレスを伝えた”かと言えば、至極シンプルに、赤井沙希選手が出演していたからです。




特定のコンテンツの、それもスピンアウトである舞台ということで遡及力は如何ほどかと侮るなかれ、そこは国内最強のWEBゲームアプリ。およそ2000万ダウンロードの基盤は伊達ではなかった。
赤井沙希選手が演じたのは、ケツァルコアトルという南米の神様。何故か作中ではルチャリブレに傾倒しており、神様なのに肉弾戦を心情にしていたりします。原画は広江礼威なのに…
で、ルチャリブレ好きの神様の役を現役プロレスラーである赤井さんが演じるということで話題となったかと思えば、なんと劇中でも実際にプロレスリングムーブを披露する機会があったようで。
世界はルチャで繋がっている。
赤井さんは赤井さんで“ケツァルコアトル”を演じた経験をプロレスに持ち帰り、FGO作中でケツァルコアトルが繰り出す攻撃と似た動きのJK(オリジナルは冨永真一郎)を使用するようになり、さらにはこの舞台の経験の後に体得した高角度ラ・マヒストラルを“ケツァルコアトル”というそのものズバリなネーミングでフィニッシャーにするなど。


[“ケツァルコアトル”に入る前の「イキマーース!」という掛け声は、作中でのケツァルコアトルの台詞。]


[JK]
この舞台がキッカケでプロレスに興味を持たれた方や、初めて会場に観に来る方、ファンになる方もいらっしゃったようで、そうしたキッカケや、ファンカルチャーの親和や広がりは大変尊いものです。
プロレス文化の外へプロレスを広めた、という点で、ここで触れておきたいなと思いました。



かつては如何に既存のメディアを活用してプロレスの枠組みを広げることができるか、様々に試みられてきましたが、今や団体の規模の大小に関係なく、メディアの活用は当たり前になりました。
専門の映像配信サービスも今や各団体、プロモーションが持っていたり、You Tubeで検索すれば団体You Tubeチャンネルから試合や中継がみれたり、あっという間に世界に繋がることができます。
個人的にはエニタイムフィットネスでバイク漕いでるときとか、試合で使用された技や展開の確認なんかができて大変便利な一方で、視聴数についてはまだまだ一部の限られたユーザーのみにしか届いていないものもあったり。
その中で、初日の出プロレスで佐藤光留はYMZ You Tubeチャンネルでの佐藤光留vs志田光の動画が32万視聴、佐藤光留vs朱崇花の動画が37万視聴と伸びに伸びてることを明かしていました。

[海外向けコンテンツ]


なんというか、コンテンツによっては(主に海外からのアクセスで)爆発的に拡大する可能性も秘めているので、もはや映像コンテンツは必須のインフラなのかもしれません。
そうしたインフラの産物として、AEWでうっかり解説のエクスカリバーがさくらえみと里歩と我闘雲舞の紹介ついでに“Rising Star Lulu Pencil”と口走ってしまうような事態だって起こるわけで。


[時には予期しない、意図としない拡散も起こりうるという]

…何が言いたいのかといえばまあ上の段落2つくらいに言及したかっただけなのですが…
ともあれ、“映像で配信されるプロレス”はすでにインフラとして定着し、特別なものではなくなりました。そんな時代にあって、さらにプロレスを広めるにはどうしたらいいのか。映像以外の仕掛けが必要なのかもしれないし、映像の中での仕掛けが必要なのかもしれない。
プロレス好きだけに広めるべきものと、プロレスという一つの国の外に向ける発信が必要な場合もある。
…あとで最優秀団体の話の中で“市場規模”に触れますが、言ってもまだまだ、特に国内ではニッチな市場であることには変わりはなく。
誰が、どこに、何を、誰に向けて、プロレスを伝えるのか。
その在り方は日に日に変わるとともに、ますます今後戦略が必要になっていく…
………みたいな話にすればキレイにまとまるでしょうか。

ネット・プロレス大賞2019③[最優秀団体]

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《ネット・プロレス大賞2019 〜最優秀団体〜》
投票内容を晒そうのコーナー3項目め。
この部門に関しては、基本的には“前年度比”で選ぶようになってます。
好き嫌い(嫌いということはほぼないですが)の要素も本当は入れたいけれど、どちらかと言えば個人的盛り上がり度合いを重視していて、基本的には新興団体が強い。
まあ、これも、要するには、主観です。
そのあたりを踏まえまして、2019年投票内容は下記となりました。


1位 ぽっちゃり女子プロレス2位 AEW3位 OWE


1位にはガンバレ☆プロレス今成夢人が立ち上げた、ぽっちゃり女子プロレスを挙げました。私の中の脳内会議ではこの1位については8月段階で満場一致です。




ふくよかな女性を好む今成夢人が、自らが掲げる“公私混道”の成れの果てとして生まれた(ように見えた)ガンバレ☆プロレスからの派生団体…というかまだ団体なのかもいまいち定かではないところですが、もはやそんな細かいことは気にしない。
4.14、ガンバレ☆プロレスが王子BASEMENT MONSTERで行った三連戦の、真ん中の枠で開催されることとなったぽっちゃり女子プロレス。
最初は本当に、本当の本当に今成夢人の公私混道の成れの果てとして行われるものだとばかり思っていたら…広がっていたのは、驚くばかりの感動の空間でした。
キーパーソンとなったのは“エース”として突如指名された、東京女子プロレス参戦中のフリーレスラー・まなせゆうな選手。




タッグを組んでいたのの子選手が2018年3月に東京女子プロレスを卒業し、
伴いなんとなく戦いの置き場が曖昧になっていた時期もあったように思いましたが、2018年度下半期あたりから試合での“弾けっぷり”が増していた印象のあったまなせ選手、しかし、野郎Zでの今成夢人との接触があったり、やはり今成夢人の嗜好に伴うエース指名なのかな…と思いきや。
興行を見届けたあとに、実はこれ以上ない人選であったのではないか、と、まざまざと思い知ることになりました。そもこの旗揚げ興行自体が、そしてこの団体そのものが、実のところまなせゆうな選手のため、まなせゆうなという“被写体”のためにこそ、あったものであるかのように。






ぽっちゃり女子プロレスという団体、その興行に関する個人的な見解は、プロレスそして興行全体を通じて紡がれる、いわば“戦うドキュメンタリー”。
もちろん通常ルール(?)による試合もありますが、ルール設定、いや、カード発表の時点からかなりファンタジー色の強い(マナ・コナーvsポチャミネーターのような)試合も組まれたりします。


[マナ・コナー]

その部分で言えば“ドキュメンタリー”からはかけ離れているようにも思えますが、しかし、その実、試合を通じて掘り下げられていくのは、リングの上で戦うプロレスラーの過去であり、繋がりであり。試合が進むごとに暴かれていく興行のテーマ…今成夢人“監督”の狙いと仕掛け、レスラーの本質に惹き込まれていき、もう、声援を贈らずにはいられなくなります。






おそらく、ベスト興行部門でもいくらか票を集めることになるかと思いますが、個人的には、旗揚げ戦も、第2回興行もあまりに素晴らしかった。あまりに素晴らしかったからこそ、敢えて、悩むことにしました。“どっちの興行をより評価するか”ということについて。
どちらも素晴らしかった。どちらも意外性と驚きに富んでいた。どちらも、涙が止まらなかった。
…悩んで悩んで私が出した結論としては、“第2回興行が、より凄かった”。
何がどのように凄かったかといえば、まず、旗揚げ興行の素晴らしさで上がりに上がったハードルを、第2回興行は上回るどころか、優に超えてきたこと。
エースであるまなせゆうなをマナ・コナーとしてファンタジーに放り込み、かつ、第2試合を務めさせることで“この狙いはなんだろう?”と思っていたら、紐解かれていったのは、“親子”という関係性。


[マナ・コナー…まなせゆうなにとっての“プロレス界の父”ロッシー小川も映像出演]
監督のその仕掛けっぷりにただただ脱帽し、かつ、ポチャミネーターに真正面からぶつかっていったマナ・コナー…まなせゆうなの奮闘ぶりにひたすらに拍手を贈り、この第2試合の時点ですでに、旗揚げ興行から派生した期待を優に上回ってきました。
この試合からメインへと繫がる美しく、かつ、感傷的にならざるを得ない仕掛けに大きく寄与したのは、今成夢人の一つの本質である“映像”。この強力な武器と自身のプロレス、そして人生を、興行という舞台に乗せる、壮大なドキュメンタリー。




ちなみにですが。
今年一番泣いた試合は、今成夢人vs竹下幸之介。



それは今成夢人の独白にも一因がありますが、その独白に応えるように竹下幸之介が繰り出した技が、何より胸を打ったから。






ベストバウト候補をツイッターで116試合振り返りましたが、この試合の感想を改めて打ち直しながら、必死に涙を堪えてました。
この団体にしかできない試合、この団体にしか表現できない、プロレスのかたち。

[人生を見せる興行。人生を変える興行。]


誰がなんと言おうが、ぽっちゃり女子プロレスが2019年の1位です。




2位には“All Elite Pro-Wrestling”AEW。
新日本プロレスを中心に活動したBullet Clubの中でも“Elite”を名乗ったメンバーを中心に、コーディ・ローズを社長に、ヤングバックスとケニー・オメガを副社長に据えた、北米の新興プロレス団体。




スポンサーにはプロレス大好き大富豪・トニー・カーンがオーナーとしてつき、10月にはテレビ中継も開始。つい最近テレビ契約が2023年まで延長となったことが発表されており、規模的には一気に(たぶん)世界2位に躍り出ています。
5.25に行われた旗揚げPPV Double or Nothing では、日本の(主にメジャー)ファン必見のケニー・オメガvsクリス・ジェリコ、アメプロファン垂涎のコーディvsダスティンの兄弟対決に加え、ケニー・オメガプロデュースによる日本の“Joshi”の試合として、アジャ・コング&里歩&志田光vsさくらえみ&水波綾&坂崎ユカという、日本ではまず見ることのできないカードが組まれるなど、様々に話題となりました。

[様々話題となったというより何より私の中で盛り上がった。ダニエルズさん出ますし。]


旗揚げの結果は、おそらく“Double”と出たように思います。
WWE退団直後のジョン・モクスリー(ディーン・アンブローズ)がエンディングに乱入し、AEWの主要人物として加入したことは、おそらく、世界最大手であるWWEにとっては見逃せる事態ではなかったように思います。WWEを意識させるだけでも、現代プロレス界のパワーバランス的には、充分にインパクトのある旗揚げだったのではないでしょうか。
AEWについては色々思うところがありますので、また別稿という形でまとめられたらと思いますが…
9800億円の個人資産を持つオーナーが、プロレスに目を向け、プロレスにお金を出してくれるっていう時点で、もう本当に、めちゃめちゃ明るい話題だと思ってます。日本のプロレスの市場規模は、測り方によって様々ですが、大きくても300億とかで。単純に比べることなんてできないですが、日本のプロレス界30回買える資産を持っているわけですからね(破綻した計算)。
一方で不安がないわけでもなくて。
今現在放送中のAEW ダイナマイトは水曜夜(日本時間木曜朝)の放送です。そこに、WWEは全く同じ時間に、ファーム団体…というか第3のブランドでもあるNXTの中継をぶつけていくことになりました。なんとなく選手層も重なっていて、見ようによってはライバル団体のようですが、実際に視聴者数も拮抗している模様で、互いに60万〜100万人程度の視聴数を叩き出しています。
そう、あれだけプロレス界では大々的に見えても、視聴数はそれくらい。率に換算すれば0.3〜0.5%くらい。RAWやSMACKDOWNが全国ネットで3%くらにの視聴率であることを考えると…1位と2位とはいえ、その差は大きい。
また、AEWで展開されているプロレスはWWEで提供されているものとはまた違う…なんだろう。その選手の個性のまま“薄めてない”というか“やりたい放題”というか。「第1試合からファイヤーバード」「技や動きの違いで個性を示すのは無理」とレギュラー参戦しているさくらえみ選手が語るほどにハイスパート。このスタイルのままいくのかどうなるのかはわかりませんが、WWEとの差を詰める、あるいは単純に一般視聴者数を増やすための“仕掛け”や“伸びしろ”をどのあたりに見出すのか…という点についてはまだあまり明瞭ではない気がしていまして。
それこそ、豊富な資金力を背景にしたWWE(等)からの引き抜きや、レジェンドレスラーの参戦、優遇という方向に舵を大きく切ったりすると…なんというか、それはそれで別の団体の二の舞になってしまうのではないか、という危惧も首をもたげるところであります。
…まあ、なんのかんの言いつつも、AEWがプロレス界に現れたこと、そしてAEWが日本のプロレス、特に“JOSHI”に注目していることは、今の段階で個人的には好意的に受け止めていますし、プロレス界マクロで見たときにはやっぱり超グッドニュース。
今後どのような舵取りとなるのか、しばし、行く末を見守りたいと思います。日本公演もやってね。


3位に上げたのは“Oriental Wrestling Entertainment”…OWE。
CIMA、T-Hawk、エル・リンダマン、山村武寛の#STRONGHEARTSが率いる、上海(現在はカンボジア)を拠点とした、中国発の新興団体。




日本公演のTwitterでの評判を見て第2回興行を観に行こうとしたらチケット完売。なればと思って3回目の興行を早めに予約して観に行きましたが、ちょっとばかり鮮烈なプロレス体験でした。
“全選手がサスケスペシャルできるレベル”と聞いていた選手個々の身体能力がまず素晴らしく、もうそれだけでもインパクト抜群。それにその選手たちがまだキャリア2年弱というのがまた、実に驚異的な部分でもあります。










開催する大会はいずれも満員、年末に開催された後楽園大会も満員と、その勢いは疑いようはなく。
OWEに直接の参加ではありませんが、#STRONGHEARTSに入江茂弘も加入し、恐ろしい爆発力も備えることとなりました。


才気溢れる若い選手がいて、超満員の観客を集めるOWE。
それでも見通しに不安な部分がないわけでもなくて。冒頭に少し記載しましたが、11月ごろから運営体制が変わったようで、拠点が上海からカンボジアに変わることとなりました。
それが何を意味するところなのかは全て憶測の域を出ないので、ここに特に記すことはありませんが、まだ、全てが順調に進むかどうかについては、予断を許さない状況にあるような気がしています。
とはいえこの団体がもたらすものの新鮮さに疑いの余地はなく。一つの団体として発展していった先に、中国という途轍もなく大きな市場を開拓する可能性まで秘めています。
その壮大な航海に期待と祈りを込めて。






最後まで投票しようかどうか迷っていたのはYMZ。米山香織選手が主催する、ゴキゲンなプロレス空間。




瑛翔という生え抜き所属選手もいるので、団体という括りで見ていいのかなとも思うのですが、あくまでスタンスとしては“ゴキゲンな集団”という位置を貫いているので、その立場を尊重してというかなんというか、堅苦しくしたくもなかったので、投票を控えることとしました。
ただ、“プロモーション”としてYMZはとても面白い。自信を持ってオススメできる。
何より驚かされたのは後楽園大会。
平日、しかも雨天開催となったにも関わらず早くから観客が詰めかけ、なんと1000人を越えて満員での開催となりました。数秘術マッチがあり、コスプレがあり、米山香織が現在表現している世界があり。








そして全試合終了後には恒例の三本勝負もあり、後楽園ホールを使って40人ほどのレスラー、関係者が全力で椅子取りゲームをする…という、この集団でしかあり得ない光景を見せてくれました。






三本勝負の締めは会場全体を使ってのダルマさんが転んだ。階段を全力でレスラーが駆け下りていく光景なんてスクランブルバンクハウスデスマッチぐらいでしか記憶がありません。シレッと気配を消していた十嶋くにおが勝っちゃうあたりも、実にYMZらしい。
このように展開されていた空間はしかし、実のところいつもどおりのYMZ。70人くらいが限度の西新井大師スタジオで当たり前に行っていた内容が、ほぼそのまま後楽園ホールに移っただけ。小会場でも大会場でも同じように楽しませてくれるゴキゲン空間。



とても楽しいプロレス体験。ゴキゲンな空間を是非一度は訪れることを強くオススメします。


ネット・プロレス大賞2019④[最優秀タッグ]

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《ネットプロレス大賞2019 〜最優秀タッグ〜》
投票内容を晒そうのコーナー4項目め。
今まさに、投票結果がブラックアイ杉さんのTwitterで発表中。大体発表後は他人の投票内容に注目してしまって、自分の振り返りがぼんやりするのが例年の傾向なので、できる限りなんとか発表中にも進めたい。
さて、東スポプロレス大賞も割とそうだと思うのですが、最優秀タッグについては実際の実績もさることながら、なんというか、“インパクト”が何より重要である気がしていてですね。
もちろん、実績というのがインパクトの要素であることは間違いないのですが、“凄い”が見るだけでどれだけ届くかどうか、ということは、ここでの判断基準にとてもとても影響を及ぼします。
ということで、そんな前提を基に。


1位 チーム200kg(橋本千紘&優宇)2位 藤田プロレス☆スクール(藤田ミノル、ヤス・ウラノ、翔太 他多数)3位 りんごとはちみつ(アントーニオ本多&駿河メイ)


1位に推薦したいのは、橋本千紘&優宇の“チーム200kg”。




冒頭、“インパクトが重要”と申し述べましたが、もうこの二人のインパクトは、絶大。二人の並びを初めて見た瞬間に、もう投票することを決めました。
女子プロレス界にあっては、特に大きな二人。身長が高いわけではありませんが、もう、とにかく鍛えに鍛えたことが分かり過ぎる、どこの部位をとっても“(筋量が)デカイ”身体のフォルム。ゴールドジムを模した揃いのタンクトップを身に着け、入場曲は「なかやまきんに君を意識して」の「♪イッツ・マイ・ライフ」(ボン・ジョヴィ)。
どうみてもパワーのある二人が繰り出す攻撃には、もはやコンビネーションとか必要なく、兎にも角にも腕を振るうだけで威力が絶大。インパクトも、絶大。










いつも東スポプロレス大賞とは投票の方向性が異なるので、よっぽどのことがない限り“まあそうなるよね!”と斜に構えてみているのですが、2019年のプロレス大賞ではチーム200kgに一票入っていて“おおっ!?”ってなりました。ちゃんと見ている人がいたということですし、また、そこにも届くだけのインパクトがあったということですし。
そしてまた先程速報として発表されたネット・プロレス大賞では、なんと全体第6位。届いてる。
これだけ絶大なインパクトを与えながら、二人はまだ昨年8月頃から組み始めたばかり。もう、この先伸びしろしかない。
個人的には、女子プロレス界で最大の強さのポテンシャルを持っていると目している二人のタッグチームなので、これからの積み上げ次第でベルトはおろか、なんというか、勝てる訳ないレベルの(関本&岡林のような)チームとしてこの先君臨する可能性も見据えてます。
そんな素晴らしいスタートを切ったタッグチームを、今年の一位として名前を挙げることに致しました。



2位に挙げたのは、藤田プロレス☆スクール。

千葉県で急遽巻き起こった謎の教育ムーブメント、その、発信源。
2AW参戦の藤田ミノルが、最上九を“学級委員長”に指名、なんやかんやトントンと話が進み、11月にはいきなり“藤田プロレス☆スクール秋の特別講座”という興行を開催。…実質的には、活動はこれのみです。




さて実質的な活動が現状これのみであるにも関わらず、“教頭”藤田ミノルの為せる技なのかなんなのか、SNS(というかTwitter)を中心に相変わらず妙な存在感を発揮。ヤス・ウラノが2AWの選手たちに執拗にリプライで絡んでいく“藤田クソリプスクール”では、バトルソクラテスがそのソクラテスっぷりを不必要に発揮。キャリアの若い花見達也を無茶振りの連続で追い込んでいく一方で、笹村あやめに対しては、いわゆる典型的な“クソリプ”を完全再現、藤田プロレス☆スクールの動向を注視するファン=一般生徒たちを驚かせ、畏怖させました。…っていうか私が恐れ慄いた。




“外伝”として予定していた1.1プロレス侍は、この年末年始猛威を奮ったインフルエンザの影響もあって残念ながら中止に。ただ、「東郷見聞録」発売イベントでは、ゲスト出演した教頭から、藤田プロレス☆スクールへのディック東郷講師の招聘が示唆されました。




おそらく、今年もいわゆるこれまでのプロレス界におけるようなユニットとしての活動とは異なる形で、このスクールの運営は継続されることでしょう。
それでも、千葉に拠点を置くこのスクールから、怪しい活動が次々発信されていくであろうことはおそらく間違いはなく。


団体でもプロモーションでもなく、ユニットと言っても差し支えのあるこの謎の組織の動向を注視すべく、2019年の2位に名前を挙げることに致しました。


3位に挙げたのは、2019年1月に結成された“新進気鋭のフォーク・デュオ”アントーニオ本多&駿河メイによる、“りんごとはちみつ”。



我闘雲舞におけるフォーク・デュオといえばかつて、アントーニオ本多&「ことり」による“ことりトン”がいましたが、「ことり」選手のプロレス卒業に伴い事実上の解散に。
しかし新たに結成されたこのフォーク・デュオは…また違った魅力を振りまいているような、そうでもないような、そもそもプロレスの話をしているはずなのになんで延々とフォーク・デュオについての言及をここで続けてるんだろうという疑問を払拭してくれるような存在感を放っていたり、いなかったり。

[表情に自信が漲りすぎている]
この二人の何がすごいかといえば…中々言葉にするのは難しいのですが、アントーニオ本多の作る世界観に対するリアクション…というか、瞬発力や理解度の早さ、みたいな部分。必ずしも勝利のために合理的かどうなのかわからないアントーニオ本多の“フリ”に瞬時に対応する駿河メイという、二人の呼吸の妙。これだけゴテゴテした個性がまるで喧嘩しない、というのは、この二人の凄さなんだろうなと思います。
実績的には、リングでの試合は1度だけでゴーゴーグリーンカレーコップンカップの準優勝のみ。それでも、里歩&佐藤光留の“佐藤里歩”との決勝まで進んでの準優勝ですから、実に侮りがたいチームであることは間違いなく。…プロレスのタッグとしても(言い忘れた)。
にしても駿河メイは恐ろしい。




我闘雲舞ではタッグタイトルに挑戦しましたが、その時のタッグパートナーは米山香織。急造タッグにも関わらず息のあったところを見せて、王者組に肉薄してみせたのは、もちろん米山香織のタッグワークの巧みさがあり、加えて、キャリア一年そこそこの赤くて速い、怪物感ゼロの怪物の為せる技だったように思います。





[駿河米。似たタイプのスタンド使い。]
また、準レギュラー参戦のSEAdLINNNGでは、Marvelousの星月芽依とのタッグ“メイメイ”を結成。キャリア激若のタッグでハイスピード戦線をかきまわし、世志琥&松本浩代という超獣タッグに挑戦していたりもします。



そういう“駿河メイ凄え”という感想も合わせてここにねじ込むべく、りんごとはちみつを3位に推挙致します。


タッグとかユニットの扱いってどうなんでしょうね。団体によってはとてもタッグの部門が盛り上がっているように思えるところもあれば、あまり大事にしていないんじゃないかと感じる部分もあったり。
個人的には、一番タッグ部門が充実している団体は大日本プロレスで間違いないと思います。なので、投票の次点は混ぜるな危険。







本来的にはタッグに強さやコンビネーションの妙を求めるべきなのかもしれませんが、でも、タッグやユニットの魅力ってそれだけではなくて。
“それだけではない”の部分を個人的見解で目一杯広げた結果、投票内容はこんな感じになりました。
許せ。

ネット・プロレス大賞2019⑤[最優秀興行]

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《ネットプロレス大賞2019 〜最優秀興行〜》
投票内容晒そうのコーナー5項目め。
さて、今年も全体発表まで終わりましたので、あとはもう私のやる気が失われないうちに、できる限りサクッと終わらせたい。と思ったらもう10日くらい過ぎつつある。ジワジワと遅れていくに違いない。


最優秀興行に関して言えば、基準なんてなくて、ごくごくシンプルに楽しかったかどうか。2019年、楽しい興行が多すぎて、八つ巴〜九つ巴くらいの大接戦となりました。個人的に、選ぶのに一番苦心した部門です。


1位 2.16 マッスル「マッスルマニア 〜俺たちのセカンドキャリア〜」 両国国技館2位 3.9 モーニング闘争2019 スポルティーバアリーナ3位 8.20 ぽっちゃり女子プロレス 新木場


1位は、復活のマッスル。もう、これは仕方がない。1位に推さざるを得ないし、何なら1位を獲ってほしかった興行。






2010年のマッスル坂井引退に伴い、約束された「20年後のマッスル開催」。
その間、引退したはずのマッスル坂井がなんやかんや復帰したり、プロレスキャノンボールの喧騒や、新日本プロレスとの軋轢に端を発した「マッスルメイツの2015」等、“マッスル的なもの”はジワジワと供給されてきましたが、約束から10年目にして両国国技館でまさかまさかの「マッスル」そのものの開催。
喜び勇んで3万円の株主シートを購入するくらいには、力を入れてみなければいけない興行でした。
そして蓋を開けてみれば、そこにあったのは紛れもないマッスル、紛れもない“プロレスの向こう側”の世界。









これだけ面白く、これだけ楽しい空間を紡ぎ出した先にあったのは、“マッスルにしかできない、両国メインイベント”。…この文字を打つだけでも泣きそうになる。
2019年はなんとなく、小会場でも大会場でも変わらないプロレスラーの在り方、みたいなものが個人的には通年のテーマというか、そんな意識が働きましたが、その最たるものがこの興行。
数十人の前で展開するプロレスも、両国国技館のメインイベントで4000人超の観客、視聴者の前で展開するプロレスも、いずれも変わらないアントーニオ本多とDJニラのプロレスリング。
マッスルがなかったらプロレスラーとして世に出ていなかったであろう
アントーニオ本多、
マッスルがなかったらプロレスラーを辞めていたかもしれないDJニラ。
二人があらゆる意味で、両国メインイベンターに相応しいプロレスラーであること、その証明。
全体発表を見る限り、ベスト興行への得票はかなり割れていたように思います。だからこそ今回、どうにかこの興行に1位を獲ってほしかった。それは素晴らしい興行をした、という記憶や記録だけではなく、こういうプロレスの形があって、こういうプロレスの形が、“勝てる”ことを示して欲しい…いや、示したかった。
だからこそインディー大賞の3位、ネットプロレス大賞での2位という結果は、健闘ではあるだろうけれど……個人的には、悔しい結果です。いや、別にただのイチ観客ではあるのですが。それでも、悔しい。やっぱり後々振り返ったとき、“1位”であること、“勝つ”ことがもつ意味は絶対だと思うので。
…文字にしてみると割と悔しさひとしおで、中々続く言葉が思い浮かばない。
マッスルは続く。まっするが始まる。そしてもう、約束の2030年にはすでに折り返しに入りました。




来たる約束の日へ、“プロレスの向こう側”の力を信じて。


2位に挙げたのはモーニング闘争2019。




もはやこの興行の背景を説明するのもなんですが…
ヤス久保田選手が毎日欠かさず続けてきた“モーニングツイート”(喫茶店のモーニングの模様をお届けするツイート)を、「誰も見てないから辞める」と突然の終了宣言をし始めたことに端を発し、「名古屋で久しぶりにプロレスしたくて、あわよくば試合できないか」という邪な(?)思惑で難癖をつけた藤田ミノル。





その難癖に呼応するように「実は私も密かに見てました」というレスラーが名乗りを上げたり、ただ騒動に興味を持って覗いたりと(ツイッター上で)様々なレスラーの思惑が絡み合った結果、“事前会議”を経て、最終的に興行という形で落とし前をつけることになりました。
ヤス久保田率いる“名古屋モーニング軍”と、藤田ミノル(巡査)率いる“モーニング警察軍”にドラフトという形で分かれ、3月9日。血で血を洗うモーニング闘争が開戦となったわけです。




さて。
10名ほどのプロレスラーが参加するこの興行ですが、スポルティーバアリーナのキャパシティには限りがあり、用意できた座席は80席。それではどう考えても採算が合わないということで、“超協賛”“協賛”という特別席が設けられたこの興行。蓋を開けてみれば、観客の半数ほどが“超協賛”“協賛”だったという、人数的には少ないながらも、異様な期待の目が注がれることになったこの興行。








内容の素晴らしさについてはもはやキリがないので、この興行を2位に挙げた理由を申し上げますと、会場キャパシティ的に少人数しか見届けられないにも関わらず、これだけの期待と熱量を、ツイッター等SNSでの(ほぼ難癖という理不尽な)やりとりを通じて生み出してみせたこの“闘争”フォーマットの確立。
プロレスラーが戦う理由なんて、とても雑に言ってしまえばなんでもよくて、ただ見解の相違、立場の相違があれば、それだけで闘争の火種になる。そしてこの闘争フォーマットの恐ろしさは、このあまりに小さな火種を、ちゃんと火として起こしてしまうこと。ドンドンその火は大きくなって、やがてみんなその熱に飲み込まれていく。恐るべきマッチポンプ。
2019年にこの闘争シリーズは猛威を奮い、オフィシャル(?)には2度(モー闘、農闘)ですが、BASARAにおける宴闘、藤田プロレス☆スクールという派生作品…?も次々に生み出されていきました。
また、この興行をきっかけに藤田ミノルとディック東郷というプロレス界のバガボンド二人が急接近。ディック東郷が東京愚連隊に加入したり、出版イベントにゲスト出演したり、中止になってしまいましたがプロレス侍を企画したり。恐ろしい組み合わせが生まれてしまいました。




元々、こうしたうねりを起こせる力を藤田ミノルというプロレスラーが、また、そこに何らかの形で惹かれたレスラーたちは持っていて、それがこの一つのフォーマットに乗ることで、次々形になっていくものとなりました。
ある意味でのイノベーション、その発端となったモーニング闘争を、2019年外す訳には行きませんでした。


3位は悩みました。悩んで悩んで悩んで…結局、もう一回名前を挙げることになったのが、8.20ぽっちゃり女子プロレス新木場大会。




この大会を挙げた理由は、最優秀団体で示したとおりです。
どちらも素晴らしかった2大会中、あえて、こっちの大会がより、凄かった…ということを示したかったから。
それは試合どうこう、テーマどうこう以上に、一回目で膨れ上がった期待値を、見事に超えていったこと、という点が何よりもこの大会の素晴らしかったところ。
ぽっちゃり女子プロレスとともに、今成夢人というプロデューサーの手腕と、まなせゆうなという助監督の力については、2020年も凄まじい期待の目を向けることになると思います。


…さて、2019年、素晴らしい興行が多すぎました。
思うに素晴らしい興行とは、“素晴らしい試合がたくさん生まれた興行”という点だけでは、語れない部分があります。
興行全体を通じて、振り返ってみたときに残った感情、それの大きさがより大きい大会が、個人的にはやっぱり“いい興行”と言いたくなる部分。
最後の最後まで3位に名前を挙げるかどうかを考えたのは、YMZ後楽園大会。




やはりこちらについても最優秀団体の項で言及しましたが、概ね“普段どおりのYMZ”を後楽園ホールに持ってきて、そのまま平日の雨の中を満員にしてしまった。これはもう、間違いなく快挙。それだけ素晴らしい空間を日々提供し続けてきたことの表れでしょうし、実際、大会そのものがもう徹頭徹尾ゴキゲンで、素晴らしかった。“YMZが面白い、素晴らしい”ということについてはとにかく2019年を振り返るにあたって書き残しておきたいところでした。


過去何度もこの部門に名前を上げている、高梨将弘(一回は酒呑童子として)のプロデュースする興行は、今年も2大会とも素晴らしかった。


































個人的には好きなものが全部詰まっていて、それでいて高梨将弘自身のエゴ…普段は表に出さない、“やりたかったこと”というか、“やらなければいけないこと”が伝わる大会。
なんとか名前を挙げたいところでしたが、投票の枠が3つしかないところに今年はもう本当に悩まされました。


自主興行系もかなり見に行きましたが、チェリー自主興行がやっぱり本当に素晴らしくてですね。












かつて主催していた“ファンタジーイリュージョン”を何度か観に行ったことがありまして、その時から興行主としてのチェリーさんに全幅の信頼を置いています。ぜひ、今回は叶わなかった愛弟子・優宇とのシングルマッチを、願わくばチェリーさんの主催する興行の中で、改めて実現させてほしい。


もう一つ、強い候補だったのが我闘雲舞の7.2新宿大会。





















エースである里歩の所属最後となる大会は、我闘雲舞のこれまでの歩みが詰まりに詰まっていて、その一方で、現在の所属選手たちが最大限の力を発揮していて。過去も現在も、そしてこれからも。全部含めて、一つの我闘雲舞。


名前を挙げたくなるのは、いずれも、私にとっての好きなもの。でも、好きっていうだけではなくて、なんといいますか…私だけじゃなくて、会場に集まってる人たち皆もたぶん、それが好きで。
そしてその好きなものを、皆がとっても大事に思ってるということが、興行を通じて改めて感じ入る部分がたくさんあって。
その言葉にならない感覚と、“嬉しさ”を、何度でも味わいたいがために日々、会場に足を運んでしまう。
それはもう、やめられない。

ネット・プロレス大賞2019⑥[最優秀試合]

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《ネット・プロレス大賞2019 〜最優秀試合〜》
投票内容を晒そうのコーナー6項目め。
この項目についてはここ数年、引っ掛かりのあった試合は全てTwitterでまず振り返ることにしました。…というのも、語りたい試合が多すぎるので。
そして振り返るにも振り返ったり、116試合。およそ2興行に1試合は、後々見返したくなる試合があったという計算になります。
かつては背景にある物語の全てを排除して、ただただ試合の巧拙、好悪のみを切り出して選んでいたり、ただ衝動のみで選んでいたりと様々ですが、最終的に…今はなんだろう。基準は、ブレにブレている。


1位 里歩vsさくらえみ(7.2 我闘雲舞 新宿)2位 松本崇寿vs岡田剛史(6.8 ハードヒット 新木場)3位 高梨将弘vs木高イサミ(12.28 BASARA 後楽園)


最近はもう感情的、感傷的な部分や背景、歴史に引っ張られて、悩みに悩んだ結果、様々に考えた順位をスコーンッと入れ替えて、最終的にこの投票内容となりました。


1位は里歩vsさくらえみによる、所属として最後の“師弟”対決。






女子プロレス界のサンデーサイレンス(勝手に呼んでる)・さくらえみの“最高傑作”里歩が、世界へと羽ばたく、最後の試合。
個人的には2017年に熊本で行われたこの師弟対決をその年の2位に挙げていて、無数に行われたこの一騎打ちの中で、さくらさん本人も記憶に残るものとして挙げるほど、その試合が鮮烈に記憶に残っていて。
熊本の一戦の何が凄かったかといえば、二人の試合が明らかに会場の空気を変え、視線を釘付けにし、“凄さ”を伝えたこと。言葉による説明とか何もなく、“面白いもの”から“凄いもの”へ、観客の認識や熱量そのものを変えてみせたこと。




























語弊を恐れずに言うならば。
この師弟の関係性、この二人による試合はもう、完全に一つの“作品”だと思ってます。さくらえみというプロレスラーが、一人の少女とともに紡いだ、…紡ぎ続けた、作品。
もちろん、プロレスの試合なので全く同じ試合なんてない。また、それぞれにプロレスラーとして積み上げた歴史があり、独立した個人であり、それぞれにかける思い入れもまた、異なる。
ただ間違いなく、この二人の試合は、世界のどこであろうとも、万人を驚かせることができる。
これからも紡がれ続ける、二人による、最高傑作。
この一戦のあとにAEWで再び実現した一騎打ちもまた、やっぱり素晴らしかった。と、ともに、この二人の試合が100万人の目を通してしても、素晴らしいものであるということが改めて証明されたことが、個人的にはとても嬉しいことでありました。ケニーありがとう、トニー・カーンありがとう。
この試合に投票することは割とすぐに決めていたのですが、もう一つ、頭を悩ませた試合が、里歩vs高梨将弘(4.27板橋)。
2019年という年を振り返ったときに、やっぱりこの二人が一騎打ちしたことの意味って、改めてとても大きかったと思うんです。














結局のところ、里歩選手のシングルからどちらかを選ぶ、高梨将弘選手の試合からどちらかを選ぶ…という選択の末、票を割り当てることはしませんでした。
ただ、2019年とりわけ充実した試合が多かった中に、この二人の一戦があったことは言及せざるを得ないなと思い、一応ここに書き残しておくことにしました。




2位はハードヒットで行われた、松本崇寿vs岡田剛史の一戦。会場で試合を見たインパクトが一番強かったのがこの試合。












通常のハードヒットルールはロストポイント制で、ダウンまたはロープブレイクでロストポイント、その他KOまたはギブアップ等での決着となります。グラップリング限定大会もありますが、基本的にはハードヒットの名を冠する通り打撃はもちろんあり。
…にも関わらず。
二人はゴングがなった瞬間、いきなり面と向かってリング中央で座り込みました。
ニコニコプロレスチャンネルで中継もあったので会場にいらっしゃらなくてもご覧になられている方もいると思いますが、この試合は、ただ試合時間中ひたすらに組み合う。もう、ひたすらに。腕を極め脚を極め首を極め、それを防御し、解き、極め返し、一歩でも自分の有利な態勢を築こうとする、技巧のせめぎ合い。
ハードヒットはプロレスです。そしてこの二人のプロレスは、おそらく、ハードヒットでしか見れないプロレスです。
是非ハードヒットを、松本崇寿を、岡田剛史を、ご覧いただけるととても楽しいと思います。今年抜群に好きな試合の一つ。


3位に挙げたのは、高梨将弘vs木高イサミ。これについてはもはやなんというか、言葉がない。







高梨将弘が、木高イサミに勝った。そして、傾奇者たちが高梨将弘の背を追うことになった。その2つの出来事の意味の大きさ。それは、2020年のプロレスを、確実に楽しくする。



ベストバウトをTwitterでひたすらに挙げていったわけですけど、やっぱりベルト保持者はシングルで戦う割合が高くなったりするので、名前が頻繁に挙がりがち。
例年そうなんですが、116試合挙げたうちのトップは多分アントーニオ本多選手で10試合。あとおそらく、駿河メイ選手も10試合くらい名前を挙げています。






これは試合を見る頻度も影響してますが、私個人の好みにあった試合や、そもそも選手として安定したパフォーマンスを常に良い試合を発揮していることが、多く名前が挙がる要因のような気がします。


そして個人的な“主戦場”の一つ、ガンプロで言えばどうしてもインディーJr戦線は欠かせません。ベストバウトの候補にも、石井慧介、勝村周一朗両選手の名前を多く挙げました。




特に個人的には翔太戦、ベルトを落とした石井慧介戦は観戦できていないのですが、それでもあまりに幅広い挑戦者相手に、多彩な試合を展開した、王者・勝村周一朗が凄かった。勝村周一朗だからこそできるプロレスという形が、一つ完全に出来上がった年だったような気がします。


あとは1位に挙げた里歩選手ですが、“スーパーアジア王者・里歩”の戦いがまた凄かった。




引退間際なのに凄い強かったコマンド・ボリショイ選手を相手に果たした防衛戦でまず“今年のベストバウト候補だ!”と思いましたが、その後についても前述しましたが、高梨将弘戦がまーあ凄くて。そしてその後最後の防衛戦となった駿河メイ戦もまた素晴らしく。戦う度にベストを更新するくらいの充実した戦いぶりでした。


王者としての戦いというところでは、中島翔子選手の名前も頻回に挙げてます。瑞希選手との2度のシングルは、互いに相手の弱点を作り合うような緻密な展開と、要所要所でその弱点を先鋭化させる、濃淡のある戦いが目を引きました。
ついに両国で実現することになった坂崎ユカとのタイトルマッチは、なんと全体投票8位。


















個人的にはこのカード思い入れがありすぎて全うに評価・判断ができなかったので、票を回すことはしませんでしたが、何度でもみたいし、東京女子プロレスとしての大きい大会で、また実現すると本当に嬉しい。
カードや結果への思い入れで投票できなかった試合はもう一つ、5.2FREEDOMSでの葛西純vs藤田ミノル。




















藤田ミノルが、2018年のガンプロで“できなかった”という「人生を投影する戦い」。何かを賭した戦いぶりは、本当に凄まじかった。そして、勝ってほしかった。だから、素晴らしい試合だったけれど…点数はつけられませんでした。


藤田ミノル選手の試合は結構見に行っていて、ベストバウト候補にもたくさん名前を挙げましたが、特に印象深いのが、愚連隊興行でのAKIRA戦。



[前半、ほぼロックアップだけで試合を展開。凄え。]


















大概にプロレス大好きな藤田ミノル選手ですが、この日は冒頭から表情に緊張が見て取れるほど気持ちが入っていた…というか、AKIRA選手への憧れが前面に出ていて(そしてそれを試合後に爆発させた)。AKIRA選手はAKIRA選手で、そのスタイルの貫き方が見事。あまりのクラシックな攻防に「2019年だぞ!?」「アンタ最高だ!!」と、藤田ミノル選手が思わず叫んでしまった様子は、見ていてとてもワクワクさせられました。


単純好きな試合は、高梨将弘興行で行われた両国式ガントレットマッチ。これは最優秀興行の項でも写真を貼りまくりましたが、写真を貼りまくりたくなるほど好き。























振り返っていて、泣きそうになってしまうのが、今成夢人vs田中将斗と、今成夢人vs竹下幸之介。今成夢人選手という共通項はありますが、感情が揺さぶられる理由は異なっていて。
後者については最優秀団体で言及したとおり。




















前者については、プロレスラーとしてのアイデンティティが不確か(だった)今成夢人と鷲田周平の練習の模様を田中将斗が見ていて、「頑張ってる?」と声をかけたエピソードが事前に語られていて。そしてそのエピソードに田中将斗が「自分も覚えています」と応えた末、イチプロレスラーとしての今成夢人を、全力で迎え撃ち、全力で叩き潰した。田中将斗という超一流のプロレスラーが、今成夢人をプロレスラーとして、承認した。それは、今成夢人というプロレスラーにとって、どれだけ嬉しいことだっただろう。




そんなことを思うと、なんとも言えず涙を流したくなる心境になるのです。文字にしたところで、あまり伝わる気がしないけども。


橋本千紘vsジョーディン・グレースについても是非触れておきたい。個人的には、女子プロレス界で強さのポテンシャルでは橋本千紘が世界を見渡しても最上位クラスだと思ってます。が、その最上位クラスが、いた。




“ビッグ・パパ・パンプ”スコット・スタイナー(スタイナーブラザーズ弟。だけどもはや同一人物と思わないほうがいい。)を敬愛するジョーディン・グレースはその鍛えに鍛えた肉体から“ビッグ・ママ・パンプ”の異名を取りますが、試合ぶりもBPPのようにパワー一辺倒かと思いきや、そんなことまるでなくて。もう観客の意表を突く仕掛けのオンパレード。かと思えば見た目通りの膂力も発揮し、橋本千紘を苦しめました。オブライトで王者が防衛を果たしましたが、印象は完全にジョーディン・グレースの試合。売れっ子なので中々再来日の機会があるかはわかりませんが、ぜひまた見たい選手。


あと、蛍光灯IPPONデスマッチが全体11位に入ったのは、大変嬉しかったですね。












票を回すことができませんでしたが、もう皆さん本当によく見てるなと。投票した人たちとハイタッチを交わしたい。EXTREME王者としての彰人の試合はとにかく絶妙に面白いので、もっとベルトを持っていて欲しかったし、絶対にまたこのベルトを巻いて、このベルトを使って、その力を遺憾なく発揮してほしい。

えーとあとね、あとね…
…ということで、あの試合は、この試合はと思い始めると、語りたいことが止まらなくなるのがプロレスファンの常だと思います。
だからとりあえずここまでで止めることにしました。また言いたくなったら言いますね。ええ。






観戦メモ2020:1月

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ネットプロレス大賞の全体発表が終わるとようやく1年が終わった心持ちになりますが、1月もたくさん興行あるんですよね。
1月は24興行。
多い。それでも、行けるだけ行ったという訳でもないというのが恐ろしい。お金はない。


《最優秀試合候補》1.3 DDT 後楽園 田中将斗vsクリス・ブルックス1.4 東京女子 後楽園 中島翔子vsハイパーミサヲ1.4 崖のふち女子 板橋 松本都vsクリス・ブルックス1.13 DDT 住之江 竹下幸之介&勝俣瞬馬&飯野雄貴vsアントーニオ本多&平田一喜&くいしんぼう仮面1.13 ガン仁田 住之江 渡瀬瑞基&ミス・モンゴルvsアルティメット・スパイダーJr&青木いつ希1.22 BASARA 新宿 FUMA&久保佑允vsバナナ千賀&ツトム・オースギ1.25 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs駿河メイ1.26 九州プロレス 北九州 入江茂弘vs野崎広大


年明けからたくさんプロレスの興行がありましたね。
凄まじいまでの強さでD王を突破した田中将斗と、スペシャルシングルマッチという形で相対したのはクリス・ブルックス。














英国でFMWのビデオを見て育ったという重症プヲタであるクリス、その憧れを前にして、短い時間ながら目一杯戦い、田中将斗の強さに敗れる。
それでもなんといいますか、プロレス好きなプロレスラーが、自身の憧れや“好き”を前にして、好きなプロレスをやっているさまは、いつだって見てて楽しい。


東京女子のイッテンヨンは好試合がたくさんありました。その中でとりわけ印象深かったのが、帰ってきた特殊ルールの匠・ハイパーミサヲの復帰戦。
ピニャータマッチというバラエティ感溢れる試合形式かと思いきや、中島翔子が持ち込んできた“公認凶器”怪獣(のソフビ人形)の効果も相まって、興行の序盤戦からなんだかんだゴリゴリのハードコアマッチが展開されるという不思議。

















ハイパーミサヲの帰ってきたな感が凄かった。…まあ、翌日改名してしまいましたが。


イッテンヨンの最大の衝撃は、板橋グリーンホールにぶちまけられた、ありったけのクレイジー。














とあるプロレスラーは、松本都をこう評したそうです。
“他人の狂気に、自分の狂気を上塗りする。それだけしかないレスラー。”
プロレス評論家プロレスラーの評は、まさにそのとおり。
プロレス大好きなのに東京ドームに背を向けてこの板橋グリーンホールまでノコノコやってきたクリス・ブルックスとドリュー・パーカー。敬意をもって“バカ外人”と渾名される彼らを前にした松本都が見せたのは、もう、まさしく、狂気の上塗り。
松本都の何が怖いって、ハシゴに登るときは「怖い」、画鋲をマットにぶちまけて「初めてつかう!痛い!」と宣いながら、いざ、自分が飛んだり、受けたりした際には、その痛みには一切目を向けず、はたまたリアクションもなく、“あ、次はあれやらなきゃ”という義務感にでもかられているかのように、画鋲だらけの背を意にも介さず、竹串を手にするところ。
葛西純や竹田誠志にみるクレイジーは、その“度合い”の逸脱だと思ってます。それに対して、松本都が見せるクレイジーは…決定的に、何かが欠落している。その欠落が何なのかと言われればまだ上手く言葉にもなりません。ただ、何かが、ない。そしてその有様は、ただただ、恐怖。


こんなものを見せられてしまうと、もしかしたら、“イッテンヨンにドームにいかない”という選択肢が、一部のプロレスファンに定着する可能性を感じました。
恐るべし、崖のふち女子。


電流爆破に見せられて思わずチケットをとったガン仁田興行、その前に同会場で行われたDDTも合わせて観に行ったわけですが…セミの6人タッグマッチは、完全にとんでもないものを見せられた。










この頃のくいしんぼう仮面の定番となっている“神輿やないねんから!”(ガチンコラーメン道)を皮切にして様々な“定番”や飯野雄貴の奇怪な行動が散りばめられたかと思いきや、くいさんは前日の我闘雲舞でラーニングしたと思しき“トロピカル殺法”まで繰り出す始末。もう、完全に客に伝わる試合なんかする気がない。そしてこの試合恐ろしいことに22分を超えるロングマッチになるという。いやー、行ってよかった。


ガン仁田興行は、興行全体通じてインパクトがありまして。セミの冨永vsクリス・ブルックスも試合として充分面白かったのですが、私の中で一番バシッと頭に刻まれたのが、第2試合。






別に誰に頼まれたわけでもないであろうに、大仁田厚の関わる興行前半の独特の“重さ”の中で、無理矢理にでも空気を作っていったアルティメットスパイダーJrと、臆することなくそこにスッと乗っかった青木いつ希。そしてそのテンションに合わせてか合わせずにか、突如としてミス・モンゴルとの“母子”関係をぶっこむ渡瀬瑞基。
もはやどうしようもないおかしなテンションの試合ながら、おかしなテンションのまま突っ走りきったのがまず凄い。
そして試合後に、このぶっこまれた母子アングルに対抗心を燃やした(?)スパイダーが、師匠(的な人の一人)・くいしんぼう仮面の“神輿やないねんから!”をここでもぶっこんでくる、その勇気。
プロレスラーは、強いな…


BASARA独立後初となるビッグマッチは大変いい興行でした。その中で試合として特に印象に残ったのが、セミファイナルのタッグタイトルマッチ。


















前半戦相手に捕まり、展開としては完全に押されながらも勝ち切る、思考の死角から飛んでくるコンビネーションの数々に驚かされました。なんといいますか、改めてS.O.Sって凄いなと。


(私の中での)“ベストバウトマシーン”アントーニオ本多vs駿河メイの二人によるシングルマッチに外れなどあるわけもなく。(ほぼ)500大会開催を記念して行われたのは、“500カウントマッチ”…ありとあらゆるカウントを合わせ、500カウント目をとった方が勝利するという(レフェリーが)過酷なルール。
200、300、400回記念の際にはアントーニオ本多vs米山香織という恒例のカードとなっていましたが、(米山香織のスケジュールが押さえられなかったため)カウントファイターとして、新たに駿河メイが加わることになりました。






試合の模様はぜひ、You Tubeでご覧下さい。
あと全く関係ありませんが、私は何故かこの日の帰り道、偶然にも路上でバナナの皮が落ちてるのを見かけるという、よくわからない奇跡に遭遇しました。





どうしても観たいカードがありまして、1.26は北九州まで九州プロレスを観に行ってきました。
観たかったカードは、緑の獣対決。野崎広大vs、入江茂弘。



試合は正直…期待通り。いや、期待以上。野崎広大、凄い。



















九州プロレス生え抜きの野崎広大は、柔道をバックボーンとする若き怪物。この風貌ですが、まだ弱冠22歳。
22歳にして、入江茂弘と正面からパワーで渡り合うことのできるというこの衝撃はちょっと、抱いていた期待を大きく超えている。
最後は入江茂弘の“ばってんボンバー”からのビーストボンバーに散りましたが…この怪物の可能性を、これまでで最大限に見せてもらった気がします。
素晴らしかった。





《最優秀興行候補》1.4 崖のふち女子 板橋1.27 まっする1 新木場
崖のふち女子プロレスのイッテンヨンは、まあ、ワンマッチなので必然的に試合とイコールでここにノミネート。




大社長が試合後集まった観客に「お前ら伝説を見たよ!」と興奮した口調で言ってましたが、いつもは大社長大袈裟なのでアレなんですが、ここに関しては同意せざるを得ない。
少なからず、伝えるべき何かがありました。


「まっする1」は、ものの見事にマッスルで、まっする。




…これだと何が言いたいかまるで伝わりませんね。
昨年2月に最高傑作と言える「マッスルマニア」を経て、これまで一緒にやってきたマッスルメイツとはまた異なる新たなメンバーで始動することになった「まっする」…“ひらがなまっする”は、顔触れとして新しく、また、手法についても一部刷新されていました。







しかしながら、それでもあの空間は、確実に“マッスル”。
どこかに張り巡らされた伏線、もどかしさを抱える誰か、その誰かへの叱咤と、垣間見える本気。












彰人から渡瀬瑞基へと向けられた言葉は、“台本のある世界”を本気の熱量で覆うようで、この世界観の境界線を見事にグッチャグチャにしてくれて、言いしれない息苦しさみたいなものを感じさせ、リングの上で展開される世界に没入させてくれました。








マッスルの一つの標語である“プロレスの向こう側”というフレーズは、今回の“まっする”使われませんでした。これもまた意図的に使わなかったのかもしれませんが、
それでも、見せてくれたのはやっぱり、“プロレスの向こう側”の世界。
ああ、また、まっするが…マッスルが始まるんだな、という実感を、ヒリヒリと感じる一夜でした。



《最優秀新人候補》薄井鉄央(BASARA)







昨年12月28日のBASARA後楽園大会でデビューした薄井鉄央選手。
まだプロレスラーとしての背景をあまり知らないのですが、デビューしたばかりでできることが限られる中、その中でできることを最大化するような戦いっぷりの良さが大変目を引きました。
デビュー戦で好印象でしたが、続いて見た風戸大地戦でも、風戸大地のおかしなハイテンションに負けないほどの声を張り上げて戦う様は、もう、とても見事。超期待。



《最優秀タッグ候補》新井健一郎&藤田ミノル(九州プロレス)


まだ今年この組合せで試合してない…どころか、まだ一回しか組んでないけど名前を挙げておこう。3.22九州プロレスアクロス福岡大会で挑戦予定の、“日本一めんどくさいタッグチーム”。
この二人に、決してマイクをもたせてはならない。


《最優秀団体候補》崖のふち女子プロレスマッスル


どちらもどうやら一定期で開催するようなので、最優秀団体の候補も必然的にこうなる。…団体・マッスルの主催する新たな興行・まっするっていう整理なんですが、これであってますでしょうか…


《ベストモーメント》1.19 オレンジタウン 翔太「1.5 東京ドーム、オカダ・カズチカvs内藤哲也戦でオカダ・カズチカがインプラントを繰り出したときの海野レフェリー」




《MVP候補》ディック東郷
独断と偏見で選ぶ1月の月間MVPは“レスリングマスター”ディック東郷。




1月1日のプロレス侍はインフルエンザ蔓延する中で残念ながら中止となりましたが、急遽YMZで朱崇花とシングルマッチを戦い、試合後にはなんと東郷さんが…あの東郷さんがイス取りゲームに参加するという恐ろしい事態に発展し、大阪プロレス出身の吉野恵悟レフェリーを硬直させました。




そしてその週のNOAHに突如として現れると、グローバルジュニアリーグ2020に電撃参戦。もはや年齢の話をするのは大変失礼かと存じますが、に、しても、齢50にしてジュニアの最前線に身体一つで飛び込み、結果準優勝って、どんだけ超人なんだろうこの人は。



ということで1月は東郷さん。異論は認めない。絶対に。

ネット・プロレス大賞2019⑦[MVP]

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《ネット・プロレス大賞2019 〜MVP〜》
さて、MVP。遅れに遅れておりますが、もうここまで来たら完走することに意義がある。
ちょっと前まではもう少し“プロレス界全体”みたいなものを俯瞰して(るつもりで)順位を決めていた気がしますが、徐々に徐々に見ているものや感情の部分で決める傾向が強まってる気がします。
ただしかし。
私の私による論理の中では、この順位が妥当であり、正しい。そう言い切れる。


1位 里歩2位 アントーニオ本多3位 藤田ミノル


好きな名前が挙がりました。
ただ、2019年に関して言えば、この3人を挙げない理由がない。


1位に挙げたのは、里歩。







スーパーアジア王者、アジアドリームタッグ王者、クイーンオブアジア王者という、“アジア”の名を冠するベルトを3本保持して迎えた2019年、引退を控えながらなお強さを誇ったコマンド・ボリショイ相手にスーパーアジア王座防衛を果たしたのがまず凄かった。




その後ヘルニアの治療のため2ヶ月ほど欠場する間に、7.2新宿FACE大会を以ての我闘雲舞退団を発表。しかしそこからの“卒業ロード”では激闘の連続。4月の板橋大会では“今まで向き合ってこなかった”高梨将弘と素晴らしいシングルマッチを展開すると、5月のゴーゴーグリーンカレーコップンカップでは、佐藤光留とのタッグ“佐藤里歩”で勝ち進み、自信2度目となる優勝を果たしました。




その5月にはAEWの旗揚げ大会“Double or Nothing”に電撃参戦し、日本の“Joshi”を代表する一人として大会を大いに盛り上げました。
6月には我闘雲舞の、女子プロレスの、プロレス界の未来たる駿河メイを相手にスーパーアジア王者として最後の防衛を果たし、王座返上。そして、7月には我闘雲舞所属最後の試合を、師匠・さくらえみ相手に戦い、“家”から旅立つこととなりました。








その後、週刊プロレス紙面内で、AEWとの契約を公表。さらに日本国内ではスターダムへの不定期参戦が決まり、時のハイスピード王者・DEATH山さん。から王座を奪取。




AEWでは志田光、ナイラ・ローズという超強敵を破り、10月になんとAEW初代女子王者という栄冠に輝くこととなりました。




歯科医・ブリット・ベーカーの挑戦を退け、次なる防衛戦の相手は、AEW大会内で自身に黒星をつけた、師匠・さくらえみ。
僅か数ヶ月ぶり、三十数度目の師弟対決は、海を飛び越え、世界中の百万を超える視聴者の前で展開されることとなり、師匠相手に防衛に成功。この試合はレスリングオブザーバー誌では、AEWで行われた女子の試合で、これまででベスト、と評価されました。






…さあ、ここまで里歩選手の2019年経緯をザーーっと振り返ってみましたが、なんでしょうこの波乱万丈というか、世界を股にかけての壮大なストーリー。
個人的な見解ではあるのですが、里歩選手のパフォーマンスがこの一年で劇的に上がった、とかそういう話ではなくて。そして我闘雲舞にいたから注目度が云々とか、そういう話でもなくて。














これまで積み重ねてきた歴史…まだ、20歳を少し過ぎた年齢ですでにそんな歴史があるというのもまた凄い話ですが、その積み重ねが一気に、世界に向けて花開いた一年。




ものの数ヶ月で“世界の”里歩になったその功績を、“一位”というかたちで讃えたいイヤーでした。




2位に挙げたのは、アントーニオ本多。なんと全体18位。おう、みんな見る目あるな。投票した全員とハイタッチしたい。


アントーニオ本多選手の名前を挙げる理由はもちろん様々あると思いますが、おそらく、2019年丸々1年間に渡って常に大きな話題を提供し続けた、ということについては、概ね同意いただけるところなのではないか…と、個人的に思うところであります。
二月のマッスルでは“マッスルにしかできないメインイベント”でDJニラとの素晴らしい両国メインを演じ、後楽園ホールでは“イッキイキ”チャントを鳴り響かせ、EXTREME王座を戴冠。
ゴーゴーグリーンカレーコップンカップでは“りんごとはちみつ”タッグで初出場準優勝。





DDTでは大田区大会を前にEXTREME王座を落とすものの、夏は夏でやはり存在感を見せつけ、7月のBASARAで行われた“宴闘争2019”では、藤田ミノルが用意した“X”としてBASARA初登場。酔いどれた新木場の夜を大熱狂させると、ビアガーデンでは旧姓・広田さくらとの死闘、さらに8月には、“ごんぎつねvsコブラ”という、夢の対決を実現するに到りました。



続けてまたしても“X”として、今度は東京女子プロレスに初参戦。




この夏のXを独り占めにすると、DDTグループが総力を結した両国大会“Ultimate Party”では、最注目カードとなったミックスドタッグマッチ、ケニー・オメガ&里歩vsアントーニオ本多&山下実優という…DDT所属が一人もいないにも関わらず、最高にDDTらしさを感じられるカードに組み込まれ、その素晴らしさを存分に発揮されていました。




両国でのマッスルのあとのツイキャスで、アントン&DJニラをよく知る我闘雲舞代表のさくらさんが、マッスルとマッスル坂井に対して明確な嫉妬心を口にしていたのが個人的にはとても印象的で。
あのメインイベントのアントンもニラさんも、市ヶ谷で70人の観客を前に戦うのと変わらない、いつもどおりのアントーニオ本多で、いつもどおりのDJニラでありながら、一方で振る舞いはまさに、メインイベンターのそれ。
分かりづらいことを大会場でも堂々と行い、ありのままの二人の戦いを見せた、その信頼に対しての嫉妬心は、アントーニオ本多…そして、DJニラ…という、二人の“メインイベンター”の魅力を誰よりも表現していたように思いました。






DDT総選挙ではいつも選抜に選ばれるものの、中間どころの順位で呼ばれるたびに「見る目がない!」と切って捨てていたアントーニオ本多。その魅力が、全てではないながらも…改めて、証明された年だったように思います。




そして3位は、藤田ミノル。

“1年間あらゆるかたちで活躍を続けた”という選出の根拠については、前の二人とほぼ同様。
ただ、活躍の示し方については三者三様…というよりか、藤田ミノルの活躍の仕方は、プロレス界にあって、超がつくほど、異質なのではないでしょうか。
3月の「モーニング闘争」ではヤス久保田を相手に“ガンバルンバ”させ、5月には刺激を欲していた葛西純との「人生を投影した」王座戦を戦いました。





この時点で振り幅がすごい。
7月には“弟子”木高イサミとBASARAのシングルトーナメント“頂天”の座を争うと、その月の新木場大会でプロデュース興行“宴闘争2019”を大成功に納め、さらに、袂を分かったように見えたガンバレ☆プロレスにまさかの再登場。

[かと思えばマットプロレスでみっちゃん(影山道雄)と一騎討ちを演じたりもする]

屋号を変えた古巣・2AWでは初代王者決定トーナメントで準決勝へ進出を足がかりに、突如として“藤田プロレススクール”という一大ムーブメントを勃興、そして、これもやっぱり興行を開催することになり、平日の千葉とは思えぬ数の観客を集め、成功に導くのでした。



本人が肯定するか否定するかはさっぱり想像もつきませんが、フリーのプロレスラーでありながらここまで他のプロレスラーや、参戦している団体のことを考えて、身体は愚か、脳を、そしておそらくは財布まで削りながら真剣にプロレスに、プロレス“界”に向き合うレスラーを知りません。
…いや、いるのかもしれませんが、ここまで行動に示すレスラーを知りません。っていうか、いない。

もちろん、本人は「試合がしたいから」自分で興行を開いたり、何かしらの因縁を吹っ掛けた、というのかもしれません。
でも結局いつも狙いはそれだけではなくて。“なんとかしたい”と思う場所や、人に対して、実際になんとかしようとする。その藤田ミノル選手の凄さを…正直、どのように表現していいかわかりません。


さて、あまりにも色々な姿がありすぎる藤田ミノル選手ですが、個人的に一番もしかしたら本質的な姿に近いのかもしれないと思っているのが、“先生”としての藤田ミノル。
藤田ミノル教頭。


面倒見がいい、優しい、視野が広い…
そんな形容もいくつか思い浮かべましたが、最後の最後、試合が終わって、藤田ミノルの口から語られる言葉からは、どこかに“教え、導く”意図みたいなものを感じられて。
藤田ミノルが動けば動くほど、輝けば輝くほど、続く後進たるプロレスラーたちは、巻き込まれながらも何かを学び、手に入れ、導かれていく。先生も生徒も、ともに楽しみながら。




まだまだ今しばらく、“場末のミスタープロレス”“掃き溜めのブラックジャック”“裏切りの流浪狼”にして、“教頭”、藤田ミノルの活躍を祈り、追いかけていきたいと思います。



他に候補に考えたのはまず、石井慧介。








昨年もリストアップしていましたが、兎にも角にも振り切れ具合が年々加速してる。“ガンプロに来てよかった”といって憚らない石井慧介は、別にDDTを批判するわけでなく、ガンプロにいるからこそ巡ってくる機会を楽しみ、活かしながら、みるみる自身の狂気を花開かせています。
敗れたものの勝村周一朗との一進一退が手に汗握ったインディJr、人を人とも思わない扱いでぶん投げまくった今成夢人戦、藤田ミノルとのシングルマッチではゾンビのような打たれ強さで“バケモノかコノヤロー”と言わしめるなど、攻防ともに新味を見せ続けました。
また、油断ならないのがそのプロデュース力。
王子で行われた主催興行では、離脱表明直後の藤田ミノルをメインに出場させたり、ラリプロにまなせゆうなを放り込んでみたり、“断崖ボーナス”という謎の制度を導入したりと、あまりに斬新な仕掛けで驚かせてくれました。
また、自身の地元埼玉は狭山ヶ丘大会では、マットプロレスにも関わらず100人超の観客を動員。
さて、では何故投票しなかったかと言えば、理由は至極単純で、KO-D無差別級を獲ってほしかったから。
正直2019年に関しては“今の石井慧介なら獲れる”と思うタイミングだったので、是非獲ってほしかった。
2020年もたぶん、その狂気はさらに輝きを増す。



高梨将弘は2018年も名前を挙げましたが、今年もやはり、というか、更に輪をかけて投票に資する(と書くと何様感がすごい)活躍ぶり。






酒呑童子興行、高梨将弘自主興行と、自身がプロデュースする2つの素晴らしい興行を展開し、リングの上ではユニオンMAX王座の獲得、クリス・ブルックスとの“CDK”の始動、さらに、我闘雲舞現場監督就任と、激動の一年。
何より、年末のBASARA後楽園大会では、“宿敵”木高イサミからついに勝利を挙げ、ほぼ4年越しの“挑戦状”の本懐を遂げました。
ユニオンMAX王者になったことで、高梨将弘からはこれまでとはまた違う…言い方として正しいかはわかりませんが、“欲”のある戦いぶりが見えている気がして。そして、その最中にある戦いは、さらなる戦いを呼ぶ。



[2.18新木場宴で藤田ミノルとの防衛戦が決定。本日現在、2020年最大の期待を向けるカード。]





名前を挙げている選手全員に共通して言える気がしますが、プロレスラーは、いつだって素晴らしい。たとえそこがどこで、誰が相手で、何人がみているかに関わらず。素晴らしいものは素晴らしい。
その素晴らしさを必ず誰かは見ていて知っていて、それが、結果、世界…ここでは海外に限らず、広義で…に届いた。

[届けた人の一人]


“世界に届くパフォーマンス”をずっと続けてきた素晴らしさが、特に2019年、焦点の当たる年だったような気がしました。
プロレスラーは素晴らしい。
2020年もまた、そんな素晴らしいプロレスラーたちの活躍と、何より、無事を祈念しつつ、2019年の振り返りからようやく筆を置きたいと思います。


You are Me

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カレーです。
今年が始まってまだ2ヶ月経ってないのですが、早くも個人的に…と述べるには留まらない、ある領域において今年最大の注目カードになるであろう試合が、2/18新木場1stリングのBASARA“宴”で行われます。

[試合が待ちきれないと作りがち]


ユニオンMAX王者・高梨将弘vs“戦闘民族”藤田ミノル

両選手ともに個人的にはとてもとても好きな選手。
しかし、この試合の背景や、全体の潮流みたいなことについては高梨将弘選手のTwitterや藤田ミノル選手の週プロコラムに目を通して頂くのが腑に落ちると思います。
それよりもここでどうしてもこの試合の前に少し綴っておきたいのは、藤田ミノル選手がこの試合に向けて紡いだ、2つの言葉について。


“Once in a lifetime”
…そのまま、人生で一度きり、という含意の言葉を、藤田ミノル選手は週プロモバイルのコラムの中で、この試合を差して、頻りに用いています。
元々使用し始めたのはおそらく、東京愚連隊興行で決定した、NOSAWA論外選手との初の一騎討ちへ向けた心境として。東京愚連隊としてともに戦い、隣に立ちながら、しかし一方で実はこれまで、シングルの直接対決がなかった。その中でNOSAWA論外選手が週プロ紙面上で“終活”を示唆したことを受け、AKIRA選手を破って東京ヘビー級のベルトを巻いたことで、その機会を自ら手繰り寄せる権利を得ました。
これまでめぐり合わせがなかったこと、NOSAWA論外選手自身が示唆する“終活”、そして、“ベルトを賭けた戦い”という状況でしか望むシングルマッチの機会はそうそう訪れ得ないこと、こうした背景を踏まえておそらくは、“Once in a lifetime”という言葉が、藤田ミノル選手の頭をよぎったのだろうと推察いたします。
高梨将弘選手とのシングルマッチは、どこかそのNOSAWA論外選手との一騎討ちに向けた心情と、重なる部分が多いのではないだろうか…という思いも一方でありまして。
藤田ミノル選手自身がコラムで語っているとおり、二人のプロレスラーとしての接点の一つは、“西調布”。
田村和宏(現TAMURA)選手がU-File Campの道場で主催していた団体・STYLE-Eで、高梨将弘は“高梨岩兵衛”という仮の姿で、藤田ミノルは藤田ミノルとして…のちに、なんか魂だけ妖怪として…同じ空間でプロレスしていました(たぶん)。
しかし一方は“獅子一色”、一方は“妖怪連合”という…もはや単語だけで訳がわからなくなるユニット間で混ざりあったらさらにわけわからなくなるわけで、リングでの接点はおそらく、そう多くなかったものと思われます。
その他にもおそらく、様々な会場や団体で同じ空間にいながらも、そして、互いに一目おきながら。ついぞ訪れることのないシングルマッチの機会について、藤田ミノル選手本人もコラムの中で、「セコンドで高梨将弘の試合をみながら、どこかで自分とシングルマッチをすることはないんだろうな、と思っていた」と語っています。
しかし、藤田ミノル選手は行動で、その“ないんだろうな”と思われたシングルマッチを“力技で”実現に漕ぎ着けることになりました。
BASARA新木場大会での、ユニオンMAX王座戦として。
挑戦に名乗りを上げたタイミングでは、“BASARAの選手が輝く場”を奪い続ける高梨将弘からそのスポットをもぎ取る狙いが語られた一方で、“こういう状況でなければ隣に立ちたい選手”とまで評した藤田ミノル選手。
どちらかがベルトを持つ状況で、どちらかが名乗りを上げれば、必然、シングルマッチで戦う状況が生まれる。実現の可能性の薄かったこの一騎討ちを、…では、なんで、敢えて実現したんだろう?そんなことも少し、想像したくなるところです。
そのすべての答えではないけれど、おそらく何かの一端で、個人的に胸にストンと落ちた言葉が、2月16日の我闘雲舞市ヶ谷大会で、どうやら、語られたようでした。


先日の我闘雲舞で、藤田ミノルが高梨将弘を前にして放った言葉は
“俺と、同じだ”。
力も、技も、スピードも。プロレスラーとしての“ない”を抱えた二人。だから、“同じ”。
…私が興行に行けていないので、実際に耳にしたわけではありません。ただ。Twitter上に綴られていた言葉が、鮮烈に印象に残りました。
しかし。
ともにそれぞれが歩んできた道からは、藤田ミノルが“ない”と言葉にしたことが返って浮き彫りにするほど、たくさんの“ある”で埋め尽くされている。
“力もない”
…プロレスラーとして戦って、キャリアは15年と21年と。世間的なイメージの“プロレスラー”的な体格や、戦い方からはかけ離れている二人。それでも卓越した腕力がないからこその闘いが、二人のキャリアを彩ってきたように思います。
“スピードもない”
飛ぶことはできる。でも、必ずしもその動きをウリにはしていない二人。
“技もない”
…リングで披露される技巧の数々は経験と研鑽の賜物。派手な技よりも駆け引きと引き出しの多さで戦う二人。
一方で、彼らには仲間がいる。一方で、彼らには、かたや最底辺汁レスラーを名乗りながら、かたや様々な団体を渡り歩いて流浪しながら、それでもひたむきにプロレスに向き合い、観客を熱狂させてきた、プロレスへの愛がある。情熱がある。一方で彼らには、対戦相手に向ける気持ち…ときには憎悪も、嫉妬も…を推進力に変える力がある。一方で彼らには、ともに、大事にしている場所がある。


高梨将弘が大事にしていた場所の一つ、“ユニオン”の名を冠するベルトを、今、藤田ミノルが大事にしているBASARAのリングで争うこの試合。
プロレス界はNever say never。されど、“同じ”二人がぶつかり合うこの瞬間は、“Once in a lifetime”。
この一度きりの瞬間を越えた先に…高梨将弘と藤田ミノルからどんな“違い”が顕れるのか、…あるいはやっぱり、“同じ”なのか。
その瞬間を楽しみに、絶対に明日の新木場まで生き抜いてやろうと思います。

観戦メモ2020:2月

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昨年仕事の上での出張がやたら多かったせいなのか、この半年くらい特に遠征に関するハードルが下がりすぎてる。
1月すでに2遠征してしまい、何故かギャンブル(競馬)では度々買っているはずなのに、気づいたら手元にその勝ち分が残っていないくらい、経済的にはもはやお金の出入りからして破綻した生活を送っています。
なので、2月は節制。
…するつもりだったのに、結局17興行。

昨年は仕事が重なって12興行で、今年はあまり土日に仕事がなかった分増えた感じ。
DDT後楽園を見送ったり、行きたいと思える興行全てに行ったわけではないので抑えは効いたかな…とも思いましたが、気づいたら来月以降3遠征予定立ててたので、やっぱり破綻している。




《最優秀試合候補》1.3 DDT 後楽園 田中将斗vsクリス・ブルックス1.4 東京女子 後楽園 中島翔子vsハイパーミサヲ1.4 崖のふち女子 板橋 松本都vsクリス・ブルックス1.13 DDT 住之江 竹下幸之介&勝俣瞬馬&飯野雄貴vsアントーニオ本多&平田一喜&くいしんぼう仮面1.13 ガン仁田 住之江 渡瀬瑞基&ミス・モンゴルvsアルティメット・スパイダーJr&青木いつ希1.22 BASARA 新宿 FUMA&久保佑允vsバナナ千賀&ツトム・オースギ1.25 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs駿河メイ1.26 九州プロレス 北九州 入江茂弘vs野崎広大2.2 ガンプロ 王子 翔太vs旭志織2.9 我闘雲舞 王子 SAKI&水森由菜&紺乃美鶴vs高梨将弘&新納刃&趙雲子龍2.10 FREEDOMS 後楽園 杉浦透vs宮本裕向2.11 東京女子 北沢 辰巳リカ&渡辺未詩&鈴芽vs伊藤麻希&らく&原宿ぽむ2.15 藤田プロレス☆スクール 2AWスクエア 翔太vs本田アユム2.16 東京女子 蕨 天満のどか&のどかおねえさんvsのどかおねえさん&のどかおねえさん2.17 JSTAGE 新木場 ディック東郷vs藤田峰雄2.17 JSTAGE 新木場 近野剣心&吉田綾斗&中津良太vs野村卓矢&阿部史典&佐山駿介2.18 BASARA 新木場 阿部史典vs下村大樹2.18 BASARA 新木場 バナナ千賀&ツトム・オースギvs木高イサミ&関根龍一2.18 BASARA 新木場 高梨将弘vs藤田ミノル


いまのところ、明確に今年の1位、2位と順位がつけられてしまう試合があった2月。それ以外にも結構目新しい場所や組み合わせが印象に残りました。


まずは2月頭のガンバレ☆プロレス狂気の4興行から、最後のガンプロ本隊興行の、翔太vs旭志織。





翔太のシングルマッチは素晴らしい。昨年の彰人戦も山田太郎戦もそうでしたが、いつ見ても素晴らしい。
旭志織と翔太の組み合わせとなればもちろん期待するのは技術戦。その期待にまんまと応えるのが、この二人の素晴らしさ。


翌週の同じ王子からピックアップした試合は、ひとえに、水森由菜と新納刃のマッチアップがあまりに見応えがあった、というのがここに挙げた理由になります。



















[写真的には位置取りにしくじった]
かつて新納刃に歯を一本折られている水森由菜の、その食い下がり方が尋常ではなかったので、この試合、なんらかの手段でご覧になられることをトロピカルおすすめします。


FREEDOMSでは、葛西純から王座を奪取した杉浦透が、年末のビオレントジャックに続いて強大な挑戦者を迎えた、宮本裕向戦。












葛西戦、ジャック戦ともに杉浦透の戦いは素晴らしかったのですが、なんとなく表情に緊張というか、硬さがあったような気がしていましたが、この日は初めから堂々たる王者ぶりで、戦い方もまた王者然としたもの。
“王者・杉浦透”という像が完成しつつある。そんな印象の試合でした。


2.11の東京女子のこの試合を挙げる理由は、ただ一点。2年と1ヶ月、プロレスラーとしてキャリアを積んできた、らくの、初勝利。




2018年のネット・プロレス大賞で新人賞2位に名前を上げるくらいには個人的には大変素晴らしいストロングポイントを持ってると思っているらく、とにかく意外性と技のタイミングの良さと発想の柔軟性…表現としていささかアレですが、“リテラシー”能力の高さ、みたいなもの…を感じていて、そんな強みを遺憾なく発揮。最後は怒涛の新技連発で、タッグのベルトを巻くアイドルとしての同僚・渡辺未詩から初勝利を奪取。

[ドクターイエロー]

[かがやき]


そしてその、初勝利がすぐに、ベルトへの道筋となりました。新型コロナの影響で一度決まった挑戦日程は延期になったものの、これまでは“勝ったことがないが、何が起こるかわからない”戦いが、“勝ったことがあるからこそ、何が起こるかわからない”戦いぶりになるかと思うと、今後については大変期待。


で、続いて挙げる試合が、試合終わって“いまのところ今年ベスト”と思った試合。藤田プロレス☆スクール冬の特別授業3時間目、翔太vs本田アユム。




















この試合についてはおそらくニコニコプロレスチャンネルでの中継もあるし、藤田プロレス☆スクール教材DVDの販売もあるのでご覧になれる機会がたくさんあるかと思いますが、とっても最高。“いいものみたな!”と色んな人に納得いただける試合。
二人のつながりについては個人的には魔界での“真田”つながりか、または両者の中継地点に福田洋(トランザム★ヒロシ)がいるなくらいに思っていましたが、それより以前、本田アユム沖縄参戦時代のつながりもあったりと、折々に縁のある両者。
しかしなんといいますか、そういう関係性や、この藤田プロレス☆スクールという背景をも超越するような見事さがその試合にありました。
具体性がない称賛ばかりでアレですが、是非。みてね。


続いて東京女子ファンクラブ興行から。大変クレイジーな試合。



“朝起きたらのどかおねえさんになっていた”
…いや、プロレスでは不思議なことが起こるもので、結果この試合は、この日がファンクラブ興行初出場となる天満のどか以外は3名の“のどかおねえさん”という、天満のどか&のどかおねえさんvsのどかおねえさん&のどかおねえさん
という顔合わせに。




あまりこの試合を振り返るとゲシュタルトが崩壊するのでここまでにしておきますが、悪意(?)の大小はあれど、それぞれがそれぞれにのどかおねえさんだったのが、実に素晴らしかった。もっとグダグダになってもおかしくないはずなのに、この試合中ずっと面白かった。


翌日は初めてのJSTAGE。目当てはもちろん、国王vsレスリングマスター。










この試合の素晴らしさはまず、レスリングマスターとの対峙であろうとも、国王が国王を貫いたことがまず素晴らしい。開始から5分以上相手に触れることなく、執拗に執拗に局部を狙い続けるという、このスタイルを貫くプロフェッショナリズムにまず感動させられました。
そして続いて驚かされたのが、割とあっさり東郷さんがこのスタイルに浸り…このスタイルの中で、強さを見せたこと。










この人、どんだけ懐が深いんだ。


JSTAGEどの試合も面白かったのですが、“JSTAGEらしくなかった”らしいメイン、近野剣心&吉田綾斗&中津良太vs野村卓矢&阿部史典&佐山駿介の試合が、最高に面白かった。




















まず、BASARAのこの二人が別々のコーナーに立つ時点で、すでにハチャメチャな何かが起こる予感を醸し出させる訳ですが、そこに触発された…というかいつも通りの野村卓矢のクレイジーと、真っ向からそのスタイルにドップリ浸かれる、近野剣心と吉田綾斗の対応力が底知れない。
プロレスの“お決まり”みたいなものを尽く突き破り、少しでも怯んだり痛がったり躊躇したり止まったりしたら、即座に誰かが蹴り、殴る。
この中ではキャリアの短い佐山駿介が完全に捕まる展開になったものの、ここまで酷い目にあいながら戦い抜いたのもまた見事。このメンバーで、また是非みたい試合。


2.18BASARAの新木場宴は、メインへの期待感からか異様な熱気に包まれていたように思いますが、その熱に当てられてか、はたまたさらなる燃料によってか、始めから最後まで、見所に次ぐ見所の連発。
そんな興行のなかでまずピックアップしたい、阿部史典と下村大樹のシングルマッチ。














「気合入れろテメェ!」
とどつく阿部史典に応じるように、ドンドンドンドン下村大樹がヒートアップ。どちらも同じくらいの回転の早さで攻撃を繰り出しあった、バチバチの意地の張り合いを、阿部史典が自身の土俵で制す。
やりすぎ。だからこそ、ちょうどいい。


セミファイナルは王者・S.O.Svs“戦闘民族”木高イサミ&関根龍一によるアイアンフィストタッグタイトルマッチ。




















“メインに繋ぎたい”という戦闘民族の二人の気合と、S.O.Sのタッグとしての技巧が絶妙な熱狂を作り出した…ように思います。












試合としてのペースを戦闘民族が握れば握るほど…S.O.Sがどんな武器を繰り出してくるか、という、期待というか不安というかとても曖昧な感情が、試合に対するワクワク感をずっと高め続けました。今年ここまでのタッグマッチの中で一番面白い試合。


で。早くもなんとなくもう決まってしまった感のある、現時点での“Match of the Year”がこの日のメイン。
高梨将弘vs藤田ミノル。













[“初めて見た”と呟きましたが、どうやらガンバレ☆ザさんの試合で見たことあったらしい]

[原田精肉店]

[“Sing it !!”]



[トロピカル☆ヤッホー。のちにトロピカル王国国王であることが明かされた。]













[氷のスピアー]



[一閃]
向けた期待は前稿の通り。目の当たりした光景は、あまりに高い期待を、悠に越えていった。だからこその、MOTY。
…今年、これを超える試合を見られるだろうか。いきなり高い高いハードルが設定されて、2020年の楽しみが尽きません。


《最優秀興行候補》1.4 崖のふち女子 板橋1.27 まっする1 新木場2.15 藤田プロレス☆スクール 2AWスクエア new!2.18 BASARA 宴 新木場 new!


[夏期講習とかないかなあ…]


[乾杯]




…に、しても、3月はかなりヤバい。
すでに候補に入ってる崖のふち女子とまっするの本年第2回目の興行があり、DDTでは竹下幸之介が田中将斗と待望の激突。平田一喜がついに十周年を迎えて記念興行を開催すれば、その真裏では百均サンダースが全日本プロレスに襲来し、ブラック&ピンクめんそーれと激突。九州プロレスでは玄海が火野裕士相手に1年ぶりの王座奪還を狙い、同日には日本一めんどくさいタッグ・新井健一郎&藤田ミノルが九州プロレスタッグに挑戦。BASARAは宴で高梨将弘vs阿部史典というカードが決まり、富山ではクリス・ブルックスが爆破甲子園参戦、何より3.29スポルティーバでは、恐ろしいメンバーをズラリと揃えてのスクールオブ闘争2020開戦etcetc。


仕事等の都合により幾ばくかは行けず、歯痒い部分もありますが、それもこれもプロレスが楽しい証明。
新型コロナウィルスの影響により、悲しいことに私の中で大変意義の深い試合がいくつも中止になってしまい、それはそれは途方に暮れるところでございましたが、それでも、年度末、プロレスは日々続き、進み、我々にワクワクを届けてくれます。
如何せん、身体が1つしかなくて、お金には限りがあることが実に不満である。




《最優秀新人候補》薄井鉄央(BASARA)
若松大樹選手(2AW)とか小石川チエ選手(我闘雲舞)とか、なんとなく名前を挙げたくなりそうなエッセンスはちらほら感じ始めつつあります。


《最優秀タッグ候補》新井健一郎&藤田ミノル(九州プロレス)Speed of Sounds(フリー)PURPLE HAZE(全日本プロレス)


BASARAでアイアンフィストタッグ王者となったS.O.S、なんというか改めて、タッグとしての懐の深さを思い知らされる。






王座を獲得した新宿での試合も、2度目の防衛となった新木場宴も、“タッグだからこそ”のプロレスでいずれも勝ちきってみせたのが、この二人の凄さ。


“神の軍団”PURPLE HAZEは、胡散臭さが最高。










丸…イザナギさんが久々にマスクを被ったことで、本来の怪しさがさらにフルオープンにな(る代わりに面白いことができなくな)って、しかもそこに集まってくる選手に多く含まれる、入江茂弘やゼウスという“大阪”の因子。
ちょっと全日本プロレスに足を運ぶ理由が増えた気がします。


《最優秀団体候補》崖のふち女子プロレスマッスル


《ベストモーメント》1.19 オレンジタウン 翔太「1.5 東京ドーム、オカダ・カズチカvs内藤哲也戦でオカダ・カズチカがインプラントを繰り出したときの海野レフェリー」


《MVP候補》ディック東郷


〜独断と偏見で選ぶ月間MVP〜1月 ディック東郷


2月誰だろう?と思って色々考えて考えて考えてみたところ、一つの結論に至りました。
2月の個人的月間MVPは、水森由菜。




…とはいえこの2月、新納刃に敗れ、藤田ミノルに敗れ、米山香織に敗れたので、戦績的には推薦理由として物足りないかもしれません。
が、水森さんを推挙するに足る理由が、そう。SNS。
…SNSは、プロレスに関係ない
と仰る方もいらっしゃるかもしれませんが、いやいや、今月の水森さんは凄かった。
たゆまぬ自己アピールの甲斐あって…というよりは“教頭(おしえがしら)”藤田ミノル選手がなんと半年前からオファーし続けていたという背景もありつつ、2020年注目の闘争「スクールオブ闘争2020」へ、藤田プロレス☆スクール側の講師に抜擢された水森由菜は、その直後から早速SNSを搔き回し、3.29から新校長に就任する“レスリングマスター”ディック東郷に…あの、ディック東郷に、SNS上とはいえ、トロピカル語を使用させるという…快挙といえばいいのか暴挙といえばいいのかわからない尋常ではない存在感を発揮。






その後もSNSで何も発することのない名古屋モーニングスクール勢を尻目に、単身でそのまま名古屋を壊滅させんがばかりの勢いを発揮し続けています。
水森さんは2月末でキャリアちょうど2年。にもかかわらず、試合ぶりや貫禄は、そのキャリアを感じさせないあまりに堂々としたもので、先輩や男子選手相手でも引けを取りません。
昨年、水森さんを新人1位に推挙した理由は、その底知れなさ、得体のしれなさ。年明けからいきなりその膂力を発揮しているので、もう、水森由菜の名前を挙げずにはいられない。
というわけで2月の(個人的)月間MVP、水森由菜の今年の活躍、特に、3月の授業での活躍に、乞うご期待ください。凄いから。




燃えろドラゴンズ

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カレーです。


新型コロナ感染拡大の影響で閉塞感の高まる昨今ですが、流行性感染症なのでどうせ罹るときはどうやったって罹る、と、手指衛生だけは欠かさずに、それ以外は普段どおり過ごしています。
何せ今現在人生最大の楽しみが今月末に控えてるんだから、自粛とかなんとか言ってられない。
自粛=やらない、という選択は、リスクを回避することにはなるかもしれませんが、世界そのものを小さく、狭く、流動性なくしてしまう。
自粛とかなんとか、言ってられない。むしろ少なくとも今月末が来るまでは、絶対言ってたまるか、と思ってます。


さて、何をそんなに楽しみにしているかと言えば、3.29名古屋はスポルティーバアリーナで開催される、『スクールオブ闘争2020』。通称・スク闘2020。
昨年3月に同じく開催となった、『モーニング闘争2019』、そのいわば続編とも言える大会。
モー闘2019についてはネット・プロレス大賞においても個人的に2位に推したとおり、その場で見届けたのが80人とは思えないムーブメントを生み出す、ある意味マイルストーン的な興行でした。
その、続編というだけでも期待値は膨れ上がるのに、明らかになった参戦選手の顔ぶれをみて、家に帰るまでに通り抜ける公園で、夜半に小躍りしたわけです(事案)。
“スクール”の名を冠するとおり、千葉で勢力を拡大する“藤田プロレス☆スクール”が名古屋に乗り込むかたちで行われ、「名古屋を壊滅する」ことを目的としている本興行、藤田ミノル教頭(おしえがしら)を筆頭に、ヤス・ウラノ先生、関根龍一先生、最上九委員長と、スクールメンバーの名前が並ぶ中、私の小躍りは続く名前から始まりました。
今成夢人、そして、水森由菜、さらに、ロッキー川村、止めに、新校長・ディック東郷……!!
名前をみて思いましたね。“ああ、これは名古屋壊滅する”と。
というわけで、この顔ぶれが勢揃いする3月29日に照準を合わせ、ここまでの人生を過ごしています。


しかし。
しかし、だ。


現在のところ、残念ながら、“この顔ぶれが揃う”以上の楽しみをまだ、見出だせていない状況にあるのもまた、事実です。
おそらく、超協賛あるいは協賛というかたちでこの興行の観戦を楽しみにする、数多の一般生徒たちは、各々言葉の使い方は異なるかもしれませんが、概ね一つの懸念を抱いているのではないでしょうか。
このままでは、名古屋は壊滅する。
…というか、我闘雲舞に足繁く通い、ネット・プロレス大賞2019の新人賞1位に名前を挙げた身としては、こう思います。
名古屋は、水森由菜一人に、壊滅させられる
と。


我闘雲舞で活躍する他現役アイドルとしてライブをこなし、さらに熊本のラジオ番組も持っていたり、TOKYO MX2の深夜帯のドラマに出たりと活躍の幅がよくわからない方向に広い水森さんは、AWG Color's、SEAdLINNNG、HEAT-UP等への参戦はありますが、まだそれほど多くはなく、東京を離れて試合をする機会は年に数回程度。
しかし、地元九州・熊本で試合をしたいという野心を持っていて、そのためのバイタリティは並々ならぬものがあります。というかバイタリティが有りすぎて、Twitter上でいきなりディック東郷新校長にトロピカル語を駆使して絡み始めたときは、もう、さすがのスクール講師陣をもたじろがせました。
毎日毎日小倉トーストを食することで名古屋への対抗意識を燃やし、この一戦に出てくる名古屋の選手たちや講師陣にリプライを飛ばしまくり、ある意味、教頭の役目をかなりの割合で肩代わりしています。
この日々続く教頭や委員長も巻き込んでの(クソ)リプライムーブメントは、インディー界をも広い視野で見渡すあの小島聡選手にも届いた…ばかりか、あろうことかその小島聡選手にも水森先生がリプライを飛ばす始末。
もはや、ただ一人の力だけでこの興行の話題を日々生産し続けています。


プロレスにSNSが関係ない、とか、そんなことはこの観客80人に限られた興行には言えるわけがなくて。如何にこの80人を本気にさせるか、“80人しかとんでもないものを見ることができなかった”というムーブメントを起こすことが、この興行の勝敗を分けるところ。
実際の試合が関係ない、とは言いませんが、今のところ、実際の勝敗がどうなろうと、実際の試合をどんな素晴らしい試合にしようと、この水森由菜先生の溢れんばかりのバイタリティ以上の印象を…少なくとも名古屋モーニングスクール側からは、感じ取ることができていません。
違う。そうじゃないんだ。
確かに私は水森由菜がみたい。名古屋で試合をする今成夢人がみたい。スクール講師陣がみたいし、ディック東郷新校長がどんな試合をするかみたい。
でも、そうじゃないんだ。
集ったレスラーがとんでもない存在感を持っていることを知っているから。
だからこそ、名古屋のレスラーたちがどんなプロレスラーで、こんな濃ゆいメンツを相手にどんな存在感を発揮できて、どう考えても圧倒的に(少なくとも存在感の上で)不利な中、どう抗い、勝とうとするのか。
その過程を見せることは、プロレスに不可欠だと個人的には思います。“試合で全てみせる”場合もあるでしょうが、今回その試合を生でみるのは80名。そんな悠長なことは言ってられない。


おそらくそんな80名に入る人たちが、迫りくる日程と危機感から、いくらか声が上がり始めました。私もそんな一人です。
そしてようやく、名古屋のプロレスラー側からもジワリ、ジワリと動きが出てき始めた気配も感じます。
でも、まだだ。
まだ全然足りない。
まだ、水森由菜一人に到底太刀打ちできない。
まだスクールには今成夢人がいる。ロッキー川村がいる。ディック東郷新校長がいる。スクールをスクールたらしめる4人がいる。
決戦まであと3週間。
高井憲吾、ジ・インテリジェンス・センセーショナル・グランド・パッションマスク4号、影山道雄。
彼ら3人を凌駕する存在感を発揮する選手は現れるか。
そして、何人現れるか。
それが、どこまで相手の存在感を上回れるのか。
名古屋の存亡はそのあたりに懸かってる。
名古屋は果たして、生き残ることができるか―





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