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いつも通りの生活を続けるためのリスクを考えてみた話

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カレーです。
いつも通りの生活を続けるためにはやはり、“いつも通りの生活を続けることが可能かどうか”の検証をどこかでちゃんとしておかないといけないなあ…と思ってはいたものの、やはり真面目にそれを考えるのは面倒なので、後回し後回しにしてきました。
しかし、WHOが何周か遅れでパンデミックであると認め、国会で特措法の審議を終えた今、この危機が一体「どの程度の危機なのか」ということに、真面目に向き合わなければいけないのかもしれません。特に、政府に槍玉に挙げられている「密室空間」「大人数」の場所に頻繁に、それはもう、頻繁に、いく「若者(30代)」でありますため。
大規模イベントの自粛要請が続く中で、比較的中規模(60〜1000人)のイベントであるプロレス興行に足繁く通う私は、おそらく世間一般からまて、観戦リスクが高い何者かであることは間違いないと思います。
だからこそ、どれくらいのリスクがあるのか…あんまりリスクがないから、その生活を維持するのか、リスクが高いから、今後の行動を残念ながら自粛せざるを得ないのか…について、ちょっとだけ検討してみました。



1.前提
いまさら言うまでもないことですが、新型コロナウィルスについてはまだありとあらゆる知見が揃っていません。なので、ここで示すリスク想定の根拠は、ほぼ、皆無。それでも、日々を生きるために思考するのを辞めたり、想像力を失って自棄になってしまうことは、それこそ生きるのを辞めるに等しい…と、個人的には思っているので、できる限りの想定…ですらない、想像で、無根拠であることを補いたいなと思います。


2.患者数想定
現在、新型コロナウィルス感染症についてはPCR検査により陽性・陰性の判断が下されています。
しかしながらこの検査の精度について、「偽陽性」…本来は陰性であるにも関わらず陽性と出てしまうこと「偽陰性」…本来は陽性であるにも関わらず陰性と出てしまうことを考慮に入れなければいけません。
PCR検査による陽性の検知率は、国際感染症医療センターの忽那賢志教授によれば、「およそ70%程度」とのことで、本来陽性であっても30%程度は陰性と出てしまうらしく、複数回検査を行うのが一般的なようです。単純計算で1回だと70%→2回で91%→3回で98%。なるほど確かに。
一方で偽陽性ですが、こちらについても確度はよくわかってないっぽいですが、忽那先生が「99.9%」と仮定してと計算していたので、まあ、偽陽性という反応は出にくいものと思っておきます。
つまり患者数カウントは、少なく出ることはあっても、極端に多く出ることはない…という想定でいるようにしておきます。
現在国内発症者とされている患者数は675名(3/13現在)。
東京都も検査数と陽性患者数の結果を出していて、3/13現在で1440人くらいが検査して、陽性が75人。
診療所or病院→保健所→検査機関という複数回のトリアージにかかってふるいにかけられて、陽性だった人の数がこれくらい。依然として等倍の正規分布に留まっているのは、中々堪えてるのかもしれません。わかんないけど。
ただ一方で、新型コロナウィルスの発症までの期間は2〜14日とかなり潜伏期間が長く、咳程度の軽症者であっても感染拡大させる特徴もあるとのことなので、実際のところどれくらいの患者がいるかはよくわからないっぽい。
インフルエンザとかだとそれでも過去の知見から係数を掛けて推定患者数を算出してますが、それすらもここ数年で係数が変わったりする始末なので、ここはもう、ざっくり現患者数の100倍…およそ全国70000人の患者がいる、という想定を置くことにします。
最終的にはとても雑だった。
ちなみに後々の計算もだいたいこの数字で決まります。THE・台無し。




3.感染拡大の状況
3/13現在、感染拡大の状況は踏みとどまっていて、ここ数日の全国の患者数の増加は50名前後。まあ、単純に検査機関の稼働限界がこれくらい、ということかもしれませんが、同時にたぶん陽性である患者の割合が増えているわけでもなさそう。
インフルエンザが患者一人あたりおよそ1.3人に感染させるらしいですが、新型コロナウィルスに2〜3人と言われてるとかなんとか。それが単純に1次関数で計算できるくらいの推移になっているので、思ったよりくい留まってる。
ただ、これは日々我々(わたし)を悩ませている、“イベント自粛要請”を前提とした数字。
この状況下で1日でも早く、感染力の低下が示されない限りは、この自粛の閉塞感からは抜け出せないのではないのかな、と想像します。




4.エンカウント率
①“プロレス会場に足を運ぶ人の割合”と②“観戦頻度”と③“興行数”を変数にすると、とってもザックリとしたエンカウント率が割り出せるような、そうでもないような気がしました。
でもまずもって①の変数からして難しい。っていうか、大体この数字で決まってしまう。“国民の何%がプロレスファンですか?”なんて統計は何処にもあるとは思えないし、誰か近い数字を持ってる人は当てはめてみて貰えればいいと思いますが、ここではとても大雑把に仮定して、国内の興行で1日で足を運ぶ人の数が1番多い、東京ドームの最大キャパシティ50000人×10(無根拠)=500000人を、“会場に脚を運ぶ可能性のあるプロレスに興味がある人”と仮定します。
割合に直すと、およそ人口の0.4%。
推定潜在患者数が70000人。その0.4%。
…その段階で280人。プロレスに若干でも興味がある人で、もしかしたら会場に脚を運ぶ可能性のある人の数です。無根拠に無根拠を重ねた雑計算。
で、私はもはや遠征に躊躇ありませんが、普通はそんなこともないであろうなので、一応都道府県別の患者数分布を当てはめ、かつ、自粛要請の出ている昨今ですから、「県外の興行はみない」という強引な前提を当てはめましょう。
そうすると、そうなると北海道で50人、東京で28人、神奈川16人で、大阪26人、愛知40人、この間仙女で行った奈良1.2人、福岡1.2人、沖縄1.2人などなど。
で、数多いる“プロレスに少しでも興味がある人”の中で…平均するとどれぐらい見に行くものでしょうか。会場見に行かないプロレスファンももちろんたくさんいるでしょうし、身の回りがもはや“平均”であるとは到底思えないので、ここは…概ね、月2回程度としておきましょう。
そろそろ計算が面倒になってきましたので、ここからは東京で計算しますね。
東京の潜在陽性患者プロレスファンを28名と推定し、その方々が月2回観に行くとして、延べ56回。
今月は開催自粛もあって興行数が少なかったため、1日1興行、全30興行あったとまたも仮定を置きましょう。一方で、会場への“行きやすさ”は、観客の動員数でまた強弱がつくことになります。
この30興行が仮に、後楽園規模6新宿FACE規模6新木場規模6王子規模6市ヶ谷規模6としておくと、
後楽園が1興行2人強、FACEが1人強、新木場が0.8人くらい、王子が0.4人、市ヶ谷が0.2人。
etcetc


5.何はなくとも手洗いうがい
…さて。
膨大な仮定に仮定を重ねて、さらに仮定することで、少しばかりリスクが見えてきました…か?
でも実のところは別に、ここでしている仮定には全く意味がありません。
何故ならば繰り返し述べているように、ここに当てはめている数字自体が全くの無根拠のものであるから。
冒頭の想定患者数を、そもそも100倍とするかどうかでこの話の方向性が決まります。
“意外とリスクあるぞ!気をつけよう!”
と。
一方で、想定患者数を現状の675人から陽性検知率の70%で割って、およそ1000人、という仮定を置いた瞬間に、東京の潜在陽性プロレスファンの数は0.4人とかになるので、もはやまず遭遇する可能性はなくなります。
というわけで現在新型コロナウィルスに対して有効な対策は、ほぼ2つ。
強いて言えば3つ。
①人ごみをさける②手指衛生・うがい(③マスク)
①については、できない。っていうかやらないので、わざわざ質面倒くさい計算式らしき何かを想像してみたわけです(徒労)。
②については、有効性はすでに200年前くらいにフローレンス・ナイチンゲールが証明していらっしゃる。感染症の8割くらいは大体手指衛生で防げるとかなんとか。
水洗いとアルコール消毒はどちらかだけでいい、と言われてますが、どうやら性質が異なるようで。
アルコール消毒は、脂溶性の細胞膜をもつウィルスには有効で、インフルエンザウイルスやコロナウィルスは有効な部類に入るようです。でもライノウイルスには効かないという。
水洗いについては、厚労省なんかも掲示を出してますが、15秒水洗い+石鹸・ハンドソープ+15秒水洗いのコンボがどうやら1番推奨されている組み合わせのようです。
マスクについては…今のところ予防についての確たるエビデンスが示されていないような感じらしいです。ただプロレス会場はいまほぼほぼマスク着用がマストになっているので、仮に各会場に1〜2人くらい潜在患者がいたとしても、拡散防止に作用することにはなるでしょうなので、この呼びかけはやはり続けざるを得ないところでしょうか。



6.まとまらない
冒頭の方で、「自粛するかどうか検討してみた」とか書きましたが、あれは嘘だ。自粛する気なんか全くない。自粛なんか、したくない。
ただ、目に見えないものと、目に見えない困難を相手にするときは、少なからずわかる部分については、正体を明らかにしながら向き合っていく必要があると思います。そして同時に、その目の前にあるものをまずは信じてはいけない、と思ってます。
絶えず絶えず目の前にある…かどうかわからない何者かの姿を想像し、更新していく。考え続ける。想像力を働かせ続ける。自分の在り方も含めて疑い続ける。
…まあ、ちゃんとした文章にまとめることを途中から面倒くさくなって、適当な口語体でロクにエビデンスも出さずにすっ飛ばしましたが、それでもやらなきゃいけないことはかわらない。
“いつも通り”であり続けるために。できること、必要なことに、思いを巡らし続ける。

PLAY THE GAME

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どうも、カレーです。
自分の周辺の歳回りの方…30代〜40代の方におかれましては、今も続いている趣味や、とても深く関わりのある事柄の源泉が、大本を辿ると“ゲーム”に行き着く、という方はいらっしゃらないでしょうか。
私は多分に、このパターンが当てはまりまして。
小学三年生の頃から“野球”という競技を始めましたが、それは幼少からの(同じ誕生日の)清原和博への憧れを、ファミスタ、そして実況パワフルプロ野球など数多の野球ゲームが繋いでくれたから。まあ、高校野球が好きではない(嫌い)という理由でアッサリ辞めましたが、パワプロシリーズは延々やってました。
小学校5年生の時にみた、ワシントンカラーが勝ったクリスタルカップと、サニーブライアンという競走馬の存在で認識した“競馬”について、ダービースタリオンというゲームをきっかけにとてもとても深く食い込むものとなりました。
入院生活中にひたすらやり続けたウイニングイレブンのせいで一時期サッカーに詳しくなったつもりでいたり…と、まあ、面白いゲームをきっかけに、あるいは原動力に、好きなものの知識を広げたり、深めたり。多分にあるんじゃないかなあと思うのです。


そしてそれは、プロレスも例外ではなくて。
たまたま深夜につけたWWEと、DVD借りて観たWM20。その間にあったのが、エキサイティングプロレス5というゲームでした。
…まあ、このブログは元々その遊びの記録でしたのでなにを今更という感もありますが…
もう、
15年前のゲームになるんですね…



で、そんなこんなでTNAを観たりなんだり、プロレスの知識を拗らせていたところに、レッスルエンジェルスサバイバーが出てきまして。どハマりしつつ、エキプロでエディットしがいがあるわーと遊び呆け。
その間に、レッスルエンジェルスサバイバーでテキストを書かれていたでいしろう先生による、レッスルエンジェルスサバイバーの登場レスラー、辻香澄&サキュバス真鍋&草薙みことの日常を「だらだら」綴った非公式ショートストーリーを楽しみに読みながら、iモードだけで配信されていたサービスであるレッスルエンジェルス愛のためだけにキャリアをDOCOMOに変えてみたりしつつ、発売されたレッスルエンジェルスサバイバー2も面白く遊び。
権利関係でこじれちゃって、続編は期待できないかなー…と思っていたところに、現れたのが(ここでようやく本題だ)「リング☆ドリーム」でした。


2019年12月19日。ブラウザゲーム「リング☆ドリーム」の、2020年3月26日を以てのサービス終了が
リング☆ドリーム公式twitterアカウントよりアナウンスされました。


元々はプロレスを題材としたTRPGであるリンドリ、10余年を経て、ブラウザゲームとして復活し、ライターにはでいしろう先生、さらにはサクセスが版元ということでレッスルエンジェルスの合流も匂わせ、2012年、サービス開始から思わず飛びついた私。
当時は辛い仕事に意気消沈する中で、たまにしかない休みにDDTを中心にプロレスを見ながら生きながらえていた私にはとてつもなく支えになったコンテンツで。
仕事中のパソコンからログインして無理矢理走ったり、転職してからも休憩時間にネカフェに行って1時間ひたすら“走った”り。
細かい話をすると前置き以上に長くなりそうな気がするのでこの辺で止めておくといたしまして。
ただ、リング☆ドリームというゲームが、私がプロレスという世界にさらにのめり込むためのトリガーになったことは間違いなく。
そしてそう感じている人は、おそらくこのゲームを遊んだユーザーにたくさんいるんじゃないかな…と、勝手ながら、思います。
プロレスのゲームをやりながらプロレスの興行を見に行って、そこから広がる興味には日々歯止めが効かなくなり、2013年にガンバレ☆プロレスを見始めたあたりから、もう、何もかもが興味の対象となっていったように思います。
ゲームのテーマが「女子プロレス」であったことは、なんとなく敷居の高さを感じる女子プロレス観戦を心情的に容易にしてくれたようにも感じます。それこそ作中にでてくる団体名が「東京女子プロレス」でしたから、もう、その時点で2つの世界が繋がることは必定だったのかもしれません。
リング☆ドリームとDDTとのコラボ興行「愛は逢いよりい出て」は、いずれも、とても深く記憶に刻まれています。
思えば、プロレス会場にカメラを持ち込むきっかけもこの興行からでした。


[2015.3:ぶっさんもあいあい出てたよ]
この興行で携帯の写真で刻める記憶の限界を知り、ヤフオクでジャンク品のOLYMPUS E-PL2を6000円かなんかで落とし。
この年の年末には、後楽園でのあいあい2開催となりました。もうその頃にはだいぶ骨の髄までプロレス。
メインイベントでは美少女化を果たした選手たちが揃い、アントーニオ本多に石井慧介に入江茂弘に大家健に…と、俺得としか言えないほど俺得。そしてそれはきっと会場に集まったリンドリユーザーの皆様にとっても、“得”だったか、あるいは、“得”と後々感じられるようになった…ら、いいな、という光景でした。幸せな空間だった。






ゲームのリンドリ自体へのログインは、翌年かズブズブとプロレスそのものの観戦回数が増えていくに従いまして減っていってしまった私。
しかし、2017年末に今度はとしまえんを借り切って行うというまたまたびっくりの試みとして、リンドリ×DDTの協力は帰ってきました。これもまた、例外なく楽しいものでした。































昨今、というか昔から、何故だが“ゲーム”というものに向けられる眼差しは実に厳しいものがあります。
そのことについては個人的にはあまり腑に落ちる部分がなくて。
多くの人が楽しめ、興味を持てる媒体であり、興味の幅、世界を広げることのできる媒体であることに、疑う余地が僕の中ではありません。
リング☆ドリームの、ブラウザゲームとしての役割は、来週、一つの区切りを迎えることになります。
ただ、リング☆ドリームというゲームが広げてくれた世界を、また別の形で展開されるであろう、展開されてほしい、リング☆ドリームという世界への期待を胸に、自身でさらに、歩みを止めることなく、広げていきたいと思います。


…ゲーム本編の話ほとんど触れませんでしたが、私は白面さんと霧島さんが好きです。ちなみに。


庭先は、多摩湖

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3月30日。
私の地元は、“神”を失いました。


不出世のコメディアン・志村けんの訃報は、この昨今の新型コロナウィルス感染拡大の最中で、日本列島を駆け巡ったおそらく最大のニュースであり、最大の、悲報でした。
それは、このウィルスが誰の身にも襲いかかること、そして、おそらく感染症に関して最高の医療を提供した……志村けんの訃報に伴い会見を行った大曲医師は、日本の感染症の最大権威の一人……としても、命を落とす危険性を除くことができないことを、どんな勧告やニュースよりも鮮明に、万人に理解させることになりました。
日本という国で、誰もが知るコメディアンの訃報は、老若男女問わず大きな傷を心に残したことだろうと想像します。
国に全体でそうであるならば、その地元、…「♪東村山音頭」でその名前を知られる、東村山市にとってみれば、その損失は計り知れないどころか、おそらくは、何よりも重い意味を持つところです。


私は、3歳の春から、東村山市で過ごしてきました。
東村山市は元々行政区的には埼玉県と神奈川県の境にあり、県政の始まる際に、どさくさに紛れて東京“都下”に収まった(真相は定かではない地元民の雑な理解)市で、いわゆる東京の“北多摩”地域に位置しています。
“東村山”という地名は知っていてもどこにあるかは知らない方が世の中にはとても…とてもとてもとても多く、しかし口頭で説明するのも苦慮するため、「東京の左上の方」「隣は埼玉県(所沢市)」「八王子・立川よりは手前」と雑に説明することが多いお土地柄です。
埼玉県との県境まで徒歩15分くらい。西武グループのお膝元ということもあって駅の数は市内に7-8とやたら多く、西武球場(現・メットライフドーム)までは自転車で30分くらい。野球、特にパ・リーグを観る環境としては中々恵まれた環境にあります。
いくつかの周辺自治体とまとめて「多摩六都」と呼称されることもあり、また、その多摩六都間での“序列”を、(ロマサガ2の七英雄的に)揶揄しながら並べるのが、割と西武線沿線民で繰り広げられる話題の一つ。私だけかもしれない。
※個人的に考える多摩六都の序列小平(ブリジストンがある)西東京(田無+保谷、“東京”って入って格上感出してきた)東村山(知名度はあるが認識はされてない)東久留米(駅が一つしかない)清瀬(清瀬)
異論は認める。


そんな東村山に何があるかといえば、はっきり言って、何もない。
もう、びっくりするほどなにもない。
駅は多いけど全般的に閑散としてるし、人口は15万人と多いけれどそこそこに高齢化率高くて生産人口が寂しく、“東村山村”だったときのムラ的な連帯も妙に強く残ってるし、市が結構なお金を投じて出来上がった駅ビルからはテナントが次々といなくなるし、新たに赴任してくる教師は挨拶で必ず枕詞のように“緑がきれいで”っていうし、なんならその緑がきれいな部分を切り取って写真に移すととても東京都とは思えず、内陸県を装ってツイートしたとしても多分バレないし…
etcetc
というようにまあ、30年くらい付き合いのある土地だけに、如何様にも言い様があります。


ただ、一つ間違いなく言えることは、“東村山=志村けん”であるということ。


これは別に東村山市に住んでる全ての人が志村けんが好き、とか、東村山音頭が踊れる(踊れるけど)、とか、そういう訳ではなくて。
「出身は東村山市です」と自己紹介すると、望もうが望まざれども、ほぼ100%「ああ!志村けんの!」と返される、土地に、民に刻み込まれた存在でした。
普段から志村けんの話題をするわけでもないし、市民の多くは特段志村けんに詳しいわけでもないかもしれません。
それでも、東村山という土地は「志村けんの」東村山。
その認識は…たぶん、言い過ぎではないものと個人的には思っています。


“神”をどのように定義するかは大変難しく、八百万の神の文化である日本という国であるならば、全てのものが“神”たりうるところだと思います。
冒頭の“神”という言葉は、基本的にはただの形容であり、比喩です。
ただ、東村山という土地には菖蒲園があり、東京都唯一の国宝級建築物があり、ソースの一大生産地であり、納豆の一大生産地であり、原田泰造(同じ学校で同じ塾出身。塾の先生曰く「姉の方がインパクトあった」)の出身地であり、相田翔子(元Wink、彼女の恩師が副担任でした)の出身地であり、鳥谷敬(少年野球チーム「東村山メッツ」出身。“凄い選手がいる”と少年野球でも有名だった)の出身地であり、…個人的には、よく某プロレスラーに遭遇した場所だったり。
…“実は”という枕詞がたくさんつく、怒涛の田舎自慢の羅列です。
でも、それでも。
私の地元は、“志村けんの東村山”。
そのように想う心は、ある意味では一つの信仰。
そして、そのように思われる存在の形容を考えたとき、私には、“神”という…ある意味では、非常に安易な形容しか思い浮かびませんでした。


謹んで、故人のご冥福をお祈りします。









観戦メモ2020:3月

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3月終了。
18興行。本来ならもっと楽しい時間だったはずでした。でも、ツラい月でした。
果たして自分の行動が正しいのかどうか云々、とも考えたりもしましたが、“正しさ”を考えること自体がそも適切ではなくて。
もし万が一、私の行動を非難されたい場合はご自由に。全力で言い返します。


《最優秀試合候補》1.3 DDT 後楽園 田中将斗vsクリス・ブルックス1.4 東京女子 後楽園 中島翔子vsハイパーミサヲ1.4 崖のふち女子 板橋 松本都vsクリス・ブルックス1.13 DDT 住之江 竹下幸之介&勝俣瞬馬&飯野雄貴vsアントーニオ本多&平田一喜&くいしんぼう仮面1.13 ガン仁田 住之江 渡瀬瑞基&ミス・モンゴルvsアルティメット・スパイダーJr&青木いつ希1.22 BASARA 新宿 FUMA&久保佑允vsバナナ千賀&ツトム・オースギ1.25 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs駿河メイ1.26 九州プロレス 北九州 入江茂弘vs野崎広大2.2 ガンプロ 王子 翔太vs旭志織2.9 我闘雲舞 王子 SAKI&水森由菜&紺乃美鶴vs高梨将弘&新納刃&趙雲子龍2.10 FREEDOMS 後楽園 杉浦透vs宮本裕向2.11 東京女子 北沢 辰巳リカ&渡辺未詩&鈴芽vs伊藤麻希&らく&原宿ぽむ2.15 藤田プロレス☆スクール 2AWスクエア 翔太vs本田アユム2.16 東京女子 蕨 天満のどか&のどかおねえさんvsのどかおねえさん&のどかおねえさん2.17 JSTAGE 新木場 ディック東郷vs藤田峰雄2.17 JSTAGE 新木場 近野剣心&吉田綾斗&中津良太vs野村卓矢&阿部史典&佐山駿介2.18 BASARA 新木場 阿部史典vs下村大樹2.18 BASARA 新木場 バナナ千賀&ツトム・オースギvs木高イサミ&関根龍一2.18 BASARA 新木場 高梨将弘vs藤田ミノル3.7 仙女 奈良 DASH・チサコvsKAORU3.7 仙女 奈良 橋本千紘&優宇vs里村明衣子&駿河メイ3.8 仙女 新宿 橋本千紘vs朱里3.20 我闘雲舞 板橋 クリス・ブルックスvsバリヤン・アッキ3.20 我闘雲舞 板橋 高梨将弘&藤田ミノルvsTAMURA&趙雲子龍3.21 東京女子 板橋 坂崎ユカ&瑞希&乃蒼ヒカリvs中島翔子&愛野ユキ&舞海魅星3.21 ガンプロ 板橋 今成夢人&バリヤン・アッキvsマイク・ベイリー&冨永真一郎3.21 ガンプロ 板橋 春見沢萌彦&勝崎周之助&桜井鷲vs坂口征夫&樋口和貞&赤井沙希3.21 ガンプロ 板橋 石井慧介vs岩崎孝樹3.29 スク闘2020 スポルティーバ ロッキー川村vsジ・インテリジェンス・センセーショナル・グランド・パッションマスク4号


見れる大会が限られる状況ではありましたが、それでも、いつでも、レスラーたちは素晴らしかった。


奈良で行われたセンダイガールズプロレスリング、バルコニー席という特殊な環境でテンション(と写真を撮る難易度)が上がりましたが、試合はもっともっとテンションを上げてくれました。









“ハードコアクイーン”KAORUと、“新・ハードコアクイーン”DASH・チサコの二人による、RIOT CROWNのパートナー対決。
どちらも躊躇なく展開したゴリゴリのハードコアマッチで、個人的には、「いたーい。ハードコアヤダー」とかいいながら、スイサイドな攻撃の展開にあまりに躊躇がなかったKAORUの試合ぶりがとってもクレイジーで印象に残りました。










バルコニーから観るハードコアマッチ、ラダーを使った立体的な攻撃は距離感がさらに迫り、大迫力の試合。
最初バルコニーの難易度に苦悩していた私ですが、この試合をみて、この興行に来たこと、バルコニー席を選んだことに大変満足しました。
“次”がいつあるかはわからないけれど、もしエバンスキャッスルホールで興行があるときは、是非バルコニーをおすすめします。


メインは“チーム200kg”vs“メイコメイ”。この試合が決まったときに、奈良に行く決心を(割とライトに)固めました。


















チーム200kgはもはや言わずもがなの説得力。
メイコメイの方は、地元京都にほど近い奈良開催で、他団体初メインを務めることとなった駿河メイが躍動。いつもどおりといえばいつもどおりなのですが、このメンバーの中に入ってなお存在感を発揮する当たりが恐ろしい。
あと、里村さんと駿河メイの二人でタッグを組む機会ってそれほど多くないはずなのに、タッグの呼吸がドンピシャだった。これは二人がタッグが得意とかなんとかよりも、ただただ、“達人”が二人並んだが故の気もします。つまるところ二人ともすごい。
あとやっぱり個人の感想ですが、優宇選手の持つある種のクリエイティビティが、東京女子退団からこれまでで一番発揮されているようにも思いました。面白かった。


翌日は東京に戻っての新宿FACE大会から、橋本千紘と朱里のセンダイガールズワールド王座戦。






どの攻撃でも相手を仕留めうるような、“真剣”勝負の様相を呈すると、橋本千紘がオブライト一閃。
ほぼ、この一発だけで試合を決めた、ヒリヒリとした空気感が堪らなかった。


東京都や専門家会議から「気が緩んだ」と指摘を受けた三連休。プロレス界的には依然として開催に際しては厳戒態勢、消毒、マスク、換気を徹底。
そんな難しい状況下にあっても、板橋の連戦はとても楽しかった。
我闘雲舞で行われたクリス・ブルックスvsバリヤン・アッキは、3月の個人的なベストバウト。…アッキはもしかしたら、3月に世界でも一番試合をしたプロレスラーの1人かもしれない。













元々の爆発的な身体能力に、日本で、英国で身につけた技術を重ね合わせるバリヤン・アッキは、久しぶりにリングで見ると、より一層強くなってた。
この長身でひたすらに絡みついていくクリスの試合スタイルは世界でも唯一無二の部類な気がしますが、バリヤン・アッキのスタイルも、ドンドンドンドン真似のし難いものが出来上がりつつあるように思えてきます。素晴らしかった。


同じ我闘雲舞板橋大会から、堪らない試合となったのが、TAMURA&趙雲子龍と、高梨将弘&藤田ミノルによる“西調布ワン・ナイト・スタンド”。













この日この時このリングの上にあったのは、紛れもなく、あの西調布地下のスポーツジム兼地下格闘技場と同じ空気。
低床リングを見守る観客が生み出してきた熱狂が、今もプロレス界に息づいている。


翌日の板橋では、1月ぶりの開催となる東京女子プロレス。カード当日発表となったこの大会、やっぱり様々に面白い試合が展開されましたが、特に印象に残ったのがセミファイナルの6人タッグマッチ。


















週プロモバイルで某教頭が「分裂等の流れを汲まないプロレス団体は東京女子くらい」と名前を挙げていましたが、その独自派生のプロレス団体も旗揚げから早7年になろうというところ。
旗揚げ初期からいるメンバーはもとより、まだ2、3年目の愛野ユキや乃蒼ヒカリ、1年目の舞海魅星というキャリアの若い選手を混じえても、なんの違和感もなくこれだけの試合をできるところに、団体の明らかなレベルアップを感じた試合。面白かった。そればっかり言ってるけど、面白かった。


ガンプロはいつも満足なんですが、やっぱり、板橋のガンプロは特に熱量がおかしい。全試合面白かった。しかしそうすると強弱の表現がバカになるので、泣く泣く3試合ピックアップしています。
3.8北沢で予定されていた私にとってのドリームカードたるバリヤン・アッキvs冨永真一郎が流れてしまうことになり、悲嘆に暮れていましたが、マイク・ベイリー、今成夢人を加えてのタッグは、期待通り、いや、期待以上の素晴らしい試合に。
















この日のマッチアップを見ても、冨永真一郎のプロレスの指向性と、バリヤン・アッキのプロレスはやっぱり絶妙に噛み合う。その思いを確信するくらいに面白かった。あと、マイク・ベイリー&冨永真一郎組の呼吸が絶妙。


DDTからEruptionを迎え討ったTHE HALFEEの試合は、“対抗戦”という、ガンプロの持つ原初の空気感が全面に漂うヒリヒリとした試合。 







熱の置き場を間違えた口汚い野次が聞こえた気がしたのが若干残念でありましたが、まあ、そういうこともあるだろう。ただ、“らしい”熱量のある試合で、もっともっと、このユニット間での続きを見てみたいところです。


メインは、ガンプロに新しい“強さ”のあり方を持ち込んだ二人の直接対決。




















ガンプロというおかしな磁場に、この二人のある種のクレイジーが加わって、それがガンプロの“色”として定着したことがとても嬉しい。
ガンプロはガンプロ。石井慧介と岩崎孝樹は、ガンバレ☆プロレス。
…あ、あと試合展開のあまりの激しさ(石井慧介のクレイジー)に、セコンドについてた今成夢人が思わず笑ってしまっていたのがとても印象的でした。






Livin' in America





















《最優秀興行候補》1.4 崖のふち女子 板橋1.27 まっする1 新木場2.15 藤田プロレス☆スクール 2AWスクエア2.18 BASARA 新木場宴3.26 まっする2 新木場(3.28 チョコプロ 市ヶ谷)3.29 スク闘2020 スポルティーバ


2.9次元ミュージカルとかいう恐ろしい発想の実現と成功。マッスル坂井はマッスル坂井で、まっするはマッスルで、まっする。
















「とにかくプロレスを続けよう」
Tシャツに刻まれた文字がひたすらに心に刻まれるとともに、かつてリング上で心情を明かすことを「苦手」と語っていた翔太が、ユウキザ・ロックと今成夢人のやりとりに感極まり、「プロレスは死なない」という心情を顕にしたのが、全てを物語ったように思えました。


同じく厳しい情勢下での開催となった、名古屋スクールオブ闘争2020。元々教頭が思い描いていた闘争となったかどうかについては、おそらく本人のみぞ知るところであるかとは思いますが、ただ、開催されてよかったし、行ってよかった。それは間違いのない感想。





















学校には学びがある。学びが生かされれば、人間は成長する。
より強くなるスクール、より強くなる名古屋の明日を楽しみにしています。



《最優秀新人候補》薄井鉄央(BASARA)
若松大樹選手(2AW)とか小石川チエ選手(我闘雲舞)とか、なんとなく名前を挙げたくなりそうなエッセンスはちらほら感じ始めつつあります。じゃじゃ馬トーナメント延期に伴い、なんとなくペンディング中。


《最優秀タッグ候補》新井健一郎&藤田ミノル(九州プロレス)Speed of Sounds(フリー)PURPLE HAZE(全日本プロレス)
諸々の延期に伴い、この部門もペンディング。


《最優秀団体候補》崖のふち女子プロレスマッスルチョコプロ new!


プロレス団体のみならず、世界的なエンターテインメントの危機に、真っ先に導き出された“最適解”。




さくらえみっていうプロレスラーは、本当に凄い。


《ベストモーメント》1.19 オレンジタウン 翔太「1.5 東京ドーム、オカダ・カズチカvs内藤哲也戦でオカダ・カズチカがインプラントを繰り出したときの海野レフェリー」3.20 YMZ 板橋 Chair King








椅子取りゲームのこんな鮮やかな勝ち方初めて見た。




《MVP候補》
〜独断と偏見で選ぶ月間MVP〜1月 ディック東郷2月 水森由菜3月 バリヤン・アッキ、さくらえみ
興行の開催はおろか無観客試合の開催すらも限られる中で、真っ先に最適な選択肢を見出し、開拓し続ける“チョコレートプロレス”にただただ脱帽。なんせ初回に鈴木みのる参戦ですからね。しばらく蒼天航路の「覇王がみずから軍を率いて長城を越えた。この北伐の成果はそれだけですでに達せられている(蒼天航路18巻/賈詡文和)」以外の感想が浮かびませんでした。






というわけでさくらさんの完勝。何に対してというわけではないけども。


アッキはおよそ8カ月ぶりくらいに日本で試合をすることになったわけですが、比較的興行中止の少なかった我闘雲舞を中心に試合をし、またチョコプロの中心選手となっているため、この2週間くらいの試合数はもしかしたら世界一なんじゃないだろうか。


試合の素晴らしさは相変わらず、というか久しぶりながらさらになんか凄みをましてしっかり成長していて、文句のつけどころがない。

[パンクラシスト、AEWスーパースター、元ECW世界王者とチョコプロで連戦続くバリヤン・アッキ]


元々アッキの試合が好きなので贔屓目はあるけども。
4月もこの二人の試合をひたすら楽しみにしています。



観戦メモ2020:4月

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4月終了。1興行。
情勢としてもう本当にどうだろうという状況で、心苦しくもこっそり沖縄に渡り、おそらく観客を会場に入れての有料興行は以降しばらくほぼほぼ行われないのでは…という雰囲気漂った、琉球ドラゴンプロレス南風原大会。
ご迷惑になるのではという葛藤はありましたが、本当に、この興行に行って心救われる部分も多く、見に行ってよかった。
エンターテイメント分野は“必要不可欠”からなんとなく距離を置かれてる気がしますが…やっぱり、“好きなもの”や“楽しいこと”って、生きるために必要不可欠だし、優先順位は圧倒的に高い…と、個人的には思ってます。
目に見えない不安に苛まれ生きるのではなく、どこかに希望を、救いを求めながら生きていたい。


《最優秀試合候補》1.3 DDT 後楽園 田中将斗vsクリス・ブルックス1.4 東京女子 後楽園 中島翔子vsハイパーミサヲ1.4 崖のふち女子 板橋 松本都vsクリス・ブルックス1.13 DDT 住之江 竹下幸之介&勝俣瞬馬&飯野雄貴vsアントーニオ本多&平田一喜&くいしんぼう仮面1.13 ガン仁田 住之江 渡瀬瑞基&ミス・モンゴルvsアルティメット・スパイダーJr&青木いつ希1.22 BASARA 新宿 FUMA&久保佑允vsバナナ千賀&ツトム・オースギ1.25 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs駿河メイ1.26 九州プロレス 北九州 入江茂弘vs野崎広大2.2 ガンプロ 王子 翔太vs旭志織2.9 我闘雲舞 王子 SAKI&水森由菜&紺乃美鶴vs高梨将弘&新納刃&趙雲子龍2.10 FREEDOMS 後楽園 杉浦透vs宮本裕向2.11 東京女子 北沢 辰巳リカ&渡辺未詩&鈴芽vs伊藤麻希&らく&原宿ぽむ2.15 藤田プロレス☆スクール 2AWスクエア 翔太vs本田アユム2.16 東京女子 蕨 天満のどか&のどかおねえさんvsのどかおねえさん&のどかおねえさん2.17 JSTAGE 新木場 ディック東郷vs藤田峰雄2.17 JSTAGE 新木場 近野剣心&吉田綾斗&中津良太vs野村卓矢&阿部史典&佐山駿介2.18 BASARA 新木場 阿部史典vs下村大樹2.18 BASARA 新木場 バナナ千賀&ツトム・オースギvs木高イサミ&関根龍一2.18 BASARA 新木場 高梨将弘vs藤田ミノル3.7 仙女 奈良 DASH・チサコvsKAORU3.7 仙女 奈良 橋本千紘&優宇vs里村明衣子&駿河メイ3.8 仙女 新宿 橋本千紘vs朱里3.20 我闘雲舞 板橋 クリス・ブルックスvsバリヤン・アッキ3.20 我闘雲舞 板橋 高梨将弘&藤田ミノルvsTAMURA&趙雲子龍3.21 東京女子 板橋 坂崎ユカ&瑞希&乃蒼ヒカリvs中島翔子&愛野ユキ&舞海魅星3.21 ガンプロ 板橋 今成夢人&バリヤン・アッキvsマイク・ベイリー&冨永真一郎3.21 ガンプロ 板橋 春見沢萌彦&勝崎周之助&桜井鷲vs坂口征夫&樋口和貞&赤井沙希3.21 ガンプロ 板橋 石井慧介vs岩崎孝樹3.29 スク闘2020 スポルティーバ ロッキー川村vsジ・インテリジェンス・センセーショナル・グランド・パッションマスク4号4.5 琉ドラ 南風原 藤田ミノルvs初代ポークたま子

…この試合、なんかどこまでも前提条件の説明が必要ですね…
まあせっかく1試合だけですので、思うところを徒然に記してみます。
残念ながら昨今の情勢ゆえ延期となってしまいましたが、4.19に開催される予定だった琉球ドラゴンプロレスリング七周年記念興行を持って、プロレスラー人生にピリオドを打つことが決まっていた、“初代”ポークたま子選手。

[4.5:初代。いわゆる寿引退で、お相手は(元)スーパーマンタロウ]


その引退直前の対戦相手、しかもシングルマッチの相手として組まれたのが、“新・ポークたま子”藤田ミノル。
“場末のミスタープロレス”、“掃き溜めのブラックジャック”、“裏切りの流浪狼”、“藤田プロレス☆スクール教頭(おしえがしら)”etcetc肩書きをたくさん持つ藤田ミノルが何故、引退直前のまだキャリアの若い女子プロレスラーの相手を務め、というかそもそのリングネームまで奪い取ることになったのか…
それは昨年、ポークたま子の自主興行として行われた『BEST OF SUPER PORK』まで遡る必要があります。

[12.22:このベルト結構気に入っていたと思われる。が、一度紛失した。]
ポークたま子自主興行『BEST OF SUPER PORK』ですが、これはベストなポークを決めるために行われた、血で血を洗う激闘の記録(誇張)。
琉球ドラゴンプロレスかどこかでまだお買い求めいただけると思いますが、昨年、映像でみたプロレスの興行で最も衝撃を受けた大会だったので、皆様是非この機会にご覧いただけるといいと思います。
元々この大会に出場予定だったのかどうか定かではありませんが、「久々に沖縄で試合したい」的な欲求を拗らせた藤田ミノル選手が、自主興行を宣伝するポークたま子選手にSNS上でいつもの猛烈な勢いで付き纏い、さらにはLINE友達であるポークたま子・父と飲みに行ったりしながら出場に漕ぎ着けるや、たま子・父から得た情報を活かしながら、なんだかんだこの興行で3試合(?)と、主役を差し置いて一番リングにいる選手となりました。
繰り返し申し上げますが、凄く(狂ってて)面白いので、是非。
…で、その興行において“ベストなポーク”であることを証明し、WPCベルトを手にした藤田ミノルは、この日を以て2代目…ではなく、“新・ポークたま子”を自称することになり、ポークたま子は“初代”ポークたま子の座に追いやられることとなりました。
そんな因縁深い(?)両者にとって、初代の引退の前に、シングルマッチで戦うことはもはや必然と言っても過言ではなく。初代は“ポークたま子”の名を自身の元へ取り戻すため、新・ポークたま子にとっては、その名を完全に自身のものとするため。再びこの南の地で、血で血を洗う(?)決戦が行われることとなったわけです。
………さて。
上記『BEST OF SUPER PORK』があまりにも衝撃だった私、初代・ポークたま子選手の引退まで時間はあまりありませんでしたが、それまでに是非、もう一度試合がみたい、と思い、2月半ばに沖縄行きを決意。
巡り巡って緊急事態宣言発令が迫り、社会的には移動が憚られる中…それでもなお、沖縄は南風原の地で、待望の決戦を見届けることとなりました。
…肝心のその試合ですが、いや、凄かった。




“新・ポークたま子”藤田ミノルはどこから持ってきたわからないトライデントを持参、そこに鮮やかなピンクのペラッペラのベルトをひっかけ会場を練り歩く様は、みたことない人にもひと目で伝わる怪しい雰囲気を醸し出していました。
対するポーク…初代・ポークたま子は…………う、浮いてない…?





場末のミスタープロレスをして2度見、3度見させるほどの異様な存在感を放って入場となった初代・ポークたま子。
「おい初代ちょっと浮いてねぇか!?」「(試合を始めようとしたレフェリーに)え!?やるの!?チェックした!?」「(やっぱり試合を始めようとしたレフェリーに)やるの!?」
と、いつもは言葉で対戦相手を惑わす藤田ミノルが思わず正しい反応をしてしまうほどに際立った初代の佇まい。その後試合が始まると、浮遊感のあるステップワークに、捉えどころのない手四つでさらに相手を困惑させます。








ダメージがワンテンポ遅れてくる独特の攻撃でさらに藤田ミノルのペースを乱し、試合の主導権を大いに握った初代ですが、しかし、異様な雰囲気を手に入れる代償か、その体格差が仇となり、藤田ミノルがまるで普段使うことのないパワー殺法や危険技に晒され、一気に主導権を奪い返されることとなりました。



[空間を振り払う新・ポークたま子]










[空間を振り払う新・ポークたま子]
場外で初代をイスに叩きつけまくり、ラフ殺法を一方的に展開する藤田ミノル。しかしその間に初代は…初代は………初代は、どっちだ…?










というわけで途中から入れ替わりに入った初代(?)と新によるポークたま子闘争は、多分5分くらいですが熱戦を展開。…ですが両者、あまりにも捉えどころがない試合展開ぶりに、もはや試合の方向性が完全に読めません。ただなすがままに、リング上の出来事に驚き、笑い続けることになりました。












カウントに不服の初代・ポークたま子は、新を亡き者にしようとフェイバリット凶器であるノコギリを投入。春の南風原に血の雨が降ることになるかと思いましたが、凶器の扱いに一日の長のある新がこれを阻止すると、延々と場外での乱闘が展開され続けます。








カウントを聞いてリングに戻ろうという新・ポークたま子を、怒りからかそのまま制して凶行を続ける初代・ポークたま子。結果、レフェリーがカウント20を数え、カウントアウトで決着となりました。
ああ、ドロー決着か…
と、思いきや。


!?









誰かがリングを去る決意をするごとに、“惜しい”と思う気持ちが沸き起こります。ポークたま子選手については、この試合をみて明らかに、“惜しい”と思う気持ちが強くなりました。
ただ、琉ドラでファンの方にお話を聞くと、「そもそも琉ドラでデビューしたのが奇跡みたいなもの」という、凄まじい経緯で沖縄の地に根を下ろすことになった初代。だから“惜しい”という思いの一方に、この団体の一員でいたことへの感謝がより大きい…なんとなく、そんな空気感を感じとりました。
それでもやっぱり“惜しい”の気持ちはあって、なんならポークたま子選手の夫たる、スーパーマンタロウ選手についてだって、個人的には(マンタロウを見たことはないのだけど)諦めはついてない。
七周年大会を以ての引退を予定していたポークたま子選手、しかし大会延期の影響で、引退そのものも延期となっている状況です。
…こう考えるのは失礼かもしれませんが、
結果、ポークたま子選手の試合を見る機会が増える可能性がある。いつになるかはわかりませんが、引退までになんとかもう一試合。是非、試合を見ておきたいな…という感想を強く持ってます。




なお、当日の試合については、琉球ドラゴンプロレスYouTubeチャンネルで公開されています。リング上の音声が小さくて少し聞き取りづらいですが、それでも十二分に面白いので、沖縄の地で花咲くクレイジーを、是非。
琉ドラONLINE #0





《最優秀興行候補》1.4 崖のふち女子 板橋
1.27 まっする1 新木場2.15 藤田プロレス☆スクール 2AWスクエア2.18 BASARA 新木場宴3.26 まっする2 新木場(3.28 チョコプロ 市ヶ谷)3.29 スク闘2020 スポルティーバ




《最優秀新人候補》薄井鉄央(BASARA)




《最優秀タッグ候補》新井健一郎&藤田ミノル(九州プロレス)Speed of Sounds(フリー)PURPLE HAZE(全日本プロレス)




《最優秀団体候補》崖のふち女子プロレスマッスルチョコプロ
“観に行った試合”を上記に挙げることにしているのであれですが、ここまでのチョコプロの個人的ベストバウトは、水森由菜vs紺乃美鶴。




《ベストモーメント》1.19 オレンジタウン 翔太「1.5 東京ドーム、オカダ・カズチカvs内藤哲也戦でオカダ・カズチカがインプラントを繰り出したときの海野レフェリー」3.20 YMZ 板橋 Chair King




《MVP候補》
〜独断と偏見で選ぶ月間MVP〜1月 ディック東郷2月 水森由菜3月 バリヤン・アッキ、さくらえみ4月 ポークたま子


今月見た1興行のインパクトがあまりにも強すぎた。無事の引退をご祈念申し上げます。

何者かになる者達

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カレーです。
昨年のゴールデンウィークは楽しかったな…
等と、プロレス関連の配信を見るたびに、一方では今楽しませてもらってることに感謝しつつ、一方では楽しくて忙しかった時間に思いを馳せながら憂うという、非常に鬱陶しい人類に成り下がりつつある今日このごろ。
それでも、DDTが配信によるTVショーのシリーズを開始し、またこの自粛期間に革新的アイデアを次々かたちにしたチョコレートプロレスでは、5/3〜5に配信三連戦を開催。
全日本プロレスやプロレスリングNOAHもまた無観客ながらも試合を続け、大阪ではビリーケン・キッド選手が「プロレス教習所」を立ち上げ試合(と、笑いヨガ)をお届けしたり、名古屋では影山道雄選手が(ジ・インテリジェンス・センセーショナル・グランド・パッションマスク)4(号)様とロリマンプロレス無観客ワンマッチを敢行するなど、様々な団体、様々なレスラーが、様々な土地から世界に、ファンに、プロレスを届け続けようとしてくれています。
なので、その熱をその場で感じるという…今この情勢においては最大限の贅沢はできなくとも、試合の熱をリアルタイムに感じることができるし、“この試合があるから、この日まで生きよう”という…ある種の個人的な日常を保つことができています。ありがたい。
さて、
目下の私にとっての“この日まで生きよう!”の目標日程は、5月5日こどもの日。
楽しみにしているのはもちろん、チョコレートプロレス11、水森由菜vs藤田ミノル。



この試合が決まった背景については、大変心苦しくもありますが、思い切って大幅に省略します。
およそ2時間半に及びますが、さくらえみ選手が藤田ミノル選手を相手に、そのレスラー人生の変遷に係るインタビューが敢行されており、その中で、本来この2020年5月5日、藤田ミノルが戦うはずだった、一つの“挑戦”について言及されています。


その挑戦とは、大日本プロレスデスマッチヘビー級選手権試合。“デスマッチドラゴン”王者・伊東竜二との初シングルとなる、文体メインイベント。
この一つの“大きな挑戦”がしかし、この日このタイミングには結果実現することはなくなってしまった。…おそらく延期となるため、本来的には“なくなった”わけではないかもしれません。ただ、この先の状況が見えない中、具体的に“いつ”が定められない今、やはり、一つの喪失感は感じざるをえないところでしょう。
その“なくなった”時間を埋めるように、さくらさんが提案したのは、“挑戦”。その挑戦こそが、vs水森由菜のシングルマッチでした。
水森由菜と藤田ミノル、確かに縁のあるカードではありますが、しかし2月に一度実現し藤田ミノルが勝利しており、このカード一つとってして藤田ミノルの“挑戦”とは言い切れません。そこでさくらさんがさらに突きつけたルールが、ラスト・マン・スタンディング。しかも、(当たり前ですが)ノーピープル、ノーレフェリーによる、ワンマッチ。
ある意味ではめちゃくちゃでもある条件を突きつけられるたびに、藤田ミノル選手の表情からは、声色からは、ドンドンドンドン温度の上がって行くような気配が感じられました。そしてこの“挑戦”を受け「燃えてきました。伝説を作ります。」と。この試合を快諾することとなりました。


………………「省略する」って言ったわりには割ときっちり書いてしまいました。
さて。
またここで個人的な見解で大変恐縮ですが、プロレスは「解釈のスポーツ」という側面があると思います。
試合展開ももちろんのこと、選手の言葉や試合のタイミング、巡り合わせを、語られたこと、語られていないことを繋ぎ合わせたりしながら、(誰もそんなこと言ってないのに勝手に)「解釈」し、想像することが、その楽しみの一つだ…と、いうのが個人的な一つの持論です。
で、ここからは私の勝手な解釈のお話なので、それぞれご本人からしたら“何を勝手なことを”とか“ふざけんな”という部分がまるでないとは言い切れないと思いますし、若干それぞれの言葉の読み込みが足りないので、ちょっと上っ面すぎる話かもしれません
…という予防線を張りながら、少し言及したいと思います。


そもこの稿を立ち上げたのは、週刊プロレスmobileに寄せた水森由菜選手のコメントを興味深く思ったからです。
有料ページになりますため引用はしませんが、特に目を引いたのは、さり気なく記されていた駿河メイへのコンプレックス、そして、そんな中で自身を“見つけて”くれた、藤田ミノルに対する感謝。


水森由菜選手は、2018年2月28日にデビュー。そもそもは前年9月の新宿FACE大会でデビューする予定でしたが怪我のために延期となり、巡り巡って満を持してのデビュー戦は、個人的には今までみたデビュー戦の中で5本の指に入るほど素晴らしい戦いぶりでした。
我闘雲舞の管理するアジアドリームタッグベルトを、SAKI選手との“トロピカワイルド”でデビューイヤーにも関わらず手にするなど目覚ましい活躍で、ともすれば何かしらの新人賞を手にしてもおかしくないほどでした。が、現実により注目を集めたのは、自身がコメントに記していたとおり、3ヶ月後にデビューした“同期”駿河メイ選手。
そのセンセーショナルな戦いぶりは、方やネット・プロレス大賞2018新人賞10位、方や24位という結果で示されました。
新人賞 / 2018年| ネット・プロレス大賞:公式サイト

…まあ、そもそも両者ここのランキングに食い込んだ時点で凄い気もしますが。
個人的にも、2018年の投票で1位を駿河メイ選手に投票し、水森由菜選手には票を投じませんでした(タッグ部門で入れたから、とかそんな理由だった気がする)。
水森由菜デビュー3ヶ月、駿河メイデビュー2週間くらいのタイミングで両者のシングルマッチが市ヶ谷で行われたのですが、その試合が個人的に大変印象に残っていてですね。
デビューからまだ間のない両者のあまりに淀みのない戦いぶりに、(なんだこの新人たちは…)と、圧倒されたのを覚えてます。
そう、二人とも凄い新人でした。
でも、他団体から、そして票を集めたのは、駿河メイでした。
…そのことを水森さんがこれまであまり言葉にしてきた記憶はありませんが、でも、敢えてここで言葉にしたことは、とてもとても意味があることなのだと解釈しています。
そして個人的には、2018年の新人賞に票を投じてなかったことへの後悔を、この文章を読んで改めて思い出しました。(結果、2年目の水森さんが凄かったので2019年の1位に票を投じることにはなりましたが。遅い。)


名古屋スクールオブ闘争でもそうでしたが、とにかく、水森由菜選手のエネルギー…わかりやすく言えば“野心”は本当に物凄い。なんなんだこの人は、と、ただただそのエネルギー量に感心することがこの増えてます。
そしてその“野心”を…藤田ミノルに向けたとき。多分、2月の試合のあとだったと思いますがちょっと記憶が曖昧です。ただ、水森さんがこんな言葉を使っていたと思います。
「何者かになりたい」
…個人的に、あくまで個人的に、ですが。
この言葉で二人のプロレスラーの人生が、リング(マット)で交差したことが、大変腑に落ちた記憶があります。


「俺はまだ、何者でもない」


遡ることちょうど一年ほど前、藤田ミノルはこの言葉を、後楽園ホールのリングで叫びました。“人生を投映した”試合の熱と、おそらくは観客への感謝と、ありったけの怨嗟を込めて。
“デスマッチのカリスマ”葛西純とのKFC王座戦に敗れたこと、そしてその葛西純との人生を賭した戦いを以てしても、満員にはなれど、超満員とはならなかった後楽園ホールの光景を前に、激闘を終えた20年選手はそれでも自身を“何者でもない”と言い切ったことは、その激情とともに脳裏に刻まれています。


…また、これは単なる偶然だろうし、おそらくあまり蒸し返すことでもないのでしょうが、バックステージコメントで、前日にこの会場を超満員にしたアクトレスガールズ後楽園大会を揶揄し、そして観客動員数という結果で敗れたことについても、藤田ミノル選手は言及していました。
その、アクトレスガールズ後楽園大会で、“トロピカワイルド”としてセミファイナルを戦っていたのが、水森由菜選手。
今回の対戦に直接の関わりはないわけですが、でも、このことは、藤田ミノル選手にとって5.5の対戦が“挑戦”であることの、一つの因子であるようにも思います。


“何者かになる”ことの定義が、二人の間で同じかどうかはわかりません。ただ、少なくとも藤田ミノル選手にとっては、プロレスの興行においては観客動員…もう少し柔らかい言葉で言えば、“より多くの人間を惹き付けること”が、“何者か”であるための一つの条件であるように思います。
となればこの試合、当たり前に水森由菜と戦い、当たり前に勝つだけでは、おそらくは“挑戦”にそぐう結果とはならない。「伝説を作る」と述べたとおり前代未聞の状況で前代未聞の試合形式の中、
世の中に、多くの人に“届く”試合をすることを、それはYouTubeをプラットフォームとするチョコプロだからできることだし、何より、おそらくは、水森由菜という対戦相手であるから、“できる”と。多分、藤田ミノル選手は考えてる……の、ではないかと想像します。
一方の水森由菜選手はおそらく、すでに藤田ミノルというプロレスラーが“何者か”である、と、認識しているように思います。その藤田ミノルとのシングルマッチに、自身の想いを乗せて、全力をぶつけること、存在を示すこと、そして、勝つこと。それがおそらく彼女にとっての、“何者か”になるための道程。


日々は続き、プロレスラーの人生は続く。
でも、その中でそこまで自分が“何者か”であるかを賭けられる試合は、普通そうは訪れないように思います。
ましてやフリーという難しい立場にありながら、それでも“ここしかない”というタイミングを見逃さず、自身の存在を示すことができる。
今回は残念ながら無観客試合というかたちにはなってしまいましたが、5.10にはHUB選手の主催する「毒人11」が開催されます。それもまた、前の興行でディック東郷選手を破ったHUB選手に対し、
まさに“ここしかない”という絶妙なタイミングで対峙する意志を剥き出しにして得た、“何者か”であるかを問う機会。


進み続け、戦い続け、“何者であるか”を問い続けるプロレスラーたちのぶつかり合い。
まずは、5月5日。
画面の向こうから、二人のプロレスラーの“闘争”の行方を見届けたいと思います。

戦争と平和

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カレーです。

5月3日…というか日付的には4日。
5月5日にこの程開催されました、ChocoPro LIVE 11藤田ミノルvs水森由菜 ラスト・マン・スタンディングマッチについて思うところを書きました。
[2020.5.4 何者かになる者達]カレーです。昨年のゴールデンウィークは楽しかったな…等と、プロレス関連の配信を見るたびに、一方では今楽しませてもらってることに感謝しつつ、一方では楽しくて忙しかった時間に思いを馳せながら憂うという、非常に鬱陶しい人類に成り下がりつつある今日このごろ。それでも、DDTが配信によるTVショーのシリーズを開始し、またこの自粛期間に革新的アイデアを次々かたちにしたチョコレートプロレスでは、5/3〜5に配信三連戦を開催。全日本プロレスやプロレスリングNOAHもまた無観客ながらも試合を続け、大阪ではビリーケン・キッド選手が「プロレス教習所」を立ち上げ試合(と、笑いヨガ)をお届けしたり、名古屋では影山道雄選手が(ジ・インテリジェンス・センセーショナル・グランド・パッションマスク)4(号)様とロリマンプロレス無観客ワンマッチを...何者かになる者達

興が乗って筆が進んで、思ったより文字数が多い文章になって、
出来事の繋がりもなんとなくカチッとハマった気がしていました。
が、読み返しみると…なんとなく、キレがよくない。※執筆者個人の感想です
なんでだろうな…と思っていた感覚の答えは、その日の夜に思い知らされることになりました。



そう。“水森由菜”というプロレスラー…人物に対しての掘り下げが、著しく足りていなかった。
そしてそれを、団体の長たるさくらえみ選手は、なんとも見事に現在の人間・水森由菜のパーソナリティを赤裸々に……あまりに赤裸々に暴くことで、この前代未聞のシングルマッチがより一層意味を帯びることとなりました。
というわけで、5月9日にタッグマッチを控える中でちょっと遅きに失する部分はございますが、
試合本編に関わる部分に一旦触れず、5月5日のラスト・マン・スタンディングに向けて明らかにされた、水森由菜選手の…なんだろう…懊悩の心情について、少し触れておきたいと思いました。


詳細な内容については上記のインタビュー動画を見ていただく方が早い…というよりは面白いと思います。
熊本に生を受けた一人の女性が、何故アイドル活動をするに至り、何故、プロレスラーになるに至ったのか。現代社会で表舞台に上がる“夢”を追いかけることの、表側と裏側のそれぞれ両側面の一部を窺い知ることができます。
そしてその懊悩の過程を聞き届け、さくらさんはこう仰るのです。


“でもそれって普通だよね”


…夢を追いかけて上京し、でも手が届かず、それでもその道を追いかけ続ける…という生き方は、“何万人といる”生き方の一つ。
その“普通”…夢を追いかけた女性の懊悩を聞き届けた上で、さくらえみというプロレスラーは、ここまで話を続けてきた水森由菜が“考えているであろうこと”を、引いて言えば、水森由菜当人ができることならば隠したいと思っていたであろうことを、痛快…よりかはむしろひたすらに痛みが伴う形で、次々に暴いていきました。


他団体に出たいという野心、その背後にあるのは、自信のなさに裏打ちされた“誰かに認められたい”という貪欲な承認欲求と、一方で“誰にも嫌われたくない”という…自身では「処世術」と語っていたかと思いますが、これまで生きてきた過程の中で積み上げられた、他者に対する関わり方。
藤田ミノルにこの一騎打ちの意気込みを「ペラッとしてる」と(鋭く)指摘され、抱える想いをさらけ出さんと週プロmobileにコメントを出すにも、さくらさんから“面白くない”と駄目だしされ、8時間悩みに悩んで、ようやくほのかに言葉として滲み出た、自身の思い悩む心情と弱さ。
…個人的には。あくまで個人的には、ですが。プロレスラーであろうがなかろうが、生活の中で積み上げられたこれらの態度や性格にいいも悪いも、変わるも変わらないもそもそもは必要がない、と思います。
が。
水森由菜本人はその暴かれた部分をおそらくは弱さとして受け取り、その部分について、“変わりたい”という心情を露わにすることになりました。


さくらえみというプロレスラーが恐ろしいのは、その一部始終を対戦相手である藤田ミノルに、通話を通じて聞かせていたところ。…というかそも藤田ミノル本人が、このインタビュー開始前からタブレットの画面前で待機し、一部始終を聞き届けていたのだから、まあ…なんといいますか…二人とも、怖い。
藤田ミノルの口から出たのは「だいたい思ったとおり」。
“ペラッとしてる”と指摘したその背景にあった懊悩や煩悶も、おそらくはこれまで相対してきたプロレスラーにも連なる心情の一つ。
さくらえみ、そして藤田ミノルというプロレスラーは、明確に言葉にすることもしないこともありますが、とにかくなんというか、他者(特にプロレスラー)の心情の機微に敏い、という印象があります。
そして、それを“なんとかしたい”と思っているのかどうかはわかりませんが、最終的に“なんとかしようとする”という。心の扉的なものに、楔を打ち込み、隙間を見出し、こじ開ける。
一方で、心揺さぶられ、「どうやったら殻を破れますか!?」対戦相手に直接聞いてしまう水森由菜へ、苦笑いしながら「私が破ってやりますよ。トロピカルな鎧を。」と言わしめる自信もまた、彼らそして彼女らが“先生”たる所以なように思いました。


…ただ、この時藤田ミノル選手はさり気なく自身の心情については明らかにしなかった心情部分があったように思います。それは、水森由菜を“見つけた”理由。
評価し、絶賛していましたが、明確な“何故”についてはついぞ明らかにはならなかったように思えます。そこを明らかにしなかったのは…なんででしょうね…何か意図があったかもしれないしなかったかもしれません。もしかしたら今後、“解釈”可能になることがあるのかないのか。
ともあれ、両者…特に水森由菜はグシャグシャの心情を抱えたまま、もはや“ペラッとしてる”などとは指摘されようのない覚悟で、「自分のための戦い」として、藤田ミノルの“挑戦”に相対することとなりました。




“見つけた”理由についてはさておいて、試合後藤田ミノル選手の言葉からは、ある意味では早くもこうして懊悩の渦中に迷い込んでしまった、キャリア2年・水森由菜選手と向き合った理由の一端が示されたように思います。
「日本のプロレスラーはだいたい10年もたなくて辞める人が半分ぐらいいるよ。そのたびに俺は悔しい。プロレスのことが何もわかってないままプロレス界を去っていく人材のことがすごく悔しい。」

この言葉に、おそらく。キャリア10年に満たずリングを去ったプロレスラーを応援されたことのある方は、心のどこかにグサリッと刺さる部分があったのではないでしょうか。
藤田ミノル選手が様々な団体に上がりながら、様々な団体で“若手の育成”を気にかけ、イベントを主催したり、自ら“先生”を自称する理由の一端。
「自分は、殻を破れたのでしょうか!?」
心も身体もボロボロに泥々にグチャグチャに、しかしどこか清々しさを感じる雰囲気の中、投げかけられた水森由菜の問いを
「そんなことは知らねぇぇぇぇぇ!」
ガサッガサのドスの利いた声で即座に突っぱねた藤田ミノル。
一方で、自身と、そして水森由菜がこの試合で出せるものを出し切ったこと、そして、二人の可能性が、この試合に収まりきらないことを示唆しながら、この状況を作り上げた“共通の敵”たるさくらえみに対して牙を剥き、二人はタッグを結成することになります。そして最後に一言。
「俺“たち”の勝ちだ」
[スクショ&ドロドロ加工]
チョコプロのリアルタイム同時視聴はここまで最多で270人。それを超える300人に目標を設定されながら、最終的には538人にまでいたった、水森由菜と藤田ミノル両名がほぼ一両日中に自身に縁のあるありとあらゆる人間に喚起しまくった、その風靡。
ある選手は心動かされ、ある選手は鼓舞され、またある選手は臍を噛む。試合を見終えたプロレスラー、あるいは関係者、あるいはファンが様々に言葉を紡ぎ出すほどまでに、他者の心情を喚起することとなった、“ゴールデンウイークのメインイベント”の熱。
この1試合で何かが変わったかどうか、それは誰にもまだわからないように思います。
それでも、社会の混乱の最中に行われたこの1試合、そしてこの試合にまつわる出来事が、もしかしたらあとになってこの期間を振り返ったとき、一つのハイライトになるのでは。
そう予感させる試合でした。


が。


やっぱり恐ろしい市ヶ谷の妖精。
5月9日に藤田ミノル&水森由菜組と相対することとなった“元凶”さくらえみ、本日5月8日、“ゴールデンウイークのメインイベント”を振り返るウォッチングパーティーで試合を見終え、二人に対して「言いたいことが2つある」と、まるでナイフを逆手に持つように、心の楔に深く切り込むように、またもあまりに率直な言葉で斬りつけるのでした。


曰く。
“敵対する者同士が共通の敵を見つけて手を取り合うなど、やることが凡庸である”
曰く。
“538人。凄かったがしかし、人は忘れる。今日の視聴者は110人。あと400人どこいった?”

…これだけ心情を、人生をかけるような試合を展開させておいて、“共通の敵”は自身の試合に向ける心情を一欠片も明らかにすることなく、ただただ、“敵”として強大でした…

さて。
個人的には気になっていたのは、“二人だけ”のこの試合に、“3人目”として唯一、試合を見届けていたバリヤン・アッキ。
半ばこの試合に巻き込まれただけになっているように見えましたが、その点を見逃さないさくらさん怖い。
“チョコプロのエースはバリヤン・アッキ”という点について改めて指摘し、しかし一方で、存在感が薄らぎつつあるのではないかと発破をかけに行きました。
しかしそこは強かなアッキ。“チョコプロのエースはバリヤン・アッキ。それは変わらない。”と言い放ち、「自分で“エース”って言うの恥ずかしくならない?」というさくらさんの煽りにも「なりません。」と自信満々に、キッパリと言い切るのでした。この試合でアッキが何を見せるのか、楽しみにしてます。


日々は続き、プロレスラーの人生は続く。
水森由菜が人生を投影し、藤田ミノルがそれをあるがままに受け止め、“勝利”を掴み取った二人が、“続き”を紡ぐ次の一歩は5月9日(土)。
“続き”が見れることに歓喜しながら、画面の前でその戦いを、また今日も心待ちにしたいと思います。


St. Anger

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カレーです。
子どもの頃からの憧れ…というかある種のコンプレックスと言えるかも知れませんが、絵だったりモノだったり言葉だったり、あるいはプログラムだったり物語だったり、身体表現だったり。
“何かを作る人”への羨望があります。
しかしまあ自分でやるには不器用な私にはいずれもハードルが高く、一方で何かやりたいという欲求は留まらないため、結果、日々一番自分にとってアウトプットしやすい、(プロレスの)感想文を生産してきました。
世界が“止まって”しまった今、日々糧としてきたプロレスも止まってしまうかに思われ、私自身、暇を大いに持て余す感じになるのかな…と思いきや。
それでもなお、プロレスラー達は、様々な形で“今”を築き、進め続けています。
そして今、プロレス界で一番“進む時間”の中にいる選手の一人に…
たぶん。おそらく。
水森由菜選手になるような気がします。


この5月に入って綴っている“感想文”の続きになりますが、5月5日の子どもの日、“GWのメインイベント”として行われたChocoProLIVE 藤田ミノルvs水森由菜のラスト・マン・スタンディングマッチ。
リアルタイムの視聴者を500人以上集め、チャンネル登録者数を100名以上増やし、藤田ミノルの口から放たれた「俺“達”の勝ちだ」という言葉が何より象徴的だったこの試合を契機に、もう一つ、一気に顕となった、プロレスラー3年目・水森由菜の苦悩。
この苦悩に半ば喚起されるかたちで、感想文を2本記してきたところです。
カレーです。昨年のゴールデンウィークは楽しかったな…等と、プロレス関連の配信を見るたびに、一方では今楽しませてもらってることに感謝しつつ、一方では楽しくて忙しかった時間に思いを馳せながら憂うという、非常に鬱陶しい人類に成り下がりつつある今日このごろ。それでも、DDTが配信によるTVショーのシリーズを開始し、またこの自粛期間に革新的アイデアを次々かたちにしたチョコレートプロレスでは、5/3〜5に配信三連戦を開催。全日本プロレスやプロレスリングNOAHもまた無観客ながらも試合を続け、大阪ではビリーケン・キッド選手が「プロレス教習所」を立ち上げ試合(と、笑いヨガ)をお届けしたり、名古屋では影山道雄選手が(ジ・インテリジェンス・センセーショナル・グランド・パッションマスク)4(号)様とロリマンプロレス無観客ワンマッチを...何者かになる者達


カレーです。5月3日…というか日付的には4日。5月5日にこの程開催されました、ChocoProLIVE11藤田ミノルvs水森由菜ラスト・マン・スタンディングマッチについて思うところを書きました。[2020.5.4何者かになる者達]カレーです。昨年のゴールデンウィークは楽しかったな…等と、プロレス関連の配信を見るたびに、一方では今楽しませてもらってることに感謝しつつ、一方では楽しくて忙しかった時間に思いを馳せながら憂うという、非常に鬱陶しい人類に成り下がりつつある今日このごろ。それでも、DDTが配信によるTVショーのシリーズを開始し、またこの自粛期間に革新的アイデアを次々かたちにしたチョコレートプロレスでは、5/3〜5に配信三連戦を開催。全日本プロレスやプロレスリングNOAHもまた無観客ながらも試合を続け、大阪で...戦争と平和

さて。
一騎討ちを終え、
「自分は、殻を破れたのでしょうか!」
と投げかける水森由菜に、“おしえがしら”藤田ミノルは
「そんなことは知らねええええ!」
と回答しました。
そこから、二人が手を組み“ド腐れヤッホーズ”としての歩みが始まる訳ですが…蓋を開ければ、怒涛の2連敗。
「普通」「ありきたり」「素晴らしい。けどそれだけ」という、(さくらさんの)言葉の散弾を浴びせかけられ、その苦悩の道をさらに深めてゆくこととなりました。


私的にはこの期間の水森さんについて“いい感じにド腐れてる!いけいけ!”という感じで、個人的な注目度はこの名古屋周りでの関心から引き続いてドンドン膨れ上がっているところです。


しかしまあ私個人の考えはさておきまして、水森由菜選手自身はこの2連敗に伴う懊悩の根本原因について、その悩みの表出を促し、“アイドル”たる自身の外殻(悩める水森さんの言葉を借りれば「外ヅラ」)を引っ剥がした、代表・さくらえみ選手に向けることとなりました。…“怒り”という感情を伴って。
そしてついに“ド腐れヤッホーズ”としての試合もなく、さらには自身が興行から外された5/17のChocoProLIVE 14の後、“怒り”に形を変えた懊悩の感情は、ついに臨界点を迎えることとなりました。

水森由菜🍍pineapple☆ド腐れヤッホーズさんのツイート: "@EmiSakura_gtmv #ChocoPro… "“@EmiSakura_gtmv #ChocoPro https://t.co/5qxnWJMOLJ”
水森由菜🍍pineapple☆ド腐れヤッホーズさんのツイート: "@EmiSakura_gtmv #ChocoPro… "

…中々の衝撃映像。
その日のうちに行われたChocoProLIVE14のWatching Party…試合の映像を見ながら、チョコプロのコアメンバーであるさくらえみ、バリヤン・アッキ、駿河メイの3選手がオーディオコメンタリーを務める配信…において、トロピカル☆ちゃんねる aka 水森由菜選手が怒涛のコメント攻勢を仕掛けます。






“おい、日本語読めねえのか!”“さくら、シングルだよ!”
と、怒りに任せてコメントに乗せて感情をぶち撒ける水森由菜選手の…その激情のしかし、何故か大きなとばっちりを受けることになったのが…バリヤン・アッキ。
トロピカル☆ちゃんねるから送られ続ける怒涛の感情の渦を“こわいこわい”などと言いつつ飄々と受取拒否したさくらえみ選手は、この敵意(の一部)を“アッキに向けられたものだ”と曲解。さらに、以前行われたバリヤン・アッキvs水森由菜の一戦を“凄い良い試合で、次やるときはメインで組みたいって思ってた”と付け加える(試合は本当にいい試合だった)と、さくらvs水森由菜の要求やまぬトロピカル☆ちゃんねるの怒号をすり抜け、バリヤン・アッキvs水森由菜の一戦を、5/22に行われるChocoProLIVE15のメインイベントに据えるのでした。
もちろん、怒りの止まぬトロピカル☆ちゃんねるaka水森由菜は“は?”“さくら逃げるな!”“やだ!”とアッキとの試合を頑なに拒否。
…が、しかし。
ここには、プロレスラー・バリヤン・アッキが大事にするものが、導火線として潜んでいるのでした。
漢字は読めないけれどひらがなカタカナは読め、日本語表現も堪能なバリヤン・アッキですが、さくらさんからの曲解解説を受けたあとのトロピカル☆ちゃんねるの怒涛のコメントラッシュ群に対して…この感情は、自身に向けられたものだと(おそらく)勘違いしたバリヤン・アッキは、いつもの楽しそうなものから、とても真剣な様子に表情を変えていきます。アッキは、水森由菜にこう言い放ちます。
「ゆなもん、私に勝ったこと、ある?」
激情が生んだ、もう一つの感情。バリヤン・アッキの感情の導火線に火がついた瞬間。
さくらさんもやりすぎたと思ったのか、後ろで困っていた駿河メイとともにバリヤン・アッキの誤解を解こうとしますが、それでもアッキには、譲れない一線がありました。
「“試合もしたくない”と言われるのが、一番許せない」
もちろんアッキにも、水森由菜が悩んでいることや、怒っていることはわかっていることでしょう。
それでも、相手を選ぼうとし、あまつさえ自身との対戦を拒否されたことは、プロレスラー・バリヤン・アッキの大事としているものを、結果的に大きく傷つけることとなりました。
このあと、バリヤン・アッキは落ち着きを取り戻し、平静な様子を見せました。
それでも次の一戦は、陽気で落ち着きとユーモアを兼ね備える知的な“空飛ぶインド人”が、勘違いから生まれたものとはいえ、おそらくこれまでで一番の感情(おそらくは激情)を以てして臨む試合となるでしょう。
そして、肝心の水森由菜選手の怒りは当然収まるわけもなく。バリヤン・アッキをバリヤン・アッキとしてではなく、“さくらえみの手先”として排除しにかかっています。
感情に任せて戦いに臨むという姿勢が、果たして水森さんの臨む正解への近道であるかどうかはわかりません。
しかし少なくとも、これまでにここまでの怒りの感情を携えて、お互いにリング(マット)に上がることもなかったでしょうから、二人の戦いはこれまでとはまた違った意味を(結果的に)帯びることになる…の、だろうと想像します。
進む時の中にいる、と冒頭示しましたが、個人的にはここでは、なんといいますか…“経験の更新”というか、“物語の進行”というか、なんとなく、そんなイメージで言葉を選びました。
ここまでの感情をぶつけること、なんなら、ぶつけ合うこと、ここまでの感情をそも、表にさらけ出すこと、当たり散らすこと、その当たり散らされた感情を受け取ること、それをプロレスのリングの上で、ぶち撒けること。
もちろん、これまでも行われてきたかも知れません。でもたぶん、なんというか、これまでやってきたこととは違う段階に、水森由菜もバリヤン・アッキも立っているような気がします。


特になんの確証もなくフワッとしたことを書き綴っていますが、個人的にもうひとつ、フワッとしたことを書き足しておきたいところで。
…水森由菜の溢れ出したこの感情の正体は、いったいなんなんだろう?
ということ。
もちろん、それまでの懊悩の過程が語ってこられて、その“モヤモヤ”のアウトプットを“怒り”に変換しているのだということは見て取れます。
が。
その矛先にいるのは、一体誰なのでしょうか。その怒りを向ける相手は、本当にさくらさんなのでしょうか。そもその感情は、本当に“怒り”なのでしょうか。
この辺の(個人的見解としては)いい感じに“ド腐れ”た、毒々しくもある感情の塊をどのように昇華していくのか、あるいはこじらせていくのか。
進む時間の中で、新しい世界を新しい感情とともに迎える水森由菜選手から、今、まさに、目が離せません。






fleur

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ツラい。
悲しい。
悔しい。
腹立たしい。


あれだけ嫌だ嫌だと思いながら赴いた仕事ですらも、今日に限っては、少しでもこれらの感情に浸らずに済んだ時間だったから、幾分かはマシだった。
ビルを出た瞬間、夕方の薄暗さと、生ぬるい空気が、一気にそのツラさを思い出させた。職場が水道橋なのもいけなかった。


いまさら都合よく都合のいいタイミングに好きだというのも、勝手に落ち込んで勝手に立ち直るのも本当に申し訳ないんだけれど、それでも言葉にしないと整理できない感情がある。
私はたぶん、今日世界を嫌いになって、次第にまた好きになる。でも、嫌いだった気持ちを、忘れたくはない。
ただ自分の無節操な言葉でたまたま目にした人の心を傷つけたり、思い出させたり、怒らせたりするのもイヤなので、意図しない限り辿りつけないここに、ただ、自分の感情の置き場を作りたかった。


2016年3月31日。
新宿と大久保の間くらいにあるGENスポーツパレスで、プロレス総合学院の一期生卒業公演のようなかたちで行われた大会で、彼女のデビュー戦をみました。
対戦相手は、才木玲佳選手。
プロレス総合学院の選手たちは皆本当にきっちり基礎を身に着けていて、とても安定感のある試合を繰り広げる中、この女子二人の試合は本当に素晴らしく。
きっとその活躍は、海を超えるんだろうと思ってました。
その後主戦場がスターダムになって、あまり試合を見に行く機会はありませんでしたが、それでもそのインパクトが物凄く、なんというか、さもしい価値観ではありますが、デビュー戦を見たことがいつか自慢になるのかなと思いながら、急激に成長し、リングの中心に立つ様が輝かしかった。


たぶん、間違ってるのは世界の方。
若く、カリスマ性があり、美しく、才能溢れるプロレスラー…である以前に。23歳の一人の女性を、向けられた悪意から、守ることも叶わない。
これからどのように世界が変わったとしても、突然世界から、一人の人間が失われた事実は、もう、絶対に変わることがない。
その事実が、ただただ、ひたすらに悲しい。


華やかな舞台の上で、華やかな雰囲気を纏いながら、それでもひたすらに力強いプロレスが好きでした。

木村花選手のご冥福を謹んでお祈り申し上げます。

グミ・チョコレート・パイン

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カレーです。
不定期連載(?)週刊・水森由菜と化した5月の当ブログ。
チョコレートプロレスが、我闘雲舞が続く限り、そして彼ら彼女らのプロレスラー人生が続く限り、その物語に終わりはないし、同じ対戦カードがまた訪れることもきっとあるでしょう。
それでもやっぱり。
明日5月27日、ChocoProLIVE17として行われる、水森由菜vs駿河メイの一戦は……なんとなく。
この曖昧模糊とした“緊急事態宣言”なるものが一旦解除された状況も相まって。
“チョコプロシーズン1”の一つの区切りのカードのように、思えて仕方ありません。
カレーです。昨年のゴールデンウィークは楽しかったな…等と、プロレス関連の配信を見るたびに、一方では今楽しませてもらってることに感謝しつつ、一方では楽しくて忙しかった時間に思いを馳せながら憂うという、非常に鬱陶しい人類に成り下がりつつある今日このごろ。それでも、DDTが配信によるTVショーのシリーズを開始し、またこの自粛期間に革新的アイデアを次々かたちにしたチョコレートプロレスでは、5/3〜5に配信三連戦を開催。全日本プロレスやプロレスリングNOAHもまた無観客ながらも試合を続け、大阪ではビリーケン・キッド選手が「プロレス教習所」を立ち上げ試合(と、笑いヨガ)をお届けしたり、名古屋では影山道雄選手が(ジ・インテリジェンス・センセーショナル・グランド・パッションマスク)4(号)様とロリマンプロレス無観客ワンマッチを...何者かになる者達


カレーです。5月3日…というか日付的には4日。5月5日にこの程開催されました、ChocoProLIVE11藤田ミノルvs水森由菜ラスト・マン・スタンディングマッチについて思うところを書きました。[2020.5.4何者かになる者達]カレーです。昨年のゴールデンウィークは楽しかったな…等と、プロレス関連の配信を見るたびに、一方では今楽しませてもらってることに感謝しつつ、一方では楽しくて忙しかった時間に思いを馳せながら憂うという、非常に鬱陶しい人類に成り下がりつつある今日このごろ。それでも、DDTが配信によるTVショーのシリーズを開始し、またこの自粛期間に革新的アイデアを次々かたちにしたチョコレートプロレスでは、5/3〜5に配信三連戦を開催。全日本プロレスやプロレスリングNOAHもまた無観客ながらも試合を続け、大阪で...戦争と平和


カレーです。子どもの頃からの憧れ…というかある種のコンプレックスと言えるかも知れませんが、絵だったりモノだったり言葉だったり、あるいはプログラムだったり物語だったり、身体表現だったり。“何かを作る人”への羨望があります。しかしまあ自分でやるには不器用な私にはいずれもハードルが高く、一方で何かやりたいという欲求は留まらないため、結果、日々一番自分にとってアウトプットしやすい、(プロレスの)感想文を生産してきました。世界が“止まって”しまった今、日々糧としてきたプロレスも止まってしまうかに思われ、私自身、暇を大いに持て余す感じになるのかな…と思いきや。それでもなお、プロレスラー達は、様々な形で“今”を築き、進め続けています。そして今、プロレス界で一番“進む時間”の中にいる選手の一人に…たぶん。おそらく。水森由菜選手...St.Anger

上記のとおり、むき出しにされた水森由菜選手の心情に触発されるように、起きたこと、見たことに対して感じたことを徒然に綴ってきました。
そして、5月22日のChocoPro15。
ドス黒い感情…“Hate”を以てしてバリヤン・アッキと相対し、20分フルタイムドローで、終わったメインイベント。
“友だちと、二度とこんな試合はしたくはない”
少し声に涙を混じえながら言葉を押し出したバリヤン・アッキの隣で、自身の鬱屈した心情を暴発させ、“友だち”にぶちまけきった水森由菜は、戦いを通じてか…それとも、もしかしたら本当は最初からわかっていたのかもしれない……自身の心情をポツリポツリとこぼし始めました。
向けられた怒りは、ヘイトは、本当にさくらえみに向けられたものなのか。そもそもその感情の正体は、本当に“怒り”なのか。
友だちの胸を借りて整理された心もちで、水森由菜が絞り出すように打ち明けたのは…
「私が本当に怒っているのは、自分自身のこの弱い心と…そしてずっとコンプレックスに思っている…駿河メイのことです。」
「私が本当に戦いたいのはさくらさんなんかじゃなくて、戦いたい相手は…駿河メイです。」
“同期”駿河メイへの、想いでした。
その感情は、なんと呼ぼう。
向けられた感情は怒り…ではどうやらなさそうで、羨望…あるいは嫉妬にも似ながら、文字通りコンプレックス、“複雑に”絡みあっているような。


水森由菜と駿河メイは、ともに2018年にデビューした“同期”。
しかし水森さんは2017年から練習生となり、本来なら2017年9月にデビューする予定でしたが、骨折により半年ズレ込んだという背景があります。
方や駿河メイは2018年3月入門。誰でも女子プロレスを経て、5月にデビュー。
デビューの過程も指導体制も異なり、年齢がやや離れていることも相まって、
「メイちゃん」「水森さん」と呼び合うなど、二人の関係性は同期というよりも、先輩後輩としての間柄の方が、端からみると色合いが濃く映りました。
そんな二人のシングルマッチは、実のところそんなに頻繁に行われてきた訳ではありませんが、これまで水森由菜が勝ち越しており、チョコプロで実現した一戦でも、勝利しています。
それでも。
このタイミングで戦いたいと言わずにいられないだけの、積もり積もった想いがあった…の、ではないだろうかと想像します。


この一戦が明日(日付的には今日)5.27のチョコプロ17で行われることとなり、試合は明確に白黒つけるため、30分アイアンマンマッチとなりました。そして、同点となった場合は延長サドンデスとなる、ショーン・マイケルズとブレッド・ハートがレッスルマニアで60分アイアンマンを戦ったときと同じ、完全決着ルール。
この試合が決まったことを受け、水森由菜、駿河メイ両名とも、それぞれに思うところをTwitter上で綴っています。

水森由菜🍍☻ド腐れヤッホーズさんのツイート: "今までずっとずっと結果を残せない自分がイヤで、悔しくて、自分ってなんなんだろうってもがいてた、、 いつも自由に、のびのび、やりたいことやってる!自分がはっきり見えてる! "メイ"のこと、悔しいけどすごい 今こそ!!!! 自分を!!!出す時!!!!! #ChocoPro #チョコレート闘争2020… https://t.co/bFVTMYsfIT"“今までずっとずっと結果を残せない自分がイヤで、悔しくて、自分ってなんなんだろうってもがいてた、、 いつも自由に、のびのび、やりたいことやってる!自分がはっきり見えてる! "メイ"のこと、悔しいけどすごい 今こそ!!!! 自分を!!!出す時!!!!! #ChocoPro #チョコレート闘争2020 https://t.co/FuPp2vohGW”
水森由菜🍍☻ド腐れヤッホーズさんのツイート: "今までずっとずっと結果を残せない自分がイヤで、悔しくて、自分ってなんなんだろうってもがいてた、、 いつも自由に、のびのび、やりたいことやってる!自分がはっきり見えてる! "メイ"のこと、悔しいけどすごい 今こそ!!!! 自分を!!!出す時!!!!! #ChocoPro #チョコレート闘争2020… https://t.co/bFVTMYsfIT"


Mei Suruga 駿河メイさんのツイート: "水森さんがチャンスを掴めてないと思ったことがありませんでした ベルトは獲るし、タッグパートナーもそばにいるし、レギュラー参戦団体もあるし、週プロに大きくのるのは水森さんだし…! 新人離れしすぎてむしろ風格感じる姿は、水森さんの努力の賜物ですし…! メイの頭に❓が浮かぶ #ChocoPro… https://t.co/7T0Rwu3hhk"“水森さんがチャンスを掴めてないと思ったことがありませんでした ベルトは獲るし、タッグパートナーもそばにいるし、レギュラー参戦団体もあるし、週プロに大きくのるのは水森さんだし…! 新人離れしすぎてむしろ風格感じる姿は、水森さんの努力の賜物ですし…! メイの頭に❓が浮かぶ #ChocoPro”
Mei Suruga 駿河メイさんのツイート: "水森さんがチャンスを掴めてないと思ったことがありませんでした ベルトは獲るし、タッグパートナーもそばにいるし、レギュラー参戦団体もあるし、週プロに大きくのるのは水森さんだし…! 新人離れしすぎてむしろ風格感じる姿は、水森さんの努力の賜物ですし…! メイの頭に❓が浮かぶ #ChocoPro… https://t.co/7T0Rwu3hhk"

そして5/26、一騎打ちを明日に控え、二人はそれぞれに、代表・さくらえみをインタビュアーとして、思うところを語っています。
先にインタビューを受けた駿河メイは、デビューに至るまでの過程から、プロレスラーになって今までの2年間を、概ね年表を追うように振り返りました。
…個人的には、入門するまでの2ヶ月間が中々に衝撃的でした。


興味深い部分はたくさんありますが、とにかく印象に残ったのはその迷いのなさ…というと語弊があるか。
えーとえーと…
前にも同じような言葉を使ったことがあるかもしれませんがらとにかく、“思考の瞬発力”がとんでもない。
2018年1月にプロレスラーになりたいと思い至って我闘雲舞に問い合わせ→練習見学の案内をもらって、母親に相談(反対を予想し、すでに連絡済という既成事実を盾に巧妙に交渉)→センター試験→母親との交渉の結果、大学への合格が入門の条件となり、練習見学を一旦辞退→一般入試(私大、2校)※うち1校を受験日程を間違えるアクシデントで終える→なんやかんや受けた1校を見事合格→入学辞退→3月に我闘雲舞問い合わせフォームへ入門再直訴
………さて。
どこからツッコんだものか。
私が進路指導の教諭だったら卒倒する。
しかしまあ、いきあたりばったりのようでいて、その実、プロレスラーになるための算段をつけながら、家族との交渉の道具として大学受験を利用する(そしてちゃんと合格する)など、周到なように思える側面も示しています。
デビューしてからの2年間については、個人的には知っての通り。説明しても特に抑揚のつかないほど、あまりにもスムーズに階段を跳ね上がって行っています。
…以前からなんとなく正体不明感を覚えていた駿河メイakaメイコーチですが、インタビューを聞いてもその正体不明感は拭い去ることなく。
もう少し具体的に言葉にすれば、“天衣無縫”な印象をより強くしました。
天衣無縫…“天真爛漫”と含意としては近いところですが、個人的には文字や響きのイメージは、天衣無縫の方が近い。
明るく、楽しいといった印象以上に、なんというか、すでにして完成されている。
プロレスラーとしての2年間「ずっと楽しい」と語る駿河メイは、すでにして満たされていて、常に満たされている…という、そんなフワッとしたイメージを抱いています。
さて。
無縫の衣を纏い、誰からどう見ても“楽しい”ように映る駿河メイ。
しかしながら一方で個人的に感じるのが、強烈な“負けず嫌い”っぷり。
様々なリングで様々な選手とシングルマッチに臨んでると思います。
が、個人的に記憶の中にある範囲ではありますが…
敗れた試合で握手に応じたのは、現時点で最後のスーパーアジア王座戦となっている、里歩選手との最後のシングルマッチ、のみ。たぶん。
インタビューの中で、「自分のほしい“結果”を持っている」と今回の対戦相手の水森由菜について語っていました。デビュー2周年記念日となる試合で、対戦相手に向けて一体どんな感情を向けることになるのか…あるいは、ならないのか。
天衣無縫。綻びのない錦の衣から、果たして別の色が滲むことがあるかどうか。個人的には強い関心を向けています。





激情に心を揺らし続けながら、自身の“コンプレックス”と正面から向き合う覚悟を決めた水森由菜選手。
戦績では自身の方が勝っていながら、敢えて自分から名前を出したことで、状況としては“挑戦”する立ち位置にいるようにも思えます。
この激動の5月に、様々な経験を経て、心情的なアップダウンを繰り返しながら自身の気持ちと向き合ったこと、自身の心情をさらけ出すことに成長の手応えを感じてながら、相対する駿河メイに対して、これから先ずっと戦っていく相手としての、強い想いを込めたメッセージを贈りました。
このメッセージを受けてインタビュアーのさくらさんは「ゆなもんほどの気持ちを、メイちゃんは持ってないように感じた」と、素直に、そして残酷に伝えました。
水森由菜は「だったらこっちを向かせてやる!」と言い放ちましたが…その瞳からは、涙が溢れていました。
懊悩の日々を過ごし、怒り、嘆き、涙してきた、水森由菜の物語。
苦悩しながらそれでも歩みを進めんと足掻いてきた、人間の情念が届くのかどうか。


5月27日、水森由菜と駿河メイの30分アイアンマンマッチ。
水森由菜には水森由菜の。駿河メイには駿河メイの。
それぞれの物語の、1つのチャプター。
同期、先輩後輩、仲間、ライバル。
この試合のあと、少なからず、複雑な二人の関係に、おそらくは、1つの決着がつく日。




Who's gonna top

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カレーです。
5月に不定期連載・週刊 水森由菜として(結果的に)お届けすることになりました当ブログ。そんな激動のチョコレートプロレス、5月の(たぶん)締め括りは、5月30日、以下の対戦カードとなりました。
“Best Bros.”駿河メイ&バリヤン・アッキvs“ド腐れヤッホーズ”水森由菜&藤田ミノル
今となってはチョコプロの“いつもいる人”同士で組まれたカードのようでもありますが、ただ、この対戦カードが、どれだけの感情を注ぎ込まれて紡がれたか、5月、YouTubeの画面の前に齧りついてチョコプロの行く末を見守り続けた皆様には、おわかりのことだろうと思います。
まあもしおわかりでなかったとしても、この4人ならばもはや、試合一発で十二分に“凄い”と思わせてくれるでしょうけれども。


“自分の人生の主人公は自分”


私の好きなプロレスラーはこの言葉をことあるごとに繰り返し繰り返し嘯いています。
一介の視聴者であり観客である私自身のことはさておきまして、アスリートであり表現者でもあるプロレスラーの皆様においては、やっぱりきっとこの“自分が主役”という意識は、もしかしたらあたり前に持っているもの、持っていなければいけないものなのかもしれません。
それでもその意識をどれだけ実践的に、具体的に実現できるのか、またその方法は、おそらくはきっと人それぞれ千差万別で。
単純に“前に出る”とか“でしゃばる”という話ではなく、その場所、その場面、その試合にいる意味にどれだけ向き合い、如何に見出してきたか…みたいなものが問われるような、そうでもないような。
繰り広げられる出来事の解釈もまた千差万別、如何様に解釈することもできるし、その解釈のあり方も自由だと思います。
というわけで、もちろんここに綴るのは、私の私による私のための、解釈。


5月、チョコレートプロレスの主役は、水森由菜選手でした。
その懊悩の過程については、ほぼ毎週のように綴ってきた、下記の各感想文に記してきたとおり。

カレーです。昨年のゴールデンウィークは楽しかったな…等と、プロレス関連の配信を見るたびに、一方では今楽しませてもらってることに感謝しつつ、一方では楽しくて忙しかった時間に思いを馳せながら憂うという、非常に鬱陶しい人類に成り下がりつつある今日このごろ。それでも、DDTが配信によるTVショーのシリーズを開始し、またこの自粛期間に革新的アイデアを次々かたちにしたチョコレートプロレスでは、5/3〜5に配信三連戦を開催。全日本プロレスやプロレスリングNOAHもまた無観客ながらも試合を続け、大阪ではビリーケン・キッド選手が「プロレス教習所」を立ち上げ試合(と、笑いヨガ)をお届けしたり、名古屋では影山道雄選手が(ジ・インテリジェンス・センセーショナル・グランド・パッションマスク)4(号)様とロリマンプロレス無観客ワンマッチを...何者かになる者達


カレーです。5月3日…というか日付的には4日。5月5日にこの程開催されました、ChocoProLIVE11藤田ミノルvs水森由菜ラスト・マン・スタンディングマッチについて思うところを書きました。[2020.5.4何者かになる者達]カレーです。昨年のゴールデンウィークは楽しかったな…等と、プロレス関連の配信を見るたびに、一方では今楽しませてもらってることに感謝しつつ、一方では楽しくて忙しかった時間に思いを馳せながら憂うという、非常に鬱陶しい人類に成り下がりつつある今日このごろ。それでも、DDTが配信によるTVショーのシリーズを開始し、またこの自粛期間に革新的アイデアを次々かたちにしたチョコレートプロレスでは、5/3〜5に配信三連戦を開催。全日本プロレスやプロレスリングNOAHもまた無観客ながらも試合を続け、大阪で...戦争と平和


カレーです。子どもの頃からの憧れ…というかある種のコンプレックスと言えるかも知れませんが、絵だったりモノだったり言葉だったり、あるいはプログラムだったり物語だったり、身体表現だったり。“何かを作る人”への羨望があります。しかしまあ自分でやるには不器用な私にはいずれもハードルが高く、一方で何かやりたいという欲求は留まらないため、結果、日々一番自分にとってアウトプットしやすい、(プロレスの)感想文を生産してきました。世界が“止まって”しまった今、日々糧としてきたプロレスも止まってしまうかに思われ、私自身、暇を大いに持て余す感じになるのかな…と思いきや。それでもなお、プロレスラー達は、様々な形で“今”を築き、進め続けています。そして今、プロレス界で一番“進む時間”の中にいる選手の一人に…たぶん。おそらく。水森由菜選手...St.Anger


カレーです。不定期連載(?)週刊・水森由菜と化した5月の当ブログ。チョコレートプロレスが、我闘雲舞が続く限り、そして彼ら彼女らのプロレスラー人生が続く限り、その物語に終わりはないし、同じ対戦カードがまた訪れることもきっとあるでしょう。それでもやっぱり。明日5月27日、ChocoProLIVE17として行われる、水森由菜vs駿河メイの一戦は……なんとなく。この曖昧模糊とした“緊急事態宣言”なるものが一旦解除された状況も相まって。“チョコプロシーズン1”の一つの区切りのカードのように、思えて仕方ありません。カレーです。昨年のゴールデンウィークは楽しかったな…等と、プロレス関連の配信を見るたびに、一方では今楽しませてもらってることに感謝しつつ、一方では楽しくて忙しかった時間に思いを馳せながら憂うという、非常に鬱陶しい...グミ・チョコレート・パイン


5.5にラスト・マン・スタンディングという過酷なルールで藤田ミノルに相対し、その後二人で“ド腐れヤッホーズ”として手を組んだかと思いきや、怒涛の2連敗。
さらには2敗目を献上した相手である駿河メイが、藤田ミノルとの一騎打ちで素晴らしい試合を展開し、直後、二人のタッグ“メーメーミーミー”が始動。
ものの2週間の間の(結果的には)3連敗、曝け出された心情と、積もり積もったやる方のないヘイト。
ドロドロとした真っ黒な感情全てをぶつけた“ともだち”バリヤン・アッキとの一騎打ち。
そこで打ち明けられた、駿河メイへのコンプレックス、そして、“同期”二人による一騎打ち―――
…およそ20日間そこそこでの出来事とは思えないほどに、YouTubeの画面の向こう側には、劇的な空間が広がり続けていました。
そしてそれは、水森由菜のめくるめく感情を伴い続けながら。


水森由菜が主役、という視座に立つと、必然、5月30日に行われるタッグマッチは、藤田ミノル、バリヤン・アッキ、そして、駿河メイという、5月の水森由菜にとって欠かせない…というか、それぞれ一騎打ちでぶつかりあった相手が居並ぶわけで、それはそれは主人公感がより一層際立つ…ように解釈もできます。
が、現実的に。
5月30日の主役は、駿河メイ&バリヤン・アッキの二人であるべきでもあります。
それはもはやシンプルに、このチョコプロ18が“駿河メイ&バリヤン・アッキ生誕祭”とそもそも銘打たれているように、この日21歳&25歳の誕生日を迎える、見るからにとってもハッピー感溢れる二人に相対する時点で、水森由菜は、そして、藤田ミノルは、“敵役”であることがあからさまに位置づけられているわけで。
でも、というか、だからこそ。
コンプレックスを曝け出し、勝利してなお“駿河メイという人間に魅了されている”と吐露した今の水森由菜ならば。
8.29に、古巣である大日本プロレスで、大日本プロレスの“聖地”というべき横浜文化体育館大会で、“生え抜き2号”として、デスマッチヘビー級選手権試合を戦うことになった藤田ミノルならば。
この二人、“ド腐れヤッホーズ”ならば。
多幸感あふれるチームだろうが、誕生日だろうが関係なく、相手の“主役”の座を強奪することに、もはやきっといささかの躊躇もないものと信じています。
そしてもちろん、“Best Bros.”を自称する駿河メイとバリヤン・アッキにだって、このチョコプロのコアメンバーとして戦い抜いてきた過程があります。
バリヤン・アッキは“日本でやっと手に入れた、自分の居場所”と、このチョコプロを語り、“チョコプロのエース”であることに誰より拘りを持っている。
何より、駿河メイもバリヤン・アッキもこの日が誕生日。当然、“主役”の座を譲る気はサラサラないでしょう。


本来ならばただただHAPPYな生誕祭。
しかし、5月に、というかこのチョコプロでこれまでに繰り広げられた戦いから、そのHAPPYな試合にもこれだけの背景も、意味も、感情もある。(…というか、あり得る、と私は勝手に解釈します。)
そしてそれぞれがそれぞれに主役で居続けるための、最も明確な手段。
それは、勝つこと。


主役であるため、自身が求めるところに辿りつくため。勝利を目指すプロレスラーの戦いを、今夜も、チョコプロで是非。
楽しみにしています。



観戦メモ2020:5月

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5月終了。もちろん0興行。
…ただ無観客試合を謳っていない、“観客は画面の向こう側にいる”というスタンスのチョコプロについては毎回観ていたわけで。
その他配信等の大会…ロリマンプロレスやプロレス教習所、DDT TV Show、琉球ドラゴンプロレス、東京女子プロレス…他にも見てるかもしれない…etcetc含めるとなんやかんや20大会くらいは見てたのか。
日々日常的に、日常の憂さの代償行為としてひたすらに行っていたプロレス観戦。しかしその日常のハレの場がなくなって、私の憂さはどれだけ蓄積されるだろう…と、思いましたが、元々引きこもり体質なこともあり、意外と大丈夫でした。
意外と大丈夫だったのは、兎にも角にも、チョコプロが10興行開催したのがとてもとても大きく。それぞれの興行のことを考えるだけで、私は私なりの日常を形を変えながら構築することができました。
…というか、これらの大会がなかったら、どれだけ世界が嫌いになっていただろう。





《最優秀試合候補》1.3 DDT 後楽園 田中将斗vsクリス・ブルックス1.4 東京女子 後楽園 中島翔子vsハイパーミサヲ1.4 崖のふち女子 板橋 松本都vsクリス・ブルックス1.13 DDT 住之江 竹下幸之介&勝俣瞬馬&飯野雄貴vsアントーニオ本多&平田一喜&くいしんぼう仮面1.13 ガン仁田 住之江 渡瀬瑞基&ミス・モンゴルvsアルティメット・スパイダーJr&青木いつ希1.22 BASARA 新宿 FUMA&久保佑允vsバナナ千賀&ツトム・オースギ1.25 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs駿河メイ1.26 九州プロレス 北九州 入江茂弘vs野崎広大2.2 ガンプロ 王子 翔太vs旭志織2.9 我闘雲舞 王子 SAKI&水森由菜&紺乃美鶴vs高梨将弘&新納刃&趙雲子龍2.10 FREEDOMS 後楽園 杉浦透vs宮本裕向2.11 東京女子 北沢 辰巳リカ&渡辺未詩&鈴芽vs伊藤麻希&らく&原宿ぽむ2.15 藤田プロレス☆スクール 2AWスクエア 翔太vs本田アユム2.16 東京女子 蕨 天満のどか&のどかおねえさんvsのどかおねえさん&のどかおねえさん2.17 JSTAGE 新木場 ディック東郷vs藤田峰雄2.17 JSTAGE 新木場 近野剣心&吉田綾斗&中津良太vs野村卓矢&阿部史典&佐山駿介2.18 BASARA 新木場 阿部史典vs下村大樹2.18 BASARA 新木場 バナナ千賀&ツトム・オースギvs木高イサミ&関根龍一2.18 BASARA 新木場 高梨将弘vs藤田ミノル3.7 仙女 奈良 DASH・チサコvsKAORU3.7 仙女 奈良 橋本千紘&優宇vs里村明衣子&駿河メイ3.8 仙女 新宿 橋本千紘vs朱里3.20 我闘雲舞 板橋 クリス・ブルックスvsバリヤン・アッキ3.20 我闘雲舞 板橋 高梨将弘&藤田ミノルvsTAMURA&趙雲子龍3.21 東京女子 板橋 坂崎ユカ&瑞希&乃蒼ヒカリvs中島翔子&愛野ユキ&舞海魅星3.21 ガンプロ 板橋 今成夢人&バリヤン・アッキvsマイク・ベイリー&冨永真一郎3.21 ガンプロ 板橋 春見沢萌彦&勝崎周之助&桜井鷲vs坂口征夫&樋口和貞&赤井沙希3.21 ガンプロ 板橋 石井慧介vs岩崎孝樹3.29 スク闘2020 スポルティーバ ロッキー川村vsジ・インテリジェンス・センセーショナル・グランド・パッションマスク4号4.5 琉ドラ 南風原 藤田ミノルvs初代・ポークたま子(4.?? チョコプロ 市ヶ谷 紺乃美鶴vs水森由菜)(4.?? チョコプロ 市ヶ谷 田中将斗vsバリヤン・アッキ)(5.5 チョコプロ 市ヶ谷 藤田ミノルvs水森由菜)(5.17 チョコプロ 市ヶ谷 藤田ミノルvs駿河メイ)(5.27 チョコプロ 市ヶ谷 水森由菜vs駿河メイ)(5.30 チョコプロ 市ヶ谷 駿河メイ&バリヤン・アッキvs水森由菜&藤田ミノル)


…この1月間、暇に任せて徒然ままに感想を記してきたわけで、まあもはや振り返る必要もあるかどうかすら定かではありません。
が、チョコプロは普段の我闘雲舞市ヶ谷の試合よりも広くスペースが使え、アイテムも豊富で試合時間も長くて、カメラワークも臨場感があり、また、名実況付きという、少人数による配信にも関わらずいたれりつくせり。
だいたい、好きなレスラーばっかり出てるんだから面白くないわけがないのだ。
そして毎日何かしらの配信を続けることでなんやかんやそれらの試みが試合そのもののストーリーとも関連を持つことになるため、特に5月は結果的に、とてもストーリー性の高い内容となりました。
まあ、それが、私が言葉を喚起された要因であるわけですが。
そんなこんなの5月の試合の感想は…もし興味ございましたら、下記ご参照のほど宜しくお願い申し上げます。

カレーです。昨年のゴールデンウィークは楽しかったな…等と、プロレス関連の配信を見るたびに、一方では今楽しませてもらってることに感謝しつつ、一方では楽しくて忙しかった時間に思いを馳せながら憂うという、非常に鬱陶しい人類に成り下がりつつある今日このごろ。それでも、DDTが配信によるTVショーのシリーズを開始し、またこの自粛期間に革新的アイデアを次々かたちにしたチョコレートプロレスでは、5/3〜5に配信三連戦を開催。全日本プロレスやプロレスリングNOAHもまた無観客ながらも試合を続け、大阪ではビリーケン・キッド選手が「プロレス教習所」を立ち上げ試合(と、笑いヨガ)をお届けしたり、名古屋では影山道雄選手が(ジ・インテリジェンス・センセーショナル・グランド・パッションマスク)4(号)様とロリマンプロレス無観客ワンマッチを...何者かになる者達


カレーです。5月3日…というか日付的には4日。5月5日にこの程開催されました、ChocoProLIVE11藤田ミノルvs水森由菜ラスト・マン・スタンディングマッチについて思うところを書きました。[2020.5.4何者かになる者達]カレーです。昨年のゴールデンウィークは楽しかったな…等と、プロレス関連の配信を見るたびに、一方では今楽しませてもらってることに感謝しつつ、一方では楽しくて忙しかった時間に思いを馳せながら憂うという、非常に鬱陶しい人類に成り下がりつつある今日このごろ。それでも、DDTが配信によるTVショーのシリーズを開始し、またこの自粛期間に革新的アイデアを次々かたちにしたチョコレートプロレスでは、5/3〜5に配信三連戦を開催。全日本プロレスやプロレスリングNOAHもまた無観客ながらも試合を続け、大阪で...戦争と平和


カレーです。子どもの頃からの憧れ…というかある種のコンプレックスと言えるかも知れませんが、絵だったりモノだったり言葉だったり、あるいはプログラムだったり物語だったり、身体表現だったり。“何かを作る人”への羨望があります。しかしまあ自分でやるには不器用な私にはいずれもハードルが高く、一方で何かやりたいという欲求は留まらないため、結果、日々一番自分にとってアウトプットしやすい、(プロレスの)感想文を生産してきました。世界が“止まって”しまった今、日々糧としてきたプロレスも止まってしまうかに思われ、私自身、暇を大いに持て余す感じになるのかな…と思いきや。それでもなお、プロレスラー達は、様々な形で“今”を築き、進め続けています。そして今、プロレス界で一番“進む時間”の中にいる選手の一人に…たぶん。おそらく。水森由菜選手...St.Anger


カレーです。不定期連載(?)週刊・水森由菜と化した5月の当ブログ。チョコレートプロレスが、我闘雲舞が続く限り、そして彼ら彼女らのプロレスラー人生が続く限り、その物語に終わりはないし、同じ対戦カードがまた訪れることもきっとあるでしょう。それでもやっぱり。明日5月27日、ChocoProLIVE17として行われる、水森由菜vs駿河メイの一戦は……なんとなく。この曖昧模糊とした“緊急事態宣言”なるものが一旦解除された状況も相まって。“チョコプロシーズン1”の一つの区切りのカードのように、思えて仕方ありません。カレーです。昨年のゴールデンウィークは楽しかったな…等と、プロレス関連の配信を見るたびに、一方では今楽しませてもらってることに感謝しつつ、一方では楽しくて忙しかった時間に思いを馳せながら憂うという、非常に鬱陶しい...グミ・チョコレート・パイン


カレーです。5月に不定期連載・週刊水森由菜として(結果的に)お届けすることになりました当ブログ。そんな激動のチョコレートプロレス、5月の(たぶん)締め括りは、5月30日、以下の対戦カードとなりました。“BestBros.”駿河メイ&バリヤン・アッキvs“ド腐れヤッホーズ”水森由菜&藤田ミノル今となってはチョコプロの“いつもいる人”同士で組まれたカードのようでもありますが、ただ、この対戦カードが、どれだけの感情を注ぎ込まれて紡がれたか、5月、YouTubeの画面の前に齧りついてチョコプロの行く末を見守り続けた皆様には、おわかりのことだろうと思います。まあもしおわかりでなかったとしても、この4人ならばもはや、試合一発で十二分に“凄い”と思わせてくれるでしょうけれども。“自分の人生の主人公は自分”私の好きなプロレスラ...Who'sgonnatop

で、上記までの感想で触れられてない5.30の試合ですが…
凄かったですね。ド腐れヤッホーズ。ド腐れっぷりが特に。
試合後のコメントで駿河メイ選手が「誕生日の二人が主役じゃなきゃいけないのに、主役でいられるか不安だった」みたいなことを仰っていて、なんていうか、あのチョコプロの空間はフワッとしているようで、その実、戦いの雰囲気に満ちていることが伝わってきて、とてもとてもよかった。
ド腐れヤッホーズ、3連敗になりましたが…なんか、この3敗目でとんでもない毒素を放っていたのが最高だったので、また是非みたいです。



《最優秀興行候補》1.4 崖のふち女子 板橋
1.27 まっする1 新木場2.15 藤田プロレス☆スクール 2AWスクエア2.18 BASARA 新木場宴3.26 まっする2 新木場(3.28 チョコプロ1 市ヶ谷)3.29 スク闘2020 スポルティーバ(5.5 チョコプロ11 市ヶ谷)(5.23 チョコプロ16 市ヶ谷)(5.27 チョコプロ17 市ヶ谷)



《最優秀新人候補》薄井鉄央(BASARA)




《最優秀タッグ候補》新井健一郎&藤田ミノル(九州プロレス)Speed of Sounds(フリー)PURPLE HAZE(全日本プロレス)ド腐れヤッホーズ(チョコプロ)メーメーミーミー(チョコプロ)東京失恋学園(チョコプロ)




《最優秀団体候補》崖のふち女子プロレスマッスルチョコプロ
とりあえず1位はもうチョコプロに決まったことをご報告申し上げます。




《ベストモーメント》1.19 オレンジタウン 翔太「1.5 東京ドーム、オカダ・カズチカvs内藤哲也戦でオカダ・カズチカがインプラントを繰り出したときの海野レフェリー」3.20 YMZ 板橋 Chair King




《MVP候補》
〜独断と偏見で選ぶ月間MVP〜1月 ディック東郷2月 水森由菜3月 バリヤン・アッキ、さくらえみ4月 ポークたま子5月 藤田ミノル
誰が主人公だったかで言えば間違いなく水森由菜選手なんですが、実は1勝しかしていないような気がしてですね。
じゃあ勝ち星と存在感の両面で今月のプロレス、というかチョコプロを突っ走ったのは誰だろうと思った時に、まあ、もう、“トロピカル王国国王”藤田ミノルしか思い浮かびませんでした。
そもそも2月にすでに我闘雲舞を追放となっていた藤田ミノル。
しかし、デスマッチヘビー級への挑戦の決まっていた5.5横浜文体大会の延期に伴い、スケジュール以上に何か、ポッカリ空いたところに、さくらさんが“挑戦”として突きつけた、水森由菜とのラスト・マン・スタンディング。
そこを皮切りに5月のチョコプロレギュラーとして異様な存在感を発揮し続け、チョコプロDARKチョコ(じゃんけん)トーナメントを短期間で3度制し、“国王”たる威厳を示してきました。
また、“自称・自粛のミスタープロレス”Tシャツ発売がある意味示すとおり、自粛期間中に様々な地域で様々なレスラーが実施しているプロレス関連配信番組にことごとく出没。
ex)モガキューライブ(2AW)、プロレス教習所(ビリーケン・キッド選手他)、なぞなぞ配信(影山道雄選手)、ロリマンプロレス(影山道雄選手、4様)、高井憲吾選手モノマネ配信、翔太選手コーヒー配信、琉球ドラゴンプロレスハウスショー、鈴木心選手ラジオ体操etcetc
…チョコプロの配信も全部チェックしており、駿河メイがバリヤン・アッキとともに翻訳した「♪一番好きな人の名前をさけぼう」英語Ver.の歌詞もこっそり覚え、チョコプロではなんと振り付で(ガッサガサの声のままに)披露し、視聴者と関係者を驚かせました。
一度は流れた5.5の文体での挑戦は、巡り巡って、8.29文体での挑戦というかたちでついに正式決定。
2月はユニオンMAX、3月はスクールオブ闘争、常に何かしらのかたちでその存在を示し続け、また、周りの、特に若いプロレスラーを触発し続ける藤田プロレス☆スクールおしえがしらの、5月5日に残した言葉は、私は決して忘れない。
「日本のプロレスラーはだいたい10年もたなくて辞める人が半分ぐらいいるよ。そのたびに俺は悔しい。プロレスのことが何もわかってないままプロレス界を去っていく人材のことがすごく悔しい。」
プロレスに限らず、何かのファンであることは、失うリスクを常に孕んでいる。それでも、応援している業界の中に、こんなことを考えてくれている人が少なくとも一人、いること。
そんなわけで。
おそらくは5月のみならず存在感を放ち続けるであろう、“自粛のミスタープロレス”藤田ミノル選手を、今月のMVPに推します。

Pick your Poison

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2004〜6年くらいのWWEで、多分タイミング的にはNO WAY OUT(レッスルマニア前のイリミネーションチェンバーを行うPPV)あたりの時期…だったかな?
RAWで行われていた試合形式に、“ピックユアポイズンマッチ”という試合がありました。
これは、PPVでの対戦相手同士が、互いにシングルマッチの対戦相手…特に、その選手にとっての“天敵”たりうるような対戦相手を指名する、という、試合形式というか、対戦カードの決定方式。
たしかランディ・オートンがHHHの対戦相手に(再三タップを奪われている)クリス・ベノワを指名したりして、中々熱い対戦カードの生まれる試合形式だったので、個人的にはとても好きでした。
…というかなんというか、そもそもなんとなく、“Pick your Poison”というその語感が好き。口唇破裂音が小気味よく響く感じ。
しかしまあよくよく調べてみれば、…“poison”って入ってますのでお察しの通り、あまりいい意味の言葉ではないようです。
直訳で言ってしまえば“お前の毒を選べ”。…つまりは、“どれを選んでもロクな選択肢がない”ことを暗に示していて、基本的にはお酒の場でさらにお酒を勧めるときのくだけた表現として用いられているようです。
たしかに。下戸の私からしてみれば、全部毒に違いない。


“どれを選んでもロクな選択肢がない”というのは、いわば“究極の選択”に類するもの。しかし現実には、往々にしてそういう状況は生まれるもので。
特にこの3〜6月のプロレス…のみならず、エンターテイメントにライブイベントに外食産業に。“密”な状況を避けざるを得ないために迫られた已む無い選択は、おそらく無数にも及んでいることは想像に難くありません。
その難しい選択を迫られる中、それでも、“やる”という決断をし、集まり、戦った人達のことを。
2020年6月5日。日本のどこかで行われた、『毒人11』について、綴っておきたいと思いました。


…ちなみにあらかじめ申し上げておきますが、試合結果や“X”の存在などのいわゆる“ネタバレ”は、主催者の意向に沿って、致しません。書ける範囲での感想のみ、ここで記載いたします。

[4月の協賛期限当日にお振込みをしたので素敵トートバッグがついてます]


遡ること半年以上。
2019年11月に行われた毒人10。
主催者のHUB選手は、“神”とまで崇めるディック東郷選手と、この毒人において実に3度目となるシングルマッチを戦い…ついに、勝利するに到りました。
憧れの存在からついに勝利を奪った歓喜からか、感情を爆発させ、涙すら溢れさせるHUB選手を、一人。身につけたサングラスの奥から、ジッと見据えている選手がいました。
それが、この日第1試合でエイサー8を破った、藤田ミノル選手でした。




自身の主催興行の最後、記念撮影を終え、一人ひとりと握手を交わすHUB選手。その前に、無言で立ちはだかり、ジッと目を見据えた藤田ミノル選手は、直後Twitterで毒人11でのHUB選手との対戦相手に立候補。
HUB選手から2020年5月10日の毒人開催がアナウンスされ、しはしののち。
HUB選手から発表された、メインイベントの対戦相手は、おそらくは、あの会場で雰囲気を感じ取っていた人々の期待通り。
藤田ミノル選手と発表となりました。


二人のシングルマッチはこの毒人シリーズの中でも一度行われています。
2015年に開催された毒人4で行われた二人の一騎打ちでは、藤田ミノル選手が勝利。
私はまだこのころライトな(?)プロレスファンだったので、週プロモバイルで結果を追うのみの人間でしたが、その週プロモバイルを見てみると、この試合で二人のシングルマッチが1勝1敗となったこと、藤田ミノル選手が「次が決着戦」と嘯いたこと、HUB選手が、万全の状態でこの日を迎えられなかったこと…などが雰囲気としては読み取れました。
会場でこの試合をご覧になっていたファンの方からのお話を伺うと、なんとなく、ですが。
この二人ならば“もっと先”がある。
そんな期待感を懐き続けていらっしゃるような印象も受けました。


5年前のこの“決着戦”という言葉と今回が繋がりを持っているかどうかはまた、考える余地のあるところかとも思いますが、しかし。
それ以前に、この毒人11開催を前に、あまりに大きな障害が…世界中に、立ちはだかります。
新型コロナウイルス…Covid-19の感染拡大。
状況についてはもはやいまさら言うまでもなく、プロレス業界においても、数多のプロレス興行が開催中止や延期等、多くの変更を余儀なくされることとなりました。


毒人11は比較的早い段階から、この興行を無観客で行う方向にシフト。
毎興行で行っていらっしゃいますが、協賛者を募り、その協賛者に“のみ”興行DVDを配布し、試合結果のリリースも出さず、興行後のDVD販売も行わない、という方式となりました。
どんな選択をしても、苦しい選択となる情勢。その中にあっても、何が何でもこの試合を、この興行を、このメンバーで、やる。
この選択に個人的には、そうしたとてもとても強い意志や決意、覚悟を感じました。
しかしそうした強い意志をよそに、国内の情勢は混沌とし、4月には非常事態宣言が発令。一旦の期限が5月6日に設定され、近い日程の5月10日に予定されていた毒人11は、再びの変更を余儀なくされることとなります。
それでも、毒人は止まらない。いや、止めなかった。
一旦の日程変更をアナウンスすると同時に、日程再調整中であることについても公表。そして調整の結果、6月5日に毒人11が行われることとなります。
場所は、もはや誰にも咎められることのない、“日本のどこか”。
とにかく、やる。
その意志はなお、明確だったように思います。


一方でやはり、多くのプロレス興行がこの緊急事態宣言前後のいわゆる“自粛”期間中、その歩みを止めることを余儀なくされることとなりましたが、しかしそれでもなお、プロレスを続けようという意志は、様々なところで、様々なカタチで動き続けていました。
それは、この毒人11へ参戦することとなっていたビリーケン・キッドが主催する「プロレス教習所」であり、影山道雄選手を始めとする名古屋の選手達の活動であり、2AWは最上九選手が中心となって行った「モガキューライブ」であり、DDTやNOAH、大日本プロレス、全日本プロレス、アイスリボンetcetc様々な団体による無観客試合配信であり。
そしてまあ、このブログ的には言うまでもなく、我闘雲舞による配信“のみ”プロレス団体・チョコレートプロレス。
そのチョコプロを中心に、5月、“止まらないプロレス”の中にいたのが、毒人11のメインを務める、藤田ミノル選手でした。


毒人というプロレスの“場”を守り、決して止めない意志を示し続けたHUB選手。
4月以降様々なプロレス関連配信に出没し、プロレスラーの中で、というよりかは、むしろプロレス関連配信について日本屈指の詳しさで、とにかくプロレスを止(と)めなかった、藤田ミノル。
5年前のメインイベントととの繋がりについて、私には語ることはできません。
ただ、この二人が辿り着いた6月5日のメインイベント。この試合があったことで…
少なくとも、私にとってのプロレスは、止まっていなかった、進み続けていたことを理解できました。
素晴らしいシングルマッチが5試合続いた後の大熱戦のメインイベント。
最後5分間、比喩ではなく、まばたきすることを忘れていました。


でもやっぱり。これが“決着戦”であっては欲しくない、とも思います。
これだけ強い意志を持ってこの試合に辿り着いた二人の歩みが、これで止まるとは到底思えない。
というか。
みたい。
生で見たい。
目の当たりにしたい。


また再び、その素晴らしい戦いをその場で見届けられる日々が戻ってくることを切に願います。
しかし何より。
日々を、プロレスを止めないでい続けてくれたプロレスラーたちが居て、そしてその戦いがあったという事実を、ここに、記憶として残しておきたいと思います。












ワルプルギスの夜に

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“ワルプルギスの夜がはじまる”
“やつの存在を許すな”

………

いきなり、何を宣うのかと思われたことと存じます。仰るとおりでございます。
冒頭のこの2文ですが、私がえらい長い期間遊んでいたゲーム、「エキサイティングプロレス5」で登場した……登場した…なんだろう…えーと……て、定型文です。
エキプロ5にはいわゆるストーリーモードみたいなものがありまして、WWEレスラー(またはエディットレスラー)を使って一年間のストーリーラインを追体験するモードで、PPVで大きな抗争に基づく試合があると、その試合前にWWEらしく煽りVが流れましてですね。
で、その煽りVにはいくつかの定型文がランダムで組み合わさってテロップが表示されるんですけど、中でもお気に入りだったのが
“ワルプルギスの夜がはじまる”→“やつの存在を許すな”
という定型文の流れ。ちなみに、このテロップにはなんの意味もない。
そんなわけで“ワルプルギスの夜”が何のことなのかよくわからないままにお気に入りのフレーズとなっていたのですが、割と最近、この単語を聞く機会がありました。
それは、5月にほぼほぼ週刊でその葛藤の模様をお届けすることになったプロレスラー・水森由菜選手の配信で耳にすることになりました。


5月に様々な感情の渦を乗り越え、“チョコプロシーズン1”のMVPとなった水森由菜選手。しかし、その感情の発端となったインタビューの、インタビュワー…さくらえみ代表へ向ける感情は失われることなく、Season2が始まって※回目となるチョコプロで、改めてその感情をぶつける機会を、一騎打ちを要求しました。
対して、代表であり、マッチメイカーでもあるさくらさんは、ジャンケンでの一騎打ちなどに濁そうとしながらも、最終的にこれを承諾。
6.30のチョコプロで一騎打ちを行うことを決める…と、同時に。
それまでの期間、水森由菜をチョコプロの出場を禁じる、という…ド腐れヤッホーズのパートナー・藤田ミノル選手を追うようにして、事実上の“追放”措置が下されることとなりました。


試合に出ることのできない水森由菜選手がとった、…とることのできた、自己主張の手段が“配信”。
前述の藤田選手や、藤田プロレス☆スクールの講師陣、及び闘争に参加を契機に関わりの深くなった名古屋のプロレスラーたちetc同様に、ツイキャスでチョコプロの模様を実況するという“裏(本人は表と主張)番組”を敢行。
対戦相手・さくらえみ選手との試合への気持ちを切らさない(+怨嗟をさらに増長させる)とともに、プロレスラーとしての自身の感情を吐露する(とともに、上述のレスラーやファンたちによる大喜利)場として機能しています。
“ワルプルギスの夜”はその配信の中で、水森さんが6.30のさくらさんとの一騎打ちを形容した表現です。
何故その単語を用いたのか(一旦大喜利の手を止めて)訪ねてみたところ、理由はこのようなものだったかと記憶してます。


「魔女だから。魔女狩りの夜だから。」


さて。
そもそもワタクシですね、ワルプルギスの夜が何だか知りません。
で、そんなLINEをラーメン橋(ゲーム)に勤しむ実兄にしたらですね。
「ワルプルギスの夜って4.30じゃないの?」
とか返信があり。
…さらにわからなくなった。
というわけでワルプルギスの夜が一体何なのか、(エキプロ5が2005年のゲームなので、15年越しに)一応調べてみました。


ワルプルギスの夜は欧州圏の季節の変わり目に行われる祭事で、5/1のお祭りの前夜に行われる“魔女の宴”的な何かだとかなんとか。
おそらくノリとしてはハロウィンとかお盆に準ずるものなんでしょうね。
“ワルプルギスの夜”という名前は8世紀の聖人、聖ワルプルガに由来し、その聖ワルプルガの聖遺物の移譲の日に
この祭事を行うことになったことから、4/30-5/1をそう呼ぶようになったようです。ドイツ語圏だと“ヴァルプルギスの夜 Walpurgisnacht”になる。ので、上のサムネイルにも書き込んでみたわけですが。…ドイツ語で記述すると、中2感が爆発的に増大しますね。


水森さんが用いたこの“ワルプルギスの夜”という言葉はおそらくその祭事を指したもの、ではなく。
その後のツイートからするに、「魔法少女まどか☆マギカ」に登場する“ワルプルギスの夜”に由来するものと思われます。
…とはいえ私、虚淵玄作品は吸血戦記ヴェドゴニアとPhantom、あとFate/Zeroくらいしか知らないので、これもまたGoogleさんのお世話になりましたが。
“ワルプルギスの夜”…“舞台装置の魔女”は、作中における“魔”の象徴。数多の魔女、その最悪の一つ。
そして、その“魔”を狩る夜として、水森由菜選手は、6.30のさくらえみ選手とのシングルマッチを位置づけた…と、勝手に解釈しておきます。


さて。
水森さんをチョコプロから追いやったさくらさん。
その理由をそのあとのウォッチングパーティーで、概ね以下のように仰っていたように思います。
・5月を戦い抜いた水森由菜の勢いは、実際に凄い・自分のコンディションを整えないと、今のままじゃ勝てない・でもうっかり勢いで追放しちゃったから選手が足りなくてカード編成に困る。後悔してる。
…選手・水森由菜の力を認めた上で、強権を発動し、さらに自分のコンディションを整えるという誠実さと横暴さを同居させつつ、マッチメイカーとして困惑するという…とても滅茶苦茶な、しかしそれでいて、実に“さくらえみらしい”ところを白状しました。


さくらえみらしさ。
さくらえみという選手を、どういう形でか形容するのは、もう、私には無理です。
自分の中で腑に落ちた言葉を引用するならば、佐藤光留選手が市ヶ谷で試合したときに形容していた「(さくらさんの言葉は)散弾銃」「銃乱射事件」。
その場その時思いついたことを思いつくままに明らかにし、そして恐ろしいことにその思いついたもののうちのいくつかは、とてもとても重要なことであるかのように響く。
“思いついたこと”の中にいくつか核心があって、それに向けて突き進むのだけれど、“何故それを思いついたか”はあっという間に忘却の彼方に消え、そしてそれに突き進む過程もまた、散弾銃のように。
………とはいえ、それが全てでは決してなく、もはやそんなに軽々に形容することはできそうにない。
ところで唐突ですが私、三国志を題材としてモーニングで連載していた「蒼天航路」(王欣太 作)が大変好きなのですが、作中で魏軍の捕虜となった徐庶が諸葛孔明について語る際、“人は自身に理解できないものを目の辺りにしたとき、怪物に例えたがる”みたいなことを言っていましたが…
“理解できない”というよりも、自身の言葉の枠組に捉えきることができない。その範囲に納められる気がしない。
…だからこその、“魔”あるいは、“魔性”。




6月27日、水森由菜に対して行われた、バリヤン・アッキによるインタビュー。
水森さんはさくらえみという人物について、“信念がない”という点を、おそらくは溜め込んだヘイトの一端として、抱いている印象を吐露しました。
本当に信念がないのかどうかはさておいて、水森由菜からしてみれば、さくらえみという選手の思考がどこにあるのか、見えない。…というか、たぶん、“魔”に見えている。
そしてその魔を討ち祓う闘いは、チョコプロの水森由菜にとって意味深い、そもそもこの因縁のある意味では発端となった試合形式である、ラスト・ウーマン・スタンディング形式での完全決着戦と相成りました。


さて。
チョコプロの水森さんについてもうちょっと雑なことを。
チョコプロ、というかチョコプロにおける水森さんって、なんとなく、WWEとかアメプロっぽい感じがしてですね。
我闘雲舞のプロレスの中ではおそらくは生まれなかった(生まれ難かった)闘い、抗争のかたちが、チョコプロではできる。
これからプロレスを続けていく中で、もしかしたら様々なプロレスラーとの因縁を築くことになるかもしれません。
その中で、“ヘイト”という生々しい感情を以て、おそらくは初めての抗争相手となったのが、師匠であるさくらえみ。
………その意味や価値については、試合前の今解釈するのは性急な気がするのでとりあえず黙っておくことにします。


“ベルトを巻ける、認められる選手になりたい”と願う水森由菜。
その願望に対してのバリヤンアッキの回答には、おそらく多くの人が同意するんじゃないかなと思います(少なからず私は同意した)が、でも、水森由菜が求めるのはたぶん、“いつか”じゃない。
“今”。目に見える因縁の相手、さくらえみを倒すといういわば“勲章”を。
貪欲に目指し、努力し、“今”、まさにチョコプロを、我闘雲舞を知らしめたい、という闘い。


2ヶ月遅れのワルプルギスの夜。
“魔女狩り”の夜となるのか、あるいは、“魔”に魅入られる夜となるのか。


観戦メモ2020:6月

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6月終了。
4興行。
スマホが壊れました。

携帯電話を持ち始めてから20年くらいになるでしょうか、物理的な故障はこれで3回目くらい。
しかしまあ、プロレス系配信が重なり、注目の試合の行われた6.30に壊れたのはもう、よりにもよってという感じ。
ちなみに私が5、6月に量産した雑コラ雑サムネイルは、ツイッターのキャッシュとしてローカルに残ってた画像から引っ張って作っていたので、量産体制もストップです。
ここに貼れる画像もスマホの中なので、私としては羽をもがれたも同然ですが、それでもまあ感想文を書くやる気くらいはある。
いわゆる自粛期間中、配信系のプロレスが個人的な日常を支えてくれました、6月もチョコプロが“シーズン2”として怒涛の10興行を開催。
配信媒体も増える中、チームでら、ヒートアップ、2AW、プロレス教習所、プロレスリングチャイエスが合同で“プロレス配信リレー”を実施。
さらにあの第四十二代平日マスクが配信業界に急浮上。“異空間プロレス”という驚異のコンテンツにより、(一部の)プロレスファンに驚き(と困惑)を与えました。
ニコニコプロレスチャンネルでは鈴木秀樹プロデュース興行が全試合シングルマッチという構成で配信大会を実施し、7.5には真琴プロデュース興行「瞳の中のオリエンタルランド」を開催。
6.30、ワンマッチとして行われたチョコプロの他方面では、崖のふち女子プロレス代表・松本都が“みやここフェス”を、名古屋の801健一とグランパショマスク4号は“プロレスリングピコピー”を開催。
なんやかんや充実のラインナップとなるとともに、徐々に徐々に有観客興行も再開となっており、世界は“止めない”方向にシフトしつつある一方、現実は実に薄氷のように、読めない情勢の続く昨今。
…ちなみに、私の職場はテレワーク終了となりました。泣いてしまう。



《最優秀試合候補》
1.3 DDT 後楽園 田中将斗vsクリス・ブルックス
1.4 東京女子 後楽園 中島翔子vsハイパーミサヲ
1.4 崖のふち女子 板橋 松本都vsクリス・ブルックス
1.13 DDT 住之江 竹下幸之介&勝俣瞬馬&飯野雄貴vsアントーニオ本多&平田一喜&くいしんぼう仮面
1.13 ガン仁田 住之江 渡瀬瑞基&ミス・モンゴルvsアルティメット・スパイダーJr&青木いつ希
1.22 BASARA 新宿 FUMA&久保佑允vsバナナ千賀&ツトム・オースギ
1.25 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs駿河メイ
1.26 九州プロレス 北九州 入江茂弘vs野崎広大
2.2 ガンプロ 王子 翔太vs旭志織
2.9 我闘雲舞 王子 SAKI&水森由菜&紺乃美鶴vs高梨将弘&新納刃&趙雲子龍
2.10 FREEDOMS 後楽園 杉浦透vs宮本裕向
2.11 東京女子 北沢 辰巳リカ&渡辺未詩&鈴芽vs伊藤麻希&らく&原宿ぽむ
2.15 藤田プロレス☆スクール 2AWスクエア 翔太vs本田アユム
2.16 東京女子 蕨 天満のどか&のどかおねえさんvsのどかおねえさん&のどかおねえさん
2.17 JSTAGE 新木場 ディック東郷vs藤田峰雄
2.17 JSTAGE 新木場 近野剣心&吉田綾斗&中津良太vs野村卓矢&阿部史典&佐山駿介
2.18 BASARA 新木場 阿部史典vs下村大樹
2.18 BASARA 新木場 バナナ千賀&ツトム・オースギvs木高イサミ&関根龍一
2.18 BASARA 新木場 高梨将弘vs藤田ミノル
3.7 仙女 奈良 DASH・チサコvsKAORU
3.7 仙女 奈良 橋本千紘&優宇vs里村明衣子&駿河メイ
3.8 仙女 新宿 橋本千紘vs朱里
3.20 我闘雲舞 板橋 クリス・ブルックスvsバリヤン・アッキ
3.20 我闘雲舞 板橋 高梨将弘&藤田ミノルvsTAMURA&趙雲子龍
3.21 東京女子 板橋 坂崎ユカ&瑞希&乃蒼ヒカリvs中島翔子&愛野ユキ&舞海魅星
3.21 ガンプロ 板橋 今成夢人&バリヤン・アッキvsマイク・ベイリー&冨永真一郎
3.21 ガンプロ 板橋 春見沢萌彦&勝崎周之助&桜井鷲vs坂口征夫&樋口和貞&赤井沙希
3.21 ガンプロ 板橋 石井慧介vs岩崎孝樹
3.29 スク闘2020 スポルティーバ ロッキー川村vsジ・インテリジェンス・センセーショナル・グランド・パッションマスク4号
4.5 琉ドラ 南風原 藤田ミノルvs初代・ポークたま子
(4.?? チョコプロ 市ヶ谷 紺乃美鶴vs水森由菜)
(4.?? チョコプロ 市ヶ谷 田中将斗vsバリヤン・アッキ)
(5.5 チョコプロ 市ヶ谷 藤田ミノルvs水森由菜)
(5.17 チョコプロ 市ヶ谷 藤田ミノルvs駿河メイ)
(5.27 チョコプロ 市ヶ谷 水森由菜vs駿河メイ)
(5.30 チョコプロ 市ヶ谷 駿河メイ&バリヤン・アッキvs水森由菜&藤田ミノル)
(6.5 毒人 某所 GAINAvs三原一晃)
(6.5 毒人 某所 HUBvs藤田ミノル)
6.14 ガンプロ 板橋 藤田ミノルvs桜井鷲
6.14 ガンプロ 板橋 朱崇花vs翔太
6.14 ガンプロ 板橋 石井慧介vs大家健
6.21 DDT 鶴見青果 HARASHIMA&平田一喜vs竹下幸之助&勝俣瞬馬vs高木三四郎&中村圭吾
(6.28 チョコプロ 市ヶ谷 さくらえみvs紺乃美鶴)
(6.30 チョコプロ 市ヶ谷 さくらえみvs水森由菜)


今月もチョコプロを生活の中心に据えて生きてましたが、DDTグループが6.13より有観客興行を再開したことに伴い、4興行観戦。配信もいい。でもその“質感”がより伝わることを改めて実感し、やっぱり、観戦もしたい。


試合を挙げた順序は一旦置いておきまして、6月のチョコプロの話から。
“シーズン1”最終話に登場し、(親知らずからの)復活を遂げた紺乃美鶴選手が、すごい。というか、ヤバイ。








これまでの美鶴さんって、人を殺すような異様な気合いと裏腹に、試合ではどこかもどかしい部分も見せていたような気がするのですが、こと、今月のチョコプロに関して言えば、そんなもどかしさは、微塵も感じない。
昨年の“さくらアワード”でベストバウトとなったクリス・ブルックスとの再戦にも、初参戦となったゴキゲンレスラー・米山香織も、無条件に対戦相手に試練を課すルル ペンシルも、代表・さくらえみをも。激情のままに、蹴り飛ばす。
殺気と行動が結びついていて、かつ、何というかまるで空気を読まない、というか。触るもの皆(徹底的に)傷つける感じ。
勝ち負けで言えば多分負け越してる気がしますが、今月、一番印象に残った選手であることは間違いないように思います。


チョコプロの“ストーリー”としての本筋は、代表・さくらえみと水森由菜による、(主に水森由菜からさくらに向ける怨嗟による)ドロドロの抗争劇でした。




水森由菜は、自身の複雑な心情を晒す発端となったさくらえみとの決着戦の要求すると、さくらは6.30にシングルマッチを行うことを決定。「一つ要求を飲んだ代わりに」水森由菜をチョコプロから追放。約3週間、試合に出さない処置を取りました。
…って、この辺経緯とかを書いてしまうと異様な文量になりますね。
試合については、とかく、水森さんの“不沈艦”ぶりに舌を巻きました。
藤田ミノルを介してそれぞれがそれぞれに事前に心境を顕してましたが、さくらさんが「1人の女の子の成長の物語。」「チョコプロからスターが生まれたと思った。」的に語っていたように、水森由菜というプロレスラーがよくぞここまでというほど積み上げたものに、“追放”期間中一体何をやってきたかが目に見えるほど強化されたフィジカル、そしてスタミナ。5.5に戦ったラストマンスタンディングからしてさらに、成長した様を窺い知ることが出しました。
そしてやはり一方で。
水森由菜が技術的な鍛錬を積めない(ように仕向けられた)一方で水森由菜の技術を自分のものとして身につけ、その技術を一歩進めた上で、最後の最後“自分の技”で試合を決めるという……よく“鬼”に形容されるさくらさんですが、個人的には、“魔”的なものをビシバシ感じました。…なんかもう、これ以上は表現しようがないな…言葉の限界を思い知らされます。
なんかもう、6.28〜30は特にただただ“凄い”と思うものを見せつけられた。


6.5、日本の何処かで行われた毒人11。元々5.10に予定していたです大会がこの情勢で頓挫し、再調整の末おこなわれた大会は、大会協賛者のみDVDで観戦可能という非常に特殊な開催形式となりました。
結果については触れないことになっています(HUBさんのブログで確認できます)が、試合についてはどの試合も素晴らしくてですね。で、毒人を見に行ったことのある(とはいえ私も2回しか行ってない)人ならなんとなく共有できる気がしますが、どの試合もシングルマッチで、前のいい試合に煽られるかのように、加速度的に後半の試合がさらにさらに熱くなっていってですね。
その“加速”に煽られ、今回個人的には後半2試合をピックアップしてます。
セミファイナルは、GAINAvs三原一晃の緑の巨獣対決。期待通りどころか、期待以上&説明いらずの超肉弾戦。
イメージカラーが“緑”のパワー系ファイターは、お二人の他、入江茂弘、谷口弘晃、野崎広大、ストライカーよりだけど岩崎孝樹、そして女子ですが水森由菜。
いっそ一回思いつく限り全員集めて欲しい。絶対面白い。


メインもまた、凄かった。
経緯にかかる部分についてはこのブログにも記した通り、そして感想もそこで触れてましたのでここではある程度省きますが、しかしまあなんというか、HUBさんの常に更新し続けられるイマジネーションと、おしえがしらの隙のない試合運びに、あっという間の30分弱は、とてもとても面白かったです。会場で見てえ。


有観客興行の個人的再開はじめは、6.14のガンバレ☆プロレス。全5試合ながら、所属、レギュラー、関わりの深いレスラーの揃った、密度の濃い大会になりました。
1発目の藤田ミノルvs桜井鷲がまずもう、とっても爽快で、最高にいいリスタートの試合。







ガンプロの配信大会等ではあまり持ち味が出なかった気がする桜井鷲でしたが、この日は藤田ミノル相手に臆することなく向かっていき、体格を活かした攻撃で存分に力を発揮。




藤田ミノルもまた手練ぶりを見せつけ、最後はグラウンドの展開からギブアップを奪いましたが、思った以上に白熱し、肉薄した印象でした。


あとはもはや個人的には“鉄板”である翔太のシングルマッチ。対戦相手は、朱崇花。








抜群の身体能力を誇る朱崇花の動きを巧みに制する翔太のインサイドワーク。
最終的には“面白い”しか言えなくなる語彙の死ぬ試合。素晴らしかった。


メインのタイトルマッチに関しては、試合後の石井慧介のマイクがとても状況を表していたように思います。
代表だからこの再開のタイミングに挑戦というのは理解できる。それでも「最近の大家さんは、言葉を選ばずに言うと不甲斐ないと思ってたから、挑戦はどうかなと思ってました」。
しかし、蓋を開けてみれば、大家健は執拗に王者に食い下がった。








「大家さんはあと二年半は現役いけます!」
という妙に生々しい刻限を示したインディーJr王者に、まだまだ、諦めていない、諦めの悪い部分を示した大家代表。
ソーシャルディスタンスは維持しつつも、“心の三密”というパワーワードを引っ張り出すあたり、まだまだ、大家健は大家健。


いいガンプロでした。


あとはやっぱり、JUSCOですね。
















まあしばらくJUSCOいけないだろうけど、楽しかったなあJUSCO。

最優秀興行候補》1.4 崖のふち女子 板橋
1.27 まっする1 新木場2.15 藤田プロレス☆スクール 2AWスクエア2.18 BASARA 新木場宴3.26 まっする2 新木場(3.28 チョコプロ1 市ヶ谷)3.29 スク闘2020 スポルティーバ(5.5 チョコプロ11 市ヶ谷)(5.23 チョコプロ16 市ヶ谷)(5.27 チョコプロ17 市ヶ谷)



《最優秀新人候補》薄井鉄央(BASARA)桐原季子(我闘雲舞)new!






特に5月、6月のチョコプロで、おそらく“新人”キャリアのプロレスラーの中で、世界中見渡しても最も試合をしていたであろう選手が、昨年8月、44歳でプロレスラーとして我闘雲舞でデビューを果たした、“おときさん”桐原季子。
チョコプロを見れば、その飛躍的成長ぶりはもう圧倒的に明らか。
チョコプロのウォッチングパーティー内で紺乃美鶴、バリヤンアッキの両選手が、試合と練習の経験値の違いの話をしていて、「全然違う」と。試合をすると強くなることを(かたや元社会人、かたや自国にプロレスの文化が殆どないという立場から)シミジミと語っていたのが印象的でした。
現在45歳という年齢を一つの個性とし、“昭和”を売りにしながら昭和ブームを披露し始めた桐原季子選手。突拍子もない個性に、もともと経験してきた総合格闘技、柔術の下地、そして経験値が相まって、目に見えて明らかなほどメキメキと力をつけています。
この程の急成長ぶりに直接どの程度影響があったかはわかりませんが、なんとなく。近い年代のアントーニオ本多、藤田ミノルという、経験豊かで表現力豊かな二人が近くにいたことも大きかったように思います。
そもそも45歳という年齢で、このスタイル、このコンディションを維持している驚異。
チョコプロの続く限りおそらくはグングン成長を続ける気配を感じる、おときさんに是非ご注目ください。




《最優秀タッグ候補》新井健一郎&藤田ミノル(九州プロレス)Speed of Sounds(フリー)PURPLE HAZE(全日本プロレス)ド腐れヤッホーズ(チョコプロ)メーメーミーミー(チョコプロ)東京失恋学園(チョコプロ)




《最優秀団体候補》崖のふち女子プロレスマッスルチョコプロ
1位はチョコプロ。
確定。




《ベストモーメント》1.19 オレンジタウン 翔太「1.5 東京ドーム、オカダ・カズチカvs内藤哲也戦でオカダ・カズチカがインプラントを繰り出したときの海野レフェリー」3.20 YMZ 板橋 Chair King




《MVP候補》
〜独断と偏見で選ぶ月間MVP〜1月 ディック東郷2月 水森由菜3月 バリヤン・アッキ、さくらえみ4月 ポークたま子5月 藤田ミノル6月 さくらえみ
6月中、やっぱり一番動きがあったのは…というか、面白かったのはチョコプロ。
MIPは先程述べたとおり紺乃美鶴。主人公は、追放の憂き目にあった水森由菜。じゃあMVPは…となると。
この二人をなんだかんだ連破した、さくらさんにせざるをえない。




いつも必ずや、何かしらの予想外に何かを持っている底の見えなさ。そもそも底を自分から見せてるはずなのに。
6.30のチョコプロでも、水森由菜の技を発展させた“武者返し2”を披露し、さらに、1年前に袂を分かった里歩のチョコプロ参戦を発表。
もうね。すごいしか言えない。
結局、この独断と偏見MVPって、“このプロレスラーを追いかけてると、プロレスが面白い”っていう人の名前ばかりがあがる。
というわけで。


上半期が終わりましたが、このコロナ禍でタイトルマッチなどの動きが鈍かったこともあり、この期間ずっと動き続けていたチョコプロが、個人的にはやっぱり印象強いです。
で、上半期MVPを挙げるならば、水森由菜。



普段はアイドルにラジオにドラマにと忙しい上にプロレスをしてるという何この超人というイメージなんですが、その勤勉さがプロレスに完全に向くと、こうなるのかというのをまざまざと見せつけられました。
チョコプロ視聴者のみならず、名古屋とか大阪とか福岡とかのプロレスシーンにも、この状況下で存在が知れ渡ったように思います。
この動きが、またさらに今後広がりを見せる未来がくることを願ってます。

7月の紺乃美鶴

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今から大体、ちゃんと僕がいい感じに文章を書き終えていれば12時間後くらいに、“チョコプロ35”が開催となります。


個人的にはこの試合、7月早々にどこかで組まれることを望んでいた試合。巡り巡ってこのタイミングでの開催となりました。

このタイミング、というのも、もうこのチョコプロも4ヶ月で実に35回を迎え、様々な紆余曲折を経て、悲喜こもごもあった末の、このタイミング。
紆余曲折、悲喜こもごもについて…7月は特に、紺乃美鶴という一人のプロレスラーにとって、もしかしたら大きな転機になったように思えることは、おそらくはチョコプロ視聴者の多くの方に同意いただけるものと思います。

5月末。Best Bros.との激戦の末破れ、市ヶ谷中に毒を撒き散らし続けたド腐れヤッホーズの怨嗟を劈くように、怒号とテンションのままに押し入って啖呵を切った紺乃美鶴は、6月に入って何やらどうもこれまでとは違うように傍からは映る戦いぶりを見せていまして、個人的には先月の“MIP”として挙げたくなるくらいでした。
で、6月28日。翌々日に水森由菜とのラストウーマンスタンディングという大一番を控えるさくらえみを、鬼のような形相で蹴り飛ばし続けた紺乃美鶴。
この頃からもう明らかに何かしらの“タガ”が外れていたように見えましたが…しかし、チョコプロにおいてはまだこの段階では、リングの中心にいる、という状態ではなかったように思います。
7月5日の“AEWスーパースター”里歩の市ヶ谷凱旋試合。そこに、紺乃美鶴の名前はありませんでした。
https://twitter.com/Mitsuru_gtmv/status/1279131135537111040?s=19

その言葉をツイッター上に書き残した紺乃美鶴は、文末にビールを入れ、この出来事のことについてはその後…それ以上はなんとなく触れていないような気がしてします。


一度はこうして“本筋”から離れたようにも見えた紺乃美鶴はしかし、その後触るもの皆傷つけるようなギラギラをさらに鋭く尖らせると、7.16チョコプロ32では“ペンシルアーミー”エミ ペンシル&ルル ペンシルを撃破。しかも(腰の)手負いとはいえ、エミペンシル…さくらえみから直接フォールを奪っての勝利となり、紺乃美鶴は、カメラの前でテンションのままに、言い放ちました。
「メイ。私はお前が気に食わない。かかってこいよ。」


…その後、凄まじい怒気とともに紡いだ言葉は、触るもの皆傷つけるどころかザクザクと突き刺し、あるいは突き放し、放り投げる類の怨嗟。
このままでは方向性を見失いかねないと見かねたのか、急遽、さくらえみ&紺乃美鶴という形で行われたインタビュー“チョコトーク”内で、一体どのような気持ち、どのような意図の元で、その怒号が放たれたのかを…ある意味では“釈明”するような時間がとられることとなりました。
美鶴さんとしては、新人も皆も上見て皆でもっと頑張ろうぜ的な意図だったことが顕になったところで、もう一つの疑問“何故、駿河メイなのか?”についてを明らかにしていく中で。
「美鶴も、その(チョコプロの駿河メイの座っている)イスに座りたかった」
…親知らずの治療に伴いチョコプロから離れる中、チョコプロレギュラーとして日々発信を続ける駿河メイへの、ある種の羨望と、「抜かれたな」という気持ちの入り混じった複雑な感情を、涙を零しながら、顕にすることとなりました。


※そして「言葉も持ってる。気持ちもある。なのに、自分の気持ちを表現するのが、下手すぎる。」と、さくらさんに割と本気度高いダメ出しを食らうことに。


そんな紺乃美鶴が迎えた駿河メイとの一戦は、実に素晴らしい。素晴らしい試合でした。


そして素晴らしい試合の末に新技・ドラゴラムスリーパー…さくらさんに習って大事に使おうと考えていた、変形のドラゴンスリーパー…を決め、勝利した紺乃美鶴は試合後、
「正直、楽しかったかと言われれば、よくわからない」
かねてから“プロレスを楽しめていない”ことにコンプレックスを感じていた紺乃美鶴。それを見つけるために挑んだ駿河メイとのシングルマッチでも、明確に“楽しい”という気持ちを、プロレスを通じて手にすることはどうやらなかったようでした。ただ。
「メイちゃんと戦って本当によかった。ホラ。手、痛いなと思ってみたら、(セカイバレーの勢いが強すぎて)血が出てるの。」
自分の手がこんなに痛いのだから、やられた駿河メイはもっと痛い。でも、「楽しかった」と言ってのける後輩に感謝を述べながら、あまりにも清々しい表現を浮かべ、ジャンケンでも一蹴。この日のジャンケン、“誰が何を出すのか全部わかった”というほどに何らかのゾーンに入り込んで優勝した紺乃美鶴に、さくらさんは「いい顔してんね」と一言。“これが最終回でもいい”と思わず言ってしまうほどに、紺乃美鶴が明らかに何かを掴んだ瞬間を、視聴者は目にすることになりました。


そんな紺乃美鶴に告げられた次の対戦相手は、“チョコプロシーズン1MVP”水森由菜。
しかし奇妙なゾーンに突入してテンションがアレだった美鶴さんは「話し合いで解決する」という、ちょっとあまりにも斬新な選択肢を提示し……言葉を選ばなければ、また、道を踏み誤ります。
3回に渡って行われた“話し合い”では、お互いの意図がすれ違ったまま方向性を見失い、ある意味では決裂。事態の収集にあたったのは…二人の、“プロレスカウンセラー”でした。


紺乃美鶴には、バリヤンアッキ。水森由菜には、藤田ミノル。


藤田プロレススクールYouTube - YouTube
※カウンセリングの模様はきっと後日アップされます。チャンネル登録してね。

二人は“カウンセリング”を通じ、それぞれがそれぞれに、何かを気付かされることとなりました。
それが“何”というのは本人の感覚と、傍から見ている側ではたぶんズレてしまう気がしまいますが…紺乃美鶴はおそらくは今回のすれ違いの原因と“どうするべきか”を、水森由菜は、自身が“ドM”…追い込まれれば追いこまれるほど力を発揮し、また、できることをできる限りやって“しまう”こと…あたりでしょうか。
とにかく。
バリヤンアッキと藤田ミノルという二人のカウンセラーの助力により、おそらくはそれぞれがそれぞれに十全な力を発揮できる状態で、7.24 チョコプロ34を迎えることとなりました。



時間無制限で行われた完全決着戦、パワーと、この3ヶ月あまりのアレコレもあって培われた水森由菜のフィールド(凶器含む)を利用する巧みな戦いに追い込まれながら、粘り強く逆転してみせた紺乃美鶴がドラゴラムスリーパーで撃破。
これまた素晴らしい試合(個人的に我闘雲舞でこの二人が一番手が合ってる気がする)で、二人は心を通わせたように、ハグをかわしました。
…までは良かったのですが…
この日は藤田プロレス☆スクール(というか藤田ミノル)が裏実況を行っていたのですが、藤田選手も言及していましたが、どこか、ちょっと言葉のやり取りにはズレを感じる部分が残ったような…


さて。
さくらえみ、駿河メイ、水森由菜。
この三人を連破し、いよいよここで相対することになったのが、バリヤンアッキです。
アッキは鈴木みのる選手、田中将斗選手など、強大なゲスト選手を迎え撃つときは先頭に立ちますが、やっぱり立ち回りとしてはとてもカウンセラー的というか。
紺乃美鶴とのやり取りはとてもテンポがよくて、二人の関係性の良さが全体的によく現れているような。
というか、美鶴さんがとても感覚的に発する言葉を、アッキはとても的確に、論理的に整理して理解することができてるような気がします。
言葉の使い方とか思考性が感覚的か論理的かについては、かなり違っているようには思いますが、たぶん、感覚(嗅覚)が近い…のかな。
しかし一方で、このチョコプロの中では一番強い存在、“チョコプロのエース”を、こだわりを持って自称しています。
なので、この次々連勝を重ね、何かを掴みつつある紺乃美鶴を、このまま思い通りに行かせるわけにはいかない。
と、いうか。
たぶん、性格とか感性の話はともかくとして、プロレスへの向き合い方は、二人は全く異なっていることが、明日の試合でどう働くかがとても気になっています。


対戦を前日に控え、二人は互いの試合へ臨む心情を語りました。
紺乃美鶴が望むのは“完全勝利”。
“プロレスの楽しさ”へのコンプレックスを抱えながら、何かを掴みつつある今、「アッキに勝てれば、美味しいビールが飲める気がする」という…ここでもまたそういう“嗅覚”を発揮し、さらに、勝った先、“美味しいビール”を飲める感覚を手にした先には、もっともっと、プロレスへの“欲”を見出す未来を描いている。

一方で、“終わって欲しくない試合”の経験を語り、ファンとの相互性と、試合における一回一回の創造性に、プロレスが好きで、プロレスの虜となった過程を語ったバリヤンアッキ。
紺乃美鶴が“美味しいビールを飲める”条件を、“反省のない、後悔のない満足いく試合ができること”と、対話を通じて整理した上で、“その感覚を美鶴に持たせた上で、自身が勝利すること”を、自身のエースとしての使命を語りました。…また、同時に、自分からの勝利をきっかけには、美鶴さんのプロレスに対する“欲”を出させることは、「絶対にさせない」。
プロレスへの向き合い方は「(楽しくないという人に)会ったことない」とアッキがいうほどにはかけ離れている二人。
いつも作ってる雑サムネイルですが、二人のこの試合への気持ちの違いが、たぶん、この表情くらいは違うんじゃないかなと思って写真を見繕いました。
ただ一方で、違うからこそアッキは「楽しみ」と語っているように、
この試合が互いに何かのターニングポイントになるように感じているようです。


…ターニングポイントになるように感じている一方で、この一点に触れられていないことだけが個人的には気になりました。
それはやはり、7月5日。
おそらくあったであろう“なんで”という感情の答え。
紺乃美鶴は“そこのインド人”をどかして、里歩と相対したいという気持ちを顕にしていました。
バリヤンアッキは、“そこのインド人”と呼ばれていたことを「覚えている」といつぞやのウォッチングパーティーで語り、また、紺乃美鶴のその(悔しい)気持ちが、自身に向くことを「楽しみにしてる」とも語っていました。
…二人が、たぶん、この気持ちを忘れてるなんてことは、絶対にない。


7月あともうひと大会くらいありそうですが、なんとなく、展開的にはこの7月のチョコレートプロレス総決算。
500人視聴を目指しているとのことで、僕の感想文が一助になる気はあまりしていませんが、ただ、個人的にとても、とても。
二人の感情の行方を、楽しみにしている試合です。
お時間ございます方、是非ご視聴下さい。




観戦メモ2020:7月

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7月終了。
19興行。
………あれ?

あまり細かいことは考えず観に行きたいものを観に行きたいときに観に行った結果、あんまり平時と変わらない観戦数に。
個人的には今年土日の出勤が大幅に減ったので日程の融通が効きやすくなったという事情もあります。
が、何より、世界がもうなんというか体力的に、“止まれない”状況にあるような気もしていて。
たぶんいつかは、例えどんな対策を講じても、どこかの段階かでは十二分に起こり得ることなので、どうかどこで何が起こったとしても、責めたり蔑んだりはしない心持ちで。
…というかまあ、自分からしてどこでどうなったものかわからないですからね。東京で生きている以上。
そうこうしているうちに9月に土日7出勤決まってうんざりしてる。




《最優秀試合候補》
1.3 DDT 後楽園 田中将斗vsクリス・ブルックス
1.4 東京女子 後楽園 中島翔子vsハイパーミサヲ
1.4 崖のふち女子 板橋 松本都vsクリス・ブルックス
1.13 DDT 住之江 竹下幸之介&勝俣瞬馬&飯野雄貴vsアントーニオ本多&平田一喜&くいしんぼう仮面
1.13 ガン仁田 住之江 渡瀬瑞基&ミス・モンゴルvsアルティメット・スパイダーJr&青木いつ希
1.22 BASARA 新宿 FUMA&久保佑允vsバナナ千賀&ツトム・オースギ
1.25 我闘雲舞 市ヶ谷 アントーニオ本多vs駿河メイ
1.26 九州プロレス 北九州 入江茂弘vs野崎広大
2.2 ガンプロ 王子 翔太vs旭志織
2.9 我闘雲舞 王子 SAKI&水森由菜&紺乃美鶴vs高梨将弘&新納刃&趙雲子龍
2.10 FREEDOMS 後楽園 杉浦透vs宮本裕向
2.11 東京女子 北沢 辰巳リカ&渡辺未詩&鈴芽vs伊藤麻希&らく&原宿ぽむ
2.15 藤田プロレス☆スクール 2AWスクエア 翔太vs本田アユム
2.16 東京女子 蕨 天満のどか&のどかおねえさんvsのどかおねえさん&のどかおねえさん
2.17 JSTAGE 新木場 ディック東郷vs藤田峰雄
2.17 JSTAGE 新木場 近野剣心&吉田綾斗&中津良太vs野村卓矢&阿部史典&佐山駿介
2.18 BASARA 新木場 阿部史典vs下村大樹
2.18 BASARA 新木場 バナナ千賀&ツトム・オースギvs木高イサミ&関根龍一
2.18 BASARA 新木場 高梨将弘vs藤田ミノル
3.7 仙女 奈良 DASH・チサコvsKAORU
3.7 仙女 奈良 橋本千紘&優宇vs里村明衣子&駿河メイ
3.8 仙女 新宿 橋本千紘vs朱里
3.20 我闘雲舞 板橋 クリス・ブルックスvsバリヤン・アッキ
3.20 我闘雲舞 板橋 高梨将弘&藤田ミノルvsTAMURA&趙雲子龍
3.21 東京女子 板橋 坂崎ユカ&瑞希&乃蒼ヒカリvs中島翔子&愛野ユキ&舞海魅星
3.21 ガンプロ 板橋 今成夢人&バリヤン・アッキvsマイク・ベイリー&冨永真一郎
3.21 ガンプロ 板橋 春見沢萌彦&勝崎周之助&桜井鷲vs坂口征夫&樋口和貞&赤井沙希
3.21 ガンプロ 板橋 石井慧介vs岩崎孝樹
3.29 スク闘2020 スポルティーバ ロッキー川村vsジ・インテリジェンス・センセーショナル・グランド・パッションマスク4号
4.5 琉ドラ 南風原 藤田ミノルvs初代・ポークたま子
(4.?? チョコプロ 市ヶ谷 紺乃美鶴vs水森由菜)
(4.?? チョコプロ 市ヶ谷 田中将斗vsバリヤン・アッキ)
(5.5 チョコプロ 市ヶ谷 藤田ミノルvs水森由菜)
(5.17 チョコプロ 市ヶ谷 藤田ミノルvs駿河メイ)
(5.27 チョコプロ 市ヶ谷 水森由菜vs駿河メイ)
(5.30 チョコプロ 市ヶ谷 駿河メイ&バリヤン・アッキvs水森由菜&藤田ミノル)
(6.5 毒人 某所 GAINAvs三原一晃)
(6.5 毒人 某所 HUBvs藤田ミノル)
6.14 ガンプロ 板橋 藤田ミノルvs桜井鷲
6.14 ガンプロ 板橋 朱崇花vs翔太
6.14 ガンプロ 板橋 石井慧介vs大家健
6.21 DDT 鶴見青果 HARASHIMA&平田一喜vs竹下幸之助&勝俣瞬馬vs高木三四郎&中村圭吾
(6.28 チョコプロ 市ヶ谷 さくらえみvs紺乃美鶴)
(6.30 チョコプロ 市ヶ谷 さくらえみvs水森由菜)7.4 東京女子 両国KFC 愛野ユキvs上福ゆき7.5 ZERO1 新木場 大谷晋二郎vs今成夢人7.5 JSTAGE 王子 佐藤光留&佐山駿介vs阿部史典&野村卓矢7.13 SEAdLINNNG 後楽園 中島安里紗vs世志琥(7.19 チョコプロ 市ヶ谷 紺乃美鶴vs駿河メイ)7.23 DDT 後楽園 坂口征夫&樋口和貞&赤井沙希vsHARASHIMA&アントーニオ本多&里歩7.23 DDT 後楽園 遠藤哲哉vs上野勇希(7.24 チョコプロ 市ヶ谷 紺乃美鶴vs水森由菜)7.26 ガンプロ 板橋 石井慧介vs新納刃


今月まずもってお気に入りだった試合は、東京女子プロレス両国KFCホール大会での、愛野ユキvs上福ゆきによるプリンセスオブプリンセス王座挑戦者決定戦。










「やれることは何でもやりたい」と語った愛野ユキと、「言いたいことをユキちゃんが言ってくれた」という上福ゆきの二人からは、なんと表現していいかわかりませんが、坂崎ユカや山下実優や中島翔子や辰巳リカや…もちろん他にもいらっしゃいますが、そうしたいわば先輩キャリアの選手たちの持つ“強さ”に向き合う覚悟を感じたというか。
別に先に挙げた選手たちは、先輩だから強いわけじゃなくて。強くなったから、強くなる道を見出したから強いわけで…そうした強さ、強くなる道と向き合う覚悟。的な何か。
とりわけ上福ゆきが試合中に繰り出した技巧とあの手やこの手、長身を生かしに生かした動きの数々についてはもはや、彼女にしかできないとさえ思えるものもあって、とにかく素晴らしかった。そしてその上福ゆきとの凌ぎ合いを制しきった愛野ユキの頑健さと爆発力と。








今のところ個人的には2020年の東京女子ベストバウトで、他の試合と比べても、挙げたくなる試合の一つ。


ZERO1天下一Jrのこの試合については、とにかく結果に驚かされた一戦。








ガンプロでも行われた一騎打ちの再戦は、20分間ただただひたすらに“気持ち”をぶつけ合った末に延長戦の2カウントルールとなり、今成夢人が大谷晋二郎を下してのまさかの勝ち上がり。動揺しすぎて次の試合の写真がまともに撮れなかったという。


後楽園大会以来となるJSTAGEには、佐藤光留が初参戦。そして対戦相手がアストロノーツとあれば、もう、その磁場はただただひたすらにクレイジーに、バチバチに。






王子の地下に広がる、敵、味方関係なく張り飛ばし合う狂気の空間。最高でしたね。


SEAdLINNNGのメインは中島安里紗と世志琥による王座戦。前回シングルマッチで30分時間切れドローとなった両者の一戦は、この日も25分を超える激闘の末、世志琥が王座奪取に成功。















前回も凄かったけど、今回も凄かった。恐ろしいまでのタフファイト。途中、世志琥が繰り出したスワンダイブジャーマンに感動しきりでした。


6.30にさくらえみvs水森由菜によるラストウーマンスタンディングという、ある意味“ビッグマッチ”を終えたチョコプロ。
そこから7月は落ち着くのかと思いきや、いきなり放り込まれた、いわば“爆弾”が、“RIHO HomeComing”。

[7.23後楽園:1年で“世界の”と冠するほかない存在に。]
これまでの血のにじむような感情の吐露や、後先考えない激闘によって集めた注目を…実に残酷に、凌駕する視聴者を集めたこの凱旋。
直接関係あるわけではありませんが、ただ、この興行がなんとなく、一つのトリガーだったように思えて仕方ありません。
7月に入っても“シーズン1MVP”水森由菜のある種の“ド腐れ”具合は衰えることはあまりありませんでしたが、そうした感情の伝播なのか、或いは先に上げた興行か、或いはこれまでの蓄積なのか。
溢れる感情を爆発させて、チョコプロの中心に立ったのは、“気迫の一翼”紺乃美鶴でした。


チョコプロで起こるアレコレについて頭を巡らすと妙に文字が増えてしまうので、試合について。
「メイ、私はお前が気に食わない。かかってこい。」
そう唐突に、後輩である駿河メイに噛み付いた紺乃美鶴の意図するところは、その後さくらえみ代表を相手とした「チョコトーーク」で、涙とともに明らかとなります。
「美鶴も、その(チョコプロの、駿河メイの)席に座りたかった」
チョコプロのコアメンバーとして前面にで続ける、駿河メイへの羨望と、焦燥。
怒りとは異なる、整理された感情を以て臨んだ試合で、選手・紺乃美鶴はこれまでとは明らかに、何かが著しく違う在り方を示したように思いました。
あと個人的には、これまで美鶴さんが磨いてきた脱出不能系サブミッションが、試合の中でちゃんと決まり手となるかたちで展開されたことに、とてもとても感嘆致しました。


さて、そんな引き金となったかどうかは定かではありませんが、“世界の”里歩は、DDTプロレスにも登場。
“マイルウォーカーズ”パートナー・アントーニオ本多とともに、自身のフィニッシャーの授け親であるHARASHIMAとのタッグとなりました。






…HARASHIMAさん、ちょうど里歩さんの2倍の年齢ですね。驚異。















Eruptionの赤井沙希選手とは、おそらくはプロレスキャノンボール2014以来の遭遇。なつい。
この試合をわざわざ挙げたのは、もちろん好きな選手が揃っているからでもありますが、それ以上に、普段組んでいるEruptionに相対した3人が、そうタッグを組む機会があるわけではないのに見せたタッグの呼吸。
改めてその凄みに驚かされた上で、最後は“天敵”アントーニオ本多を相手に坂口征夫が鮮やかに決めるという、なんといいますか…ずっとテンポよく楽しく見れた試合でしたね。


この日のメインはKO-D王座戦。



















…二人にその意図があったかは、わかりません。わかりませんが、二人の戦いからはとても、とても、“ゴールデン☆ラヴァーズ”を感じました。
試合後に遠藤哲哉は恩人でもあるケニー・オメガの名前を希望する挑戦者として挙げました。
ケニー・オメガは“そのベルトは俺にとっては今までとった他のベルト同様の勲章の一つに過ぎない。それは、お前(おそらく、もう一人竹下幸之介)がそうしたんだ。(雰囲気訳)”と、DDTの未来を託した遠藤哲哉に、ある意味辛辣に…そして、しっかりと向き合い、反応を示しました。
さて、この言葉が転ぶ先は果たして、どの段階の未来になるか。そんな楽しみが増えた試合。


そして話題は再びチョコプロ。



個人的には、紺乃美鶴vs水森由菜って、何故かはわからないけれど妙に“手が合う”気がしていて。チョコプロ初期に行われた二人のシングルが実はとても好き。
駿河メイ戦で明らかに何かを掴んだ紺乃美鶴は、水森由菜を「こっち側」と、自分に近い人類と判断し、シングルマッチまでの期間にまさかの“話し合い”を敢行。結果…話は拗れに拗れることとなりました。
この駿河メイ戦→水森由菜戦→バリヤンアッキ戦という変遷、心情の移り変わり的な部分についてとても語りどころのある試合でしたが、もはや文字数が間に合わない。
試合について言えば、シーズン1MVP・水森由菜が空間や障害物を利活用するその機転と切り替えの早さにまず驚かされました。チョコプロで重ねた経験は、確実にレスラーを強くしてる。(そして妙にハードコアファイターとしての素養が身についている)
一方の紺乃美鶴については、…やっぱり驚かされました。
個人的には美鶴さんのベストバウトは昨年7月の里歩卒業興行での志田光戦だと思っていて、それは、試合で積み重ねた激情が臨界点を越え(記憶をなくすほどに)“キレた”紺乃美鶴があまりに恐ろしかったから。


[2019.7:表情に宿る激情]
それから1年を経て、そしてこのチョコプロでの短期間の紆余曲折で。紺乃美鶴というプロレスラーはもう、激情に身を任せなくても、素晴らしい試合ができるプロレスラーになっていました。
素晴らしかった。


そして最後はガンプロから。



















7.12板橋大会で石井慧介の非情な攻撃を浴びながら、最後は“裏ランヒェイ”で押さえ込んで見せた新納刃。
でもたぶん、結構疑問が残ったところがあって。それは、“新納刃がこんなにやられる訳がない”。
割と刃さんの試合見てますけれど、当たりが物凄いハードな戦いをする刃さんが、言葉を選ばなければ“こんなに弱いはずがない”という心持ちで見てました。
そして蓋を開ければ王座戦、まあ、やっぱりその戦いは術中だったんじゃなかろうかと思い知らされることとなりました。
久々のガンプロからのベルト“流出”となり、刃さんが封印を示唆したことでインディー界隈で少し色めき始めたベルト戦線。
ただ、前王者・石井慧介が強い、異様に強い王者で素晴らしい王座戦を続けてきたことは、やっぱり改めて申し上げておきたいところです。
だからこそ、ベルトというある種の“枷”が外れた石井慧介が何を見せるのか、そして同時に、インディーJr王座をめぐる思惑の決着点がどこにあるのか、大変楽しみなところでもあります。













《最優秀興行候補》1.4 崖のふち女子 板橋
1.27 まっする1 新木場2.15 藤田プロレス☆スクール 2AWスクエア2.18 BASARA 新木場宴3.26 まっする2 新木場(3.28 チョコプロ1 市ヶ谷)3.29 スク闘2020 スポルティーバ(5.5 チョコプロ11 市ヶ谷)(5.23 チョコプロ16 市ヶ谷)(5.27 チョコプロ17 市ヶ谷)(7.19 チョコプロ33 市ヶ谷)(7.26 チョコプロ35 市ヶ谷)


ビックリするほど並ぶチョコプロチョコプロ&チョコプロ。
“紺乃美鶴が何かを手に入れた”チョコプロ33は、たぶん断続的に訪れる一つの“最終回”の形だと思いました。
そして興行的には、バリヤンアッキとのサブミッションマッチに臨んだチョコプロ35が…なんというか、とても爽やかで。とても心に残る大会でしたね。




《最優秀新人候補》薄井鉄央(BASARA)桐原季子(我闘雲舞)


《最優秀タッグ候補》新井健一郎&藤田ミノル(九州プロレス)Speed of Sounds(フリー)PURPLE HAZE(全日本プロレス)ド腐れヤッホーズ(チョコプロ)メーメーミーミー(チョコプロ)東京失恋学園(チョコプロ)


《最優秀団体候補》崖のふち女子プロレスマッスルチョコプロ
1位はチョコプロ。
確定。


《ベストモーメント》1.19 オレンジタウン 翔太「1.5 東京ドーム、オカダ・カズチカvs内藤哲也戦でオカダ・カズチカがインプラントを繰り出したときの海野レフェリー」3.20 YMZ 板橋 Chair King7.26 ガンプロ 板橋 まなせゆうな「私をガンプロの家族にしてください」








《MVP候補》
〜独断と偏見で選ぶ月間MVP〜1月 ディック東郷2月 水森由菜3月 バリヤン・アッキ、さくらえみ4月 ポークたま子5月 藤田ミノル6月 さくらえみ7月 坂崎ユカ、紺乃美鶴


独断と偏見だから相変わらず偏りが凄い。
兎にも角にも名前を挙げない訳にいかない気がした二人。
唐突に思えるかもしれない坂崎ユカについては…とにかく、新技・ニワトリ野郎のインパクト。












プロレスラーにはハイフライヤーという…まあ、ジャンルと言えなくもない区分があって、それはレスラーとしての序列とはまた別に、序列があり、競い合われている、と勝手に思ってますが…
これまで女子の最難度技って450°スプラッシュ(主な使い手:さくらえみ、ジリアン・ホール、クリス・スタットランダー)だと思ってました。僕が知らないだけかもしれないけれど。
しかしそれを凌ぐ技であるまさかまさかのスワンダイブの450°スプラッシュ。(主な使い手:AJスタイルズ、遠藤哲哉、バリヤンアッキ ※私見による偏り)
やっぱり僕が知らないだけで他にも使い手がいるのかもしれませんが…
おそらくはこの技で、“最難度”を更新して、このハイフライヤーとしての分野でトップに(少なくともトップグループに)躍り出た。
そこはやはり、特筆する必要があります。


美鶴さんについては、もはや前述の通り。




チョコプロシーズン2MVP。もっと言えることはなるけれど、文字数が足りない。


影道

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金髪。長髪。オールバック。たくわえられた口髭。分厚い肉体。鋭く重く、躊躇のない蹴り。
しかし目元はどこか優しく、響く声には落ち着きがあり、安心感があり、大変真摯で真面目。…少なくとも、傍からはそう見える。
そのギャップが豊橋。




ダイワエンターテインメントプロレス(DEP)でのデビューから11年。現在も名古屋でチームでらの一員として活躍する影山道雄選手が、8月9日、自身の“10周年記念ツアー”のラストとして、露橋スポーツセンター大会を迎えます。


最初に影山選手を知ったのはいつ頃だろう。2009年くらいだとまだプロレス会場に足を伸ばしていませんでしたが、DDTが気になりだして週プロモバイルで試合結果を頻りに確認していた時期だったので、もしかしたら若手通信の試合結果とかかもしれないし、サムライTV「インディーのお仕事」かもしれないし、はたまたマッスルのDVD企画「プロレスキャノンボール2009」で男色ディーノ選手がDEPに道場破りに行っていたので、そこで名前を見たのかもしれません。
名前を認識はしていてもしかし、やっぱりあまりまだ会場まで足を運ぶことの少なかった私が、“影山道雄”という名前をバッチリ記憶したのは…何故か、仕事上での出来事でした。


私は仕事は事務職なのですが、何故か(主に土日に)イベント事の運営をすることが多く、2014年だったか2015年だったか、関東地方に豪雪の降る中でその日も元気に(死にそうな目で)、イベント開催に従事しておりました。
そして何故かその日に限っては懇親会もイベント事に設定されており、お酒を全く飲めもしない下戸の私は、雪の中翌日朝早く出勤しなきゃいけないこともあり、早く終われ早く終われと願いながら、残念ながら願いは叶わず、何故か二次会まで連行されることになりました。
仕事の飲み会、しかも主催者側なので、お酒は入っていなくても、お酒の入った陽気な方々とお話はする必要ございます。ただ、私そのテンション2時間しか保たないので、二次会とあってはもう、ほぼほぼ電池切れ。しかし何とか(静電気程度の)エネルギーを振り絞って、陽気な方々とお話をする中、1次会を抜けて2次会までの間に“エーブリエータス(矢野通選手のお店)に行ってきた”という、中々チャレンジャブルな方と同席しました。
同僚がその方に私がプロレス好きであることを伝えると、その方…理学療法士の方でしたが…は、嬉々として様々な写真を見せて下さいました。
見せて下さったのは(おそらくプライベートでの)様々なアスリートとの交流。当時福岡ソフトバンクホークスに在籍していた某投手や、某内野手、自身の結婚式に頂いたという某超有名プロレスラーからのメッセージ、そして直前に行ってきたエーブリエータスでの矢野通選手との2ショット。
野球にもプロレスにもちょっとだけ明るい私が色々と話を拾うことが調子を上向かせたのか何なのかはあれですが、その方は、「実は空手の後輩に、プロレスラーがおるんよ。知らんと思うけど。」と仰って。
“へー凄いですね。なんて選手なんですか?”
「いやー知ってるかな…“影山道雄”っていうんだけど」
無駄に知識だけあった私は、あ、インディーのお仕事で知った名前だ、と思い、
“あー名古屋のプロレスラーですよね影山道雄。蹴りとか得意で、最近東京(ガッツワールドとかHEAT-UPとか)でも試合してる。でも今怪我で確か入院(たぶん)されてますよね?”
「…!?知っとんの!?凄いぞ道雄!!東京にもお前のファンおるぞ!?」
と、大変気をよくされたその“先輩”は、夜も深まった23時。
おそらくは病床にいるであろう影山道雄選手の携帯電話に(病院職員なのに)直電するという暴挙を働き、(名前を知ってるくらいなのにファンと言われてどうしよう)という私の不安渦巻く中、無事、影山道雄選手が携帯電話をとらず(入院中だったら余裕で消灯時間)に安堵するのでした。
その“先輩”の方は仕事で一回お会いしただけなのでその後の交流は一切ありません。
ただ、“影山道雄”という選手の名前がガッチリ脳に刻み込まれることとなりました。


実際、影山道雄選手の試合を目にするようになったのはここ最近で。
個人的には2018年頃から目にすることになりましたが、
明確にちゃんと試合ぶりやらなんやらを知ることになったのは、昨年6月のロリマンプロレスでした。
「藤田ミノル選手のマットプロレス珍しいから、行ってみませんか?周年興行だからガッツリ戦いそうですし。」
という提案を頂き、平日、名古屋、マット(Bar)という中々のハードルの高さでしたが、ちょうどその日を代休にしていた私は、その主催者が影山道雄選手であることを見て、前述の引っかかりから、即断。平日名古屋日帰りを決行しましたが…行ってよかった。












冒頭で並べた言葉は、その時初めてしっかりと見て、その後、石井慧介とのインディーJr戦や、今年3月に決行された「スクールオブ闘争」やツイキャスでのなぞなぞ配信等々で見ることになる、影山道雄選手の個人的印象。


大変個性の強い名古屋の先輩たちに囲まれ、名古屋(愛知)の一部プロレスファンからは“名古屋の良心”とも、親しみを込めて“みっちゃん”とも呼ばれる影山道雄選手。
自身の周年興行にシングルマッチとして迎えるは、ZERO1所属、日本人初ECWヘビー級王者にして、前KO-D無差別級王者・田中将斗選手。
対戦相手が絞り出す全力、全開、それ以上の力を、さらなる全力で上回る弾丸戦士。


昨今のこの情勢下で、とりわけ愛知県においては大会直前に緊急事態宣言も発令となり主催者として悩ましい心情や、難しい判断を…ある意味では、“強いられる”状況にあろうことと思います。
(個人的には行こうかなという心持ちもありましたが、自分ルールで首都圏外への移動を縛ってるので断念。無念。)
それでも、世界を止めずに動き続けようとするその決断を支持したい。とにかく支持したい。


影山道雄選手の10年記念県内ツアー最終戦、無事の成功を心よりご祈念申し上げます。




超人考

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明日(日付的には本日)8月17日、3月末から始まったチョコレートプロレスにおいて、“さくらえみ25周年興行”が開催されます。
で。
その翌日の8月18日。
八月十八日の政変やら豊臣秀吉の死没日やら清原和博の誕生日やら米の日やら…重なっているこの日。
私、34歳の誕生日を迎えます。
誕生日周りは私、“書きたいことを好き勝手書く日”に(ここ数年は)決めてるのですが…
こと今年に関しては、とてもとても書くのが難しいことに手を出そう…というか、出さざるを得ない、みたいな感じになってます。
何について書こうかと言えば。
“アフター”…というか、“with”という感染症時代のプロレスを(おそらくは思いつきで)切り開き、この程デビュー25周年を迎える。
さくらえみという人物について。


さくらえみ(以下さくらさん)は日本のプロレスラー。
千葉県は君津市出身のさくらさんは、本名の“元川恵美”で1995年8月17日、IWA JAPANでプロレスデビュー。“カルトヒロイン”という仇名で親しまれ(?)ますが、その後紆余曲折の末FMWに移籍。首の怪我による欠場、FMWの消滅に伴い、“アクション体操”教室を開講すると、その後教室生を中心に我闘姑娘を旗揚げ。しかし紆余曲折の末に我闘姑娘を退団すると、その後はアイスリボンを旗揚げ。団体を定期的に後楽園ホール大会を開催する規模に育て上げますが、2011年末、サムライTVでの生放送中に突如としてアイスリボン退団を発表。翌年タイに渡ると、現地で“バンコク女子プロレス”構想を練り、やっぱり紆余曲折の末に我闘雲舞を旗揚げ。旗揚げから8年くらい、その間に様々な選手との出会いと別れを繰り返しながらも団体を継続し、2017年には複数年交際関係にあった男性と紆余曲折の末…破局。そしてそれを大会中に公表するとともに、“誰でも女子プロレス(以下ダレジョ)”構想を展開、実行。2019年7月、8歳のデビューからともに過ごした“最高傑作”・里歩が退団。直後8月、ダレジョから一挙6人同時デビュー興行を開催。2020年3月末、予定されていた今後の大会の中止を発表、と同時に新たな団体として“チョコレートプロレス(以下チョコプロ)”旗揚げを発表。旗揚げ戦でいきなり鈴木みのるvsバリヤン・アッキというとんでもカードを放り込み…その後興行を重ねること実に40大会。本日に至ります。
…“紆余曲折”という言葉で大幅に端折りましたが、その時その時の出来事についてもとりわけ濃いものが多く、また私個人的にそんなにさくらさんに詳しいわけでもないのでこんな感じにしました。が。なんだこのプロレス人生。略歴にしたってすでに波乱万丈が過ぎる。


8.17 25周年記念大会。そもそも自身の記念大会とかを徹底してやりたがらないさくらさんがチョコプロという新たなプラットフォームを得て、この大会をやろうと決めたことも大変興味深いところですが、そのこともここではさておいて。
記念大会に向けて敢行されたのは、自身と大変関わりの深い、選手・関係者とのインタビュー企画「チョコトーーク」でした。
チョコプロ3に登場する予定ながら、さくらさんのギックリ腰に伴いチョコプロ37に(4ヶ月を経て)登場した真琴選手、さくらさんの我闘姑娘時代をともにした“プロレス少女”…引退され、ご結婚され、さくらさんと“クイーン友達”となった希月あおいさん、JWP所属ながら初期我闘雲舞のエースとして活躍し、“ハートウォーミング系リフォーム”で同じユニットの仲間としても活動をともにした、現PURE-J所属・中森華子選手、そして時に代表として向かい合い、時にスタッフとして従順に働き、かつては結婚騒動まで起こし、さくらアワードでは“数少ない友人”として表彰されたこともある、東京女子プロレス代表・甲田哲也さん。
…もしかしたら当日までにさらなる追加があるかもしれませんが、この稿を起こしている8月14日現在では、とりあえずこの4人。
(その後、さらに高橋奈七永、帯広さやか、高梨将弘と続く。全部面白いので全部観るのがオススメですが、ボリュームあるのでアレかもしれない。)
それぞれがそれぞれに活躍の場を移し、ともすれば現在さくらさんとのリング上での接点は乏しいわけですが、にも関わらず、それぞれから展開される話はあまりに濃厚で、あまりに、面白い。予定していた時間を余裕でオーバーして、およそ3時間くらい話が止まないほどに。
それぞれがそれぞれに少しずつ接点をもちつつ、語られる話はほぼほぼ全て異なるエピソード。
さくらさんをテーマにするのは、個人的には大変難しい。もう、とんでもなく難しい。
難しいと思うには理由がありまして。
基本的にボクが書く感想文は、対象者の“語り”に寄り添います。
が。さくらさんは、語りが、多い。多すぎる。
“語り”は“言葉”。その印象的な言葉がどのような背景から導かれたのかを想像するわけですが…その印象的な言葉があまりにも多すぎる。そしてなおかつ。出来事があまりにも膨大すぎて、一貫性が掴みきれない。捉えどころが見つからない。
だから、もう、無理矢理にでも切り口を見つけて、その方向のみでこう、ひたすら思うところを綴っていこう、と、決めたテーマが『超人考』になります。
本題に行くまでに5000字使ってしまった。
あと割と私さくらさんに詳しくないので、時系列とか事実関係とかは割とフワッとしてますが悪しからず。


かなり雑に言ってしまえば、とりわけ日本において、プロレスが興って以来、プロレスラーは“超人”でした。
そもそもが神事である相撲界に身をおいていた力道山を祖に、相撲文化の名残を残しながら、デカくて強い外国人を相手に奮闘する。
もちろんプロレスは表象の空間であるので、プロレスラー(の属性)に自身を投影し、集合的沸騰に埋没するわけですが、それぞれのプロレスラーはそうした大衆の理想を体現する“超人”として、リングに立つ。
“とりわけ日本においては”と申し上げましたが、別に海外だからといってその構造が変わるわけではなく、“マッチョマン”ランディ・サベージや、アルティメットウォリアー、ハルク・ホーガンらが絶大なる人気を誇り、“墓掘人”アンダーテイカーの事実上の引退に多くのレスラー、ファンから敬意が払われたことは記憶に新しいところです。
一方で、WWEにおいてはなんとなく“人間”の台頭が早くから見られた気がします。
代表格は(個人の見解ですが)“ストーンコールド”スティーブ・オースチン。
もちろんプロのレスラーですから、鍛え上げられた肉体を誇るわけですが、しかし前述のレスラーたちのような圧倒的な肉体を誇ったわけでもなく、いくつかの団体を流転した彼が世界最高峰にたったのは…“一般人”との対立。それも、オーナーたるビンス・マクマホンという…大概に怪物ではありますが、それでも本来プロレスラーではない一般人…への、徹底的な、反逆でした。
WWEは“アティテュード”と呼ばれる、人間ドラマを主軸とした方向性でさらなる急成長を遂げるわけですが、一方で。
日本においては(やっぱり個人の見解ですが)、プロレスは、超人のものだったように思います。…具体的な事例を挙げると余分な誤解を与えそうですし、私もこの時期のプロレスあんまり詳しくないのでアレですが…IWGPヘビー級王座にボブ・サップが君臨したのが、その一端でしょうか。
それはボブ・サップが人気先行だったとかプロレスがどうとかいう話ではなく。
デカくて、いかにも強そうで、でもちょっぴりコミカル……例に挙げといて自分で否定するのも何なんですが、ああ、なるほど、この頃から“超人”は成立しなくなってたんだな…な“ビースト”は、やっぱりそれはそれは象徴的だったのではないかな、と。


さて、さくらさんです。
さくらさんはチョコトーークの中で「怒られた」という話を何度も、それはそれは何度も仰っています。
怒られた話は大体挙げていくとたぶんこんな感じ。たぶんもっとあるかも。
・さくらえびキッズ・真琴のデビュー・インターネット配信団体旗揚げ・マッスルビーナス
今となってはキッズレスラー的な存在も、デビュー時点ではまだまだできることの乏しい選手もあり得ることでしょうし、インターネット配信はそもそも今のプロレス界を支えるプラットフォームの一つだし。映画連動の形で多くの女優が選手としてデビューすることになったマッスルビーナスに関して言えば、藤本つかさ、志田光、松本都という三人を輩出したことをかんがえれば、どれだけの…なんだろう。プロレス界への影響だったのかは言うまでもなく。
しかしまあ、これらの試みが行われていたのは2002年とかから2011年とか。“先駆的”といえば聞こえはいいけれど、多くの“炎上”が生まれる現代SNS社会と比しても、おそらくは少なくないより直接的な批判が届いたであろうことは想像に難くありません。
というか、よく怒られたの一言で済ませられますねさくらさん。


そもそもの起点にあるのは、おそらくは、“アクション体操”。
ごくごく普通に体育が苦手なお子様や運動の苦手な様々な年代の方を対象に開講されていた、さくらさん主催の体操教室。
“他のスポーツは学校で触れる機会があるのに、どうしてプロレスは学ばないのだろう”
どこかの段階でこんなことも仰っていたようないないような。細かいところ間違ってるかもしれないけれど。
そこで行われていたのは、プロレス的な動きに別のネーミングを与えてみたり、プロレス的なトレーニングを一般的な“体操”に分解し、置き換えた体操。
“普通の人”が(競技としての)プロレスに触れる機会の提供。
…これも多分、“超人”のプロレスの、解体の一端。


とはいえ、さくらさんは別にプロレスを…いわば私が勝手に呼んでる“超人のプロレス”を、別に壊そうだとか否定しようだとか、そういう話ではおそらくない気がしていて。
さくらさんはかねてより自身の望む理想の女子プロレス団体を宝塚歌劇団に形容していたように思います。少女達が高い関門を乗り越えて、長い下積みと厳しい研鑽の果てに築かれる、綺羅びやかな世界。ある意味では選ばれし者の、超人の世界。
でもたぶん、理想を理想どおりにいきなり作ることはできない。
そこで出来上がったのが…誰もがプロレスに触れることのできる世界。今の誰でも女子プロレスに繋がる、全ての人間にプロレスラーになる可能性を開放する世界。


我闘姑娘時代、おそらくは“選手1号”と呼べる存在だったのはRay選手だったのかなあと思います。元々はフィットネスインストラクターをされていたというRay選手のその身体能力と抜群の運動神経に目をつけ、“プロレスやらない?”と誘った…的な話をどこかで見聞きした記憶があります。
そうして開かれた扉からは、次々とプロレスラーが生まれました。
小学生、中学生、高校生、大学生、専業主婦に社会人、すでに人前に立つ仕事をしている人や、一度はプロレスラーの道を諦めた人、とにかく、“プロレスをやってみた”という人は誰でも。
開かれた扉から輩出されたプロレスラーたちは…(さくらさんの手を離れながらも)プロレス界で、そして世界で、現在も活躍を続けています。


個人的な見解ではありますが、別にさくらさんは何も悪いことをしたわけでも、特別なことをしたわけではないのだろうと思います。
ただ、普通のことを疑問に思い、普通のことが普通でないことを疑問に思い。プロレスに、普通を持ち込んだ。
…いや、まあ。もしかしたらそんな大げさなことでも本当はないのかもしれないし、もしかしたら、もっと深刻に“怒られた”のかもしれない。
でも事実。
さくらさんから指導を受けたりした選手は多分3桁くらいになり、もはや“孫弟子”とも言える世代もたくさん存在。その個々の活躍については、もはや枚挙にいとまがない。(競馬好きの私と私の兄は影でさくらさんを“女子プロレス界のサンデーサイレンス”と呼んでる)
18歳を迎え、高校を卒業したくらいのころでしょうか。なんかのタイミングで、さくらさんが里歩選手を“普通の女の子”という形容をしていた気がします。そしてまた、里歩選手当人もご自身について“普通”とか“普通っぽい”という形容をよく用いているように思います。(そして世界から“普通”のハードルを上げるなという嘆きの声が聞かれる。)
事実、里歩選手は本質的にはたぶん、普通。体格も大きいわけではなく、運動神経もよくて機敏ですが特別身体能力が高いということもなく、目立ったスポーツ歴や実績があるわけでもなく。でも、8歳からプロレス的なものに触れ、プロレスラーとしてデビューを果たしたこと。そして、続けて今に到ること。また、続けていく中で顕になっていった、ある種の天性。
それが、一人の少女を…“ELITE”に。ある種の、超人にした。
“怒られた”先に、さくらさんは2009年、6年間“該当者なし”が続いていた女子プロレス大賞を受賞。
低迷下にあった女子プロレス界に、一つの道筋を示しました。


…なんといいますか…
それでもやっぱり、さくらさんは“超人”側の人間な気がします。少なくとも、というか少なからず(まるで言葉を選ばなければ)普通じゃない。
思い出されるのは、佐藤光留選手の言葉。
「“プロレスでハッピー”って言ってるのに、さくらえみ自身が全然ハッピーじゃない」
この言葉をいつ耳に(目に)したのかもまた思い出せませんが、しかし妙にしっかりと脳に刻み込まれた状態で生きていて、2017年10月1日。
その時の様子を、ネットプロレス大賞2017の投票記事として下記にここでも記してます。
ネット・プロレス大賞2018では、ちゃんと投票内容についての文書も予め考えておこう、そうしよう…【最優秀タッグ】1位リアル・ノーフィアー(高山善廣&男色ディーノ)2位みらクりあんず(中島翔子&坂崎ユカ)3位ことりほ(里歩&「ことり」)例年この部門もあまり自分の中で投票基準が定まらず、結構流動的に決めることが多いのですが、2017年、1位はわりと早めに決めてました。高山善廣&男色ディーノの、リアル・ノーフィアー。DDTに参戦以来、なんとなく役割が宙ぶらりんだなあと思っていた“帝王”高山善廣が、DDTの象徴・男色ディーノとの抗争を経て、手を結んだことで全くすきの無いタッグチームが出来上がり、“これしかない!!”と諸手を上げて喜びました。高山選手の試合ぶりにムラを感じることもありましたが、ことディーノとのタッグについ...ネット・プロレス大賞2017③[最優秀タッグ、最優秀興行]

当該部分を以下抜粋します。
※ ※ ※ ※ ※
2位の投票はまさかの市ヶ谷。10.1我闘雲舞は、事前にサムライのカメラが入る旨予告があり、何かの発表ごとの予感を抱いての観戦でしたが、それはそれとして、どの試合もえらく盛り上がりました。
が、座談会が一段落したところで、さくらさんが語り始めます。
「昨年40歳を迎えまして、記念興行としてたくさんの方に祝って頂いて…」
「母の病で実家に帰る機会が多くありましてですね。その中で、地元の同級生と会う機会がございまして。皆には内緒にしていたんですが、ワタクシさくらえみ、お付き合いしてる方がいました!」
“おお〜〜〜!”
レスラーの私生活独白でメッチャ盛り上がる市ヶ谷。これはもしかして。
「“さくらはモテない、結婚できない”とか言われながらも、内心“へへ〜ん”って余裕をもって過ごしていました。私、10月4日が誕生日なんですが・・・
誕生日を前に!!」
“おおっ!?”
「さくらえみついに!!」
“おおっ!!?”
「・・・ フ ラ レ ま し た ! ! ! 」
“エエエエエエエエエエエエエエ!?”
・・・このためだけにサムライのカメラを呼んださくらさんは何かの天才だと思います。
※ ※ ※ ※ ※

このとき同時に“誰でも女子プロレス”創設の計画を発表、思いつきだろうと思いきやその思いつきをすぐ行動に移し、結果、駿河メイがダレジョ生え抜き1号としてデビュー。杏ちゃむ、梅咲遥、マドレーヌ、そして新人6人一挙デビューにまた繋がっていきました。
ああ、この人はたぶん、なにかに。
限りなく“魔”的な何かに幸福を捧げて、プロレスの、女子プロレスの発展に尽力してるのでは…


えー
書きたいことをまるで全部書けたわけでもないのですが、ここでこのgooブログの文字数制限がやって参りました。というわけで迎えるさくらさんの25周年。翌日の自分の誕生日を休みにして楽しむ準備は万端。
さあ、みんなで盛大に祝いましょう。

原口と毛利

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野球が好きです。
プロ野球が好きです。
でも学生野球…特に高校野球は(学生の努力を搾取する構造が)好きじゃありません。


野球漫画が好きです。
やっぱりどちらかと言えばプロ野球漫画が好きです。
でも、漫画なら高校野球もなんとか許容します。
中でも、『H2』という野球漫画が、好きです。


『H2』は週刊少年サンデーで連載されていたあだち充による作品。
ファーストネームが“H”で始まる、国見比呂、橘英雄、雨宮ひかり、古賀春華の4人を中心とした人間模様とともに、比呂と英雄、親友同士である二人の“HERO”の対決を主軸に描かれた全34巻。
あだち充の野球漫画といえば『タッチ』を思い浮かべる方も多いかと思いますが、個人的にはこちらの作品が野球色が濃かったり、また、周辺の登場人物も魅力的に写って好きな作品です。
さて。
私がこの作品で好きな登場人物に、雨宮高明という登場人物がいます。
この方はヒロインの一人である雨宮ひかりの実の叔父であり、敏腕のスポーツ記者として描かれ、また一方で、橘英雄と国見比呂、二人のヒーローの間で揺れ動く雨宮ひかりの心情に寄り添う存在として作中で描写されています。
どう考えても主要キャラクターではない高明おじさんですが、この登場人物の関わる2つの場面が、とても印象深いところがありまして。


主要登場人物たちが迎える高校生活2回目の夏。
夏の甲子園予選で2度目の登板となり、強打の打線を誇る強豪・石商を対戦相手に迎えた国見比呂。
幼馴染の実質的に初めてとなる高校野球表舞台登場を観戦にきた雨宮ひかりは、叔父でありスポーツ記者である雨宮高明から「バイトだ」と、原稿用紙を渡されます。
“バイト”の内容は、国見比呂の人となりについて記事を書くこと。
叔父に憧れスポーツ記者を志す雨宮ひかりは「どうせ載らないかもしれない」と執筆を一旦は渋ります。
それに、雨宮高明はこう答えました。
「載せるかどうか決めるのは俺じゃない」
「書きたいから書く。読ませたいから書く。それだけだ。」


沢山の言葉、沢山の場面が描かれた漫画の中にあって、おそらくは話の本筋には概ね関わりのないこの言葉。
しかしこの言葉は…こうしてブログに、のみならず。何かを語りたくて、何かを伝えたくてどうしょうもなくなる衝動を肯定されているようで。
Twitterに写真を上げたり感想を書いたり、タイムリーじゃないけど思いついたり、割と時間をかけて考えてたことについては、ブログでまとめて文章にしたり。
個人的には、何かのかたちで言葉を残す、その意義として。念頭に置いている言葉です。漫画の1場面に過ぎず、またまるで本題ではないんですが、とても大事に思っている言葉。


そして雨宮ひかりと雨宮高明、二人が登場するエピソードとして印象深いものが、もう一つ。
この話がどの文脈で出てきたかは忘れてしまったのですが、二人がおそらくはプロ野球の取材(何故ひかりがいるのかは謎)中、囲み取材を受ける球界のエースピッチャー・原口をスタンドから眺めていると、雨宮高明はもう一人、スタンドにいる人物に目をつけます。
「毛利だ」
「誰?」
「知らないか。入団した時は話題になったんだけどなあ。」
雨宮高明曰く、毛利は原口とライバル関係にあった投手であり、原口が西武ライオンズっぽいチームに、毛利は千葉ロッテマリーンズっぽいチームに指名されそれぞれプロの世界に進むことになりました。しかし原口が球界を代表する選手となった一方で、毛利はプロの世界で活躍することができず、現役を引退。グラウンドで険しい表情で囲み取材を受ける原口とは対象的に、一見すると“冴えない”様子に見える風体ながら、穏やかな表情で、おそらくは自身の子供を連れて佇んでいました。
雨宮高明曰く、原口と毛利の違いは、一点。
「得意球のシュートのキレも同じ」
「ボール1個分」
「ただ一点…原口の方がシュートを、ボール1個分打者の懐に投げられた」
「それだけなんだよ」
「球界を代表する投手と、彼の違いは…」
直後、雨宮高明は若手記者時代に一度取材しただけの毛利から「雨宮さんですね?一度いい記事を書いてもらった記憶があります。」と、直接挨拶され、“ボール1個分懐に”飛び込むことで生じる差は、プロフェッショナルの世界に生きる以上、記者にも同様のことがいえる…というようなことを示唆するエピソードとしてまとめられます。
…記憶をなぞって書いてるので細かい台詞や文脈がちがうかもしれない。
早くKindleで電子書籍化しろ下さい。


さて。


私が大体ここでアレする感想文は、概ねプロレスの話。
そして長い長い前フリでしたが…この“原口と毛利”のエピソードを思い出すとき、個人的に、あくまで個人的に、ではありますが、思い出されるのは二人のプロレスラー。
一人は“ゴールデン☆スター”飯伏幸太。
そしてもう一人は…
円華。
現在のインディペンデントジュニアヘビー級王者・新納刃。


先に念を押しておくのならば、私個人、新納刃が飯伏幸太に劣っているとは思っていません。
“原口と毛利”を引き合いに出しましたが、明確な差…“ボール1個分懐に”…というようなものも、ない。
ただ。


7月12日。
この時すでに6度の防衛を果たしていたインディーJr王者・石井慧介から直接ピンフォールを奪った新納刃は、珍しく。マイクを手にしました。
「インディーJr…ベルト、どこにあるの?
…石井ちゃんさっき、(挑戦表明した朱崇花の前に)持ってくるの忘れてたじゃん」
「インディーJrのベルト、飯伏幸太vs円華で復活させて、飯伏が獲って…そこが頂点ですよね。」
「その一端を作ったのは誰でもない…
僕なんですよ。」


普段、その心情をまるで覗かせない、ある種とらえどころのない新納刃が、一本のベルトを契機に垣間見せた、胸の内。
新納刃は石井慧介に対して、実に変則的な心情で挑戦を表明し、「勝ったら、封印」「飯伏なみのスーパースターが出てきたら、復活」を宣言し…
7.26ガンバレ☆プロレス板橋大会。
あまりにも見事な試合運びで、王者・石井慧介をランヒェイで破り、およそ4年ぶりにガンプロからインディーJrのベルトが動くこととなりました。
封印を宣言していた新納刃はリング上では何も語らず退場。しかし先に決まっていた朱崇花の挑戦は受ける意向を示し、8.22。つまり、明日。
インディーJr王座封印を賭けた、タイトルマッチを迎えます。



この感想文は個人の感想を書くために立ち上げています。だから、欲を言えば、という話を書きます。
私は引き続き、“王者・新納刃”が、みたい。
ガンプロファンですが、場所もガンプロにこだわらない。
このベルトを片手に今まで通りどこに顔を出すかもわからない、捉えどころのないままに。
プロレス界に蔓延る数多の手練。そうした選手たちと戦う、新納刃がみたい。
それは、挑戦者である朱崇花選手がベルトにふさわしくない、という意味ではありません。
むしろ新納刃が一つ条件とした「飯伏なみのスーパースター」に、最も合致している選手の一人である気がしてなりません。
が。それでも。
自身が主体的に全面的にスポットを浴びることを望んでるかどうかはわかりません。
それでも。
“プロレスラーという看板を降ろす”という宣言をしてなお、リングに上がるたびに全く異なる色合いをみせる、万能かつ変幻自在のプロレスを、ベルトの懸かった試合ならではの濃度のままに。
どこまでも堪能したい。


“原口と毛利”を引き合いに出し、結局何が言いたかったのかはちょっと迷子です。
でも僕がプロレスにまだ対して詳しくなかった日々の中、たまたま点けたGAORAで目の当たりにした、円華と飯伏幸太のインディーJrのベルトを巡る争いは、とてもとても、今でも記憶に残るほどに鮮烈でした。
そして同時に、端正な顔立ちと仕上がった肉体、驚異的なハイフライと鋭い蹴りを得意とする二人は…やっぱり、“同じ場所にいる”二人に見えました。
それからしばらくして、会場でプロレスを見るようになりました。DDTのリングを中心に、飯伏幸太をよく見ました。しばしのち、ユニオンを中心に、円華の試合をよく見ました。それから、友達軍としてガンプロで、あるいはIRON PRIESTの一員としてBASARAで、あるいは、何故かそこにいる人として我闘雲舞で円華…のちに、MAKAI所属となった新納刃の試合を、それこそ一時期は最も見る機会の多いプロレスラーとして、目にするようになりました。
結論は。
どっちも凄え。
…そしてガンプロのインディーJr戦を終えて改めて。
新納刃、超凄え。


それでもどこかで、二人のいわば“立ち位置”を思うとき。
“原口と毛利”のエピソードが頭をよぎります。
だから、願わくば。
そのインディーJrのベルトを以てして、今度は新納刃が作る“頂点”を。
…誤解を恐れずにいえば、“懐一つ分”を補って余りある、頂点を。


願わくば、見てみたい。
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